インテリア観葉植物として人気のコーヒーの木は、良い香りのする白い花と美しいツヤの葉が特徴的です。
比較的育てやすい植物であるとされていますが、元気な姿を長く保ち、コーヒーの豆を収穫するためには定期的な植え替えが欠かせません。
とはいえ、初めて植物を育てている場合などは、以下のようなお悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
「コーヒーの木が成長してきたけれど、自分で植え替えできるか不安」「コーヒーの木を植え替えるタイミングがよくわからない…」
そこで本記事では、コーヒーの木の植え替え方法や育て方のコツについて詳しく解説します。コーヒーの木を植え替えるタイミングや、植え替えが必要なコーヒーの木のサインについてもわかりやすくまとめました。
コーヒーの木は植え替えることで育ちやすくなる
コーヒーの木は成長が早い植物として知られています。そのため、適切なタイミングで植え替えをすることがとても重要です。
コーヒーの木の成長に対して小さな鉢のまま放置すると、どんどん大きくなり、葉や茎が絡み合い、見た目がだらしなくなってしまいます。それだけでなく、最悪の場合元気がなくなって枯れてしまうかもしれません。
植え替えるときは現在育てている鉢より一回り大きめの鉢を準備して植え替えてください。
定期的な植え替えや剪定を行うことで、コーヒーの木の美しい姿を保ち、健やかに育てましょう。
コーヒーの木の植え替えで必要なアイテム
コーヒーの木を植え替える際に必要なアイテムは以下の通りです。
- コーヒーの木
- 一回り大きな鉢(成長させたい場合)
- 株分用の鉢(成長を止めたい場合)
- 植え替え用の土
- 清潔なハサミ
- 鉢底ネット
- 鉢底石
- ピンセット・割り箸など
- ビニールシート・新聞紙など
- 手袋
- 細い棒
上記のアイテムは、ホームセンターなどで手軽に入手できます。事前に必要なものを揃えておくことで植え替え作業がスムーズに進むため、ぜひチェックしてみてください。
コーヒーの木を植え替える手順
コーヒーの木を植え替える際は、正しい手順で進めることが重要です。誤った方法で植え替えを行うと、植物が傷んでしまったり、最悪の場合枯れてしまうこともあるため注意が必要です。
以下の手順を参考に、適切に植え替えを進めましょう。
1. 用土を準備する
まずは、コーヒーの木に適した用土を準備しましょう。観葉植物用の培養土や、水はけの良い土壌がおすすめです。市販の土を活用する場合は、硬い鹿沼土2:多孔質用土(バーミキュライト)5:広葉樹の腐植物(腐葉土)3をブレンドするのがおすすめです。
用土はあらかじめ湿らせておくと、植え替え作業がしやすくなります。
2. 植え替え先の鉢に軽石を入れる
作業前に新聞紙やビニールシートを引いてください。植え替え用の鉢に鉢底ネットを敷き、鉢底網が見えなくなるくらい軽石を入れてから、用土を鉢の半分ほどまで入れていきます。軽石を入れることで水はけが良くなり、根腐れの防止につながります。
鉢底ネットは針金で固定しておくと、後からずれにくくなりおすすめです。
3. コーヒーの木を取り出して株を整える
植え替え用の鉢の準備が整ったら、コーヒーの木を古い鉢からやさしく取り出します。鉢を逆さまに向けるように持ち、根鉢が落ちてくるようにやさしく取り出してください。
根が張って取り出せないときはトントンと鉢の淵を叩いたり、鉢底穴に棒を差し込みながらやさしく押し出すように取り出しましょう。
また、根が枯れていたり根腐れしている場合ははさみやピンセットなどで取り除いてください。
4. 新しい鉢にコーヒーの木を入れる
準備が整ったら、コーヒーの木を新しい鉢に移し替えましょう。鉢の真ん中にコーヒーの木を置き、少しずつ周りから土を入れていきます。鉢を軽く揺らしながら土を隙間なく入れることで、根が固定されやすくなります。
土を入れた後は細い棒で土を突いて根と根の隙間にも土が入るようにし、最後に鉢の縁をトントンと叩いて土をならせば植え替えは完了です。
植え替えが完了したらたっぷりと水を与え、土全体に浸透させてください。植え替え後は直射日光を避けて、明るい日陰や室内で2週間程度置いておくことで、コーヒーの木の新芽が出てくるようになります。
新芽が出てきたら、元々コーヒーの木を育てていた場所に戻してあげてください。
コーヒーの木の成長を止めたい場合は「株分け」を行う
コーヒーの木が大きくなりすぎて手に負えなくなったり、コーヒーの木を増やしたい場合、「株分け」がおすすめです。株分けを行うことでコーヒーの木を2つに分けて、それぞれの株の成長を抑えることができます。
ただし株分けはコーヒーの木に負担が伴う作業です。根が複雑に絡み合っている場合は、無理に分けようとせず、慎重に作業を進める必要があります。元気な根を傷つけないように、慎重にハサミを使って株分けしましょう。
コーヒーの木の植え替えに適した時期・頻度
コーヒーの木の植え替えは、タイミングも重要です。押さえておきたいポイントとしては以下の通りです。
頻度は1~2年に一度がおすすめ
コーヒーの木は成長が早ければ1年に1度、少なくとも2年に一度の頻度で植え替えを行いましょう。
鉢の中で根がいっぱいになってしまう前に植え替えることで、水分の吸収がスムーズになり、健康な成長を促せます。ただし状況によっては1年以内に植え替えが必要なケースもあるため、根詰まりや根腐れのサインを見逃さないようにしましょう。
植え替え時期は5〜7月がおすすめ
植え替えに最適な時期は、5月から7月にかけての時期です。
コーヒーの木は寒さに弱いため、最低気温が15℃以上になる時期に植え替えるのがおすすめです。寒い時期に植え替えると痛み、枯れやすくなってしまうので植え替えのタイミングは慎重に見極めるようにしましょう。
植え替えが必要なコーヒーの木のサイン
「しっかり水をあげているのに、コーヒーの木の元気がない…」。そんなときは、根詰まりや根腐れが原因かもしれません。
根詰まりや根腐れの兆候が見られた場合は、早急に植え替えを検討する必要があります。
それぞれのサインを見てみましょう。
根詰まりしていると考えられるとき
- 水やりをしても土が水を吸収しない
- 葉が落ちている
- 鉢から根が飛び出している
上記のような症状が見られる場合、コーヒーの木が根詰まりを起こしている可能性があります。特に鉢底から根が出ている場合は、現在の鉢が窮屈になっているサインです。
このような状態になったら、植え替えを検討する必要があります。
根腐れしていると考えられるとき
- 葉が黄緑色になっている
- 葉がしなしなしている
- 気根(きこん)と土の境目にカビが生えている
- 不自然に黒ずんでいる
- 幹の部分が柔らかい
- 触るとぶよぶよした感触がある
上記のような症状が見られる場合、根腐れの可能性があります。根が腐ってしまうと、水や栄養を十分に吸収できなくなり、コーヒーの木に深刻な影響を与えます。植え替えにより、回復できる環境を整えてあげましょう。
コーヒーの木植え替え後の育て方
植え替え後は、コーヒーの木が新しい環境に順応するまで注意深く管理する必要があります。また、その後もコーヒーの木が元気に成長できるよう、以下のポイントに着目して育てましょう。
植え替え直後は直射日光の当たらない日陰や室内で注意深く管理する
植え替え直後のコーヒーの木は環境の変化に敏感です。そのため、植え替え後の2週間は、直射日光を避け、日陰や室内で管理しましょう。直射日光を浴びせると、植物がストレスを感じやすくなります。
2週間程度経ち、新芽が出てきたら、もともと育てていた場所に移動しても問題ありません。
水やりは、土の表面が乾いたことを確認してから行うことが重要です。この時に発根剤を薄めて水やりすると発根が促進されて成長の手助けをします。
鉢の底から水が流れ出るまでしっかりと与えつつ、鉢皿には水が溜まらないよう注意してください。水が溜まると、根腐れの原因となるため、水をあげすぎたら必ず捨てるようにしましょう。
肥料については、植え替え直後は避けたほうが無難です。直射日光と同様に、コーヒーの木が環境に適応できたことを確認してから与えるようにしてみてください。
適度な水やりをする
コーヒーの木の水やりは季節に応じて調整が必要です。
春から秋にかけて最適なタイミングは土の表面が乾いたときです。土の表面が乾いたら、植木鉢の底から水があふれ出てくる程度までたっぷりと水を与えてください。
一方、冬場は土の表面が乾いて2〜3日経ってから水分を与えるようにしてください。
コーヒーの木は毎日水を与えていると水分が過剰になり根腐れを起こす原因になるので、必ず土の表面が乾いてから水やりをしましょう。
置き場所を意識する
コーヒーの木は幼い株の時期とある程度生育したあとの株とでは、耐陰性に違いがあります。幼い株の時期は耐陰性があるので、あまり日が当たらない室内でも育てることができますが、生育したあとの株は耐陰性が下がっているので明るい場所で育てる必要があります。
おすすめの置き場所はレースのカーテン越しで日の光が差し込むような場所です。また、温かい環境を好む植物なので、5℃以下の環境で育てないように注意してください。
害虫は早めに駆除する
コーヒーの木は比較的害虫に強い植物ですが、ハダニやカイガラムシが発生することがあります。
特にカイガラムシは一度発生すると繁殖が早く、葉や茎がダメージを受けてしまいます。見つけ次第、早急に駆除しましょう。幼虫の段階で駆除するのが最も効果的ですが、成虫になった場合も専用の薬剤を使って駆除することは可能です。
また、ハダニは乾燥した環境で発生しやすいため、葉に霧吹きで水をかけて湿度を保つと予防に効果的です。
コーヒーの木の植え替えに関するよくある質問
最後に、コーヒーの木の植え替えに関するよくある質問をご紹介します。
それぞれについて見ていきましょう。
コーヒーの木を植え替えないとどうなる?
コーヒーの木を長期間植え替えずに放置すると、根が鉢の中で詰まり、水はけが悪くなります。これにより、成長が阻害されるだけでなく、根腐れのリスクも高まります。定期的な植え替えを行い、適切な環境を維持してあげましょう。
コーヒーの木の水耕栽培とは?
コーヒーの木は水耕栽培(ハイドロカルチャー)でも育てることができ、植え替えのタイミングで水耕栽培として育て方を変えられます。
水耕栽培には、水だけで育てる方法とハイドロボールのような無機質素材を使用して育てる方法の2通りがあります。
ただし、土の環境で育った根では水耕栽培に順応しないため、水耕栽培に変える場合、植え替えの際に根を短く整理して植え替える必要があります。
コーヒーの木は自分で植え替えられる?
コーヒーの木の植え替えは自分で行うことも可能です。しかし、誤った方法で植え替えてしまうと、コーヒーの木にダメージを与えてしまうことがあります。
プロの植え替え業者に依頼することで、適切に植え替えできるメリットがあります。失敗しないか不安な場合は、専門業者に依頼するのが安心です。
コーヒーの木を業者に依頼する場合の費用相場は?
コーヒーの木の植え替えを業者に依頼する場合の費用は、鉢のサイズや作業内容によって異なります。
一般的な費用相場は、鉢のサイズが小さい場合で3,000〜5,000円、中くらいのサイズで5,000〜8,000円、大きな鉢の場合は10,000円~です。
コスト面のみでいえば自分で植え替えをした方が安くすみますが、それでもスコップや剪定バサミといったアイテムは揃えなければなりません。労力と手間をかけずに失敗のない植え替えを望むなら、プロの業者への依頼がおすすめです。いくつかの業者から見積もりを取り、比較検討することでコストを抑えられます。
コーヒーの木に肥料をあげた方がよい?
コーヒーの木に肥料を与えることで、成長が促進されます。特に春から秋にかけては、植物が活発に成長するため、この時期に肥料を与えると効果的です。
ただし植え替え直後は植物がデリケートな状態にあるため、肥料は植え替え後2週間以上経ってからを目安に与えるようにしましょう。
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