吊り上げを必要とする家具の搬入作業は、専門業者に依頼することが必要です。一般的には本棚、ベッド、ソファ、マッサージチェア、ピアノなどを運ぶときに、「玄関ドアから入らない、廊下を曲がれない、階段の天井に引っかかる」ことがあります。
その際は家具や家電を2階まで吊り上げて、2階のベランダの窓から室内に運びます。ただし、家具の吊り上げ搬入の費用は、建物や業者、家具によって、方法と費用が異なります。吊り上げ業者に依頼する際の費用相場や注意事項について、事前に押さえておきましょう。
家具の吊り上げ搬入にかかる費用相場
家具の吊り上げは、主に人力で行う方法と、クレーンやはしごなどの機械を使う方法の3種類です。それぞれの方法について解説します。
方法 | 費用 |
人力で吊り上げる方法 | 1万円~ |
クレーンを使って吊り上げる方法 | 2万~5万円 |
荷揚げ機(昇降機)で吊り上げる方法 | 3万~5万円 |
人力で吊り上げる方法
吊り上げ搬入方法の1つは、ロープで固定した荷物を人力で引っ張り上げる方法です。上階と下階にいる作業員が協力し、荷物を下から上にゆっくりと引き上げます。
人力で吊り上げる方法のメリットは、作業スペースを取らないので、狭いスペースでも作業が可能なことです。作業は人力で行い、クレーンのような特別な道具が不要なので、吊り上げ作業の中で最も料金を安く抑えられます。費用相場は1万円からが目安です。
人力での吊り上げは特殊な技術を要するため、吊り上げ搬入に対応している業者は、多くありません。人力での吊り上げを希望する場合は、業者が対応しているか確認する必要があります。また人力で荷物を引き上げるため、3階以上の高層階に対応できない点は注意が必要です。
クレーンを使って吊り上げる方法
クレーンを使う方法は、特殊なクレーン車を使うため、人力では対応できない高層階への運搬が可能です。使用するクレーン車の種類は、吊り上げる階層によって異なります。
クレーン車を使用する際は、道路を占有する許可や作業場所の確保など、事前準備が必要です。また北向き住居で電線がある場合のように、条件によってはクレーン車による作業が、行えないことがあります。
吊り上げ費用にはクレーン車の使用代が含まれるため、他の方法と比較すると高額で、費用相場は2万~5万円です。使用するクレーン車の種類により、料金は変動します。大型冷蔵庫など重量があるものは、別途追加料金が発生するケースがあるので、注意しましょう。
荷揚げ機(昇降機)で吊り上げる方法
電動はしごの荷台に対象の荷物を固定し、電動で上へ運ぶ荷揚げ機を使った方法もあります。荷揚げ機を使った吊り上げ方法は、一般的に2階までに対応しています。
電動はしごが固定できるスペースを確保できればよいため、作業スペースを取らない点がメリットです。クレーン車が入れないような狭小地でも対応可能なので、クレーン車での搬入が難しい場合でも対応できるケースもあります。
荷揚げ機は特殊な機械なので、持っている業者が少ない点がデメリットです。荷揚げ機による吊り上げは、業者によって費用の幅がありますが、3万~5万円が相場です。事前に見積もりを取って確認しましょう。
家具の吊り上げの依頼先はどこに頼む?
家具の吊り上げが初めての場合、どこに依頼すべきか迷うでしょう。吊り上げに対応している業者について解説します。
家具を購入した店で対応可能な場合も
家具の吊り上げ搬入が可能な業者を探す際、専門の業者を探す人も多いでしょう。大型家具や家電を扱っている店では、専門の配送業者と提携しているケースが多く、購入店で対応可能なことがあります。
購入した店であれば、購入者サービスの一環で、通常の配送料よりも安くなるケースもあります。まずは購入した店に問い合わせることがおすすめです。配送はしていても、吊り上げにまで対応している業者は少ないため、事前に対応の可否を確認しましょう。
作業できる引越し業者や便利屋を探す
引越し業者や便利屋は、大型家具や家電の吊り上げ搬入に対応しているところがあります。ただしほとんどの場合、対応しているのは人力による吊り上げです。
クレーン車を使う吊り上げは外注しているケースが多く、料金設定には幅があります。吊り上げ搬入は引越し作業と同時に行うのが一般的ですが、吊り上げ作業だけを別に依頼することも可能です。
吊り上げに対応している業者によって、作業費用に幅があるため、事前の見積もりは必須です。
家具の吊り上げ費用を安く抑えるポイント
吊り上げ作業には、人件費やクレーン車の使用代などで、費用がかかります。吊り上げ費用を安く抑えるポイントについて解説します。
1. 割高料金の引越しの繁忙期は避ける
3・4月は引越しをする人が多いため、引越し業者の繁忙期です。この時期は引越し費用も通常より高めに設定されていることが多く、吊り上げ費用も高めになります。
さらに繁忙期は連日予約で埋まるほど混み合うので、この時期の値引きは業者も前向きではありません。吊り上げ費用を安く抑えたいなら、引越しの繁忙期は避けることが賢明です。
賃貸物件の契約期間の期限は月末が多いため、引越しは月末に集中する傾向があります。月の初旬から中旬にかけては、引越しの予約が比較的少なく、平日は特に狙い目です。
2. 作業時間を吊り上げ業者の都合に合わせる
吊り上げ作業には作業員や使用する道具の手配など、事前の準備を要します。1日の限られた作業時間を、1件の吊り上げ作業だけに費やすのは、業者としては効率が悪い状態です。
作業時間を業者の都合に任せることで、業者は他の引越し作業の合間に効率よく作業できるため、時間や準備の大幅な短縮が可能です。吊り上げ作業の費用を割引してもらえるケースもあるので、時間に余裕があるなら一考の価値があるでしょう。
3. 複数の吊り上げ業者から見積もりを取る
吊り上げ作業には費用がかかります。特にクレーン車を使う吊り上げは高額になるため、業者側からすると、契約を取りたい仕事の1つといえるでしょう。
そのため吊り上げ費用を少しでも安く抑えたいなら、複数の業者から見積もりを取ることが重要です。複数の業者のサービスを比較検討できるだけでなく、価格競争が生まれ、費用の値引き交渉がしやすいメリットがあるからです。
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家具の吊り上げを業者に依頼するときの注意点
吊り上げ作業を業者に依頼する際には、吊り上げ搬入の特性から、事前に確認するべき事項があります。主な2点について解説します。
荷物が吊り上げに対応しているか
吊り上げを行いたい荷物に、業者が対応しているかの確認は必須です。吊り上げが必要な家具や家電は、ピアノ・大型ベッド・冷蔵庫・洗濯機など、分解できないものが一般的です。これら全ての吊り上げに、業者が対応しているとは限りません。
ピアノを吊り上げ搬入する場合は、ピアノ運搬に対応している業者かを確認しましょう。特にグランドピアノは重量があるため、人力による吊り上げが可能でも、別料金がかかるケースもあります。
業者によって対応内容が異なるため、まずは荷物の対象範囲を確認することが大切です。
吊り上げる場所を確保できるか
クレーン車を使った吊り上げは、他の方法と比べて作業場所が必要になります。建物の前に十分なスペースや道路の幅がないと、クレーン車が入れないため作業ができないからです。
クレーン車が搬入場所の下に入れないと、荷物をそこまで台車で運んだり、人力で吊り上げたりなど別の作業が発生します。
クレーン車で吊り上げをしてもらうつもりでいても、建物の立地条件などによって、断られることがあります。そのためクレーンを使った吊り上げは、業者による下見が必須です。
家具の吊り上げ搬入を依頼するときは事前の見積もりが大切
家具の吊り上げ搬入を検討する際は、吊り上げに対応している業者から、見積もりを取ることが大切です。家具の大きさや種類、さらに建物の構造や周辺環境などにより、吊り上げ方法が異なってきます。
希望する吊り上げ方法が状況によっては、対応不可の場合もあるため、見積もり時は業者による現地調査が必須です。対応可能な複数の業者から見積もりを取り、条件に合う業者を選びましょう。
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