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スズメノテッポウの駆除!雑草から水田を守る効果的な方法とは?

最終更新日: 2024年06月28日

スズメノテッポウの花言葉は?

スズメノテッポウの花言葉は「楽しい時間」です。

スズメノテッポウを駆除するタイミングは?

水田型のスズメノテッポウを駆除するタイミングは、水田から水を引いた直後。畑地型のスズメノテッポウは定期的に除草剤をまいて駆除する必要があります。詳しくは記事内で解説しています。

スズメノテッポウの生態

スズメノテッポウ

スズメノテッポウはイネ科の雑草で主に田畑で繁殖します。

成長速度が速く、繁殖力も強いため、大量発生しやすく、特に農家では作物の養分を奪う強害雑草となっています。

まずは、スズメノテッポウの生態と特徴を見ていきます。

スズメノテッポウの基本情報

名前 スズメノテッポウ(雀の鉄砲)/
ショートオーン・フォックステール(shortawn foxtail)
科名/属名 イネ科 スズメノテッポウ属(アロペクルス属)
分布 北海道~沖縄
生息地 水田、畑地、川岸、草地(湿地と乾地どちらにも生息可能)
草丈 20~40cm
開花時期 3~6月(秋に発芽、春~初夏に開花)
育成時期 10~6月(幼苗で越冬)
繁殖方法 種子繁殖
花言葉 「楽しい時間」

名前の由来

スズメノテッポウの名前は、真っ直ぐな穂の形が、スズメを威嚇する際に使う鉄砲の形に似ていることに由来しています。

また別名を「ピーピーグサ」ともいいます。これは穂を抜き取った鞘を草笛にして吹き鳴らして遊ぶと、ピーピーと音がすることからつけられた名前です。

他にも、スズメノマクラ、タムギ、フエフキ、フデクサ、スズメノヤリなどの別名があります。

セトガヤとの違い

セトガヤ
セトガヤ

スズメノテッポウに類似した植物に「セトガヤ」があります。

見た目が似ているうえ、生育する場所も似ているので判別が難しいですが、いくつか異なるポイントがあります。

 セトガヤ スズメノテッポウ
種子・背丈    大    小
花の色    白  オレンジ色・黄褐色

またセトガヤは水田によく見られるため、畑で見つけた場合にはスズメノテッポウであるケースが多いと考えられます。

効果的な除草方法

スズメノテッポウ

スズメノテッポウには水田型と畑地型があります。生態が異なるので押さえておきましょう。

違いを知ることでそれぞれに適切な駆除タイミングも知ることができます。

水田型と畑地型の特徴

スズメノテッポウには水田型と畑地型の2種類があります。

水田型はスズメノテッポウ、畑地型は水田型から派生したもので「ノハラスズメノテッポウ」と呼ばれています。

それぞれどのように異なるのでしょうか。

発芽の時期

  • 水田型:水田の水が引いたら一斉に発芽、発芽の適温は10~30℃の間
  • 畑地型:10月ごろまばらに発芽、寒暖差があると発芽しやすい

穂の特徴

  • 水田型:穂は大きく穂のきめは粗い
  • 畑地型:穂は細く小粒の種子が密集していてきめ細かい

受粉の仕方

  • 水田型:自家受粉 稲作に合わせて一定の環境が保たれるため
  • 畑地型:他家受粉

効果的な除草のタイミング

スズメノテッポウには2つの種類があると分かったところで、それぞれの特徴を活かした効果的な除草のタイミングを解説します。

  • 水田型
    水田型の除草に適したタイミングは、水田から水を引いた直後です。
    一斉に発芽するため発芽を確認してから除草剤をまけば、一網打尽にできます。
  • 畑地型
    畑地型は発芽の時期がまばらで、断続的に一部ずつ発芽します。
    そのため水田型と比べて一気に除草することができません。定期的に除草剤をまく必要があります。

スズメノテッポウの駆除には非選択性除草剤がおすすめ

除草剤には特定の植物のみを除草する選択性除草剤と、すべての植物を除草する非選択性除草剤があります。

状況によってどちらの除草剤を使うかは異なりますが、スズメノテッポウの除草には非選択性除草剤を使うことをおすすめします。

非選択性除草剤は浸透性が高く、根元まで枯らすことができ、スズメノテッポウの種子を減らすことができるといわれているからです。

また、除草剤には液剤のものと粒剤のものがあります。それぞれのメリットとして、

  • 液剤:即効性がある
  • 粒剤:効果に持続性がある

ことが挙げられます。自分の求める効果に合ったものを選択するとよいでしょう。

 

通常の除草剤が効かない「抵抗性スズメノテッポウ」の対策

スズメノテッポウ(野草)

除草剤に対する抵抗性を獲得したことで通常の除草剤が効かなくなってしまったスズメノテッポウを「抵抗性スズメノテッポウ」といいます。

近年では「抵抗性スズメノテッポウ」の発生報告が多発しており、抵抗性に効果が高い除草剤が開発されています。

ここからは、「抵抗性スズメノテッポウ」を処理する方法をいくつか紹介していきます。

抵抗性スズメノテッポウに効く除草剤

使っていた除草剤が効かなくなったら、抵抗性を持つ雑草に特化した除草剤を使用しましょう。

例えば、

  • ジニトロアニリン系
    ほとんどの作物に使うことができ、薬害もほぼなく安定した効果を発揮する
  • スルホニルウレア系
    低薬量で広範囲の雑草に効果を与え、人には安全で環境には影響が少ない

などは抵抗性除草剤として定評があります。

除草剤を買うときは、使われている成分をよく見て抵抗性に効くものを選ぶようにしましょう。 

スズメノテッポウの発芽自体を防ぐ防除方法

抵抗性除草剤に頼ること以外にもう一つ、効果的な除草対策があります。それは防除です。

防除とは雑草の発芽を未然に防ぐことであり、今回の場合作物の育成中にスズメノテッポウが生えてくることを未然に防ぐことを指します。

以下が具体的な手順です。

手順①  浅く耕す

作物の種まきの前に、土の表層部にあるスズメノテッポウの種子をできるだけ多く発芽させるために浅く耕起し、土を細かくする。

ただし、地中6cm以上深くに埋まっている種子はもともと発芽できないため、耕すときは5cm以上掘り起こさないようにする。

手順②  除草剤をまく

発芽したスズメノテッポウを除草剤(非選択性除草剤や抵抗性除草剤)で駆除する。

こうすることで、地表部の発芽可能であった種子の数を減らす。

種まきの時期を遅らせると、より多くのスズメノテッポウをこの段階で駆除できる。

手順③  作物の種まき

発芽できない深部に埋まっているスズメノテッポウの種子を掘り起こさないように注意しながら種をまく。

スズメノテッポウは、地中6cm以上深いところからは発芽できない。そのため種をまくときは、5cm以上掘り起こさないようにする。

手順④  対策除草剤をまく

種まきの直後に対策防除剤をまいておくことで、スズメノテッポウの発芽を未然に防ぐことができる。

<抵抗性スズメノテッポウに効く除草剤の成分>

  • エスプロカルブ・ジフルフェニカン
  • プロスルホカルブ
  • プロスルホカルブ・リニュロン
  • フルフェナセット・ジフルフェニカン

できるだけ早く散布したほうが効果は高い。

防除作業の際に注意するべきこと

防除作業を行う際は、浅耕作業や除草剤をまく時期に注意しましょう。

先述の通り、水田型と畑地型ではスズメノテッポウの発芽のタイミングが異なります。

作物に合わせて作業のタイミングを変える必要があるので、以下の具体例を参考にしてみてください。

<具体例>

稲作 大豆
収穫時期 8~10月 10月下旬~11月
スズメノテッポウの種類 水田型 畑地型
発芽時期 引水後すぐ 10月~断続的に発芽
作業時期 引水後すぐに浅耕作業 収穫後、しばらく発芽を待って非選択性除草剤をまく

例えば大豆なら収穫時期が10月下旬から11月なので、収穫するころにはスズメノテッポウはすでに多く発芽しています。そのため浅耕作業は行わない場合もあります。

スズメノテッポウは花粉症の原因にもなる

スズメノテッポウ

スズメノテッポウはイネ科の植物です。

近年増加しているイネ科の花粉症に有効な対処法を知り、スズメノテッポウによる花粉症への対策をしましょう。

スズメノテッポウの花粉の特徴

スズメノテッポウの花粉の特徴であるイネ科の花粉には以下の特徴があります。

  • 飛散範囲は数十メートルで広くはない
  • 飛散ピーク期間は気温が高くなる5~9月だが、真冬以外通年で少量飛散
  • 生息地は水田や川沿いのほか道路の端や空き地、草地など幅広い

全体的にイネ科の花粉は梅雨明けの気温が上がり始めたころに飛散し始めるようですが具体的に植物の種類を知りたい方は、下の表を参考にしてみてください。

<花粉症の原因となる主なイネ科の植物と飛散ピーク時期>

植物名 飛散時期
スズメノテッポウ 3~6月
スズメノカタビラ 3~5月
カモガヤ 5~6月
ホソムギ 5~6月
ハルガヤ 5~7月
オオアワガエリ 5~8月
ギシギシ 6~8月

<主な症状>

  • くしゃみ、鼻水、鼻づまり
  • 目の充血、炎症、かゆみ

イネ科の症状は、スギ科の花粉症に比べて特に目の症状が悪化しやすい傾向にあるといわれています。

また、時期的に夏風邪と間違う場合が多く、自分がイネ科のアレルギーを持っていることに気づいていない人もいます。症状が長引いたり毎年同様の症状が見られたりする場合には、病院に行って診断してもらいましょう。

イネ科の花粉対策

次にイネ科の花粉症の予防方法について解説します。

基本的に他の花粉症の対策と同じですが、イネ科の花粉は飛沫範囲が広くないので、生息地に近づかないだけでも大きな効果があります。

<予防方法>

  • メガネをする
  • マスクをする
  • 帰宅時、全身についた花粉を払う
  • 手洗い、うがい、顔洗い(まつ毛などについた花粉を落とす)
  • 暑い日に激しい運動をしない

また花粉症にはビタミンカテキンが症状の緩和に効くと言われています。

代表的な食材はお茶です。効果には個人差がありますが、試してみるとよいでしょう。

 

花粉症は初期療法がおすすめ

スズメノテッポウ

初期療法とは、花粉が飛び始める約1週間前から薬を服用することで症状を和らげる方法です。

初期療法を行うためにまずは、自分がどの物質にアレルギー反応を持つのかを血液検査で確認する必要があります。

原因となっている植物が判明すれば、飛散時期や範囲もより明確になり対策が取りやすくなります。

花粉症対策をしっかりして、快適な生活を目指しましょう。

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