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屋根塗装は足場なしでも大丈夫?無足場工法の費用や法律を解説!

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最終更新日: 2023年09月22日

台風や地震の後、気になってしまうのが家の状態。見回りしてみたら「屋根の塗装が剥がれている!」「屋根瓦が破損している!」と気付くことがあります。屋根の塗装業者を調べてみると「足場なしの屋根塗装」というものがあり、価格も安いことがわかりました。

しかし「屋根塗装では足場を組むのが普通では?」と疑問に思うこともありませんか?そこで、足場なしの屋根塗装とは何か、普通の屋根塗装との違いや費用についても解説します。

足場なしの屋根塗装はデメリットが大きい

足場なしの屋根塗装はデメリットが大きい

足場なしの屋根塗装をするかどうかを迷う一番の理由は「費用の安さ」です。その反面、あまりに安いと足場なしの屋根塗装についてのリスクが気になりますよね。ここでは足場なしのデメリットについて見ていきます。

足場なしのデメリットは以下の3つです。

  1. 施工不良を起こしやすい
  2. 近隣に汚水や塗料が飛散しトラブルの元になる
  3. 職人の安全確保が難しい

1.施工不良を起こしやすい

足場なしの屋根塗装は、仕上がりのクオリティが下がってしまうリスクが高いです。外壁や屋根など建物の施工を行う際、殆どの場合で足場を組みます。足場を組む理由は、作業をしやすくするためです。

安定した足場があることで職人さんの姿勢も安定し、仕事道具を側に置いて作業ができます。足場が安定しないと、手元も安定しません。不安定な手元では、繊細な作業も難しいでしょう。丁寧な作業が行えない結果、屋根の塗装作業の仕上がりの質も下がります。

2.近隣に汚水や塗料が飛散しトラブルの元になる

屋根塗装の作業でまず一番にするのは、高圧洗浄で汚れを取ることです。長年溜まった屋根や雨樋の汚れを高圧洗浄で洗い流します。足場を組む屋根塗装工事では足場を設置した後、足場全体に飛散防止シートを装着するのが一般的です。

飛散防止シートをきちんと装着すれば高圧洗浄を使用して染料や水が飛び散っても、近隣の建物に迷惑を掛けることはありません。しかし、足場のない屋根塗装では飛散防止シートを装備しないことから、近隣に迷惑がかかる恐れがあります。ご近所の方からクレームが入ると、トラブルの原因になってしまいます。

3.職人の安全確保が難しい

そもそも足場を組むのは、厚生労働省が定める「労働安全衛生規則」というルールがあるから。高さが2メートル以上で作業を行う場合は足場を組み立て、作業板を設けるという規則です。足場を設置する理由は、職人さんの転落事故や施工道具の落下防止のためでもあります。

2階建ての住宅では屋根までの高さは6~8mになります。しかも、屋根には勾配や強風が伴うこともあり足を滑らせる危険性も高いです。

屋根の塗装工事では塗料が入った缶を持ちながらの作業となります。職人さんが梯子を登りながら塗装缶を片手に持つだけでもバランスが悪くなることは容易に想像できますよね。職人さんなら危険性や安全面から足場のない状態で、作業したいとは思いません

足場なし屋根塗装の詳細【費用・法律】

足場なし屋根塗装の詳細【費用・法律】

労働安全衛生規則で定められているということは「足場なしの屋根塗装はルール違反?」と思いませんか?実は、足場なしの「無足場工法」というものが存在します。無足場工法とは何か、費用はどのくらいかかるのかを解説します。

足場なしの屋根塗装「無足場工法」

「無足場工法」とは足場を設置せずに、建物の施工や補修を行うことです。「無足場工法」には3種類の方法があります。

  • ゴンドラ
  • 高所作業車
  • ロープアクセス

ゴンドラ

ゴンドラとは建物の屋上に専用のレールと機器を設置し、ゴンドラ式の吊り下げたプラットフォームのことを指します。上下左右とスムーズに移動可能で、安全性の高い作業方法です。ゴンドラは屋上の機器で操作するので、職人さんは安定した場所で作業に集中できます。

都心のビルで採用されることの多い方式で、歩行者が多い場所でも屋上に設備を設置するので通行を妨げることもありません。ただ、取り付け費用にコストがかかり、屋上の形状や場所によっては設置できないケースもあります。

高所作業車

車の荷台に高所作業用のプラットフォームが装備された車が高所作業車です。屋上にゴンドラ式が設置できない場合でも高所作業車であれば工事ができます。

高所から吊り下げるゴンドラ式は高い場所の作業が可能ですが、高所作業車は地上から上がっていくため主に低い建物の作業に使用されます。高所作業車のデメリットは、大型車両を駐車させることから道路交通許可証や警備員、高所作業車を扱うオペレーターも必要になる点です。

ロープアクセス

安全基準をクリアした産業用ロープを使い、建物の上からぶら下がった状態で作業する方法です。ゴンドラでは左右の動きができますが、ロープアクセスでは難しくなります。「ロープアクセスの安全性は大丈夫?」と疑問に思う方もいるでしょう。

ロープアクセスは一昔前まで安全性が高いとは言えない作業方法でした。しかし、平成28年の労働安全衛生法改正により安全性が高くなりました。なぜなら「作業時に使用するメインのロープ以外にライフラインを必ず取り付ける」「ロープアクセスに従事する職人は特別教育を受講しなければならない」などロープアクセスを行う際の条件が必須となったからです。

ロープアクセスのメリットは「高所作業車では梯子が足りない」「屋上にゴンドラが設置できない」「建物の形状が複雑」というケースにも対応できる点です。さらに足場を組む手間や時間を省き、大きな機材や設備も必要ありません。その分、大幅なコストダウンが実現できます。

【比較】足場あり・足場なし屋根塗装の費用相場

では、足場ありの屋根塗装と足場なしの屋根塗装では、コストの差はどのくらいになるのでしょうか?

30坪の住宅としてシュミレーションしてみました。

施工内容 足場ありの屋根塗装 30坪(99㎡)  の価格 足場なしの屋根塗装 30坪(99㎡)  の価格
ロープ仮設費 × 0 300円~/㎡ 29,700
足場設置費用 700~1200円/㎡(※900円で計算) 89,100 × 0
養生飛散防止ネット 200円~/㎡ 200,999 × 0
屋根塗装 2,500円〜/㎡ 247,500 2,500円〜/㎡ 247,500
合計金額 573,599 277,200

30坪(99㎡)     で計算した場合、差額が296,399円となります。

約300,000円の費用が浮くと考えると、足場なしの屋根塗装が気になりますよね。それでは、費用以外の足場なしの屋根塗装のメリットを見ていきましょう。

足場なし屋根塗装のメリット

足場なしの屋根塗装を行うメリットは3つあります。

  1. 施工費用のコストダウン
  2. 作業性が高い
  3. 防犯対策になる

1.施工費用のコストダウン

足場なしとありの屋根塗装の費用を比較した結果、足場にかかる費用の方が安くなります。足場を組む費用、足場に装備する飛散防止メッシュシートの代金がかからず、ロープアクセスはロープ仮設費用のみです。その価格も足場の費用より単価が安く、屋根塗装にかかる工事費用の合計額を抑えることができます。

2.作業性が高い

ロープアクセスは身軽に目的の場所へアプローチが可能です。足場が組めない場所でも、ロープなら行けるというケースがあります。特に、小さな補修であればロープアクセスの方が余計な時間を取らず、作業効率もアップします。

3.防犯対策になる

足場は建物全体に沿って設置するのが基本です。そうなると家の中にいると足場にいる職人さんから丸見えという事態にもなりかねません。カーテンをしていれば問題はありませんが、留守中に家の中に侵入されるというリスクも伴います。もちろん、信頼している業者であればあり得ない事ですが、足場を使って侵入するのは工事業者とは限りません。

普段、登れない建物でも足場があれば上がることができ、工事中に泥棒に入られたという事例も少なくありません。ロープアクセスは特殊な技術が必要なうえ、ロープを垂らしたまま放置することはないので、侵入されるリスクは低くなります。

おすすめは足場ありの屋根塗装!2つのポイントを押さえよう

おすすめは足場ありの屋根塗装!2つのポイントを押さえよう

足場ありと足場なしの屋根塗装について見てきましたが、コストの安さだけで足場なしの屋根塗装を選ぶのは危険です。足場ありの屋根塗装には多くのメリットがあり、ポイントを押さえれば足場ありの屋根塗装の方がお得になります。それでは、足場ありの屋根塗装をお得にする際のポイントを紹介していきましょう。

ポイント①防犯対策を徹底する

足場のある屋根塗装をおすすめしていますが、足場のある屋根塗装で気になるのは防犯上の問題です。防犯面を強化すれば全く問題はありませんので、足場を組んだ後にできる簡単な防犯対策を見ていきます。

カーテンや雨戸を活用する

一番簡単な方法はカーテンや雨戸を利用することです。窓からの職人さんの視線が気になる方は、カーテンをしてしまえば視線をシャットアウトできます。カーテンをしていても外で作業する職人さんの動く影が気になるのであれば、思い切って雨戸を閉めてしまうのもひとつの方法です。

窓の施錠をする

基本的な対策ですが、窓のロックは欠かさないようにしましょう。心配であれば工事を機会に二重ロックにするのもおすすめ。窓を開けることで発動するセンサーや防犯カメラも有効です。

業者さんをむやみに家に入れない

昔から付き合いのある地元の業者さんなら安心ですが、初めて依頼する業者なら警戒心を持って接するようにしましょう。万が一悪徳業者だった場合は窃盗のリスクもあるので、必要な時以外むやみに家に入れるのは避けた方が賢明です。

ポイント➁外壁塗装と一緒に依頼する

足場ありの屋根塗装をお得にする際のポイントは、外壁塗装を同時に行うことです。どちらの工事も足場が必要なので、もし外壁塗装と屋根塗装を別々に工事すると、2回分の足場費用がかかってしまいます。

2カ所同時に行えば1回分の足場費用が浮きます。ここでは家のメンテナンスを10年ごとにしたとして、30坪の家に30年住み続けた場合のシュミレーションしてみましょう。

年数 屋根塗装 外壁塗装 屋根・外壁同時
10年目にかかる費用 247,500 118,800 366,300
足場代 290,099 290,099 290,099
20年にかかる費用  247,500 118,800  366,300
足場代 290,099 290,099  290,099
30年にかかる費用  247,500 118,800  366,300
足場代 290,099 290,099  290,099
合計 1,612,797 1,226,697 1,969,197

※屋根塗装 2,500円/㎡ 外壁塗装(アクリル系塗料) 1,200円/㎡として算出

別々で工事をした場合は、屋根塗装1,612,797円+外壁塗装1,226,697円=2,839,494円。それに対して、屋根・外壁同時に行った場合の合計は 1,969,197円です。その差額は30年で870,297円となります

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屋根の塗装について足場なしと足場ありのパターンを解説してきました。屋根の塗装を考えている方は、まずはミツモアで屋根塗装の見積もりを依頼しましょう。事前に見積書を確認することで、業者ごとの比較検討が可能です。不安な点や疑問があればチャットでも相談できるので安心です。

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