芝生の敵、チチコグサをもっと知る！評判の良い除草剤はどれ？

チチコグサは生命力が強く、とても繁殖しやすい雑草です。せっかく庭に芝生があっても、チチコグサが繁殖してしまうと台無しになってしまいます。チチコグサにおすすめの除草剤や正しい除草処理の仕方を知り、発生するのを防ぎましょう。

チチコグサはどんな植物？

芝生などにも生えて気が付くと繁殖してしまうチチコグサは、非常に厄介な雑草です。正しく駆除するために、まずはチチコグサの特徴を知っておきましょう。

チチコグサがどのように生える植物なのか、どこに発生しやすいのかなどを紹介します。

キク科ハハコグサ属の多年草

チチコグサはキク科ハハコグサ属に属する繁殖力の強い雑草です。葉や茎の表面に白みをおびた毛が生えている多年草で、毎年花をつけ綿毛を飛ばして遠くの場所にも増えていきます。

春から秋にかけて地味な茶色の花をつけますが、開花する前は草丈の低い葉がロゼット状に生え、芝などに隠れて目立ちません。

目立たないがゆえに、気付いたときには大量に繁殖してしまうことも珍しくないため、非常に厄介な雑草といえるでしょう。

地面を這うように茎を伸ばす

チチコグサは地上に茎を伸ばしていく雑草で、茎から根を出して育ちます。地面に這うように、かたまって繁殖することが珍しくありません。

育った草丈は10cmほどですが、10cmに満たない小さなものも花をつけるため駆除が面倒です。

また茎を地中でまっすぐ伸ばしていくため、駆除するときに地表面の葉や茎を摘み取っても、根を取り除かないと繁殖してしまいます。

日本全土に分布している

チチコグサは日本の在来種として全国的に分布しています。土壌を選ばず、芝生やひび割れたコンクリートの隙間などにも生える生命力の強い雑草です。

日本の他には中国や朝鮮半島、台湾などによく生えています。他の種類には外来種のものがあり、同じ在来種としては「ゴギョウ」とよばれるハハコグサが有名です。

ひとつの場所にいくつかの種類が生えていることもあるため、観察してみるとよいでしょう。

特徴的な名前の由来や花言葉は

聞きなれないチチコグサという名前には、どのような由来があるのでしょうか。チチコグサの特徴的な名前に込められた意味を紹介します。

また5月後半ごろに咲くチチコグサの花につけられた花言葉の意味も、あわせて見ていきましょう。

ハハコグサに対して名付けられた

チチコグサの名前は、似た見た目のハハコグサに対してつけられました。黄色い花が咲くハハコグサに対して、茶色の花で華やかさのないチチコグサを、人間の「父親」と「母親」に当てはめて名付けたのです。

ハハコグサは白い綿毛のつく様子が、子どもを抱く母親のように見えることから名付けられました。チチコグサとハハコグサは開花する前は似たような見た目ですが、花の色などが異なるため開花後は一目瞭然で区別ができます。

チチコグサが多年草で這うように生えるのに対して、ハハコグサは花が咲いた後は枯れてしまう一年草で、這うようには生えません。

花言葉は「父の愛情」

チチコグサの花言葉には、その名前のとおり「父の愛情」というあたたかな意味の言葉がつけられています。

これらはハハコグサの花言葉である「無償の愛」や「永遠の想い」「いつも思う」などの花言葉と対になっています。

名前だけではなく花言葉の意味も夫婦のようですが、ハハコグサに比べて花言葉の数は少なめです。

チチコグサとよく似た雑草とは

チチコグサに見た目がよく似た雑草は、ハハコグサ以外にもあります。どのような種類の植物があるのかチェックしてみましょう。

またチチコグサは在来種ですが、以下で紹介する雑草は外来種です。どのような違いがあるのか、葉の形や色、花の姿など見つけたら観察して比較してみるとよいでしょう。

チチコグサモドキ

チチコグサモドキは、その名のとおりチチコグサに見た目がよく似たキク科ウスベニチチコグサ属の雑草です。チチコグサと同じようにロゼット状に生え、葉の大きさや茎なども似ています。

在来種のチチコグサと比較すると、チチコグサモドキは北アメリカが原産の外来種で、1～2年で枯れる一年草です。花の色も異なり、ピンクや紫のような色の花をつけます。

葉や茎、または葉の裏側に白い綿毛がつき、夏から秋にかけて生えて冬を越す植物です。

ウラジロチチコグサ

ウラジロチチコグサは名前が表すとおり葉の裏側が白い綿毛でおおわれていて、裏側が白く見える種類です。外来種で南アメリカを中心に生えています。

葉のフチが波打つような形で、光沢が少ないのが特徴です。地面を這うように育ち、高さが20～80cmほどまで大きくなります。

壺のような形の紅紫色の花が咲き、踏まれても枯れない強い生命力で繁殖しやすい種類でしょう。密集したロゼット状に生えるため駆除が難しく、植え込みなどにも侵入する厄介な植物です。

タチチチコグサ

タチチチコグサは葉の形が細長く先がやや尖っているキク科ウスベニチチコグサ属の雑草です。草丈は20～40cmほどに育ち、他のチチコグサと混ざって映えていることが多いといわれています。

南アメリカと北アメリカが原産の帰化種で、日本全国に分布している種類です。白から紫のグラデーションで、先端の部分の色が濃い穂状の花をつけます。

茎や葉の表面、葉の裏側などに白い綿毛が密集し、全体的に白っぽく見えるのもポイントです。花が咲くとロゼットが残らず、他よりも目立つ種類といえます。

チチコグサの処理はどんな方法がいい？

根が地中に深く伸びるチチコグサは、葉や花を摘み取るだけでは駆除しきれない厄介な雑草です。しっかりと根から処理しなくては駆除できないので、手ではなく道具や除草剤を使用して処理するのがよいでしょう。

チチコグサは土を選ばず芝生などさまざまな場所に生えるため、花が咲くまで目立ちにくく、気付いたら大量に繁殖していることが珍しくありません。チチコグサが増えてしまう前に、しっかり駆除しましょう。

道具を使い根から処理する

チチコグサは雑草の中でも駆除するのが大変な種類です。地中の深くに根を張るため、表面の葉や茎だけを取り除いても翌年にまた繁殖してしまいます。

このことからチチコグサの駆除のポイントは、除草用の道具を使って根からしっかりと処理することだといえるでしょう。手で引き抜くのは難しいため、スコップやねじり鎌などの道具で根ごと取り除くのがおすすめです。

土を掘るようにして除草し、少しの根も残さないように処理するとチチコグサの駆除が上手くいくでしょう。道具はホームセンターや100円ショップ、園芸店などで購入できるため準備しておくと安心です。

除草剤は芝生を枯らさないものを

すでに育ってしまったチチコグサは、除草剤をまいて対処していきましょう。薬剤を使ってチチコグサを駆除するときに注意したいのが、除草剤の選び方です。

除草剤は芝生などを枯らさない選択式タイプのものを選ぶようにして、チチコグサだけを駆除するようにしましょう。せっかくの芝生を台無しにしてしまわないように、除草剤選びは慎重に行います。

また除草剤をまいて生えているチチコグサを駆除しただけでは、根が地中に残っていたり種子が飛んでいたりする場合があるでしょう。そのため、花が終わった秋ごろには土壌処理剤をまくと翌年以降の予防になり安心です。

チチコグサの処理におすすめの除草剤

増えてしまったチチコグサを、手で少しずつ処理していくのはとても困難です。踏まれても枯れないほど生命力が強い雑草のため、一気に駆除しなければ更に多く繁殖してしまうでしょう。

チチコグサを一気に処理するためには、雑草専用の除草剤を使うと便利です。チチコグサの処理に適したおすすめの除草剤を紹介します。

住友化学園芸「シバニードアップ粒剤」

住友化学園芸の「シバニードアップ粒剤」は、日本芝(高麗芝)に適応している除草剤です。しつこい雑草に最適な商品で、散布後5～10日で枯れて効果が約3カ月続きます。

大きく育ってしまった雑草よりも、小さな雑草を枯らして新しい雑草が生えてくるのを防いでくれる除草剤といえるでしょう。主に一年生雑草や多年生広葉雑草などに使える商品です。

住友化学園芸「家庭園芸用日産MCPソーダ塩」

住友化学園芸「家庭園芸用日産MCPソーダ塩」は、日本芝(高麗芝、姫高麗芝、野芝)に使える除草剤です。一年生雑草や多年生広葉雑草を駆除するための商品で、水でうすめて散布します。

発生する前の雑草の予防や、小さな雑草などを一気に駆除しやすい商品です。芝が完全に生え揃った後に散布することで、まいてから1～3カ月ほど効果が持続します。

レインボー薬品「シバキープエースシャワー」

レインボー薬品の「シバキープエースシャワー」は、一年生イネ科雑草と多年生広葉雑草に効く除草剤です。日本芝(高麗芝)に生えた雑草に使えて、シャワータイプのため水でうすめずそのまま直接散布できます。

高さが10cm以下の雑草に効果的で、じっくり時間をかけて駆除していきたいときにおすすめです。大容量のため、取っ手のついた容器で持ちやすいように工夫されています。

チチコグサの特徴を知って上手に処理しよう

チチコグサは花を咲かせるまでは目立ちにくい雑草ですが、気付かずに放置してしまうとあっという間に繁殖してしまいます。

せっかく美しく手入れをした庭や芝生がチチコグサでいっぱいになってしまわないように、早めに駆除する必要があるでしょう。

チチコグサの正しい処理方法を参考にして、大量に増えないよう手入れをしてみてはいかがでしょうか。