カラスが夜に鳴く理由とは？迷惑なカラスの対策方法もチェックしよう

カラスが夜に鳴くのを聞いて、不気味だと感じる人もいるでしょう。カラスは夜行性ではないのに、なぜ夜にも鳴くのでしょうか？不吉や災害の予兆とされる理由とともに、本当の理由を見ていきましょう。夜鳴きが迷惑なときの対処法も解説します。

カラスが夜に鳴く理由

体の色やタイミングから不吉を予言するといわれるカラスの夜鳴きにも、実は特性に基づいた理由があります。なぜ人が寝静まった時間帯にも鳴く場合があるのでしょうか？

カラスの起床時間が早いため

夜行性でない鳥は多くの種類が早起きですが、中でもカラスは早く起きます。午前0時ごろに起きる個体もいるほどです。

カラスにとっては起床したタイミングでも、日が昇っていないタイミングであれば寝ている人も多いでしょう。カラスは単純に起きて活動を始めただけでも、人間にとってはまだ夜というパターンです。

またカラスが鳴く時間帯は、その場所に住む人の生活スタイルに大きく左右されているといわれています。人間が生ゴミを出す時間帯に起床するようになり、ゴミをあさるためです。

朝方にゴミを出すエリアと夜に出すエリアでは、カラスが起床するタイミングも変わってきます。

緊急事態を知らせるため

知能が高く仲間同士でコミュニケーションが取れるのは、代表的なカラスの特徴です。緊急事態が迫ると鳴いて仲間に知らせる場合があります。

緊急事態と見なされるのは、「巣が外敵に襲撃されようとしている」「良い獲物が見つかった」というケースです。

カラスが夜に襲われる可能性のある天敵には、フクロウやヘビが挙げられます。夜中巣に近づかれて仲間に危険が及ぶかもしれないとき、鳴いて警告するのです。

郊外や田舎など自然の多い地域であれば、カラスが天敵から群れを守るために夜鳴きをしている可能性が高いでしょう。都心部でも夜中に生ゴミを見つければ、鳴いて仲間を呼びます。

繁殖期で警戒心が強まっているため

動物は繁殖期を迎えると警戒心が強くなるのが特徴です。わずかにでも刺激を与えられると、鳴き声を発して威嚇したり仲間に危機を知らせたりします。

カラスも多くの動物と同じく、繁殖期に当たる春から初夏にかけては神経をとがらせて卵や子どもを守ろうとして夜に鳴くことがあるのです。

カラスはつがいで子育てをしており、特に巣へ敵が近づいたときは2羽が大声で鳴きます。

威嚇行動としては他にも、周囲を旋回して飛んだり止まっている木の枝を落としたりする行動が代表的です。鳴き声の他にも騒がしい音がするときは、繁殖期が原因の可能性があります。

カラスが夜に鳴くのは悪い兆し？

夜にカラスが鳴き声が聞こえると、「何かしら悪い出来事が起きるサイン」と思われる傾向があります。大震災があったときの現象を受けて、地震を予知するともウワサされるほどです。

本当にカラスが夜に鳴くのは不吉や地震の前兆なのでしょうか？悪いイメージを持たれている理由と、地震との関係について見ていきましょう。

カラスの色が不吉なイメージを招いている

カラスに対して人が良くない印象を持つ理由の一つとして、黒色の羽で覆われた体が挙げられます。黒は日本でも海外でも長年、不幸やマイナスのイメージを持つ色という印象がありました。

近年は黒に対する価値観も変わりつつありますが、悪い出来事を連想するイメージはいまだに残っています。実際に日本では葬式に黒いしまの垂れ幕を使う上、喪服は黒が一般的です。

全身が黒いカラスは色のイメージから、不吉を予言するとされる部分が大きいでしょう。特に夜鳴きは外の景色もカラスも黒いため、いっそう不気味・不吉という印象を持たれがちです。

「地震の予兆」という説には根拠がない

日本では「カラスが夜に鳴くと地震が起きる」といったウワサがあります。実際2018年に起きた大阪府北部地震の際は、SNS上で前日にカラス集まって騒いでいたと相次いで投稿されました。

しかしカラスの夜鳴きが地震を予知するかどうかについて、現状はっきりした科学的根拠は示されていません。

地震が起こると予知していたのではなく、たまたま地震の前日に鳴いていた可能性が高いでしょう。

通常カラスは単独行動をしていることが多いため、集団で鳴く様子は頻繁に見かけません。たくさんのカラスが鳴いている姿は見慣れず、不気味に感じる人もいるでしょう。

目を引く光景が地震と結びつけられ、震災の前兆とされるようになったとも考えられます。

カラスの夜鳴きが気になるときの対処法

カラスの夜鳴きは本来の性質によるものが大きいと分かりました。しかし夜に大きな鳴き声を発されると、睡眠不足をはじめとした影響に悩まれてしまいます。

個人でできる手段として、どのような対処法が効果的なのでしょうか？カラスの特性に基づいた方法を3つ紹介します。

深夜にゴミ出しをしない

カラスにとって人間の生ゴミは大切な栄養源です。ゴミ出しのときにしっかり管理をしていなければ、カラスにゴミをあさられてしまいます。

特に夜間のゴミ出しには要注意です。1羽がごちそうを仲間に知らせるため活発に鳴くと、鳴き声が響くだけでなく多くのカラスが集まってきます。

多くの自治体や集合住宅では、ゴミ出しは収集日当日の朝と決められているケースが多いでしょう。

管理体制が整ったマンションでは夜に出しても荒らされないよう工夫されていますが、一般的な家なら朝に出すのが賢明です。

ルールを守ってゴミ出しをしていれば、カラス以外の動物に荒らされたり近隣トラブルの元になる心配もありません。衛生面の安心も考えて基本的に深夜のゴミ出しは避けましょう。

カラスの苦手な音を出す

カラスが苦手とする音を出すグッズを活用するのも、一つの手段です。例えばカラスの大敵であるタカの鳴き声を出すと、寄せ付けないようにする効果があります。

天敵に襲われたときに出すカラスの悲鳴も、カラスに警戒心を抱かせる音として知られています。仲間の襲われている声を聞けば、周囲で危険が迫っていると認識するでしょう。

他にも銃声や爆発音など、人が恐れる音も効果的です。ロケット花火の音や人間の怒声にも反応する場合があります。

ただ慣れてくると危険がないと分かってしまう可能性は考えましょう。深夜の大きな音は周囲の住民に迷惑をかけるリスクもあるため、家の立地や周辺の状況に応じた判断が必要です。

強い光で追い払う

カラスは視力が良く強い光が苦手です。撃退する対策として強い光を当てる方法があります。弱い光では効果がないため、強力な光を放つ懐中電灯がよいでしょう。

特にLED懐中電灯は光が強く電池は長持ちします。カラスの撃退だけでなく、有事の際は防災グッズとしても活躍するでしょう。

ベランダにCDをぶら下げるのも、強い光でカラスを寄せ付けない方法の一つです。ただしCDは懐中電灯ほど強い光を発するわけではないため、効果が弱めと考えましょう。慣れてしまうと効かなくなる可能性もあります。

個人で対処しても不十分な場合

カラスは頭が良く個人で対処しても効果が薄い場合があります。完全に撃退したい場合は、専門業者への依頼を検討しましょう。

個人で対処するのが困難な理由や、業者に依頼する際の相場・ポイントを紹介します。

カラスは勝手に駆除できない

カラスは野生動物であり「鳥獣保護管理法」で保護されています。許可を得ずを勝手に駆除すると、法に触れてしまう点に注意が必要です。

殺傷するだけでなく捕獲も禁止されているため、夜鳴きに迷惑していても選べる対処法が限られてきます。

カラス撃退グッズはホームセンターやネット通販でも売られていますが、必ず追い払えるわけではありません。身の危険がないと分かると慣れてしまい、反応しなくなります。

夜にカラスが鳴いていて深刻な被害を受けている場合は、根本的な対処が必要です。個人での対処法が制限される以上、プロの力を借りるのが得策といえます。

困ったときは業者に依頼

カラスによる深夜の騒音やゴミ荒らしに困ったとき、害鳥駆除の業者に依頼すれば専門的な知識と経験から解決してくれます。

業者にカラスの駆除を依頼した場合の相場は、およそ10,000～20,000円です。ただし状況や巣がある場所によって費用は異なるため、正確な費用を把握するためには見積もりを取りましょう。

適正価格やサービス内容を判断するためには、複数社から見積もりを取るのがおすすめです。金額やサービス内容を比較検討でき、納得のいく業者選定に役立ちます。

ミツモアの見積一括サービスを利用すれば、手間と時間をかけずに複数社からの見積もりを受け取れます。分かりやすく表示された資格や実績も、信頼できる駆除業者を探す手がかりになります。

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カラスの夜鳴きには正しく対処しよう

カラスが夜鳴きするのは良くない出来事が起きる前兆とウワサされていますが、科学的根拠はありません。単純にカラスが起きていたり繁殖期であったりするため、夜鳴きをするのです。

しかし不吉の予兆でないとはいっても、数が集まり夜鳴きが頻繁に続けば騒音になってしまいます。夜に鳴くカラスに迷惑しているときは、撃退法を試す・業者に依頼するなど状況に合わせた対処を選びましょう。

ただ被害を早く収めたくても、許可を取らずに捕獲したり殺傷したりするのはNGです。鳥獣保護管理法に抵触してしまうため、追い払っても効果がないときはプロに任せるのが得策です。