「家の周りに側溝があるけれど、私道ではないので掃除をしたほうがいいのか悩んでいる」このような方も多いのではないでしょうか?
側溝にはゴミや汚泥がたまりやすく、掃除せず放置すると悪臭や害虫の発生源になることもあります。ご近所トラブルにも発展しかねないので、きれいに保ちたいものです。
そこでこの記事では、側溝掃除に関して知っておくべきことをまとめました。側溝掃除は誰がやるべきか、適切な頻度、自分で掃除する場合の手順、業者に依頼する場合の費用について解説していきます。
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そもそも側溝掃除は誰がやるの?自分ですべき?
側溝掃除は主に個人・市役所・自治会のいずれかが行うことがほとんどです。側溝がある場所によって、誰が掃除すべきなのかが変わります。
側溝のある場所 | 掃除をする人 |
私道に面した側溝 | 個人 |
公道の側溝のうち主要道路付近のものや重要度の高いもの | 自治体 |
公道の側溝のうち主に住宅周辺のもの | 地域の自治会 |
個人
まず私道に面している側溝の場合、その道路の所有者が掃除の義務を負います。個人の場合は基本的に自治体の支援を受けられないため、側溝掃除に関する作業すべてを自分で行う必要があります。
また「私道ではない(義務はない)けれど自分の家の前にある側溝」の場合も、自分で行わなければいけないケースが多いようです。ただ場合によっては市役所や自治会が対応してくれることもあるので、一度相談してみるのもいいでしょう。
個人で掃除をするしかないときは、側溝掃除に対応している業者に依頼してしまうのも1つの手です。
市役所などの自治体
市内にある側溝の中でも、主要道路に面していたり深さや幅が広かったりなど、掃除が難しいものに限定して対処することが多いでしょう。
管轄区域にある側溝すべてを自治体が対応するとなると、それにかかる人員や費用の確保は難しいのが現状です。
町内会などの自治会
自治体では対応しきれない側溝、特に住宅周辺の個人所有ではないものに関しては、地域の町内会のような自治会で掃除を行うのが一般的です。
多くの場合は自治体から依頼を受けて実施しているので、何かトラブルや困りごとが発生したときは自治体に相談することになるでしょう。
側溝掃除の適切な頻度は?
側溝掃除は、一般的には半年から2年に1回程度行うのが望ましいとされています。地域の自治会で掃除をしている場合は、定例の掃除時期があらかじめ決まっていることも多いです。
台風や豪雨のあとには土砂や枯れ葉、ゴミが多く流れ着き、一気に側溝が汚れることもあります。頻度にこだわりすぎず、汚れの蓄積が目立つようになったら掃除することをおすすめします。
側溝掃除をしないとどんなトラブルが発生する?
側溝掃除を怠るとさまざまなトラブルが発生します。生活環境が悪化するだけでなく、災害時の被害を大きくする原因にもなりかねません。
具体的にどんなトラブルの可能性があるのか、把握しておきましょう。
悪臭の原因になる
側溝にはゴミや汚泥がたまりやすく、特に湿気が多かったり暑かったりする時期は雑菌が繁殖して悪臭が発生することもあります。
悪臭は近隣トラブルの原因にもなるので、早めの対処が重要です。
害虫が発生する
汚泥やゴミが溜まった場所は、さまざまな害虫の発生源にもなりかねません。具体的には、以下のような虫があらわれる可能性があります。
セアカゴケグモ | 側溝の蓋の裏にいることが多いでしょう。毒を持ち、噛まれると針で刺されたような痛みがあります。
噛まれたら水を流しながら患部の毒を洗い出し、早めに病院へ行きましょう。 場合によっては嘔吐や発熱、呼吸困難に陥ることもあります。特に小児や高齢者は重症化するリスクも。 |
ムカデ | 毒を持ち噛まれると強い痛みがあります。セアカゴケグモと同じ要領で毒を出し、早めに病院へ行きましょう。 |
蚊 | 生い茂った枝葉があると、そこを住処にする傾向があります。 |
ボウフラ | 側溝の水たまりに発生し、成長すると蚊になります。 |
蚊トンボ | 見た目は蚊に似ているものの、血を吸うことはありません。 |
上記の中でもセアカゴケグモやムカデは毒を持っているので、安易に素手で触らないようにしてください。
掃除をするときにも、これらの虫が棲みついていないか注意が必要です。危険を避けるためにも、個人で掃除をしなければならない場合は業者に依頼するのが一番安全です。
台風や大雨で道路が冠水しやすくなる
側溝は雨が降ったときに路面の水を排水する役割を果たしています。側溝にゴミがたまったまま放置しておくと、水の通り道が詰まってうまく排水できず、台風や大雨で降水量が増えたときに水があふれ、道路が冠水する恐れがあります。
またゴミが排水とともに海や川などに流れ、それを食べた魚などが消化不良を起こし生命に悪影響を及ぼすことも。海や川の汚染原因にもなります。
側溝掃除を自分で!やり方や手順・必要な道具を解説
自力で側溝掃除をしなければならないときは、どんな道具を用意して、どのように作業を進めれば良いのでしょうか?
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側溝掃除に使用する道具
側溝の掃除をするときにあると便利な道具を挙げます。
必要なものをすべて用意すると結構な出費になります。毎日おこなう掃除ではなく、保管場所もとるので、いっそのこと業者に依頼してしまうのも1つの手です。
軍手 | 滑り止め付きで厚手のものを選びましょう。蓋など重い物を持つ時に手が滑りにくくなります。 |
ゴム製手袋 | 水分のある汚泥に触っても手がぬれずに済みます。 |
安全靴 | 防水タイプを選ぶと足がぬれる心配がありません。 |
土嚢(どのう)袋 | 取り除いた汚泥を入れておくためのものです。汚泥の重さに耐えられるような強度の高いものがおすすめ。地域によっては個人で側溝掃除を行う場合に、土のう袋などを無料で提供してくれるところもあります。自分で買う前に市役所に確認するのがおすすめです。 |
土のう袋スタンド | 汚泥の重さで土のう袋が倒れて中身がこぼれるのを防ぎます。汚泥を入れる時に土のう袋を支えてくれる人がいない場合に便利。
おすすめは「ミツル 土のうスタンド mizru11」(4,098円)です。土のう袋の口が大きく開くよう設計されており汚泥を入れやすいでしょう。 |
スクレーパー | 蓋などに固まって付いた汚泥を剥がすための道具。ヘラのようなものがあればOKです。 |
大型角スコップ | 先がとがったものより角のほうが一気に汚泥をすくえて便利です。 |
ジョレン | 汚泥からプラスチックゴミなどの固形物を取り除くのに役立ちます。
おすすめは「Takagi 村国 清掃器 ステンレス小」(1,480円)。サビに強いステンレス製のジョレンです。コンパクトなため側溝の隅の汚泥も取りやすいでしょう。 |
側溝蓋上げ機 | 蓋がグラグラせず、安定した状態で持ち上げられるものがおすすめです。
おすすめは「どぶ太郎君 耐荷重50kg」(7,880円)。側溝掃除を個人で行っている方にも人気の商品です。 |
手順①:蓋の裏や溝などの汚れを取る
軍手をはめて安全靴を履きます。
側溝蓋上げ機を使用し、ゆっくりと蓋を外しましょう。足でつまずかないように、外した蓋は端に避けておきます。
大きく固まった汚泥は大型角スコップ、溝など狭いところはスクレーパーを使用すると汚れが取りやすいでしょう。
手順②:側溝の中のゴミや汚泥などをすくう
軍手をゴム製手袋に変えたら、ジョレンで汚泥の中からプラスチックゴミなどの固形物を取ります。残った汚泥は大型角スコップですくいましょう。
水分を含んだ汚泥は重さがあるため、すくう時は腰などに負担がかからないように注意してください。膝を軽く曲げながらすくうとよいでしょう。足は肩幅に開きしっかりと力を入れましょう。
手順③:汚泥やゴミを乾燥させ、土嚢(どのう)袋に入れる
汚泥やゴミを平らに伸ばすようにしておくと、日光や風に当たって水分が蒸発しやすくなります。乾燥させると軽くなり、土嚢袋に入れた時に持ち運びやすくなります。
土嚢袋は事前に土のう袋スタンドにセットしておきましょう。
手順④:蓋を元通りに戻す
指を挟まないように注意し、ゆっくりと蓋を閉めます。
側溝掃除後はゴミが入らないように金網やネットを張っておくとよいでしょう。100均で売られている餅や魚焼き用の網も、代用品としておすすめです。
手順⑤:汚泥の処理をする
最後に、集めた汚泥の処理をします。側溝掃除で出た汚泥は「産業廃棄物」として扱われ、一般ごみとして処分してはいけないことがあります。
自治体によって対処が異なることがあるので、町内または個人で掃除をしたあとの汚泥の処理は、念のため管轄している自治体に相談しましょう。
側溝掃除中のケガは保険が適用されることも
傷害保険に加入している場合、以下のような理由でケガをしてしまった際に保険が適用される可能性があります。詳しくは保険会社に確認してみてください。
- 急激(突発的)
- 偶然(予知が不可)
- 外来(身体外からの作用)
側溝掃除は業者に依頼するのがおすすめ
ある程度広範囲の側溝掃除となるとかなり大変な上、必要なものをそろえるのにお金がかかります。ですから基本的に、側溝掃除は業者への依頼がおすすめです。
便利屋や水回りの専門業者、産業廃棄物処理業者、下水道・土木工事業者など、さまざまな業種のプロが側溝掃除を請け負っています。
業者に依頼するときの費用
側溝掃除を業者に依頼する場合、合計で約35,000~85,000円が相場です。
側溝掃除で使用する道具や、発生する費用はさまざま。例えば以下のような項目で費用がかかります。
- 作業員の人件費(人数が増えるほど高額に)
- 掃除作業費用(時間や規模による)
- 高圧洗浄機の使用にかかる費用
- バキュームカーの使用にかかる費用
- 汚泥処理費用
- 産業廃棄物処理費用
さらに当然ですが、掃除する側溝の範囲が広くなるごとに金額は上がります。
「大規模な掃除でたくさんの作業員が必要、かつ高圧洗浄機やバキュームカーを使う」といった場合は、相場よりも高くなる可能性があります。
側溝掃除をしてくれる業者をミツモアで探そう
側溝掃除には定価がなく、依頼する業者によって費用が異なります。
そのため複数の業者から見積もりをもらい、比較して決めるのがおすすめ。こうすることで適正価格が分かり「高すぎる業者に依頼してしまった」ということがなくなります。
「とはいえ複数社から見積もりを取るのは面倒」という場合は、ミツモアを利用してみてください。ミツモアはお探しの地域や希望の条件を入力するだけで、最大5件の業者から見積もりが取れるサービスです。
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