ミツモアメディア

雪止め金具は付けるべき?役割と注意点を把握しておこう

最終更新日: 2021年11月03日

雪が降る地域に住む人の多くは、自宅に雪止め金具を付けるべきか悩んだことがあるのではないでしょうか。雪止め金具にはさまざまな役割がある一方で、注意すべきポイントも存在します。雪止め金具の必要性や注意点を事前にチェックしておきましょう。

雪止め金具とは

屋根から落雪を防止する雪止め金具

雪止め金具とは、どのような金具のことなのでしょうか。まずは雪止め金具の基本的な情報から押さえていきましょう。

雪の落下を防ぐ設備のこと

その名前からもわかるように、雪止め金具は「降り積もった雪が屋根から落ちてしまわないようにせき止めること」を目的とした金具のことです。家を建てたときに付いていなくても、後から付けることができます。

雪止め金具は市販されており、素材や形も多種多様です。ステンレスや亜鉛鋼板で作られたものが多く、大手屋根材メーカーのセキノ興産だけでも100種類以上の雪止め金具が販売されています。

そのため、住んでいる地域や屋根の形に応じて適切なタイプを選ぶことが重要になるでしょう。

設置が必要な地域は?

少しでも雪が降る地域であれば、雪止め金具を設置することが推奨されています。特に家同士の間隔が近い場合は、落雪によって大きな事故を招く危険性もあります。

しかし実は、積雪が多くなる北海道や東北などの豪雪地帯では雪止め金具を設置している住宅はほとんどありません。というのも、豪雪地帯の住宅は「雪おろしの作業を行うこと」を前提に設計されているからです。

豪雪地帯では屋根に積もる雪の重さが数十トンになることもあるため、金具が曲がってしまう可能性が高くなります。また雪おろしの作業は「屋根から滑らせるように雪を下へ落とす」というものなので、かえって雪止め金具が邪魔になってしまうのです。

このような点を踏まえると、雪止め金具は「豪雪地帯以外の雪が降りやすい地域」に設置する必要があるといえます。

雪止め金具の役割と必要性

屋根瓦の雪止め金具

屋根に取り付ける雪止め金具にはさまざまな役割があります。具体的にどのような役割を担っているのか、みていきましょう。

落雪のトラブルを防ぐ

雪止め金具の一番の役割といっても過言ではないのが「落雪のトラブルを防ぐ」というものです。屋根から雪が落ちたとき、その下を人が歩いていたら頭にぶつかって大ケガを負う危険性があります。

「雪ならやわらかいのでは?」と思われるかもしれませんが、水分を含んだ雪は固く重いため、最悪の場合は死亡事故につながってしまう恐れもあるのです。

特に屋根の下に通路や駐車スペースがある建物では、落雪に伴う事故の危険性も高くなってしまうため、雪止め金具を付けることが推奨されます。

積雪による破損を防ぐ

雪止め金具は近隣のトラブルを防ぐことだけが目的ではありません。自宅を守るという意味でも、雪止め金具は大きな役割を担っているのです。

雪止め金具が付いていないと、雪が雨どいや軒先にたまりやすくなってしまいます。雨どいは、積もった雪の重みに耐えられるほど強度が高くありません。そのため、雪止め金具を付けることで雪が雨どいにたまるのを防ぐ必要があるのです。

壊れてしまった雨どいの交換費用は高額になることも踏まえると、その必要性は非常に高いことがわかるでしょう。

雪止め金具の注意点

雪止めの付いた屋根

雪止め金具を付けた場合、注意しなければならないポイントもいくつか存在します。雪止め金具の注意点について詳しくみていきましょう。

耐震性が低下する恐れがある

雪止め金具を付けると、当然のことながら屋根の重量も増えることになります。屋根や壁の重量が増すと耐震性が低下する恐れがあるため、注意が必要です。

一つひとつの重さは大したことはありませんが、通常、雪止め金具は複数設置するものです。設置する個数が多い場合には耐震性に影響を与える可能性もあるでしょう。

特に、古い木造住宅は耐震性に影響をおよぼしやすいため要注意です。そもそも設置できるのか、どの程度なら問題がないのかなど、事前に業者と相談してから設置した方がよいでしょう。

雨漏りするリスクがある

雪止め金具を付けるときは、屋根に合うものを選ばなければなりません。ずさんな工事を行う業者に依頼してしまうと、屋根に合わない雪止め金具を付けることになり、雨漏りを招いてしまうケースがあるのです。

雨漏りを防ぐためには、下地の状態を確認したり、防水処理を施したりする作業が欠かせません。これらの作業を丁寧に行ってくれる実績豊富な業者を選ぶことが大切になるでしょう。

設置できない屋根がある

屋根の種類によっては雪止め金具を設置できないケースもあります。たとえば、ガラス繊維とアスファルトを合わせた「シングル屋根」は、屋根に被せながら施工します。そのため、雪止め金具を屋根材の隙間に差し込むのが非常に難しいです。

また斜めになっている「防水屋根」は、雪止め金具を防水層に直接固定しなくてはなりません。防水層への固定は雨漏りのリスクを高めるため、雪止め金具の設置は推奨されていないのです。

設置工事を請けない業者がある

業者によっては「雪止め金具の設置工事のみ」という依頼は受けていないケースも多く存在します。比較的簡単な工事ということもあり儲かりにくく、業者にとってメリットが少ないためです。

そのため、雪止め金具の設置のみを依頼できる業者が見つかりにくいケースもあるでしょう。

もし設置工事を請け負う業者が見つからない場合には、屋根の修理・メンテナンスをあわせて依頼するのも一つの手段です。費用は高額になってしまいますが、雪止め金具を設置することで事故のリスクを抑えられるでしょう。

雪止め金具の設置はプロへ依頼しよう

雪止め 屋根

自分で雪止め金具の設置を行うのは現実的とはいえません。業者に設置を依頼した方がよい理由や、後付けする場合の価格相場を紹介していきます。

業者へ依頼した方がよい理由

雪止め金具の設置自体は、決して難しい作業ではありません。しかし、DIYは落下事故を招く危険性が高いため、業者に依頼した方が安全です。

また設置作業に慣れていない人間が行うと、取り付ける位置・個数を間違えてしまうリスクも高くなります。適切な位置・個数が設置されていないと効果が発揮されない可能性もあるため、業者に依頼した方が確実に効果を得られるでしょう。

後付けの価格相場

雪止め金具を後付けする場合の価格相場は、屋根の素材によって異なります。業者に依頼する場合の一般的な価格相場は、以下のとおりです。

  • ストレート屋根:60,000~100,000円程度
  • 金属屋根:90,000~160,000円程度
  • 瓦屋根:80,000~400,000円程度

業者によって価格が異なるだけでなくサービス内容にも違いがあるため、事前に見積もりを取ることが大切になります。また、適正な料金を見極めるためにも、複数の業者に見積もりを取ることがポイントです。

ミツモアでは、選択肢をクリックするだけで最大5社のプロから提案や見積もりを受けられます。より簡単に比較検討を行えますので、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。

ミツモアで見積もってみる

注意点を把握して雪止め金具設置を検討しよう

スレート屋根 雪止め

雪止め金具は落雪事故を防いだり家の雨漏りを防いだりする役割を担っています。しかし、屋根に合った最適な雪止め金具を設置しなければ、さまざまなトラブルを招く恐れがあるため注意が必要です。

雪止め金具を設置する工事自体は難しくありませんが、DIYで設置しようとすると落下事故を招く可能性は否めません。専門知識と経験を有するプロに任せた方が安全かつ確実に設置できるでしょう。

なお雪止め金具を後付けする場合の価格は業者によって異なります。複数の業者に見積もりを取り、最適な価格で雪止め金具を設置してみてはいかがでしょうか。

ミツモアで見積もってみる