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チガヤは撲滅が難しい?生態や駆除方法を知ってきれいな庭にしよう

最終更新日: 2021年02月02日

花壇・庭・田畑などに生える雑草のなかには、栽培中の植物に害を与えるものも少なくありません。白い花穂が特徴的なチガヤもそんな厄介な雑草のひとつです。チガヤに正しく対処するために、特徴・生態や、駆除・予防の方法についてくわしく解説していきます。

チガヤの特徴と生態

チガヤの穂

チガヤを適切に駆除するためには、まずチガヤがどのような雑草であるかを知っておくことが重要です。ここからはチガヤの特徴と生態について解説をしていきます。

チガヤとは

チガヤは田畑や河川の土手などによく見られるイネ科の雑草で、細長い葉は伸びると40〜50cmほどになります。

根にはほかの植物が生えるのを妨害する成分が含まれており、かなり厄介な雑草といえるでしょう。

またそれぞれのチガヤの根は地下茎によってつながっており、種だけでなく地中でも広がって繁殖します。生命力は非常に強く、根付くと一気に増える上に、地下茎を駆除しない限り刈り取ってもまたすぐに生えてきてしまいます。

さらに寒さにも強く、冬でも枯れることはありません。

チガヤの生態

チガヤが芽を出すのは4月ごろからで、5〜6月にかけて開花します。開花すると白毛の穂が付くのが特徴です。冬になると根を残したまま越冬し、暖かくなるとまた芽を出します。

チガヤという名前の由来は、一説によるとその繁殖力からきています。「チ」は1,000を指し、とにかく数が増えることを意味します。ちなみにガヤはイネ科の総称です。

またチガヤは、基本的に暑い場所にも寒い場所にも適応することができます。世界の侵略的外来種ワースト100にも指定されているほどです。日本でも温暖な地域を中心に、全国的に生息しています。

チガヤの駆除と予防方法

除草剤使用

地下茎で繁殖するチガヤは、単純に刈り取るだけでは駆除をすることができません。ここからは具体的な駆除・予防の方法を解説していきます。

早く根から刈り取る

チガヤは繁殖力が強いため、数が多くなると刈り取って駆除をするのが大変になります。

爆発的な繁殖を防ぐためには、見つけ次第すぐに根ごと刈り取ることが効果的です。チガヤの芽が出はじめる4月ごろから開花前までの期間であれば、比較的簡単に駆除ができます。

駆除する際、地下茎や根は残さず全て刈り取るように注意しましょう。どちらかが少しでも残っていると、すぐに再生・繁殖してしまいます。

除草剤を使う

チガヤを効率的に、かつ確実に駆除するなら、除草剤を使うのも一案でしょう。その場合には、根まで残さずに枯らせる強力なものを選びます。具体的にはグリホサート系のラウンドアップ、サンフーロンといった除草剤がおすすめです。

チガヤに除草剤を使う際、通常の濃度では根まで枯らすことができません。そのためやや濃いめに希釈をし、複数回にわたって繰り返し散布を行いましょう。

また周りに栽培している植物があるときは、枯らすのを防ぐためにハケなどを使って、除草剤をチガヤの葉に直接塗るようにします。

予防には防草シートを

チガヤは地下茎だけでなく、種子でも繁殖します。そのためせっかく苦労して駆除をしても、すぐに種付けをされてしまう可能性があります。

これを防ぐために、刈り取りや除草剤でチガヤを駆除したエリアには、防草シートを施工しましょう。

防草シートとは敷いて日光を遮断することで、チガヤなどの雑草の発芽を阻止できるシートを指します。低密度のものだと突き抜けてしまうこともあるため、隙間のない不織物を用意するのがおすすめです。

施工前にはできるだけ地表を平らに整備して、敷いたシートは風でめくれないように固定しましょう。

チガヤは食べられる?

チガヤ

イネ科のチガヤは、食べることができるのでしょうか。ここからはチガヤの活用方法について紹介します。

若い花穂はほのかに甘い

チガヤの若い花穂は、葉鞘から剥いで口に含むと汁がにじみ出てきます。汁には甘みがあり、味がなくなるまではガムのように噛んで楽しむのも一興です。また地下茎にも花穂と同じく甘みがあります。

とはいえ「ほのかに甘い」という程度のため、甘い物が好きな人にとっては物足りなく感じられるでしょう。いずれにせよ常食にするというほどのものではありません。

漢方として使われる

乾燥させたチガヤの根茎にはトリテルペノイド類・糖類・有機酸・カリウム塩などが含まれ、漢方・民間療法としても使われます。効能は「利尿」「止血」「消炎」です。薬用として処方したされたものは「ボウコン」と呼ばれます。

民間療法に使う場合、晩秋の茶色っぽく変色したチガヤを根ごと掘り出します。ひげ根を取り除いたら陰干しにして、乾燥させたものを水に浸し、水量が半分になるまでじっくり煮出しましょう。

チガヤは早めの対策が大事

東京都荒川河川敷のチガヤの海

地下茎を広げることでほかの植物のテリトリーを奪うチガヤは、日本全国に生息している雑草です。繁殖力が強く、見つけたときは早めに対処をすることが重要になります。

また地上部だけを刈り取るのではなく、根ごと駆除しなければなりません。数が多いときには除草剤が必要になることもあります。さらには種子からも繁殖するため、防草シートでの予防も欠かせません。

チガヤの特徴・生態をしっかりと理解した上で、正しく駆除・予防をし、家庭での園芸を楽しみましょう。