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孤独死の特殊清掃にかかる費用の目安!誰が費用を負担するのかも解説

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最終更新日: 2023年07月25日

孤独死が発生した場合、部屋の原状回復のために特殊清掃が必要になります。

「連絡をとっていなかった親族が孤独死していた」
「所有している物件で孤独死が発生してしまった」

といったケースで、誰が特殊清掃費用を負担すべきなのか不安に思われている方もいらっしゃるかもしれません。

特殊清掃費用の負担者や、かかる金額の目安を解説します。

孤独死の場合、特殊清掃費用は誰が負担する?

身内が亡くなると、遺族は葬儀の手配やさまざまな手続きで慌ただしくなります。病院で亡くなった場合でも遺族の負担は大きいですが、孤独死であれば特殊清掃が必要になるケースも生じるでしょう。特殊清掃の費用は誰が負担するのか、主なパターンを解説します。

持ち家の場合:法定相続人が負担

物件の所有者が自らの持ち家で亡くなった場合、所有権を相続した法定相続人が特殊清掃費用を負担することになります。

しかし故人に資産がない、負の遺産があるといった事情で相続放棄をした場合には、相続人に支払義務はありません。

賃貸物件の場合:基本は連帯保証人、いなければ法定相続人が負担

賃貸物件で孤独死による特殊清掃が必要となった場合、基本的には「連帯保証人」が費用を負担しなければなりません。連帯保証人は賃借人と同様の責任を負っており、借主の原状回復義務を果たさなければならないからです。

連帯保証人がいない場合、亡くなった本人の法定相続人に支払義務が移ります。資産だけでなく、賃借人の地位も相続されるため、滞納家賃の支払義務や原状回復義務も債務として引き継がれるのです。

賃貸物件の場合も、相続放棄をすれば支払義務を回避できます。ただし相続人が連帯保証人になっている場合は、相続人としてではなく連帯保証人として支払義務を負わなくてはならないので、相続放棄をしても費用負担はなくなりません。

賃貸物件の特殊なケースでは保証会社や大家が負担することも

賃貸物件では孤独死の際の特殊清掃費用を、大家や保証会社が負担するケースがあります。保証会社が賃借人の債務を肩代わりする契約を結んでいる場合、その会社が費用を負担するのが一般的です。

保証会社を利用しておらず、連帯保証人も立てていない場合は、通常相続人に請求されます。しかし相続人がいないケースや、相続放棄をしたケースでは、大家が負担することになるでしょう。

また保証会社・連帯保証人・相続人の有無を問わず、大家の負担となるケースもあります。自然死では本人に過失がないため、裁判の結果によっては、連帯保証人や相続人に支払い義務がないとされる可能性もあるでしょう。

特殊清掃にかかる費用の目安

特殊清掃費用は、清掃する部屋の広さと作業の内容によって変動します。

清掃面積による違い

一般的に孤独死が発生した住宅の間取りと面積が広いほど、清掃にかかる費用は高額になります。荷物の多さや作業内容によっても相場は異なるため、料金に幅がある点には注意しましょう。

特に清掃以外の作業が必要になると、料金は高額になりがちです。間取り別の一般的な相場を見てみましょう。

間取り 料金目安
1R・1K(~28㎡程度) 7万~30万円
1DK~3LDK 13万~50万円
4DK以上 20万~70万円

清掃の作業内容による違い

作業内容によって料金の相場は異なります。汚れの程度がひどいほど、大がかりな清掃作業が必要になり、料金も上がります。

作業内容 料金目安
床の清掃 3万円~
消臭・除菌処理 1万円~
オゾン脱臭 1日3万円~
畳の撤去 1枚3,000円~
汚物撤去 1万円~
害虫駆除 1万円~

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孤独死の特殊清掃費用が高くなるケース

特殊清掃の見積もり

特殊清掃の費用は状況によって変動します。発見時の状態によっては、料金が高くなる可能性も想定しておきましょう。費用が高額になりがちなパターンを紹介します。

発見までに時間がかかった場合

発見までに時間がかかると、室内の状況が悪化し特殊清掃費用がかさみます。一般的な清掃だけでは汚れやにおいが取れず、作業内容が多くなるのが原因です。

畳や床だけでなく床下・壁など建物自体に汚染が広がると、全体を取り替えなければなりません。取り替えが必要な範囲が広くなるほど、費用は高くつくでしょう。

孤独死が発生したのが夏場だった場合

亡くなってから発見されるまでの時間が同じであったとしても、冬場よりも夏場のほうが特殊清掃費用は高くなることが多いです。

夏場は気温や湿度が高いので、遺体の腐敗が早く進みます。臭いも強く、害虫も発生しやすい季節であることから、特殊清掃の作業が大がかりになる可能性が高いのです。

清掃のほかに遺品整理を依頼した場合

特殊清掃と同時に遺品整理を頼むと、料金は高額になります。汚れやにおいもあり、遺族が現場に出向いて荷物を整理するのは困難です。

遺品の汚れ・においを取る作業や選別を全て業者に任せることになり、その分費用がかかります。荷物が多いと作業時間も増え、人件費も高額になるでしょう。

遺品整理だけであれば数万円からでも依頼ができますが、特殊清掃費用と遺品整理以外の費用も考えると、数十万円にのぼるケースも少なくありません。

孤独死が判明した場合の手順と流れ

家財を運び出す特殊清掃業者

身内が孤独死すると、病院や自宅での看取りとは違った流れになります。判明後に行われる手続きや、特殊清掃を依頼する手順について見ていきましょう。

警察による現場検証

孤独死により本人が亡くなった原因が分からないケースでは、警察によって現場検証が行われます。発見者が警察または救急に通報し、不審な点がないか確認するのが基本の流れです。

発見者となった場合は、現場を保存し警察に手続きを任せましょう。検証中は部屋に入れず、遺体の搬送や引き取りは手続きが終わってからとなります。状況によっては警察ではなく、特殊清掃業者に処理や搬送を依頼することになるでしょう。

診断書や検案書を受け取った後は、速やかに死亡届の提出を進めます。葬儀の手配や清掃の準備も進めることになり、遺族の負担が大きくなりますが、遺体の状態によっては、なるべく早く手続きを進めなければなりません。

特殊清掃の見積もりを取る

現場検証が終わり室内に入れるようになると、清掃が可能です。汚れやにおいがひどくなる前に依頼しようと考えているなら、葬儀の手配と並行して、特殊清掃業者の見積もりを取りましょう

警察や業者と相談しながら決めるように心掛ければ、なるべく早い段階で依頼ができます。急いで清掃をしなければならないと焦ってしまう可能性が高いですが、いくつかの業者を比較して、相見積もりを取るのがおすすめです。

早く決定しようと情報を精査せずに決めてしまうと、費用・仕上がり・サービスの面で納得がいかない結果につながりかねません。

ミツモアでは特殊清掃業者の相見積もりが可能です。信頼できる業者を探す方法が分からない場合は、活用してみましょう。

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特殊清掃・遺品整理の実施

見積もりを受けて依頼する業者を決めたら、日程を調整して実際に特殊清掃作業に入ってもらいます。

作業を進めていく上で、消毒・消臭・遺体の搬送・室内のリフォームが必要なケースもあります。特殊清掃を行っても消えないシミや汚れが残ってしまう可能性もあるためです。

賃貸物件の場合にはリフォームの実施前に、大家や管理会社への確認もしなければなりません。元の状態に戻せるのか、床や壁の切断に問題はないのかを相談した上で、業者へ回答しましょう。

監修者のコメント

福岡特殊清掃の掃本さん - 福岡県福岡市東区香椎照葉

自殺や孤独死は年々増加しています。 福岡特殊清掃の掃本さんはそういった悲しい出来事を少しでも減らす活動と共に、故人様の想いを遺族の方々へしっかりお届け出来るように真心込めて作業して参ります。

特殊清掃業者は複数の見積もりを比較して決めるのがおすすめ

孤独死が起きると、発見時の状況によっては、特殊清掃業者に依頼しなければなりません。専門家に依頼すれば、適切に消毒・消臭・清掃作業を行ってもらえます。

身内が亡くなった直後はどうしても慌ててしまいがちですが、特殊清掃の料金やサービス内容は業者によって異なります。できるだけ納得のいく業者を見つけるためにも、複数の業者に見積もりを依頼して、特徴や信頼性をチェックしましょう。

「ミツモア」なら、依頼を出すと条件に合った事業者から最大5件の見積もりをもらって比較ができます。

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この記事の監修者

福岡特殊清掃の掃本さん - 福岡県福岡市東区香椎照葉

2019年11月開業。福岡県全域にて、特殊清掃、遺品整理をメインに活動しています。「遺品整理士」「特殊清掃士」の資格を保有。