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メヒシバ(雑草)が庭や畑にびっしり?特徴や駆除方法・予防対策を解説

最終更新日: 2021年01月13日

夏になると畑やお庭(芝生)で大量に発生して困るのが、メヒシバという雑草です。

メヒシバは生命力が非常に強い植物で、正しく対応をしないと何度でも蘇り増殖します。せっかく育てている作物の成長の邪魔をしたり、見た目を損ねたりしてしまうことも。

では、どのように駆除・対策をすればいいでしょうか?

メヒシバはとても強い雑草なので、対処は少々困難です。しかし特徴や繁殖する原因をしっかりと知り、対策をすれば大丈夫!

大切な畑やお庭をメヒシバから守りたい方のために、ここではメヒシバの特徴や駆除方法、予防対策を紹介していきます。

メヒシバとはどんな雑草?特徴や生態を解説

メヒシバ

メヒシバは写真のように、稲に似た植物です。成長すると高さは約70cmにもなり、葉も長くて約8cm~20cm。とても大きな植物ですよね。先端には穂がついており、開花時期になると穂の部分に小さな赤紫の花を咲かせます。

成長サイクルは以下の通り。

  • 春・・・発芽
  • 夏・・・爆発的に広がり、開花
  • 秋・・・穂を出して種を作る
  • 冬・・・枯れる

メヒシバは春に発芽し、夏から秋かけて大きく成長します。発芽温度は15度~45度、最適温度が30度~35度と高めで乾燥に強いため、夏になると爆発的に広がるのが特徴です。成長と同時に迎える開花時期には、小さな赤紫の花を咲かせます。

花が終われば秋には穂を出して種を作り、冬に茶色く枯れていきます。メヒシバが倒れるときには、周囲にはすっかり種が巻かれている状態。そのまま放置すると、翌年の春にはまた大量のメヒシバが生えてきます

ちなみに、メヒシバはイネ科・メヒシバ属の一年草で、漢字では「雌日芝」と書きます。花言葉は「情緒不安定」や「侵略者」です。

そんなメヒシバですが、他にも次のような特徴があります。

  1. 高い適応能力を持つ
  2. ちぎれやすく、種が蒔かれやすい
  3. 細かい根を出す
  4. 複数の種類・仲間がいる

順番に見ていきましょう。

1、高い適応能力を持つ

メヒシバは乾燥・暑さ・寒さ・湿度のすべてに強く、どこにでも生えるという特徴を持ちます。北は北海道から南は沖縄まで。

特に夏場の畑やゴルフ場の芝生などによく生え、放置するとすごいスピードでどんどん広がってしまうこともあります。他にもコンクリートや鉢植えの中など、驚くような場所でも自生するくらい適応能力が高い、強靭な雑草です。

また、周囲に背の高い植物があれば、不定根と呼ばれる根を出して周りの養水分を吸収。他の植物と競うようにどんどん上へ伸びていく性質があります

2、ちぎれやすく蒔かれやすい

メヒシバは食動物に捕食されても大丈夫なように、穂先や節ごとにちぎれやすくなっています。ちょっとした刺激でちぎれて種をつけたままで落ちるので、また来年も生えてくるという厄介な雑草なのですね。

草むしり中に何度もちぎれてしまい、やる気を低下させる原因になります。

3、細かい根を出す

メヒシバは細かい根を出して横へ横へと広がっていきます。この根が周囲の養水分を吸収し、他の植物の成長を邪魔する「アレロパシー」という物質を出しています。

これにより他の植物を枯れさせ、畑にはメヒシバだけが残っているという状態を作り出すのです。

4、「コメヒシバ」や「オヒシバ」など、複数の種類・仲間がいる

メヒシバには複数の種類があります。日本で見かけるのは「コメヒシバ」。メヒシバよりも小柄で関東以西に生息しています。そして長さがメヒシバの半分くらいしかない「アキメヒシバ」や、「キタメヒシバ」なども全国に生息しています。

メヒシバの名前の由来となったと言われているのが「オヒシバ」。漢字では「雄日芝」と書き、メヒシバと比べると葉や穂が大きいイネ科オヒシバ属の植物です。メヒシバはオヒシバよりも見た目が優しく繊細なので、「雌」の文字がつけられたと言われています(諸説有り)。

メヒシバはなぜ生える?繁殖の理由は土壌の環境にあり

雑草を刈る男性

メヒシバは非常に強く適応能力が高い植物なので、いろいろなところに自生しています。しかし特に畑や芝生によくみられるのは、メヒシバが好む環境が整っているから。

以下は、メヒシバが好む土壌の環境です。

  • 肥料や栄養が少ない
  • 乾燥しやすい
  • 日当たりが良い
  • pHは4.5~8の広い範囲

つまり、メヒシバを生やさないようにしようとするならこの逆をいけば良いわけですね

最も対応しやすいのは、土の状態を良くすることでしょう。畑やお庭の土には有機物肥料を与えて環境を良くし、微生物を住みやすくするのです。作物や草花の成長のためにも、土の栄養状態は良いに越したことはありません。土の状態を良くすることで生えてくる雑草の種類も変わりますので、生えてしまったメヒシバにも対処しやすくなりますよ。

そして、適度に水をまいて乾燥を防ぐことも手軽な対処法です。家の前の道路沿いや花を植えていない場所であれば朝や夕方に水をまき、メヒシバが好む乾燥状態を避けましょう。

メヒシバの駆除方法!芝生や畑の農作物を傷めない雑草対策

メヒシバ

では、メヒシバの駆除方法を順番に見ていきましょう。

特に雑草の対応で困る畑やゴルフ場などのように、他の作物や芝を傷めないようにする方法が必要ですよね。以下3つの方法があります。

  1. 根元から刈り取る
  2. 除草剤を使う
  3. 業者にお願いする

順に解説していきます。

駆除方法1:根元(成長点)から刈り取る

メヒシバは冬になって葉が枯れても、株が生きていればまた再生します。そのため、根元から刈り取るのがおすすめです。

メヒシバはイネ科の植物なので、根本に葉が発生する成長点と呼ばれるポイントがあります。成長点とはその名の通り、植物の成長の起点となっている部分です。

刈り取るときにはその成長点を取り除くことが大切。鎌を少々土の中へ突き入れるような感じで、根本から確実に刈り取ってください。メヒシバは根が浅いため、簡単に抜けます。根こそぎ引っこ抜いたり刈り取ったりしましょう。

できればまだ小さいうち、花が咲く前に引っこ抜いてしまうのがおすすめです。種がついてからでは抜くときに種がばらまかれてしまい、それがまた自生していたちごっこになってしまうからです。

種がついたメヒシバを刈り取る場合は、土に落ちないように慎重に処理しましょう。抜いたあとに放置すると種が落ちる原因にもなるので、ゴミ袋に入れておくのがおすすめです。

草刈り機を使う場合は注意が必要

草刈り

草刈り機を持っている方はそれを使うと便利ですが、草刈り機では根本から刈れません。そのためまた伸びてきてしまいますし、草刈り機で種を方々へ飛ばしてしまう危険もあります。これらの点に注意しながら処理をしましょう。

駆除方法2:除草剤を使う

除草剤を使う方法は、メヒシバが大量発生している場合におすすめです。一々引っこ抜いたり刈り取ったりするよりも手間が省けます。

ただし、除草剤は場所にあわせて使い分けてください。たとえば道端や駐車場などなら遠慮なく除草剤を使えますが、芝生や畑なら他の植物への配慮が必要です。強力な除草剤は植物すべてを枯らしてしまうため、状況を確認して使用しましょう。

除草剤を使うタイミングは、メヒシバが成長する前が効果的。できるだけ大きくなってしまう前に使ってくださいね。

除草剤の選び方

メヒシバに効果があるのは、イネ科に有効な除草剤です。また、芝生と一緒に生えているメヒシバを取り除きたいときには「芝生用」の除草剤を、庭や畑であれば「農耕地用」の除草剤を使ってください。

農耕地用除草剤は葉から入って根まで枯らす商品です。土に落ちると除草剤としての効果を失うため、他の農作物に影響がありません。

駆除方法3:業者にお願いする

広大な範囲にびっしりとメヒシバが生えており「自力ではちょっと…」といったケースもあるでしょう。夏場に成長するメヒシバは、暑い中での除草作業が必要になることも多いです。暑さに弱い方や体が弱い方などは、とても作業が出来ないこともありますよね。そんなときは、業者に依頼してみてはいかがでしょうか。

業者はマシンを使って一気に雑草を切り倒し、落ちた種や茎などを奇麗に掃除してくれます。費用相場は約1万円~3万円。一般的には作業する面積によって計算が変わり、費用の中には交通費や道具などの材料費、除草したメヒシバの処分費が含まれます。

メヒシバは繁殖力が強く、除草する人の心を簡単に折っていく植物です。いざというときにはプロの力も借りられるということを、念頭においておきましょう。

来年メヒシバを繁殖させないための予防方法

刈った後の雑草

引っこ抜き、刈り取った!だけどそれで終わりではありません。厄介なことに、種は風にのって他所から飛んでくるため、それに備えたメヒシバ予防が必要です。

来年の処理ができるだけ楽になるように、除草したらすぐに予防策を講じておきましょう。おすすめの予防方法は、以下の3つです。

  1. 地力を上げる
  2. 耕す
  3. マルチングをする

予防方法1:地力を上げる=畑の栄養状態を改善する

まずは地力を上げる方法。前述しましたが、メヒシバはどちらかと言えば痩せた土地を好んで自生します。栄養状態が良い土地であれば、他の雑草も生えるためメヒシバに占領されにくくなるのですね。

地力が良い土地では、

  • ほとんどの農作物が肥料が少なくても育つ
  • 野菜などと共生しやすい雑草が生える
  • 土の中の虫などの生態系も豊かになる

などメリットは大きいです。メヒシバが皆無になるわけではありませんが、野菜や花などは健やかに育ちますし、メヒシバの相対数が減るために対処しやすくなります。

地力を上げるためには、有機物が豊富な堆肥を土に混ぜ込んでいきましょう。雑草で作ったたい肥はミネラルバランスもよく、地力を底上げすることに最適。微生物なども考慮して土作りをしていけば、徐々に地力は上がっていきます。

予防方法2:耕す

メヒシバの種は土の中に埋もれると、寿命が短くなります。そのため、刈り取ったあとは土を耕して蒔かれてしまった種を土の中へ埋めてしまいましょう

5㎝程度土を被れば十分ですので、種が落ちだす秋以降になれば土の表面を耕してください。翌春のメヒシバの発生量を減らせますよ。

予防方法3:マルチング=防草シート

防草シート

マルチングとは、土の表面を覆ってしまうこと。畑などでビニールやワラを使って表面を覆っている光景を見たことがある方も多いでしょう。

メヒシバ対策のマルチングとしておすすめなのは、防草シートを敷くことです。防草シートは完全に地面を覆うため、植物には必須の日光が当たりません。日光がなければ種が落ちていても育ちませんので、高い防草効果を発揮してくれます。

メヒシバの雑草被害は?放っておくとどうなるのか

メヒシバ

「除草剤などは極力使いたくないし、自力での除草も面倒くさい。しばらく放置しておこうか?」と考える方もいるかもしれませんね。では、メヒシバを放置した場合、どんなことが起こるでしょうか。

芝生の間に生えてきてしまうと、どんどん繁殖してあちこちでピョンピョンと頭を出し、見た目が非常に損なわれます。ゴルフ場などであればボールが飛ばなくなりますし、お庭の芝生でも荒れた様子となってしまうんです。

また、畑では植えている作物に必要な栄養分や水分をメヒシバが吸い取ってしまいます。せっかく育てている野菜の成長が悪くなり、味が落ちてしまう結果になるでしょう。

自宅の塀沿いや玄関アプローチの周囲では、メヒシバが放射線状に広がって成長し、通行の邪魔になることも。子供であれば目の高さと同じであるため、雑草アレルギーの原因になってしまうケースもあります。

メヒシバには天敵と呼べるような動物や虫がいないため、放置しているとどんどん繁殖していきます。邪魔だなと感じる場所に生えているメヒシバは、早め早めに対処してしまうことがおすすめですよ。

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