ビル解体に使う重機にはどんなものがあり、どういった目的で使用されているのでしょうか?また重機を使うことで、解体費用にどんな影響があるのかも気になりますよね。
この記事ではビル解体に使われる重機について、その種類や目的を詳細解説。
- 重機の値段と解体費用との関係
- 手作業解体と重機解体どちらがお得になるのか
といった重機がビル解体費用に与える影響についても説明していきます。ビル解体を検討している人に向けて役立つ情報になっていますよ。ぜひチェックしてみてくださいね。
ビル解体で使われる重機について解説!大きさ・用途で種類が異なる
ビル解体で使用される重機について、代表的な物を工事の目的別に解説していきます。ビル解体の重機は、以下の目的によって異なる種類の重機が使い分けられています。
- 建物本体の解体
- 整地
- 揚重作業(重機や機材などをクレーンで引き上げる作業)
一般的にどんな解体工事でも必ず使われているのが、1と2の重機類。一方でクレーンが用いられる3は、特殊な解体工事に使用されます。以下は揚重作業がある工事の一例です。
- 超高層ビルの解体
- 道幅が狭く、重機が入れない場所での解体
参考までにビル解体現場で使用されている、代表的な重機メーカーを紹介します。
<国内メーカー>
- KOMATSU(小松製作所)
- 日立建機
- KUBOTA(クボタ)
- コベルコ建機
- 住友建機
- ヤンマー建機
- 三菱重工業
- IHI建機
<海外メーカー>
- 三一重工(中国)
- ヒュンダイ(韓国)
- テレックス(アメリカ)
- ボルボ建設機械(スウェーデン)
- リープヘル(ドイツ)
ビル解体用の大型重機
最初に見ていくのが、ビル本体を解体する時にメインで使用されている重機類についてです。高所の解体作業ができるよう、通常の油圧ショベルよりもアーム部分が長いのが特徴です。
各社「~ブーム」という名称が付いていることが多く、アームの関節数などによってさまざまな呼び方があります。
アームの長さごとに大きく分けると、以下の3種類があります。
種類 | 特徴 | 作業可能範囲 |
ロングアーム(ロングブーム) | 油圧ショベルのアーム部分がより長い | 10m程度(3~4階相当)まで |
ツーピースアーム(ツーピースブーム) | アームに2点の関節がある | 15m程度(5~6階相当)まで |
マルチブーム | 関節が複数あるため、より高い場所までアームを伸ばせる | 40m以上(10階~13階相当)の高さまで届く、高所解体用の大型重機 |
アームが長いため車体のバランスを崩しやすく、操縦には高度な技術が必須です。
マルチブームの重機では「作業できる高さが世界最高」としてギネス記録に登録された、コベルコ建機の「SK3500D」が有名。なんと65m超の高さまで手が届くアームを搭載しています。
小型・中型サイズの解体用重機
ビル内装の解体などでは小型・中型の油圧ショベルが活躍します。
ショベルカーの先端の「ショベル部分」をバケットといい、バケットの容量で大きさが分類されるのが一般的。バケット容量は0.1㎥ほどの小型なものから、3.0㎥ほどの超大型な物まで幅広くラインナップされています。
重機の先端に付けるアタッチメント
重機で細かな解体作業をする上で重要になるのが、アームの先端に付けるアタッチメント。作業したい箇所や目的に合わせてアタッチメントを使い分けます。
代表的なアタッチメントには以下の種類があります。
種類 | 形状 | 使用目的 |
フォーク | クリップの様な形 | はさむために使う |
クラッシャー | ペンチの様な形 | コンクリートを細かく砕く |
スケルトンバケット | ショベル部分の底が網状になっている | がれきのふるい分けに使う |
揚重作業用重機
最上階から下層階へと解体を進める「フロア解体」等をする時に不可欠なのが、揚重作業。使用する重機は「クレーン」です。重機をつり上げ、ビルの屋上などにおろす作業を行います。
解体現場で使用されるクレーンの種類は、大きく分けると2種類。自走できるタイプと自走できないタイプがあります。
クレーンのタイプ | 特徴 | 使用目的 | 種類 |
自走できる | ホイールを有する | 中高層ビルまでの解体で使用 | ・ラフテレーンクレーン(ラフタークレーン)
・トラッククレーン |
自走できない | 建設現場に設置する | 超高層ビルなどの大型ビル解体工事に使用 | ・タワークレーン |
整地用重機
解体後の地面をならす作業に使用されるのが、整地用の重機。整地用の重機には以下の種類があります。
- ブルドーザー
- モーターグレーダー
使う重機によってビル解体費用は変わるの?費用に影響を与える要素をチェック
結論から言うと、使う重機の種類・出動台数が多ければ多いほど解体費用は高くなります。また一定のメーカーしか生産していない超大型重機など、特殊な重機を使用する場合も通常より解体費用が高額になる傾向があります。
だからといって「重機を使わなければ安くなる」訳ではありません。むしろ手作業が増える方が、解体費用が高額になるケースがほとんどです。重機を使用すると作業効率が段違いに向上します。そのため重機は全体的な解体費用を抑えることに貢献しているのです。
重機によってかかる費用が不安であれば、業者に内訳や重機による価格変動の有無について事前に確認できると安心です。ただし重機の使用は、作業員の安全性や効率を考えて業者が決めるもの。「依頼側で調整できる問題ではない」という点は理解しておきましょう。
それでは重機の使用が解体費用に影響を与える要素について解説していきます。解体費用を考える際のひとつの参考にしてみてくださいね。
重機の大きさとビル解体現場の道幅によって費用が増減
大型重機を使わなくてはならない大規模な解体であればあるほど、解体費用は高くなります。単純な理由ではありますが、大型の重機ほど重機自体の本体価格が高くなるからです。
一方で大型重機を使用できなかったせいで、費用が上がってしまうケースも。具体的に言うと「道幅が狭く、重機が通れなかったケース」です。その場合小型の重機を搬入して少しずつ作業しなくてはなりません。工期が長引いたり手作業が増えたりするため費用が高額になります。
ビル解体に出動する重機の量によって費用が増減
解体費用が人件費に占めるウエイトは大きく、作業人員の数が多いほど解体費用が高くなります。そのため多数の重機が出動しなければならない解体工事の場合は、その分解体費用が上がると思って間違いありません。
高層ビルやSRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)ビル、大規模な商業施設などの解体は、出動する重機数が多くなりやすい工事です。
ビル解体で使用する重機の種類によって費用が増減
出動重機の種類が多岐にわたるほど、解体工事費用は高額になります。
重機類の操縦には免許が必須。免許は使用できる重機の種類や大きさ・積載量などによって細かく分かれています。そのため多くの種類の重機が出動すればするほど、さまざまな専門免許を持った人材の確保が必要になるのです。
さまざまな建材が使用されているビルだったり、耐震・耐火性能が高いビル解体だったりする場合、多くの種類の重機が出動する可能性があります。
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