屋根塗装の持ちは10年前後。雨風や紫外線を直接浴びるので、ほかの建材よりも耐用年数が短く、寿命を延ばすには定期的な塗り直しが必要です。今回はトタン屋根の塗装にかかる費用の目安を解説します。
トタン屋根の塗装にかかる費用相場は?
トタン屋根の塗装にかかる費用相場は30坪の住宅であれば、36万円~42万円です。40坪の住宅の方は44万円~50万円です。しかし使用する塗料によって大きく費用相場に違いが出ます。記事内では塗料別に塗装にかかる費用相場を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
屋根の塗装にかかる費用を安くする方法は?
外壁塗装と屋根塗装を一緒に依頼すると、10万円~20万円安く塗装することができます。また、複数の業者から見積もりを取ることにより、その中の一番安い業者を選ぶことができます。記事内では他にも塗装費用を安くする方法を紹介しています。
トタン屋根の塗装にかかる費用相場
トタン屋根の塗装にかかる費用は、塗料や屋根の状態によって費用相場が大きく異なります。以下の見出しでは、塗料別で見たトタン屋根塗装の費用相場を紹介しています。
トタン屋根塗装の費用相場
建て坪(屋根面積) | ウレタン塗料 | シリコン塗料 | フッ素塗料 |
30坪 | 30万円~34万円 | 35万円~42万円 | 43万円~50万円 |
35坪 | 32万円~37万円 | 38万円~45万円 | 48万円~56万円 |
40坪 | 35万円~40万円 | 43万円~50万円 | 54万円~60万円 |
現在よく使用されている塗料は「ウレタン塗料」「シリコン塗料」「フッ素塗料」の3つです。フッ素塗料が1番高く、シリコン塗料、ウレタン塗料の順に塗装費用が安くなっていきます。
高い塗料と安い塗料の違いは、耐用年数です。値段の高いフッ素塗料であれば15年~20年持ちますが、安いウレタン塗料は8年~10年しか持ちません。
塗料ごと(1㎡あたり)の費用相場
塗料の種類 | 費用相場 | 耐用年数 |
アクリル系 | 約1,200円~1,500円/㎡ | 5~7年 |
ウレタン系 | 約1,600円~2,200円/㎡ | 8~10年 |
シリコン系 | 約2,500~2,800円/㎡ | 10~15年 |
フッ素 | 約4,000~5,000円/㎡ | 15~20年 |
無機 | 約4,500~5,500円/㎡ | 20~25年 |
上記の表は、塗料別の1㎡あたりの単価を示しています。
どの塗料を選べば良いかよくわからないという方は、記事内で「トタン屋根に塗る塗料の選び方」について紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
トタン屋根を塗装する前にかかる費用
トタン屋根の塗装作業には、「塗装」そのものの費用だけでなく、施工に必要な工程にも料金が発生します。
内容 | 費用相場 | |
足場代 | 高所作業に必要な足場を組む | 約700~1,000円/㎡ |
高圧洗浄代 | 汚れ・カビ・コケなどを落とす | 約200~300円/㎡ |
養生代 | 塗料の飛沫を防ぐ養生 | 約400~500円/㎡ |
コーキング代 | 塗装まえに行う表面の穴埋め作業 | 約500~900円/㎡ |
とくに足場費用は、塗装費用と同額程度かかることもあります。どうせ足場を設置する必要があるなら、外壁の修理などと合わせて施工してもらうのがおすすめです。「足場費用を浮かす方法」は記事内で紹介しているので、参考にしてみてください。
【オプション費用】雨どい・雪止めの設置
雨どい | 雪止め |
雨どいの修理にかかる費用は10万円~60万円で、雪止めの修理にかかる費用は6万円~2万円ほどです。これらは、塗装とは関係なく、追加でかかる費用になります。屋根と同じタイミングで劣化しやすいので、屋根塗装と同時に依頼すると手間が省けます。
また近年は都心部でも大雪が降ることが多く、屋根か落ちてきた雪によって怪我をすることがあります。雪が多くふる地域に住んでいる方は、雪止めを設置するようにしましょう。
塗装と葺き替え、どちらを選ぶべき?
塗装ができない場合は、葺き替えかカバー工法が必要になります。しかし、トタン屋根でカバー工法を行うことはほとんどなく、葺き替えを取ることが多いです。理由は現在使われているトタン屋根は築20年以上経って劣化が進んでいる住宅が多く、カバー工法が適していないからです。
以下では、葺き替えをすべき屋根の状態について紹介しています。自宅の屋根の状況にあてはめて、どちらを選ぶべきか判断するようにしましょう。
葺き替えをすべき屋根の状態
葺き替えをすべき屋根の状態 |
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上記のどれか1つでも当てはまる場合は、すぐに葺き替えを検討しましょう。また、トタン屋根の耐用年数は20年であるため、塗装を定期的に行っていても築20年を超えている場合には、葺き替えが必要です。
塗装・葺き替え・カバー工法の費用を比較
費用相場 | |
塗装 | 40~80万円/25坪 |
葺き替え | 140~200万円/25坪 |
カバー工法 | 80~120万円/25坪 |
塗装の費用相場は、葺き替えと比べると安く簡単に施工することができます。しかし、屋根の状態を確認せず、安いからという理由だけで「塗装」を選ぶと、塗装箇所がすぐにはがれてしまうことがあります。
葺き替えを行う際は新しいトタン屋根を設置するのではなく、ガルバリウム鋼板と呼ばれる屋根材で葺き替えするのが一般的です。ガルバリウム鋼板とは、最近の住宅のほとんどに使用されている屋根材で耐用年数や耐震性にも優れています。以下の関連記事で、詳しくガルバリウム鋼板について触れているので、ぜひ参考にしてみてください。
トタン屋根塗装にかかる費用を安くするコツ
トタン屋根塗装の費用は依頼する業者によって、20万円~30万円安くなることも少なくありません。
相見積もりをとっておけば、費用が安くなるだけでなく、信頼できる業者を選ぶこともできます。以下で、塗装費用が安くなる方法を紹介します。
方法①外壁塗装と屋根塗装を一緒に依頼する
しかし、屋根と外壁の塗装を一緒に行ってしまえば、足場費用を1回分に抑えることができます。
1度に屋根と外壁の塗装を行うため費用は高額になりますが、長期的に見るとコストパフォーマンスが良いです。業者によってはセットプランが用意されていることもあるので、1度相談してみましょう。
また、屋根と外壁の塗装をまとめて行うことで、足場代の他にも「高圧洗浄」「養生」「塗り工程」にかかる費用を1回分にまとめることもできます。
方法②大手のリフォーム業者ではなく地元の工務店に依頼する
塗装工事は、大手メーカーや大手工務店よりも、地元の専門店や工務店に依頼したほうが塗装費用が安く済みます。
地元の工務店に依頼した場合には、かかる費用は塗装費用だけですが、大手の業者に発注すると、塗装費用に加えてマージン(仲介手数料)が発生します。大手の会社は実際に施工を行わず、依頼者と下請けの業者の仲介をしているため、仲介手数料がかかってしまうのです。
仲介手数料は塗装費用の3~6%ほどかかるため、決して安い金額ではありません。例えば、塗装費用が100万円であっても、大手業者に依頼すると120万円~130万円になってしまいます。
また屋根の劣化は地域によって大きく異なり、「降水量」「台風の多さ」「降雪量」「海の近く」など劣化具合は地域色が濃いため、地域のことを把握している地元の工務店がおすすめです。
方法③複数の業者から見積もりを取る
1つの業者ではなく複数の業者から見積もりを取ることで、塗装にかかる費用を安くすることができます。1社からしか見積もりを取らないと、適切な費用相場がわからないまま依頼をすることになり、他の業者ならもっと安く塗装してくれたと後悔することも。
ミツモアでは、最短1分のアンケートに答えるだけで、無料で最大5件の屋根塗装業者から見積もりが届きます。業者選びが大変という方はぜひミツモアをご活用ください。
トタン屋根はDIYで塗装できる?
メリット | デメリット |
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トタン屋根をDIYで塗装するのはおすすめできません。塗装費用は非常に安く済みますが、危険性が高く、作業内容も非常に難しいからです。
初めてトタン屋根の塗装をする場合、屋根のサビ落としや下塗りなどの工程をしっかり組まなければ、すぐに塗装が剥がれてしまいます。素人ではこのような工程を丁寧に行うのが難しく、失敗してしまう可能性が高いです。
また、高さの低い自宅の倉庫や納屋であっても、落下すると骨折などの大けがをすることも。
費用が安いからといっても、怪我するリスクや施工にかかる期間を考えると、気軽にできる方法ではありません。DIY初心者の方は業者に塗装を依頼するようにしましょう。
トタン屋根の特徴と、塗装しなおすべき劣化のサイン
劣化のサイン |
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屋根の塗装は、強い紫外線、台風・豪雨・大雪などの水の影響で劣化します。塗装の劣化を見逃すと屋根材がダメージを受けるので、水漏れや屋根材のひび割れなどが起きることも。
大がかりな屋根の取り替え工事になる前に、屋根の劣化症状をしっかり見極めましょう。
症状①錆びがある
トタン屋根は原材料が鉄なので、表面が傷つくと錆が発生します。また、年数が経つにつれ酸化し、錆びが増えていきます。
一度できた錆びは一気に屋根全体に広がり、放置しておくと屋根に穴があいてしまいます。錆びを見つけたら早めに塗装を行っておくことが大切です。
症状②光沢が無くなった・色褪せている
トタン屋根は、太陽の紫外線を受けることにより、光沢が無くなったり色褪せたりという症状が出始めます。トタン屋根には塗膜が貼られていますが、年数と共に塗膜に含まれる樹脂が劣化してしまうのです。
色褪せや光沢の不足を放置しておくと、錆びが広がり、屋根の塗装が出来なくなってしまいます。色褪せや光沢が無くなってきたなと感じたらすぐに塗装を行いましょう。
症状③屋根から粉が吹いている
雨風や紫外線によって、トタン屋根に塗られていた塗料が劣化してくると、屋根の表面からチョークのような白い粉が吹き始めます(チョーキング)。
特にトタン屋根のような金属でできた屋根は、チョーキングがおきやすいです。放置しておくと、塗膜が劣化し錆びや穴を発生させることにつながるため、チョーキングを確認したら早めに塗装を行うようにしましょう。
症状④塗装が剥がれかけている
トタン屋根の表面温度が急激に変化することで、トタンが膨張や収縮が起き、塗料がはがれてしまいます。
塗料が剥がれた状態のトタン屋根は錆びが発生しやすく、放置しておくと雨漏りにつながる可能性が高いです。屋根の膨張や収縮による塗料の劣化が確認出来たら、早めに塗装を塗り直しましょう。
症状⑤コケや汚れが目立つ
風で運ばれてきたホコリや砂がトタン屋根に付くと、コケやカビが発生してしまいます。汚れやコケの原因は、経年劣化です。塗装の防水効果が弱まり、屋根に雨水が浸透すると、コケが繁殖しやすくなります。
症状⑥新築から10年以上経っている
もし塗装が剥がれていなくても、新築から10年以上経過している場合には耐久性が落ちていることが多いです。「まだ大丈夫」だと思って放置しておくと、いつのまにかカビが発生していることも。
塗装を貼りなおしておくことで、屋根の劣化を防ぐことができます。
トタン屋根の塗装手順と施工期間
トタン屋根の塗装にはさまざまな工程があり、施工内容を把握していないと手抜き工事をされても見抜くことができません。
業者によって、工程を省いてトタン屋根の塗装費用を安くするケースもあるので、事前に各工程の内容を把握しておくことで、トラブルを防ぎましょう。大まかな作業工程は以下の通りです。
塗装手順 |
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①高圧洗浄機で洗浄する
塗装前に花粉や鳥のフンなどの汚れを落とすために高圧洗浄します。そのまま塗装すると色ムラがついたり、劣化が早まったりしてしまうのです。
②養生(ようじょう)
塗装を行う際に、トタン屋根以外に塗料が飛散しないよう、マスカーやマスキングテープなどを使って、窓などの破損を防ぎます。
③ケレン、コーキング
ケレンとは簡単にいうと、錆びを落とす作業の事です。素地調整といわれることもあり、塗料がトタン屋根に密着しやすいようにします。ケレン作業はディスクサンダー(素材を研磨できる電動器具)や電動ヤスリを使ったり、スクレパー(ヘラ状の刃で錆びを落とす道具)や雑巾を使ったりと、さまざまな方法で屋根をキレイにします
また、コーキングと呼ばれる作業で、ひび割れしている箇所の隙間をふさぎ、雨漏りを防ぎます。
④錆止め(下塗り)を行う
屋根塗装の耐用年数を長くするには、下塗りをしっかり行うことが大切です。下塗りは錆止めの役割だけではなく、仕上げ塗装を密着させる接着剤の役割もあります。
下塗り工程を省くと、中塗りや上塗りの完成度に差が出てくるので、下塗りを行わない業者は悪徳業者である可能性が高いです。
⑤中塗り・上塗りを行い完成
下塗りで塗った塗料が乾燥したら、中塗りと上塗りをして完成です。
中塗りと上塗りはどちらも同じ仕上げ用塗料を使いますが、工程を省いてしまうと色が薄くムラが生じてしまいます。仕上げ用の塗料を重ね塗りすることで塗料の性能が高まり、すぐ塗料が剥げる心配がなくなるのです。
トタン屋根に塗る塗料の選び方
塗料の種類 | どんな方におすすめ? |
アクリル塗料 |
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ウレタン塗料 |
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シリコン塗料 |
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フッ素系塗料 |
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無機塗料 |
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使用する塗料によって、耐用年数や仕上がりは全く違います。自宅の屋根に合った塗料をつかって塗装を行うようにしましょう・以下の見出しではそれぞれの塗料の特徴を具体的に解説しています
【費用を安く抑えたい方】アクリル塗料
メリット | デメリット |
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アクリル塗料の費用相場は、1㎡あたり1,500円程度で、塗料の中では最も安い製品です。しかし、耐用年数は5年~7年ほどで短めです。また、ひび割れも起きやすいため、耐久性で選ぶならアクリル塗料はおすすめできません。
【費用を安く、高級感のある仕上がりにしたい方】ウレタン塗料
メリット | デメリット |
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ウレタン塗料は1㎡あたり1,500円~2,200円で、アクリル塗料の次に安い製品です。耐用年数もアクリル塗料より長く、8年ほどです。しかし、紫外線に弱いため、高温環境では劣化が早まり、頻繁に塗装の塗り替えが必要です。
【コスパを重視する方】シリコン塗料
メリット | デメリット |
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シリコン塗料は費用も手ごろなうえ、耐久性にも優れているため、最も人気が高い塗料です。1㎡あたりの費用相場は2,000円~3,500円で、耐用年数は13年です。
シリコン塗料の中でも、使う塗料によっては機能性や耐久性・費用に違いがあります。シリコン塗料はどれも同じだと思って適当に選んでしまい、後から後悔する方も少なくありません。業者と相談しながら使うシリコン塗料を選ぶようにしましょう。
【光沢のある仕上がりにしたい方】フッ素系塗料
メリット | デメリット |
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フッ素系塗料は1㎡あたり4,000円~5,000円と費用は少し高めですが、耐用年数は18年もあります。塗装を頻繁に行う必要がないため、手間を少しでも軽くしたいという方にもおすすめです。
また、光沢感の高い仕上がりにできる点はフッ素系塗料のメリットですが、ツヤあり塗料しかないため、光沢感のないマットな質感を好む方にはお勧めできません。
【耐久性を重視する方】無機塗料
メリット | デメリット |
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無機塗料は紹介した塗料の中で最も耐久性に優れており、耐用年数は20年~25年です。その代わり費用が高く、1㎡あたり4,500円~5,500円ほどかかります。
塗装を頻繁に行いたくなく、多少費用が高くても耐久性の高い塗料を選びたい方にはおすすめです。
注意点は、塗り直しの時期より屋根材の寿命が早く来てしまう可能性があることです。トタン屋根自体の耐用年数が20年であるため、無機塗料の耐用年数(20年~25年)よりも短いのです。
トタン屋根の特徴
メリット | デメリット |
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トタン屋根は築20年以上の戸建て住宅やアパートの屋根で多く使われています。近年はスレート屋根で住宅を建てることが多いため、トタン屋根を使用するケースは少なくなりました。素材は、亜鉛メッキ鋼板の金属製です。
トタン屋根本体の費用相場
トタン屋根は単価が非常に安く、1㎡あたり4,500円~です。しかし、トタン屋根の葺き替えを行う場合には、ガルバリウム鋼板への葺き替えが一般的で、再びトタンの屋根材を使用することはありません。
トタン屋根が劣化してきてカバー工法や葺き替えを検討している方は、ガルバリウム鋼板を使った施工方法を検討するようにしましょう。
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トタン屋根の寿命を延ばすために必要な、塗装や修繕。雨漏りなどを防ぐのはもちろん、カビなどを除去して家の見栄えをよくする意味でも重要です。
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