ハバチは種類が多く幼虫の見た目が芋虫に似ているので、見分けをつけて正しい対処をすることが重要です。ハバチの食害や防除方法について解説します。
ハバチの幼虫による被害は?
毒針を持っておらず人を刺さないハバチですが、幼虫は植物を食い荒らして成長を妨げます。食害を受けやすい植物はハバチの種類によって異なり、チュウレンジハバチの幼虫はバラやツツジの葉を好んで食べます。それぞれの種類の特徴や好みは記事で解説しています。
ハバチの幼虫を駆除するにはどうしたらいい?
ハバチの幼虫は手で1匹ずつ取ることで駆除することができます。皮膚に害を与える種類も存在するため、手袋をしておきましょう。また薬剤を使用するもの有効です。
毒針を持たない蜂「ハバチ」とは?
広腰亜目に属する蜂の一種
蜂の種類は、胸と腹がくびれた「細腰亜目」と、くびれがなく寸胴の体型をした「広腰亜目」の二つに分けられます。
ハバチは、胴体にくびれがなく、広腰亜目に分類される蜂の一種です。
ハバチは世界中に生息しており、5,000~10,000種類にもおよぶといわれています。このうち、日本に生息するハバチの種類は約1,000種類です。
またハバチは類植物の葉や木の幹をエサとして生活おり、穏やかな虫です。
ハバチは毒針がなく、人を刺さない
蜂と聞くと、「毒針で刺す」というイメージがありますよね。
しかしハバチは毒針を持っておらず、人を刺しません。
そもそも蜂の針は、卵を産むための産卵管が変化した針です。
毒針は産卵管としての役割だけでなく、巣を守るためにもあります。スズメバチ類やアシナガバチ類など毒針を持った蜂は、敵から巣を守るため、相手を刺し、毒を注入し弱らせるのです。
ハバチは巣を作らず、直接木の葉っぱや幹に卵を産みます。そのため巣を守る必要がなく、産卵管のみで十分なのです。
生態とライフサイクル
ハバチの成虫が発生しやすい時期は、主に5~10月です。植物に産み付けられた卵が約1週間でふ化し、約1カ月の幼虫期間を経て成虫になります。
ハバチの発生回数は、一般的には年1~3回です。成熟した幼虫は、土の中に作った繭(まゆ)の中で成虫になり、秋以降は幼虫が繭の中でサナギの状態で冬を越します。
ハバチは非常に種類が多いため、生態やライフサイクルは種類により異なります。成虫の色や模様、卵を産み付ける植物の種類も、ハバチの種類によってさまざまです。
作物を食い荒らす幼虫の恐怖
色は黒から緑まで多種多様
以下に食害を出すことで有名なハバチの幼虫とその特徴を紹介します。
チュウレンジハバチの幼虫 | 体が緑色で頭は黒く、中には黒い斑点を持つタイプも |
ルリチュウレンジの幼虫 | 体が黄緑色で頭が黒く、全体的に黒い斑点がある |
カブラハバチの幼虫 | 全体が黒っぽい色 |
シモツケマルハバチの幼虫 | 体が半透明で水玉模様 |
ニホンアカズヒラタハバチの幼虫 | 体が緑色で頭は黒っぽく光沢がある |
ヨフシハバチの幼虫 | 全体が白っぽい色 |
ハバチの幼虫は、どの種類も芋虫のような見た目です。ただし色や模様は種類によりさまざまなパターンがあります。
ハバチの成虫は針を持っていないので、人に害を与えませんが、幼虫は食害により植物に甚大な被害を与える恐れがあります。
ハバチに狙われやすい植物
食害を受けやすい植物も、ハバチの種類により異なります。
チュウレンジハバチの幼虫は、バラやツツジの葉を好んで食べます。ルリチュウレンジの幼虫が狙いやすいのもツツジ類の植物です。
カブラハバチの幼虫は、カブやハクサイなど、やわらかい葉を持つアブラナ科の植物を好みます。ハグロハバチの幼虫が食べる主な植物は、ギシギシ・スイバ・イタドリです。
植物の成長の妨げになる、最悪病気に……
ハバチの幼虫は、植物の茎や葉っぱを食べつくし、植物の成長の妨げになります。
植物は、茎や葉っぱから日光や水分、栄養を吸収します。ハバチが茎や葉っぱを食べることで、栄養を吸収できなくなり、枯れさせてしまうのです。
またハバチの成虫が卵を産み付ける際は、植物の茎や葉の中に産卵管を差し込み、卵を産みつけます。
ふ化した幼虫が出てくる際に茎が裂けるため、そこから菌が入り込んで病気になるなど、植物の成長に悪影響を及ぼします。
早めにハバチの幼虫を見つけ出し、駆除・対策を行い被害を防ぎましょう。
ハバチの幼虫を駆除する方法
ハバチの種類の多くは、ふ化した直後の幼虫が単独で行動せずに群生しています。1カ所に集まっているため被害が広がりにくく、駆除もしやすいでしょう。
しかし脱皮を繰り返して成長した老齢幼虫は、単独で行動するため、被害が広範囲に及びやすくなります。ハバチの食害を受けた植物において、被害の約9割は老齢幼虫によるものです。
ハバチの幼虫を駆除方法として以下の2つがあげられます。
- 手で1匹ずつ取る
- 薬剤を使用する
老齢幼虫になって、手に負えなくなる状況を防ぐためにも、早めの駆除を意識しましょう。
駆除方法①手で1匹ずつ取る
幼虫の発生初期なら、割りばしや手で1匹ずつ取る方法がおすすめです。
皮膚に害を与える種類も存在するため、手袋をしておきましょう。
幼虫の防衛本能として、触れらた瞬間丸まり、土に落下して隠れることもあります。しっかりと捕獲することが、この駆除補法のポイントです。
また大量の幼虫が若葉に群がっている場合は、葉や枝を根こそぎ切り落とせば一網打尽にできます。
駆除方法②薬剤を使用する
ハバチを駆除するとき薬剤や農薬も対策として有効です。
薬剤や農薬にも、粒剤とスプレータイプがあります。
「オルトランDX粒剤」のような粒剤タイプの使用方法は、植物の根元に薬剤まくだけです。植物が水とともに薬剤を吸い上げ、茎から葉っぱをハバチが食べることで駆除効果が見られます。またハバチだけでなく、他の害虫にも効果があるのです。
また「ベニカXスプレー」のようなスプレータイプは、ハバチの幼虫がついた場所に直接かけることで、退治することができます。またハバチ以外の害虫にも、効き、殺菌効果があります。植物を殺菌することで病気になることも防げるのです。
薬剤を使用して駆除できるため、ハバチの幼虫を手で取るのに抵抗がある方はオススメです。
ハバチの幼虫が住み着くのを予防する方法
ハバチの成虫は毒針を持たないため、人間を刺すことはありません。しかし、幼虫は植物に食害を与えて成長を妨げてしまいます。
またハバチの幼虫は成長すると、殺虫剤が効きにくくなります。早期の発見・防除を心がけ、植物を守りましょう。
ネットで成虫の飛来を防ぐ
ハバチの成虫が植物に卵を産み付けなければ、幼虫の食害を受けずに済みます。
植物に防虫ネットをかけておくことで、成虫の飛来を防ぐことが可能です。
成虫の飛来を確実に阻止するには、メッシュ(網目のサイズ)が1mm以下の防虫ネットが有効です。
より徹底した防除を行うなら、土壌の太陽熱消毒で土中のサナギも死滅させておきましょう。
卵を見つけたときの対処法
植物にハバチが卵を産んだ跡があるときは、対処が必要です。ハバチの産卵跡は、茎や葉っぱに縦に長い傷があるように見えます。
またハバチが、植物に逆さまで停まっている場合は、産卵しています。産卵しているハバチを捕まえ、卵を処理しましょう。
ハバチの卵を植物に産みつけられたとき、以下の3つの対処方法があります。
- ハサミで、卵を産みつけられた茎を切り取る
- マチ針やつまようじを使って、卵をくり出す
- ふ化することを待ち、幼虫になったら駆除
ハバチの被害を防ぐには定期的に卵を産んだ跡がないか確認し、防除することが重要です。
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