サンスベリアの葉はマイナスイオンを放出することでも有名で、高い空気洗浄効果が期待できる人気の観葉植物です。
丈夫で枯れにくいことから初心者でも比較的育てやすい植物であるとされていますが、元気な姿を長く保つためには定期的な植え替えが欠かせません。
とはいえ、初めて植物を育てている場合は、以下のようなお悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
「サンスベリアが成長してきたけれど、自分で植え替えできるか不安」「葉の色が変色してきたけど、どうしたらいいのかわからない…」
そこで本記事では、サンスベリアの植え替え方法や育て方のコツについて詳しく解説します。
サンスベリアは植え替えることで育ちやすくなる
長く同じ鉢で過ごすうちに、少しずつ生育環境は悪化していきます。土壌が固まり、根が窮屈になることで養分も減少していき、サンスベリアの状態がどんどん悪化してしまうのです。
新鮮な土壌に移すことで根は活発に伸長し、必要な養分も十分に供給されるようになります。その結果、新芽の成長も促進され、より力強い株へと成長していきます。
サンスベリアの植え替えで必要なアイテム
サンスベリアの植え替えで必要な道具は以下の通りです。
- サンスベリア専用土
- 新しい鉢
- 鉢底ネット
- 鉢底の土(軽石)
- スコップ
- 割りばし
- はさみ
- 軍手
- 新聞紙かピクニックシート
サンスベリアを植え替える手順
サンスベリアは下記の手順で植え替えてください。
1.用土を準備する
サンスベリアの用土は排水性と保水性のバランスの取れた観葉植物専用の土を用意しましょう。市販の観葉植物用土に、パーライトやバーミキュライトを混ぜ合わせることで、より最適な用土を作ることができます。
2.鉢底網を敷いて鉢底石を入れる
鉢底の排水穴を機能させるために、鉢底網をぴったりと敷き詰めます。その上に鉢底石を2〜3センチほど入れて排水層を完成させてください。
この工程は根腐れを防ぐ重要な土台となります。
3.サンスベリアを取り出す
古い鉢からサンスベリアを取り出すときは優しく丁寧に作業を進めましょう。鉢を横に倒し、縁を手のひらで軽く叩くと、土ごと抜き取りやすくなります。この時、根が張り過ぎている場合は、古い土を優しくほぐしながら、傷んだ根があればはさみでカットしてください。
4.新しい鉢にサンスベリアを入れる
準備した新しい鉢の底面に用土を適量入れてサンスベリアを配置します。
株を中心に据え、周囲に新しい用土を入れてください。この時、根と土がしっかりと密着するよう、指先で優しく押さえながら隙間を埋めていくのがポイントです。
植え付けが完了したら、鉢の縁から2〜3センチ下まで土を入れ、表面を平らに整えてください。
5.水やりをする
最後の仕上げに、鉢底から流れ出るまでたっぷりと水を与えてください。新しい土を落ち着かせて、根と土の密着を促進する大切な工程です。
その後は1週間ほど様子を見て、土の表面が乾いてきたら再度水やりを行いましょう。
上記は植え替えの手順をご紹介しましたが、同時期にサンスベリアを増やす「株分け」や「葉挿し」を行う方も多いです。
サンスベリアを株分けする手順
サンスベリアは「株分け」という成長して大きくなったサンスベリアの根元から自然に増えた株を分割する繁殖方法があります。
植え替えのタイミングに合わせて行うのが効率的です。すでに根が張っている状態なので、比較的短期間で独立した個体として育ちます。
必要な道具は下記のとおりです。
- 剪定ばさみ
- 新しい鉢
- サンスベリア
- 鉢底網
- 鉢底石
- サンスベリア用の土
手順は下記のとおりです。
- 土が乾くまで水やりをお休みする
- 鉢から株全体を取り出す
- 根に付いている古い土をやさしく取り除く
- 増えた子株を清潔なはさみでカットする
- 切った部分を半日~1日程度乾かして傷を癒す
- 新しい鉢の底に鉢底ネットと石を敷いて排水対策をする
- 鉢の半分まで土を入れる
- サンスベリアを新しい土にしっかりと据え付ける
- 倒れないように支柱を立てて葉を固定する
株分け後のサンスベリアは、風通しの良い明るい日陰で管理しましょう。また、根がダメージを受けている状態ですので、2週間くらいは水やりをしないでください。
また、株分けを行う場合は、春から夏にかけて行ってください。
サンスベリアを葉挿しする手順
株分けと比べて、より手軽に繁殖を試せるのが「葉挿し」という方法です。
必要な道具は下記のとおりです。
- 剪定ばさみ
- 新しい鉢
- サンスベリア
- 鉢底網
- 鉢底石
- サンスベリア用の土
手順は下記のとおりです。
- 葉挿しに使う葉を切り取る
- 葉を10cm程度の長さに切り分けて乾燥させる
- 新しい鉢の底に鉢底ネットと石を敷いて排水対策をする
- 乾燥させた葉を新しい鉢の土に挿す
- 挿して1ヶ月程度後に根が出ているか確認する
- 水やりは適度に乾燥気味に育てる
葉挿しの大事なポイントは、葉の上下をしっかり把握しておくことです。葉を切り分けるときに上下がわからなくならないよう注意し、土に挿すときは葉の下側を差し込んでください。
また、乾燥させる時間は、半日~2日程度を目安にしてください。
葉挿しを行うタイミングも春から夏の成長期がベストです。この時期なら、植物の活力が高く、新しい環境への適応も早くなります。
サンスベリアの植え替えに適した時期・頻度
サンスベリアの植え替えは、タイミングも重要です。押さえておきたいポイントとしては以下の通りです。
頻度は2~3年に一度がおすすめ
サンスベリアの理想的な植え替えの頻度は2〜3年に一度です。この周期で行うことで、サンスベリアは常に快適な環境で成長を続けることができます。
鉢の中で根がいっぱいになってしまう前に植え替えることで、水分の吸収がスムーズになり、健康な成長を促せます。ただし、根詰まりや根腐れのサインがある場合は早めの植え替えが必要になるので注意しましょう
植え替え時期は5~8月がおすすめ
5月から8月にかけての暖かい時期は植物の活力が最も高まる季節なので、この時期の植え替えがおすすめです。
新しい環境への順応もスムーズで、その後の成長も旺盛になります。
植え替えが必要なサンスベリアのサイン
具体的な植え替えのタイミングは以下の通りです。
水をやっても鉢の中にしみこんでいかない
普段なら素直に土に染み込んでいく水が、表面でなかなか吸収されない場合は土が固く締まりすぎて、水はけが悪くなっている証拠です。この状態が続くと根の呼吸が妨げられ、健康な成長を阻害するので植え替えのポイントして覚えておきましょう。
鉢の底から根が出ている
鉢底の排水穴から根が顔を覗かせている場合も、植え替えの必要性を示しています。精一杯成長した根が、もっと広い育空間を求めているため、放置すると、根の健全な発達が妨げられ、成長に影響を及ぼしてしまいます。
根詰まりの可能性がある
早めに植え替えをすべきサインの1つは「根詰まり」という、根が鉢の中で絡み合って固くなった状態です。根詰まりを起こすと、水や養分が吸収されにくくなるため、葉の成長が鈍ったり、新芽が出にくくなったりします。
脇芽が出て鉢が窮屈
脇芽が次々と出現し、鉢の中が手狭になってきた場合も要注意です。サンスベリアの新しい芽は限られた空間では十分な栄養を確保できません。株が混み合った状態は、風通しも悪くなり、病害虫の発生リスクも高まります。
これらのサインは、決して一度に現れるわけではありません。日々の観察の中で、少しずつ変化していく植物の様子に気を配ることが大切です。特に、水やりの時間は土の状態や根の様子をよく確認する機会なので、植物の健康状態を把握する重要な時間として活用しましょう。
サンスベリアの植え替え後の育て方
植え替え直後のサンスベリアは環境の変化でダメージを受けやすい時期です。この時期を乗り越え、より力強い成長へと導くために以下の2点に注意してください。
直射日光を避けて明るい日陰で管理する
最も重要なのは、植え替え後の置き場所選びです。急激な環境変化を避けるため、直射日光が当たる場所は避けましょう。
レースのカーテン越しに柔らかな光が差し込むような、明るい日陰の空間が理想的です。新しい環境にストレスなく順応させ、葉焼けなどのリスクも防ぐことができます。
適度な水やりを行う
水やりも管理が必要です。植え替え直後は、土と根を密着させるために十分な水を与えますが、その後は控えめな水やりをしてください。
土の表面が完全に乾いたら鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと与え、水受けの水は捨てるようにしましょう。
通常の場合でも水は2週間に一度、冬の時期は1ヶ月に一度を目安に水やりをしましょう。
害虫は早めに駆除する
害虫の発生にも注意が必要です。特にカイガラムシやハダニなどは、早期発見・早期対処が重要です。初期の段階であれば、アルコールを染み込ませた綿棒での丁寧な除去も効果的です。
植え替え後1ヶ月は特に丁寧な観察が欠かせません。新芽の出現や葉の艶や硬さにも注目し、健康状態を把握することが大切です。
サンスベリアの育て方の注意点
サンスベリアは比較的育てやすい観葉植物ですが、育て方のポイントを間違えてしまうと枯れてしまったりする場合もあります。
かかりやすい病気「立枯病」
サンスベリアがかかりやすい病気の一つに「立枯病」というものがあります。
これは、根腐れや過湿が原因で発生する病気で、葉がしおれたり枯れたりします。
立枯病を防ぐためには、適切な水やりと通気性の良い土を使用することが大切です。もし立枯病にかかってしまった場合は、早めに病気の部分を取り除き、土を乾燥させる必要があります。
季節ごとに応じた水やり
サンスベリアの水やりは季節によって異なります。サンスベリアの水やりのポイントは「乾燥気味に育てる」です。
サンスベリアは肉厚な葉に水分を蓄える性質があるため、土の表面が乾いて2〜3日経ってから水やりをするのがポイント。
また、サンスベリアの生育期にあたる5〜9月頃までは、鉢底から水がしたたり落ちるくらい水をたっぷりあげてください。
9月を過ぎたころから水やりを控えめにし、土の表面が乾いてから7〜10日くらいを目安に水やりをします。
冬の寒い時期に至っては水やりは一切行いません。ただし、室内で育てる場合や気温が10℃以上の環境では、月に1回の頻度で水やりを行ってください。
サンスベリアの植え替えに関するよくある質問
サンスベリアの植え替えや育て方についてよくある質問をご紹介します。
サンスベリアの寿命は?
サンスベリアの寿命は5〜10年と長く楽しむことができます。
また、質の良い生育環境や個体の健康さなどの条件が揃うことで20年程度保つこともあります。
サンスベリアを業者に依頼する場合の費用相場は?
サンスベリアの植え替えを業者に依頼する場合の費用は、鉢のサイズや作業内容によって異なります。
一般的な費用相場は、鉢のサイズが小さい場合で3,000〜5,000円、中くらいのサイズで5,000〜8,000円、大きな鉢の場合は10,000円〜です。
コスト面のみでいえば自分で植え替えをした方が安くすみますが、それでもスコップや剪定バサミといったアイテムは揃えなければなりません。労力と手間をかけずに失敗のない植え替えを望むなら、プロの業者への依頼がおすすめです。いくつかの業者から見積もりを取り、比較検討することでコストを抑えられます。
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