パキラは乾燥や害虫に強く、枯れにくく育てやすいことから人気が高い観葉植物です。
パキラは基本的な育て方、そして、適切な植え替えによってより健康的に成長させることができ、長く楽しむことができます。この記事では、パキラの植え替えに関する詳しい情報と、その後の育て方についてご紹介します。
パキラは植え替えることで育ちやすくなる
パキラは健康的に育つことで、つややかな光沢と鮮やかな緑色の葉が美しい葉を楽しめる観葉植物ですが、健康的に育てるためには定期的な植え替えは欠かせません。
植え替えることで、根が新しい土で呼吸できるようになり、より多くの養分を吸収できるようになります。また、適切なサイズの鉢に移すことで根の成長スペースを確保し、健康維持につながります。
パキラの植え替えで必要なアイテム
- パキラ専用土
- 新しい鉢
- 鉢底ネット
- 鉢底の土(軽石)
- スコップ
- 割りばし
- はさみ
- 軍手
- 新聞紙かピクニックシート
パキラを植え替える手順
パキラは下記の手順で植え替えてください。
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数日水やりをせず土を乾燥させる
植え替えの数日前から水やりを控えめにし、土を適度に乾燥させてください。これにより、土が固まりになりにくく、根を傷めることなく取り出せます。
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用土を準備する
パキラの用土は排水性と保水性のバランスの取れた観葉植物専用の土を用意しましょう。もし、自分で土を用意する場合は、小粒タイプの赤玉土:7、バーミキュライト、または鹿沼土:3の割合で混ぜてください。
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鉢底網を敷いて鉢底石を入れる
鉢底の排水穴をしっかりと機能させるために、鉢底網をぴったりと敷き詰めます。その上に鉢底石を2〜3センチほど入れて理想的な排水層を完成させてください。
この工程は、根腐れを防ぐ重要な土台となります。 -
パキラを取り出す
古い鉢からパキラを取り出す際は、優しく丁寧に作業を進めましょう。鉢を横に倒し、縁を手のひらで軽く叩くと、土ごと抜き取りやすくなります。この時、根が張り過ぎている場合は、古い土を優しくほぐしながら、傷んだ根があれば清潔なハサミでカットしてください。
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新しい鉢にパキラを入れる
準備した新しい鉢の底面に用土を適量入れてパキラを配置します。
株を中心に据え、周囲に新しい用土を充填していきましょう。この時、根と土がしっかりと密着するよう、指先で優しく押さえながら隙間を埋めていきます。植え付けが完了したら、鉢の縁から2〜3センチ下まで土を入れ、表面を平らに整えてください。 -
水やりをする
最後の仕上げとして、鉢底から流れ出るまでたっぷりと水を与えてください。新しい土を落ち着かせ、根と土の密着を促進する大切な工程です。
パキラの植え替えに適した時期・頻度
パキラの植え替えは、タイミングも重要です。押さえておきたいポイントとしては以下の通りです。
植え替え頻度は1~2年に一度がおすすめ
パキラの理想的な植え替えの頻度は1〜2年に一度です。この周期で行うことで、パキラは常に快適な環境で成長し続けることができます。
鉢の中で根がいっぱいになってしまう前に植え替えることで、水分の吸収がスムーズになり、健康な成長を促せます。ただし状況によっては植え替えが早く必要なケースもあるため、根詰まりや根腐れのサインを見逃さないようにしましょう。
植え替え時期は5~6月がおすすめ
5月から6月にかけての気候が穏やかな時期は植物の活力が最も高まる季節なので、この時期の植え替えがおすすめです。
新しい環境への順応もスムーズで、その後の成長も旺盛になります。
植え替えが必要なパキラのサイン
パキラは1〜2年に一度のタイミングで植え替えるのがベストですが、以下のような状態のときは植え替えを検討しましょう。
鉢底から根が顔を出している
鉢底から根が飛び出してしまっている場合は、植え替えが必要なサインです。
限られた空間で精一杯成長した根が、新たな生育空間を求めており、放置すると根の健全な発達が妨げられ、成長に影響を及ぼしてしまいます。
水はけが著しく悪くなっている
普段なら素直に土に染み込んでいく水が表面でなかなか吸収されない場合は、土が固く締まりすぎて、水はけが悪くなっている証拠です。この状態が続くと、根の呼吸が妨げられ、健康な成長を阻害する可能性があるので植え替えを行いましょう。
根詰まりの可能性がある
根詰まりの症状も見逃せないポイントです。鉢の中で根が絡み合って固くなっている状態は、水や養分の吸収を著しく低下させます。これは、葉の成長の鈍化や、新芽の出現が少なくなるといった形で表面化することがあります。
これらのサインは、決して一度に現れるわけではありません。日々の観察の中で、少しずつ変化していく植物の様子に気を配ることが大切です。特に、水やりの時間は土の状態や根の様子をよく確認する絶好の機会なので、植物の健康状態を把握する重要な時間として活用しましょう。
パキラの植え替え後の育て方
植え替え直後のパキラは環境の変化でダメージを受けやすい時期です。この時期を乗り越え、より力強い成長へと導くために以下の2点に注意してください。
植え替え直後は水やりをたっぷりする
植え替え直後は鉢全体に満遍なく水を与えましょう。新しい土と根がしっかりと密着し、細かな根の周りまでしっかりと土が行き届きます。この際、水が引いた後に土の沈みがある場合は、適量の土を追加して調整してください。
直射日光を避けて明るい日陰で管理する
日光を好むパキラは、年中日当たりのよい場所で育てるのが基本です。
しかし、植え替え直後のパキラは弱っている状態なので、室内の風の当たらない明るい日陰でゆっくり休ませてください。おすすめはレースのカーテン越しくらいの明るさです。
1〜2週間経って元気な様子であれば、元の場所に戻して通常の管理を再開してください。
害虫は早めに駆除する
害虫の発生にも注意が必要です。特にカイガラムシやハダニなどは、早期発見・早期対処が重要です。初期の段階であれば、アルコールを染み込ませた綿棒での丁寧な除去も効果的です。
植え替え後1ヶ月は、特に丁寧な観察が欠かせません。新芽の出現や葉の艶や硬さにも注目し、健康状態を把握することが大切です。
パキラの剪定と切り戻しとは
パキラの魅力を最大限に引き出し、健康的な成長を促すためには、植え替え以外にも適切な剪定と切り戻しが欠かせません。実際の剪定と切り戻しを行う理由と手順をご紹介します。
剪定の重要性
パキラの剪定は見た目を整えるだけでなく、健康維持にも重要な役割を果たします。適切な剪定を行うことで、光が内部まで十分に届き、風通しが良くなるため病害虫の発生を防ぎ、より充実した成長を促すことができます。
最適な剪定時期
剪定の最適な時期は、パキラが活発に成長する春から夏の期間です。特に4月から7月にかけては、切り口の回復力が高く、新芽の成長も期待できます。ただし、真夏の強い日差しの時期は避け、朝晩の涼しい時間帯に作業を行ってください。
剪定の手順
まず、作業前に剪定ばさみを消毒し、清潔な状態にしてください。病気の感染を予防できます。
次に、枯れた葉や黄ばんだ葉を丁寧に取り除きます。この際、葉の付け根からきれいに切り取ることで、見た目も美しく仕上がります。
こみ合った枝や、大きく伸びすぎた枝を見極め、樹形の外側に向かって45度の角度で切り取りましょう。この時、必ず節の上2〜3センチメートルの位置で切るのがポイントです。
切り戻しの重要性
切り戻しは、パキラが大きくなりすぎた場合や、樹形を大幅に整えたい場合に行う、より大胆な剪定方法です。
切り戻しを行う際は、はじめに目標とする高さを決めます。基本的には、現在の高さの1/3程度までの切り戻しが安全です。幹を切る位置は必ず節の上とし、やや斜めにカットすることで水がたまりにくく、腐りにくい切り口となります。
切り戻し後のケア
切り戻しを行った後は、特に丁寧な管理が必要です。切り口には園芸用の癒合剤を塗り、感染を防いでください。
水やりは土の表面が乾いてから適度に行い、過湿を避けましょう。また、直射日光は避け、明るい日陰で管理することで、新芽の成長を促します。
新芽が出てきた場合の管理
切り戻し後、新芽が出てきたら、樹形のバランスを考えながら育成します。複数の新芽が出た場合は、強すぎる枝を適度に間引くことで、バランスの良い樹形に導くことができます。
剪定・切り戻し後の注意点
作業後2週間程度は、植物の様子を特に注意深く観察します。葉の黄化や枯れ、異常な落葉などが見られた場合は、環境を見直す必要があります。
急激な環境変化は避け、徐々に日光に当てる時間を増やすなど、段階的な管理を心がけましょう。
パキラの増やし方
インテリアとして人気の高いパキラは「今育てているパキラを増やしたい!」と思う方も多いです。そんなパキラには2つの増やし方があり、どちらも自宅で手軽に行えるのが魅力です。
パキラを挿し木で増やす方法
1つめは挿し木です。パキラを増やすのに簡単でおすすめです。
実際にパキラの挿し木の必要な道具と手順をご紹介します。
準備する道具
- コップ
- 割りばし
- はさみ
- 鉢
- 鉢底ネット
- 肥料が入っていない土
挿し木の手順
- コップに水を入れておく
- 幹や枝を15~20cm程度に切る
- 枝についている葉を5~6枚の葉を1,2セット残して取り除く
- 残した葉を1/3程度の大きさに切る
- 枝の一番下の部分を斜めに切る
- コップに枝を1時間程度挿しておく
- 鉢に鉢底ネット、用土を入れて湿らせておく
- 枝と割りばしを鉢に斜めに挿し、割りばしを抜く
- 上記の手順で1つの鉢に何本か枝を挿す
- 枝の根元を固め、たっぷり水やりする
挿し木をしてから約1ヶ月で新芽が出てきますが、その場合、根も出ているサインです。そこからまた1ヶ月程度しっかり育てたら、鉢上げをしてください。
鉢上げとは1株ずつ新しい鉢に植え替える作業のことです。鉢上げも1週間程度は半日蔭で管理し、毎日水やりをしてくださいね。
他にも挿し木を行う際のポイントは下記の通りです。
- 挿し木を行うのは5~8月がおすすめ
- 室温20℃以上、湿度50%以上の環境が根付きやすい
- 挿し木後は土が乾かないよう注意する
パキラを水挿しで増やす方法
もう1つの増やし方は水挿しです。挿し木では土に挿す方法でしたが、水挿しは名前の通り水に挿す方法です。
水挿しは土を使わないため手軽にできますし、好きな容器に入れることができるのてインテリアとしても楽しめます。
実際に水差しに使用する道具は下記の通りです。
準備する道具
- はさみ
- 穴が空いていない容器
- 水耕栽培用肥料
- 水(常温の水道水で可)
水挿しの手順
- 容器に水と水耕栽培用の肥料を入れる
- パキラを剪定する(剪定のポイントは下記に記述してあります)
- 葉を半分に切る
- 容器に挿す
水挿し用のパキラを剪定する場合は、普段の剪定とは違う注意するポイントがあります。
- 新しめの枝葉を選ぶ
- 成長点(枝の少し太く出ている部分)か2cm上を切る
- 枝は10~20cm程度残しておく
- 剪定後の葉は全部半分に切る
また、発根するまでの注意点もあるので確認しといてください。
- 風通しの良い日陰の場所で管理する
- 水やりor水替えは1~3日に1回行う(暑い季節は毎日)
- 水挿しをして2週間程度で新しい根の元のカルス(白い点)が出てくる
- カルスが出てから3週間~1ヶ月後に根が数本できる
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