雑草があると害虫を呼び寄せてしまったり、他の植物の成長を阻害してしまったりします。雑草を取り除くやり方はいくつかありますが、そのうちのひとつである「除草シート」について紹介します。性能や使い方、おすすめの商品を見ていきましょう。
除草シートの役割とは?
雑草を除去する手段はいくつかあります。その中でも今回は除草シートについて、焦点を当てて解説します。除草シートの役割や仕組みについて、まずは見ていきましょう。
雑草が生えるのを防ぐ
植物が育つには、日光・水・土の栄養が必要です。除草シートはこのうち、雑草を完全に遮光シートで覆ってしまい、光を防ぐことで植物の育成を阻害します。
雑草は光が遮られて育たず、またシートに覆われているため飛来した種が発芽することもありません。
除草シートは高速道路の路側帯や空き地、農地など以外に、一般家屋の庭など幅広く使用されています。
除草シートのメリット・デメリットは?
除草シートは除草剤の散布などの他の除草方法と比べて、どのような性質があるのでしょうか。メリットとデメリットをそれぞれ紹介します。
手軽さが最大のメリット
- 手軽かつ安全に除草できる
- 作業時間や人手が削減できる
- 数年間効果が持続する
- 費用が安い
- 土地に与える影響が少ない
雑草を駆除する他の方法と比べて、除草シートは手軽さが最大のメリットです。例えば除草剤をまく場合は、定期的な散布を行ったり、土地や人への薬害などを心配したりしなければなりません。
また草刈り機や草刈り鎌で雑草を刈るのは、時間も人手もかかります。子供やペットへの危険も見過ごせません。その点は除草シートなら、シートを被せておくだけで手軽に雑草対策ができます。数年間敷きっぱなしにできるので、定期的に手を加える必要もありません。
費用面も安く、土地の再利用がしやすいのもメリットと言えます。
美観を損ねるなどがデメリット
- 庭の景観を損ねてしまう
- 整地など敷く前の準備が必要
除草シートのデメリットも把握しておきましょう。除草シートは柄もない無地のシートなので、そのまま敷くとどうしても美観を損ねてしまいます。庭の景観を重視したい場合は、除草シートを敷いた上から砂利や人工芝を敷くといった工夫が必要です。
また敷く前の準備が大変でもあります。土を平らにならし、石を取り除くといった作業が必要です。シートにつなぎ目があると、隙間から雑草が伸びてしまうこともあります。
除草シートの選び方
除草シートには色々な種類があります。その中でどの除草シートを選べば良いのでしょうか。除草シートを選ぶ際の基準となるポイントを紹介します。
耐久性
除草シートを選ぶ際に、耐久性は重要なポイントです。除草シートは入れ替える際に、上の砂利や人工芝をすべて取り除いて、再度除草シートを敷くといった大がかりな作業が必要になります。耐久性が低いと、この作業を短い期間で行わなければなりません。
耐久性はシートの厚さや素材などで変わってきます。シートが厚く、繊維は高密度である方が破れにくいと言われていますが、シートが薄くても耐久性の高い商品もあります。
また、どの要素の耐久性を優先させるかによって、適している除草シートが変わるでしょう。一口に耐久性といっても、引っ張りには強いものの穴が開きやすい、などの特徴を持つものもあるため、よく商品性について比較検討することがおすすめです。
遮光性
除草シートは光を遮ることで植物の成長を阻害するものなので、遮光性の高さは選ぶ際の重要な基準になります。
一般的な見分け方としては、シートが厚いもの、色が黒いものは遮光性が高くなります。繊維の細かさも重要です。
商品によってはUV加工を施しているものもあり、日光による劣化も防げるなどの利点があります。商品に書いてある遮光性に注目しましょう。
水はけの良さ
道路脇の法面(のりめん)に使う場合など、水を意図的に通さないようにしているものもありますが、ほとんどの除草シートの多くは水はけが良く、水を通します。
水はけが良いと草に水をやってしまうことになるのでその分、植物の育成を促進するのではと思われるかもしれませんが、日光をきちんと遮ることで十分育成を阻害できます。むしろ、水はけが悪いことによるデメリットの方が大きいのです。
水はけが悪いと、シートの上に水がたまりやすい状態になってしまいます。そこに飛んできた種子などで、雑草が発芽してしまいます。シートの上が雑草まみれになってしまったら元も子もありません。水はけの良いシートを選ぶようにしましょう。
雑草の種類
除草シートを敷く予定地に生えている雑草の種類にも注目しましょう。その雑草に対して、シートが対応できるかを確認する必要があります。
雑草の中には、薄いアスファルトを貫通して生えてくる品種もあります。こうした雑草は、除草シートを突き破って生えてくる可能性があるので注意が必要です。強害雑草と呼ばれるチガヤやススキなどは強力な雑草で、シートの繊維が荒かったり、薄かったりすると突き破られてしまうかもしれません。
シートを購入する際には、生えている雑草に対応しているかを確認しましょう。
性能以外もここに注目
除草シートの性能以外にも、選ぶ際には注目したいポイントがあります。景観を損ねず手入れのしやすいシートを選ぶために、次のポイントに注目しましょう。
美観に影響を与えるシートの色
除草シートの色は景観を大きく左右します。黒い除草シートは遮光性が高く一般的ではありますが、緑や茶色などのシートもよく使われます。
緑のシートは草木によく馴染みますし、上に人工芝や土などを敷かずにそのまま使うのにも目立たずおすすめの色です。
茶色のシートは土の色と似ていて、砂利を敷く上でも利用されます。砂利が雨風でずれてしまっても目立たないためです。
他にも農業でよく使われる白などがありますが、初心者であれば、黒や緑、茶色などのオーソドックスな色を選ぶと良いでしょう。
施工がしやすいか
敷く範囲が広い場合は、施工がしやすいかも見極めた方が良いでしょう。第一に注目すべきは重量で、重量が重ければ扱いにくくなります。軽さと厚さのバランスをとってシートを選びましょう。
次にどのような形状で売られているかです。除草シートは一般的に、折りたたみ式とロール式があります。おすすめなのはロール式です。折り目がついていないので変にヨレることなく、平らに敷くことができます。広い範囲であってもシートを転がせば良いので扱いやすいのもメリットです。
折りたたみ式に比べると容量が大きいことが多いですが、広範囲に敷く場合はとくにロール式が良いでしょう。
除草シートの使い方
除草シートをただ敷いただけでは、あまり効果が期待できないかもしれません。正しい敷き方で、除草シートの効果を最大限に発揮しましょう。
地面を平らにならす
まずはシートを敷く対象となる、地面を整備するところから始めましょう。石を取り除いたり、スコップを使ったりして地面を平らにならしていきます。
このときに雑草が残ったままだと、雑草がシートを突き破って出てきてしまう可能性があります。すでに生えている雑草は根こそぎ処理しましょう。また地面が平らでないと敷いたときに凸凹ができてしまい、そこから光が入り込んだり、雑草が育ったりすることがあります。
除草シートをシワやヨレなくきれいに敷くためにも、地面は平らにすることが第一条件です。
隙間なく敷き詰める
サイズが合っているかを確認するには、実際にシートを敷いてみましょう。複数の除草シートを使う場合は、端が10cmほど重なるようにします。
あまりピッタリ重ねてしまうと、隙間ができたときにそこから雑草が生えてしまうためです。シートがもったいないからと節約せずに、多少は余裕を持って余らせておくようにします。
サイズの調整が終わったら、隙間や凹凸のないように、除草シートを敷いていきましょう。
ピンで固定する
シートを敷いたら、雨風でずれないようにピンで固定します。ピンはシートを貫いて地面に刺しましょう。等間隔で刺すのがずれないポイントです。
ピン同士の間隔は、土の軟らかさやシートの上に砂利などを置くかで変わってきます。土が軟らかい場合はピンが抜けやすいので、その分多く刺す必要があります。何も置かない場合はシートがずれやすくなる分、間隔を詰めて固定しましょう。
ピンが刺せない場所は、補修テープを使うと良いでしょう。補修テープはシートをつないだり、間違ってピンを刺してしまった穴を埋めたりできるので、準備しておくと便利です。
丈夫な不織布タイプの除草シート
不織布は値段は高めですが、繊維が細かく耐久性と遮光性が高い素材です。不織布タイプの除草シートの中でもおすすめのアイテムを紹介します。
アストロ 防草シート
不織布専門メーカーのアストロから販売している防草シートです。耐候剤配合の不織布製で生地は厚く、土の中など過酷な環境下でも耐えることができます。
厚みのある繊維が多層に絡み合い、強度を維持しています。遮光性は96.7%と高く、光を通しません。透水性の高さも魅力です。水がシートにたまりにくいので、湿気や悪臭、害虫の発生する可能性を抑えます。
グリーンやブラック、ブラウンなど好みの色を選べます。サイズも細かく対応していて、使う分だけを購入することが可能です。
使い勝手のいいおすすめの折りたたみタイプ
折りたたみタイプの除草シートの中でも、使い勝手が良く、高性能なおすすめのアイテムを紹介します。
グッドライフウッド 防草シート
グッドライフウッドから販売している防草シートは、縦×横が1m×10m、梱包されているサイズは30×35cmと扱いやすく、保管場所に困りません。ハサミでも切れるので、サイズ調整を簡単に行うことができます。
丈夫で透水性も抜群な平織のシートです。同店で販売されている人工芝ロールと組み合わせることで、より雑草の生えにくい環境を構築することができます。値段もお手頃で購入しやすく、コンパクトなスペースにもピッタリのシートです。
XiaZ 防草シート
1×10mのシートと、コ型ピンとワッシャーそれぞれ15個がセットになっています。そのため別の付属品などを買うことなく、この商品のみできちんと使うことができます。
耐久年数は5年とまずまずながら、機能も豊富です。130g/㎡の高密度ポリプロピレンでできたシートは厚手で破れにくく、遮光率も約95%と高いです。さらにシートにはUV剤が含まれており、紫外線による劣化を防ぎます。
厚手ながら水はけも良く、通気性にも優れています。除草剤は未使用のため、庭木や花壇など、枯らしたくない植物に悪影響が及びません。
建物周りはもちろん、畑や菜園にも使うことができる防草シートです。
景観に配慮するなら緑色のシートを
緑色のシートは草木の中にあっても違和感がなく、シートの上に人工芝を載せるなどしても違和感がありません。他のシートと比べて景観に配慮しやすいという特徴を持っています。
そんな緑色の除草シートの中で、おすすめの商品を特徴とともに紹介します。
シンセイ 防草シート
濃厚なグリーン色の防草シートです。抗菌剤が含まれていて、カビや雑菌の繁殖を防ぎます。土に有害な薬剤などは含まれておらず、畑やハウス、庭園や花壇などのそのまま使っても問題ありません。
1×50mというサイズでも、重さは120g/平方メートルと非常に軽量です。遮光率も95%と優れた数字を誇っています。
シートの固定には6角シート押さえが別売りで用意されているので、使う分だけ買って調整が必要です。耐久年数も4~5年と比較的長持ちします。
性能・耐久性の高さで選ぶなら
シートの中には、性能や耐久性に優れたものも多数あります。値段やビジュアルより、性能や耐久性を優先したいという方もいるのではないでしょうか。そういう方のために、性能と耐久性に優れたおすすめの除草シートを紹介します。
デュポン ザバーン 240グリーン
米国デュポン社で開発された4層の不織布タイプのシートです。繊維も太いため、強度と安定性が高く、強害雑草の貫通力も防ぎます。
シート自体は薄いため水はけや通気性も良く、土に影響を与えません。畑などでも土を汚さずに、雑草を処分できます。
強度が高いため荷重を分散する力も強く、砂利の重さによる沈殿や変形にも強いのが特徴です。ポリプロピレン100%ですので加水分解も起こらず、長期間に渡って使い続けることができます。
ホームセンターで買える除草シート3選
除草シートはホームセンターでの取り扱いも豊富です。インターネットだけでなく、近くの店舗でも取り扱われているので、実際に質感や見た目を確認してから購入したい方におすすめです。
カインズ 高密度防草シート
ホームセンターのカインズで取り扱いのある高密度防草シートです。ポリプロピレン製のシートを高密度に編み込むことで、通常のシートの約2倍におよぶ4~5年の耐久性(カインズ社比)を誇ります。
また表面に界面活性剤を塗布しており、高い透水性も持っています。雨が降った際にもシート上部に水が溜まりにくく、シート上部に雑草が繁殖する心配もないでしょう。
シートの両サイド部分にはグレーのラインが入っていて、張る位置を決める際やピンを打つ際に目安として使うことが可能です。
豊富なサイズ展開も魅力的で、1×5mの小さなサイズから2×25mの大容量サイズまで、4種類のサイズ取り扱いがあります。色も黒とグリーンから選べるため、自身の庭の広さや景観とのバランスを考慮したシート選びが可能です。
コメリ 防草シート
コメリの防草シートは、耐候性の高さと手頃な価格が魅力的な商品です。
高い遮光性を誇っているため、雑草の生長をしっかりとガードするだけでなく、シート自体の劣化を防ぐ効果も期待できるでしょう。4年の耐用年数で、長く使うことが可能です。
また、1×50mのサイズで税込価格3,980円と非常に求めやすい価格帯なのも魅力的。「費用はかけたくないけど確かな効果を実感したい!」という方におすすめのシートです。
コーナン オリジナル LIFELEX 高密度防草シート
コーナンのプライベートブランドである「LIFELEX」の防草シートです。
耐用年数5年という耐久性の高さが特徴で、細かい織り目で作られたシートが雑草の繁殖を強力にブロックします。また遮光性も高いため、安心して雑草対策ができるでしょう。
日光をしっかりと遮断するだけでなく透水性もしっかりと確保しているため、万能な防草シートを廉価で求めている方におすすめです。
除草と景観改善を一気に実現!「人工芝一体型タイプ」
通常の場合、除草シートと人工芝は別になっており、2つを組み合わせて庭に張るのが一般的です。しかし、中には除草シートと人工芝が一体型になっていて、除草と庭の景観改善を一気に実現できるタイプのものがあります。
雑草対策をしながら、憧れの芝生のある庭を実現してみてはいかがでしょうか。
アイリスオーヤマ リアル人工芝
水切り用の穴や防カビ仕様などの水はけに関する仕様も徹底されており、雑草の繁殖を防ぎつつ人工芝を楽しむことができます。
また3種類の葉をブレンドしており、まっすぐな葉とウェーブ状の葉を混ぜることによって天然芝さながらのリアル感を演出しているのもポイントです。
除草シートの施工と一緒に、庭の景観改善を叶えたい方におすすめの商品です。
プロへの依頼もおすすめ
除草シートを敷くのは一つ一つの作業はそう難しくはありません。しかし、広大な畑や大きな庭に自力でシートを敷くのは手が掛かりますし、せっかくシートを敷いてもやり方が間違っていては元も子もありません。
自分でシートを敷くのが難しい場合、プロへの依頼もおすすめです。以下の点から、プロに依頼することも検討してみてはいかがでしょうか。
面積が広いほど手間がかかる
除草シートを敷くのは面積が大きいほど手間も大きくなります。広大な敷地に大きなシートを隙間なく敷いていくには、人数が必要になるでしょう。
フックのちょっとした打ち込みの甘さやシートのたるみは、雑草の繁殖や劣化を早めることにつながることがあります。庭の手入れなど趣味の範囲で済むならまだしも、畑や菜園は作物の出来具合にも大きく影響するため、失敗はできません。
シートを交換するたびにこれらの作業をこなすのは、大きな負担になってしまうことがあります。
こうした手間をかけるのであれば、プロに頼んだ方が手短ですし、安心感を得られるでしょう。
作業の質もDIYは不安
DIYで行う場合には、作業の質を担保するのも大変ですが、それ以上に道具をそろえるのが大変です。除草シートだけを購入すれば良いというわけではありません。
除草シートを敷くには、まず整地から始まります。規模によっては、土を運ぶためのトラックやスコップも必要になりますし、シートを敷いた上から土や砂利を新しく敷く場合はそれを購入する費用もかかります。
結果として業者に頼んだ方が安かった、ということになりかねません。
これだけの工程を個人でやるのはとても大変です。こうした不安からプロの業者に依頼するケースも少なくありません。
プロに依頼する相場は?
除草シートをプロに敷いてもらう場合の相場は、5平方メートルあたり2,500~1万円程度といわれています。除草シートや道具が含まれているかどうかは業者によって異なるでしょう。
また、土地の状況によっても価格が変動します。例えば雑草が生い茂っていたり、斜面が平らではなく歪(いびつ)だったりすると、整地に工数がかかるため料金が上がるのです。除草シートの種類や業者によっても違いがあるでしょう。
ひとつの業者に依頼するのではなく、事前いくつかの業者に見積もりを依頼し、できるだけ優良な業者に頼めるよう工夫をしてみると良いでしょう。
除草のプロ探しはミツモアがおすすめ
除草シートを活用することで、庭はもちろん菜園や花壇などさまざまな場所から、雑草を除去することができます。草刈りや除草剤をまくよりも、簡単で安全に実行することができるでしょう。
シートを購入して個人で行うこともできますが、土地の広さや状況によっては素人が行うのは難しい場合があります。そうしたケースでは、プロの業者に依頼してみるのも選択肢のひとつです。除草シートを活用して、雑草のない素敵な土地にしてみましょう。
地域のプロを探す際はミツモアの一括無料見積もりをご利用いただくと手間なくご自身の希望通りの業者を見つけることが可能です。
ぜひミツモアを利用してみてはいかがでしょうか。
ミツモアで簡単な質問に答えて見積依頼
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