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観葉植物の植え替え方法を解説。時期や植え替え後の管理方法も

最終更新日: 2024年06月28日

こまめに観葉植物を世話しているはずなのに、だんだんと元気がなくなってくる場合があります。購入後にかなりの時間が経過しているなら、植え替えを検討した方がよいでしょう。観葉植物の植え替え方法や、上手に管理するためのコツを紹介します。

観葉植物の植え替えをするタイミング

観葉植物

観葉植物の植え替えを見極めるポイントが分かっていれば、タイミングを逃す心配がなくなります。どんな部分をチェックすればよいのか、確認しましょう。

鉢底の穴から根が出ている

植え替えのタイミングが来ると、排水穴から根が出てくることがあります。これは鉢の内部が根でいっぱいになっている状態です。

行き場を失った根が外に出てきてしまっているので、そのままだと養分や水分を十分に吸収できず、だんだんと弱ってしまいます。根を伸ばす余地を与えるために、一回り大きな鉢に植え替えましょう。

水が浸み込まない、浸み込みが遅い

水やりをしても水が土に吸い込まれず、表面に留まっている時間が長い場合は、植え替えのタイミングです

園芸用土は水はけや水持ちを考え、さまざまな大きさの粒子で構成されています。

時間がたつと粒が細かくなった土同士が固まり、水が浸透しにくくなってしまうのです。水やりのときに水が浸透しなければ、土が古くなっている合図なので、新しい土に植え替えましょう。

また鉢の中が根でいっぱいになっている場合にも、水が通り抜けるスペースが足りず、浸み込みが遅い状態になりやすいといえます。

葉の色や様子が変わった

観葉植物の葉の様子も、植え替えのタイミングを見極めるポイントです。植物の葉は健康なときと、そうでないときで様子が変わります。

例えば水分が足りない状態に陥っていると、葉が内側に巻いてくるケースがあるのです。水やりをして元に戻れば、一時的に土の中の水分が足りていなかっただけだと判断できますが、水をあげても状態が改善しない場合、鉢の中が根でいっぱいになっているために、水不足を起こしている可能性があります。

また葉が黄色くなったり色ツヤが悪くなったりした場合も、鉢の内部で問題が起きていると考えられます。ただし日に当たりすぎて「葉焼け」を起こしている場合もあるので、植物の様子をよく点検して対処することが大事です。

観葉植物の鉢が倒れる

観葉植物の大きさと鉢のサイズが合っていないときも、植え替えのタイミングです。小さな苗のうちは3~4号程度の鉢でも十分ですが、生長して背が高くなると、小さな鉢ではバランスが悪くなり倒れてしまいます。

植物が大きく生長したということは、根もそれだけ量が増えているということです。植物の大きさに合った鉢を用意し、植え替えましょう。

鉢の大きさや形状は見栄えにも影響する部分です。横に広がる植物は浅めの鉢、背が高くなる植物は高さのある鉢を選ぶと、バランスを保ちやすくなります。

鉢を選ぶ際は好みのデザインかどうかをチェックするだけでなく、植物に合う形状かという点にもこだわって選ぶと、倒れにくくなります。

観葉植物の植え替えに適した時期

観葉植物

観葉植物の状態を見て植え替えた方がよいと判断した場合でも、時期によっては植え替えない方がよいケースがあります。植え替えに適した季節と、そうでない季節があることに注意しましょう。作業に適した時期を紹介します。

5月中旬から9月中旬に植え替え

観葉植物の植え替えに向いている時期は、5月中旬ごろから9月中旬ごろまでです。多くの植物は春に生育し、寒い時期になると生長の速度がゆっくりになります。

日本で販売されている観葉植物には熱帯地域を原産地とするものが多く、寒さが苦手な種類が少なくありません。冬に鉢から抜いて根が直接寒さにさらされると、大きな負担がかかる心配があります。

3~4月では地域によってはまだ寒い場所もあるので、春から初夏にかけて気温15~20度の暖かい日が増えてきたタイミングで植え替えましょう。

植え替えに適した時期を過ぎてしまっても、冬は生長が穏やかなので、急激に悪い状態にはなりにくいといえます。暖かくなるまで待って植え替えをした方が安全です。

植物や地域によって異なる場合も

暖かい場所が好きな観葉植物にも適温があり、気温20~25度くらいの環境が向いている種類も少なくありません。観葉植物によって好きな環境が異なるので、自分が育てている植物の生育温度を確認しましょう

一般的に真夏の暑い時期には生長が鈍る植物が多いので、植え替えは避けた方が無難です。植え替えるなら、暑さが一段落してきた9月中旬ごろがよいでしょう。

気温は地域によって異なるので、10月に入ってからでも、十分に植え替えに適した環境を保てるケースもあります。

観葉植物の植え替え方法

観葉植物の植え替えを開始する前に必要な道具を用意しておくと、手際よく作業ができます。植え替えの際に使用する道具や手順を紹介します。

植え替えに必要な道具

植え替えに使う道具類を事前にそろえておくと、スムーズです。どんな道具を用意しておけばよいのか確認しましょう。

  • 園芸用土
  • 鉢底石
  • 鉢底ネット
  • スコップ・土入れ
  • 割り箸
  • 剪定鋏
  • 新聞紙・ビニールシート

植え替えに必要な道具は、最初に観葉植物を植えたときに必要なものとほぼ同じです。観葉植物の世話を続けるのであれば、必要なものばかりです。足りないものがあれば、園芸用品店やホームセンターなどで買い足しましょう。

園芸用土は育てている植物向けのものを使います。観葉植物用に市販されているものを使用すると楽です。割り箸は土を入れた後に、土をつついて隙間をなくすために使用します。

剪定鋏は枝や根を整理したい場合にあると便利です。新聞紙やビニールシートは室内での作業時に、土が飛び散らないようにするために必要といえます。屋外で作業をする際は用意しなくても構いません。

鉢にネットや石を入れる

植え替える観葉植物の大きさに合った清潔な鉢を用意したら、排水穴の上に鉢底ネットを敷きます。大きなものは鉢のサイズに合わせて、カットしてから使いましょう。

ネットを敷かないと底から害虫が侵入したり、水やりをしたときに土が流出しやすくなったりします。

スノコ状のネットとセットになって販売されている鉢や、メッシュ状の穴が開いていてネットをセットしなくてよい商品もあるので、チェックしてみましょう。

鉢底石は「軽石」が使われているものが多く、水はけをよくするために使用します。鉢の底が隠れるくらいの高さまで入れましょう。

鉢から観葉植物を抜き取り、根の土を落とす

土が湿っている状態だと鉢から引き抜きにくいので、数日間水やりを控え、乾いた状態にしてから作業をします。室内を汚さないように、広げた新聞紙やビニールシートの上で作業しましょう。

観葉植物の根元を持って静かに引き抜き、1/3程度を目安に古い土を取り除きます。枯れている根やゴミなどがあれば、一緒に除去しましょう。

根があまり丈夫ではない植物を植え替える際は、あまりいじると負担が大きくなってしまうので、軽く土を落とす程度で構いません。

観葉植物を新しい鉢に入れ、土で固定する

根の掃除ができたら、いったん鉢の中に入れて高さを見ます。根元の位置を鉢の縁から「約1cm低い部分」に配置して、土を入れていきましょう。

目いっぱいまで土を入れると水やりをしにくく、うまく水分を吸収できない原因になります。水を入れるスペースがないと、土だけでなく肥料が一緒に流れてしまう点もデメリットです。

少量の土を入れてから片手で観葉植物を持ち、高さを見ながら周囲を土で固定していきます。ある程度土が入ったら、割り箸で軽く土をつついて全体的に行きわたらせます。

土が沈み込んだ部分があれば、少しずつ補充しましょう。つついたときに根を傷つけないように、丁寧に作業することがポイントです。

観葉植物を植え替える際の注意点

よかれと思ってやったことが、観葉植物にダメージを与える原因になるケースがあります。大切な植物を枯らさないために、気を付けたいポイントを見ていきましょう。

鉢から強引に観葉植物を抜かない

強く引っ張ると大事な根を傷つけてしまう可能性があります。植物にダメージを与えないようにするために、強引に引き抜かないようにしましょう。

鉢の中に根が限界まで詰まっている状態では、植え替えたくてもなかなか引き抜けないケースが、少なくありません。

つい力任せに引き抜きたくなってしまいますが、根の状態は生長に影響を及ぼします。傷ついた部分から弱って枯れてしまう可能性があるので、できるだけ丁寧に扱いましょう。

抜けない場合は鉢を叩くと隙間ができて、抜きやすくなります。プラスチック製の鉢であれば柔らかいので、外側から揉むようにするだけでも、抜けやすくなるでしょう。

植え替え直後に肥料を入れない

植え替えの直後に即効性が高い肥料を与えるのはやめましょう。肥料を与えると養分が多くなりすぎて株に負担がかかり、枯れる原因になります

傷ついた根に肥料が直接触れることは、植物にとってダメージが大きいのです。養分が多すぎると植物に必要な水分が不足し、肥料焼けを起こします。

新しい園芸用土の中には最低限の養分が含まれているので、しばらくの間は追加の肥料は必要ありません。

植え替えから時間がたって新しい葉が増え、新しい鉢の中でしっかりと根を張った状態になってから、追加の肥料を与えるようにしましょう。

植え替え後の観葉植物の管理方法

観葉植物

植え替えの失敗で多いのが、植え替え後の管理方法を間違えて、枯らしてしまうというものです。どのように扱えばよいのか見ていきましょう。

植え替え直後はたっぷり水を与える

植え替えが終わったら、鉢底から流れ出るくらいたっぷりと水を与えましょう。水を与えた後、土が入っていない部分が陥没したり隙間ができたりした場合は、減った分の土を足します。

植え替え作業で発生した細かい粒子の土を洗い流すために、排水される水が透明になるまで与えるのが基本です。大きめの鉢受けの上で作業をするか、屋外やベランダなどで作業をするとよいでしょう。

勢いよく水が出すぎるじょうろを使うと、土の中に決まった水の通り道ができてしまい、根全体に水分が行きわたらなくなる心配があるので、優しく水を与えることが大事です。

観葉植物を日陰に置く

植え替え直後の観葉植物は、日陰に置いて管理します。植え替え直後はまだ根付いていないので、水をうまく吸い上げられません。日向に置くと水分不足に陥って、調子を崩す原因になります

風が当たる場所だと根が傷んだり鉢が倒れたりして、ダメージを与えてしまうので、大きな鉢植えの陰になる場所やレースカーテン越しの窓辺など、明るい日陰に置きましょう。

新しい環境に慣れるまでには時間がかかるので、頻繁に置き場を変えないようにすることも大事です。土が乾いてから水を与えるようにし、ときどき霧吹きで葉水を与えるとよいでしょう。

1週間ほどたったら通常通りに戻す

植え替えから1週間程度が経過し、新しい芽が出る、葉が伸びるなどの生長が見られたら、しっかりと根付いた合図です。元の置き場所に戻して育てられます。

植え替え直後の観葉植物は、非常にデリケートな状態です。人間にたとえれば、手術後に安静にしている期間のようなものなので、ゆっくりと養生させましょう。

この時期に無理をさせると、枯れる可能性が高まります。しばらくは様子を見ながら管理しましょう。

観葉植物の植え替えに関するよくある疑問

観葉植物の植え替えに関して、「植え替えしなくても平気では?」「これ以上大きな鉢を用意できない」など、さまざまな疑問が湧いてくるケースがあります。よくある疑問を解決しましょう。

植え替えをしないとどうなる?

観葉植物の植え替えをしないと、鉢の中が根で詰まった状態になります。水分・養分・空気など、植物が生きていくために必要なものが、失われている状態です。

根がいっぱいになっている状態を「根詰まり」と呼びます。そのまま放置していれば、健康的な生育は望めず、そのうち根が腐ってしまうでしょう。

根が腐ってしまうことを「根腐り」といい、やがて枯れてしまう運命です。植物の種類にもよりますが、1~2年で鉢の中が窮屈な状態になり、土も古くなります。定期的に植え替えを行い、鉢ごとリセットすることが大事です。

生長が途絶えて枯れた根を取り除き、新しいフカフカな土に植え替えれば、再び元気を取り戻してくれるでしょう。

鉢のサイズはどう選ぶ?

植え替えの際は鉢の大きさを一回り大きくするのが基本です。具体的には元の鉢の直径より3cm程度大きいものが、一回り大きな鉢に該当します。鉢の号数は1号ごとに直径が3cm大きくなっていく仕組みです。

例えば3号サイズの鉢の直径は9cmで、4号サイズなら12cmです。号数×3cmで直径の大きさを導き出せます。4号サイズの鉢に植えていた観葉植物なら5号サイズというように、鉢を大きくするとよいでしょう。

生長が急激な種類の植物であれば、2号ほどアップしても問題ありません。生長がゆっくりな植物をいきなり大きな鉢に植えてしまうと、水分や養分をしっかり吸収できず、弱らせてしまう可能性があります。

植物の大きさとのバランスが取れた鉢か、一回り大きなものに植え替えると覚えておきましょう。

土の再利用はできる?

植え替えの際に出た土を再利用したいと考える人もいるでしょう。古くなった土には植物を枯らす病原菌が潜んでいるケースもあるので、新しい土を使うことが大事です

病原菌がいなかったとしても、粒子が崩れて固まりやすくなった土を使うと、水はけが悪くなったり、水分や養分がうまく行きわたらなくなったりします。

前回の植え替えからそれほど時間がたっておらず、鉢のデザインを変えたいという理由で再び植え替える際は、土が古くなっているわけではないので、再利用しても構いません。

サイズを大きくしたくない場合は?

観葉植物をどんどん大きくしていきたい場合もあれば、置き場所の問題などから、これ以上大きくなってほしくないという場合もあります。

観葉植物のサイズを変えたくないのであれば、根や枝葉の整理をしてから、元の大きさの鉢に植え直す方法がおすすめです

植物を引き抜いたときに根を点検して、古くなって茶色くなったものは取り除きます。とぐろを巻くほど長い根は、1/3程度の長さまで切って構いません。

根を切った分、葉も取り除いてバランスを取ります。根が地上部に与える影響は大きいので、水分や養分の吸収がしやすいように調整するのがポイントです。清潔で切れ味のよい鋏を使うと、植物に与えるダメージを減らせます。

また「株分け」をしてボリュームを調整できる植物もあります。ポトス・モンステラ・シダ類など、地面のすぐ近くで枝や葉を伸ばすタイプの観葉植物は、根っこの部分で2つに分けてそれぞれを鉢に植えて増やせるのです。

株分けは植物の大きさを管理するとともに、お気に入りの植物を増やせる方法でもあります。やり方を覚えておくと、より楽しく植物を育てられるでしょう。

植え替えで観葉植物をさらに元気に

観葉植物

長期間にわたり観葉植物の姿を生き生きとした状態に保ちたいと思うなら、定期的な植え替えが欠かせません。1~2年を目安に植え替えるとよいですが、頻繁な植え替えが大変だと感じる場合は、生長が穏やかな種類を選ぶ方法がおすすめです。

春から初夏にかけてと、寒さが厳しくなる前の秋口に植え替えると、元気よく育ってくれます。放置すると根の状態が悪くなり、最悪の場合には枯れてしまうでしょう。

植え替えの手順や植え替え後の管理方法を間違えないようにすれば、初めてでも簡単です。健康的な生長ができなくなる前に植え替え、元気な姿に育てましょう。

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