「アライグマらしき動物をよく見かけるようになった。できるだけすぐに駆除する方法を知りたい」今回はこのような方のために、アライグマの駆除方法を解説します。
アライグマは一度繁殖すると爆発的に増えてしまうので、自宅周辺にアライグマがいる場合は早急な対処が必要です。
しかしアライグマの駆除はちょっとやり方が特殊。事前に知っておかなければいけない注意点があるのです。そういった点を踏まえて、以下の2つをメインに解説していきます。
- 自分ですぐにできる方法
- 業者に依頼して本格的な駆除をする方法
アライグマを駆除する前に知っておきたい注意事項
できる限り早く行いたいアライグマの駆除。しかしいくつかの注意点があります。
まず知っておいて欲しいのがルールについて。アライグマの駆除は「自治体の許可や狩猟免許」がないと実施できません。アライグマは外来生物法に規定された「特定外来生物」かつ、鳥獣保護法で保護されているほ乳類。駆除するには様々なルールや手順を守る必要があるのです。
つまりアライグマ駆除は「駆除業者または自治体に連絡して対応する」のが基本。無理をしてまで自力で行うものではない、ということですね。狩猟免許を持っていない人・手続きや法律の理解が面倒だと感じる方は「駆除業者による駆除」を強くおすすめします。
許可を得ていない状態でアライグマ対策を行いたい場合は「駆除や撃退」ではなく「追い出し」にする必要があります。
ここからは「自分で駆除する方法」と「業者に依頼して駆除する方法」に分けて、やり方を解説しますね。
野生のアライグマを自分で駆除・追い出す方法!
自分でアライグマを駆除したい場合、以下のような方法があります。
自分で駆除①:自治体に連絡しアライグマ捕獲器を使って駆除する
まずは前述の通り、自治体に連絡したうえでアライグマを捕獲する方法です。駆除の流れは以下を参考にしてください。
- お住まいの自治体窓口にアライグマによる被害状況を連絡する
- 自治体からアライグマ捕獲器を借りる(自治体によっては研修会への参加が必要)
- 捕獲器を設置し、1日1回以上見回る
- アライグマが捕獲できた場合、自治体に回収を依頼する
詳細は自治体で指導を受けるようにしましょう。
自分で駆除②:忌避剤などのアライグマ対策アイテムを使って追い出す
自治体を介さない場合は、駆除や捕獲ではなく追い出すしかありません。以下のようなアイテムを使用しましょう。
- 害獣用の燻煙剤
- ハッカ油
- 木酢液・木タール
アライグマは嗅覚が鋭く強い臭いが苦手。ハーブなどの臭いを充満させる燻煙剤・ハッカ・木酢液(木タール)などは一定の効果があると言われています。家の周りや屋根裏周辺に使用しましょう。
ただし餌場と認識していたり子育て中だったりすると、こういった追い出しアイテムを使用しても巣を離れないことがあります。あくまでも「予防策」として使用し、実際に被害が出ている場合は駆除業者や自治体に相談しましょう。
自分で駆除③:超音波を使って追い出す
超音波動物撃退機器のようなものを使って追い出す方法です。
フラッシュライトや超音波によって、アライグマを寄せ付けなくする機器ですね。被害が少なくなるという口コミもあり、アライグマ以外の害獣も防げるため1つ持っておくと便利なアイテムです。
ただし長期間使用していると慣れて効果がなくなる可能性も。また購入に費用が結構かかる点がデメリットです。
【確実】アライグマの駆除を害獣駆除業者に依頼する方法
アライグマ駆除におすすめなのは業者に頼む方法です。理由はここまで解説した通り、アライグマの捕獲・駆除には狩猟免許や自治体の許可が必要だから。また忌避剤のような追い出し対策では被害が収まらないケースも多いからです。専門の害獣駆除業者に依頼する方が安心・安全かつ確実ですよ。
業者にアライグマの駆除を依頼する場合、以下の流れで作業が行われます。
<アライグマ駆除の流れ>
- 現地調査(侵入経路や巣の場所・被害状況をチェック)
- 見積もり提示
- 捕獲または追い出し
- 侵入予防策の実施:侵入経路の封鎖・忌避剤の散布等
- 巣があったところの掃除・消毒や防腐処理
捕獲する場合は自治体宛ての申請書を記入する必要がありますが、駆除業者に代行してもらうことも可能です。
<費用相場>
16,000円~60,000円
※捕獲難易度や予防対策の程度など、状況に応じて価格は異なります。現地調査のうえ見積もりをもらうのが確実です。
害獣駆除業者を選ぶ際は、保証制度が充実した業者を選ぶことをおすすめします。理由は、アライグマ捕獲・追い出し後の再発防止に力を入れてくれるケースが多いから。価格が安すぎる業者よりも、見積もりが明快で細かい質問にも丁寧に答えてくれる業者を選びましょう。
「自分の地域で信頼できる害獣駆除業者を選びたい」「できる限り安くお願いしたい」という場合は、ぜひミツモアを利用してみてください。ミツモアなら郵便番号や求める条件を入力するだけで、複数の害獣駆除業者から仮の見積もりがもらえます(無料)。それぞれの料金や保証制度などを比較して、より納得のいくところに調査をお願いしましょう。
アライグマは「害獣」!基本的な特徴・生態を知っておこう
アライグマ対策・駆除をするうえで、生態や外見的特徴を知っておくことは大切。理由は以下の通りです。
- どういった場所を好むのか知ることで、どこを重点的に対策したら良いのかが分かるから
- 万が一別の害獣だった場合対策が異なるから
それではアライグマの特徴について、具体的に見ていきましょう。
チェックポイント | アライグマの特徴 | 備考 |
外見的特徴 | ・体長40~60cm
・鼻筋が黒く、目の周りが黒いマスク模様 ・耳に白い縁取りがある ・ひげが白い ・尻尾にはしま模様があり、しまの数は5~7本 |
・鼻筋が白ければ「ハクビシン」
・尻尾が比較的短くしま模様がなければ「タヌキ」 |
足跡 | 人間の手のように5本指に分かれる | |
食性 | 雑食(野菜・果物・小型動物全般・昆虫) | 手で掴める物は何でも食べる |
鳴き声 | 「クルクルクル」といった鳥に似ている鳴き声を出す | |
活動の特性 | ・狭いところを好む
・高いところに登れる ・物を掴める ・穴を掘らない ・泳ぎが得意 |
・基本的には地表の隙間を見つけて入ることを好む
・10cm未満の隙間でもすり抜けられる ・「地表に侵入口がない」「食べ物が上にある」などの理由があれば、垂直方向へ登ることを好む |
棲みか | ・他の動物が掘った穴
・廃材の下 ・屋根裏 |
【天井・屋根裏に注意】家にアライグマの巣がないかをチェックしよう
家にアライグマの巣があるかどうか以下のチェックリストで確認してみましょう。1つでも当てはまれば、アライグマが室内に侵入している可能性は非常に高いといえます。
- 家の周りに5本指のひっかき傷がある
- 柱や戸袋などを登った足跡がある
- 壁が壊された跡がある
- 天井にシミができた
- 夜中天井から足音がする
- 天井裏に犬猫の糞のような物がある
屋根裏を覗いて確認する場合は手袋などを装着し、危険を感じたらすぐに退避してください。不安があれば駆除業者に確認を依頼した方が良いでしょう。
アライグマによる被害を受けているかどうか確認する
続いて行いたいのが被害状況の確認です。アライグマならではの被害の特徴を知り、家屋にアライグマの巣がないかをチェックしていきましょう。
アライグマによる被害の特徴を知ろう 手先が器用で屋根裏に棲むことが多い!
アライグマから受ける被害は大きく分けて4種類あります。いずれも人の健康や資産に大ダメージを与えるものばかり。被害が見られた場合、早めの対策が必要です。
①農作物や生ゴミなどの食害
- 果樹(スイカ・イチゴ・ブドウなど)
- 野菜(とうもろこしなど)
- 魚(コイなど)
- ペットフード
- 生ゴミ
被害の特徴は手先の器用さが分かる食べ跡。次のような形跡が見られれば、ほぼアライグマの仕業とみて間違いありません。
- 蓋・袋・ネットなどを、開いたり破いたりして中を食べる
- スイカやメロンに直径5cmほどの穴を開け、中だけをすくい取る
- とうもろこしの皮をむいて、中だけを食べる
- 周囲に5本指の足跡が残っている
農作物の被害は特に大きく、毎年の被害総額はなんと3億円を超えます。またアライグマは学習能力が高いのもやっかいな点。食べ物が多く安全な「いい餌場」だと認識されてしまうと、繰り返し被害を受ける可能性が高くなります。
②家屋に巣を作り建造物を傷ませる被害
アライグマが巣を作るのは主に人家や神社仏閣の屋根(天井)裏。巣を作られた場合、以下のような被害が出ます。
- 糞尿による悪臭
- 屋根板の腐食
- 屋根裏にある断熱材の破損
- ひっかき傷などによる建造物の破損
屋根の腐食が進むと天井が崩落する危険も。また建物の資産価値を落とす大きな要因にもなります。
③寄生虫・感染症などの健康被害
アライグマは数々の感染症を媒介することが知られています。アライグマが感染源となる主な寄生虫・感染症は以下の通りです。
- アライグマ回虫
- アライグマ糞線虫
- 狂犬病
- マダニ
- ダニや毛・フケによる喘息
特に「アライグマ回虫」や「狂犬病」は、人間が死に至ることもある危険な感染症です。これらの病気は主にアライグマとの接触で感染します。万が一アライグマやその糞に触れた・かみつかれるなどした場合は早急に皮膚科を受診しましょう。
④人やペットが襲われる被害
愛嬌のある顔をして実は凶暴なアライグマ。特に子供がいる個体は気が荒く、人やペットが襲われる被害も発生しています。特に小動物のペットは要注意、なんと食べられてしまった例もあるのです。
アライグマの予防方法!日ごろから個人でできる対策
アライグマの駆除後は、アライグマの侵入予防と増やさないための対策を実施しましょう。個人でできる方法を大きく2つ紹介していきます。
- アライグマの餌となる物を放置しない・与えない
- アライグマが侵入しづらい環境を作る
順に詳細を確認していきましょう。
予防対策1:アライグマの餌となる物を放置しない・与えない
アライグマは餌場と認識した場所にしつこくやってくる習性があります。普段から以下を徹底しましょう。
- 庭にペットフードを放置しない
- 果樹を育てている場合、落ちた実はすぐに掃除する
- 生ゴミを外に放置しない・ゴミは蓋付きのゴミ箱に入れる
- アライグマを見かけても絶対に餌付けしない
予防対策2:室内に入らせない環境を作る
物理的に入らせないことが、侵入予防としては一番効果的。以下の対策を行いましょう。
- ベランダや屋根に近い位置にある木の枝を切る
- 室内に通じる隙間(通気口・亀裂・開けっぱなしの窓)を金網などで閉じる・埋める
- 農地の周りにはフェンスと電気柵の複合柵を設置する
- 日ごろから忌避剤を使う
アライグマはネットや簡単な覆いであれば、手で外して侵入してきます。家屋の隙間は硬く外しにくい物でしっかりと塞ぎましょう。
アライグマの駆除は業者に見積もりを依頼しよう
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