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意匠登録は利益につながる可能性も!登録の流れや費用を解説

最終更新日: 2021年07月08日

自社のデザインを保護できる意匠登録は、正しく手続きを行うことで、コピーの防止や新たな収益源につながる可能性があります。制度の内容や登録までの流れについて全体的に把握し、具体的な手続きの準備をはじめましょう。

意匠登録の意味は?

弁理士登録証

意匠という言葉の意味や、意匠権を登録する目的について解説します。間違いやすい特許との違いも理解しましょう。

意匠登録とはデザインを保護する制度

意匠とは、物品における形状・模様・色などのデザインを指します。自社商品のデザインについて、独占することを認める権利が意匠権です。

知的財産権のひとつである意匠権は、意匠法により明確に規定されています。所定の手続きを経て意匠権を獲得し、特許庁にその旨を登録してもらうことが意匠登録です。

消費者は商品の機能性や実用性だけでなく、デザインにも大きな魅力を感じます。商品の売り上げに関わる意匠を他社に模倣され、健全な競争が損なわれることのないよう、デザインを保護する意匠制度が設けられています。

参考:意匠法 | e-Gov法令検索

意匠登録と特許の違いは保護する対象

意匠登録と混同されやすい言葉に特許登録があります。どちらも知的財産権を守るための制度ですが、保護する対象が異なります。

意匠権が商品のデザインを守る権利であるのに対し、特許権は商品を生み出すアイデアや新技術を守る権利です。特許権も意匠権と同様に、審査をクリアすれば認められます。

知的財産権の一つである商標権も、意匠と間違われやすい言葉です。商標とは商品やサービスをほかのものと区別するためのマークであり、自社の商標を国に保護してもらう商標権は、商標登録を行うことで獲得できます。

意匠登録のメリット

木のブロック

意匠登録を行えば、デザイン面における競合他社と競争せずにすみます。ライセンス料による新たな収入源を確保できることもメリットです。

他社との競争を回避できる

意匠登録をしておけば、自社のデザインを他社に模倣される心配がありません。登録意匠と同一または類似のデザインを他社が採用すると、意匠権侵害に問われる可能性があるためです。

競合他社とデザイン面での競争を回避できる点も、意匠登録を行うメリットです。登録意匠が公開されれば、他社はデザイン方針の変更を余儀なくされるでしょう。

自社商品が意匠登録されていることで、デザイン面での類似品が出回る可能性を下げられるため、消費者や取引先からの信頼感も得やすくなります。

収入源になる可能性

登録意匠と同一または類似のデザインの使用を希望する他社がいる場合、ライセンス契約を締結して使用料を設定すれば、収入源を作れる可能性があります。

登録した意匠を自社商品に反映させず、ライセンス料のみで収入源を確保することも可能です。自社で時間やコストをかけることのない収入の仕組みを作れます。

自社のデザインが反映された商品を他社が製造・販売しても、意匠自体は登録されているため、自社のブランド価値は保護できます。意匠権を活用すれば、ビジネスを守るだけでなく、ビジネスを発展させることも可能です。

意匠登録までの流れ

説明する男性

意匠権を認めてもらうまでの、大まかな手続きの流れを解説します。似たようなデザインが先行して登録されていないか、出願前にチェックすることも大切です。

出願前に類似の意匠がないか検索する

意匠登録を行う際は、登録を希望するデザインと類似のものが先行登録されていないか、事前調査する必要があります。似たような意匠が検索されれば、該当デザインの使用は諦めるしかないでしょう。

先行意匠の調査は、「独立行政法人工業所有権情報・研修館」が提供する「J-PlatPat」で行えます。ただし、キーワードによる簡易検索しかできません。

世の中にある先行意匠の検索は困難な作業であり、隅々まで調べるのは素人には難しいでしょう。他社の権利侵害を回避するためにも、専門家へ依頼するのが無難です。

参考:特許情報プラットフォーム|J-PlatPat [JPP]

書類作成から登録までの流れ

意匠権を取得する場合、最初に特許庁へ「意匠出願」を行います。出願に必要な書類は、願書・図面の2種類です。出願が受け付けられると、手続きや形式の面で問題がないかチェックする「方式審査」が実施されます。

方式審査をクリアした後に行われる、実際のデザインの詳細な審査が「実体審査」です。審査で問題がみつかった場合は、「拒絶理由通知」を受けることになります。

意見書や補正書を提出して問題を解消できたり、実体審査をすんなりとクリアできたりした場合は、「登録査定」により意匠権を認められます。登録査定後に登録料を納付し、該当意匠が特許庁に登録されれば意匠登録は完了です。

登録までにかかる費用の目安

電卓

意匠登録には出願料や登録料といった費用がかかります。手続きをプロにお願いする場合は、追加で報酬を支払わなければなりません。

意匠登録を自社で実施するときに必要な費用

意匠の登録作業を自社のみで実施する場合は、出願料と登録料が発生します。出願料は手続き開始時に支払う印紙代であり、金額は16,000円です。

登録後に毎年支払わなければならない登録料は、登録後の経過年数により金額が異なります。1~3年目は8,500円、4~25年目は16,900円です。

意匠を登録する必要がなくなった場合、権利を放棄すればその後に登録料を支払う必要はありません。

登録の手続きを依頼するときの費用

意匠登録を弁理士に依頼する場合、出願料や登録料以外に、弁理士へ支払う報酬が発生します。報酬の主な内訳は、出願手数料と成功報酬の2種類です。

出願手数料の費用相場は約100,000円、成功報酬は約60,000円となっています。ただし、報酬金額は弁理士により大きな差があり、出願手数料と成功報酬をあわせて50,000円程度に抑えられるケースもあります。

意匠登録の手続きは専門性が高いため、プロに依頼するのが一般的です。費用はかかりますが、より正確な手続きをしてもらえる上、時間や手間も削減できます。

意匠登録は早めの準備でスムーズに

スーツの男性

意匠登録は自社商品のデザインを保護するための手続きです。意匠権を獲得しておけば、競合他社との競争を回避できるほか、新たな収入源を生み出せる可能性もあります。

権利を取得するためには、所定の手続きを踏まなければなりません。作業をスムーズに進められるよう、早めの準備を心がけましょう。

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