初めての生垣剪定には、小型で軽量なこちらの刈り込みばさみがおすすめです。
生垣用の剪定バリカン(ヘッジトリマー)の選び方
剪定バリカンは剪定用チェーンソーよりも小型で、生け垣の樹形を整えるのに適しています。標準的な刈幅である350mm前後から選ぶのがおすすめです。
また電源のタイプは、住宅地で使用するなら充電式かコード式の2種類から選ぶのが一般的です。
充電式の方が重量はありますが、取り回しが良いのがなんといってもメリットでしょう。ただし1時間程度で充電が切れるため、作業時間が限られます。
一方のコード式は安価で導入しやすいのがメリットですが、作業場所までのコードの長さを考慮する必要があります。
充電式のおすすめ:マキタ 生垣バリカン 充電式 MUH500DZ ※バッテリー充電器は別売りです。
コード式のおすすめ:マキタ ミニ生垣バリカン 電源コード式 MUH2301
自分で生垣を剪定する方法<美しく整えるコツも紹介>
生垣を剪定する前に押さえておきたいポイントは以下の3点です。
- 新芽(花芽)は切り落とさないこと
- 枝が混み合っている場所は、古い枝を切って「透かす」こと
- 樹形に合った切り方をすること
新芽とはこれから伸びてくる若い芽のことを指します。古い枝に比べて緑色で柔らかいため、見分けがつくと思います。新芽を切りすぎると枯れてしまうこともあるので、新芽が出ている上の古い枝を切り落とすのが基本です。
また枝が混み合いすぎて風通しが悪くなっている場所は、枝を落として透かしていきます。葉が何枚も重なっている部分・まったく奥が見えないくらい枝が密集している部分は、優先的に切っていきましょう。
そして見栄えをよくするためには、植物に合った樹形に切ることも大切です。植物の種類ごとに合う樹形は以下の通りです。
水平に整えた樹形が合うタイプ |
自然樹形が合うタイプ |
・ベニカナメモチ
・トキワマンサク
・イヌマキ
・ドウダンツツジ
・ツバキ
・ハナチョウゲ |
・コニファー
・シルバープリペット
・ユキヤナギ
・アベリア |
水平に整える樹形は、刈り込みばさみか剪定バリカンを使用して作業します。自然樹形は枝を1本1本切る作業がメインなので、基本的には剪定ばさみで行いましょう。
ここからはそれぞれ具体的な剪定方法を解説します。自分が育てている植物に合った方法を参考にしてみてください。
<水平に整える>刈り込みばさみを使った生垣の剪定方法・コツ
刈り込みばさみは利き手ではない方を動かすのがポイント。利き手を固定することで切り口がまっすぐになり、仕上がりが美しくなります。表面が平らに見えるよう、全体を見渡しながら均一に切りそろえていきましょう。
切る順序は生け垣の側面(表面)から。下から上に切っていくのが基本です。下の端から横に向かって切り進め、徐々に上へ上がっていくようにすると良いでしょう。
最後に生け垣の上面を切り、高さを切りそろえます。高さを切りそろえるときは、水平がブレないように糸などを張ると定規代わりになって便利ですよ。
<水平に整える>電動バリカンを使った生垣の剪定方法・コツ
電動バリカンを使用する場合、事前に太めの枝を剪定ばさみで切っておきましょう。電動バリカンで太い枝を切ると刃こぼれの原因になるためです。
太めの枝を落としたら、電動バリカンで形を整えていきます。最初は生け垣の側面から。垣根の株元から上へ向かって撫でるようにバリカンの刃を滑らせ、表面を削っていきます。
側面を削り終わったら高さをそろえます。刈り込みばさみのときと同様に糸などで水平の目印を作っておくと、仕上がりが綺麗になりますよ。またバリカンは重みがあるため、高所の作業は十分安全に気をつけてください。脚立の安定性やコードの位置は必ず確認しておきましょう。
<自然樹形に整える>剪定ばさみを使った生け垣の剪定方法・コツ
自然樹形に整える切り方の基本は、1本1本の樹単位で剪定していくこと。表面を切りそろえるよりも、不要な枝を透かしながら長さを詰めていくと自然な樹形にまとめやすいですよ。
内側に伸びている枝や混み合っている枝は優先的に切り落とし、1年前の樹の大きさに戻していくイメージで切り戻します。
なおコニファーの剪定をする場合は、仕上げに刈り込みばさみやバリカンで表面を整えると美しくなります。
生垣の剪定に自信がない場合は業者への依頼がおすすめ!費用相場も解説
次の項目に当てはまる場合、生垣の剪定は庭木剪定業者・造園業者などに任せることをおすすめします。
- どこまで切ったら良いかの判断がつかない
- 毎年確実に花を咲かせたい
- 美しい樹形に整えたい
- 手に負えないほど大きくなりすぎ、茂りすぎている
- 剪定シーズンではないがどうしても刈り込みたい
特に見た目を重視する場合はプロへの依頼が一番です。樹の種類に合った剪定を行ってくれるため、生垣の魅力を最大限に引き出してもらえますよ。
生垣剪定をプロに依頼するときの相場は、幅1mあたり1,500円~3,000円ほどです。ただし生垣の高さが2~3mを超える場合は、別途見積もりが必要になるケースが多いです。
業者を選ぶときは、必ず複数業者の見積もりを比較したうえで決定しましょう。庭木剪定業者とは長い付き合いになる可能性もあるため、真摯に相談に乗ってくれる業者を選ぶのが一番です。
「生垣の剪定を業者に依頼したい」「なるべく安く、信頼できるところにお願いしたい」という場合は、ぜひミツモアを利用してみてください。ミツモアはあなたの地域や求めるサービス内容を入力するだけで、複数の剪定業者からおおまかな見積もりを提案してもらえるサービスです。
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ミツモアで植え込み・生垣の剪定を依頼する
失敗例から見る生垣剪定の注意点
初心者や素人が生垣を剪定する際にありがちな失敗を、実際の失敗事例から解説していきます。
失敗①花が咲かない
花を楽しむ生垣によく見られる失敗の1つですね。誤ったシーズンに剪定を行ったため、その年に全く花が咲かなくなってしまった事例です。
ほとんどの植物はどんな枝からも花を咲かせる訳ではなく、花芽と呼ばれる「花をつけることができる芽」が決まっています。例えば生垣に多いドウダンツツジの花芽が出るシーズンは8月です。秋以降に刈り込みを行うと、花芽が切れてしまい次のシーズンは花を咲かせることはありません。
花を咲かせたい生垣を剪定するには、花芽が出るシーズンを知ることが大切です。基本的には開花後に剪定を行えば花芽を切ることがないため安心です。開花後以外のタイミングで剪定したい場合は、業者に相談した方が良いでしょう。
失敗②樹形がボサボサに成長する
切り詰めすぎて樹形が大きく乱れてしまった事例です。数年ぶりの剪定で小さくしようとした結果、陥ることが多い失敗です。
生垣を剪定すると、切断部分の下から脇芽が生えてきます。そのため大きく切りすぎてしまうことで脇芽が大量に生え、まるでたわしのようなボサボサの樹形に成長してしまうことがあるのです。こうなると元の樹形に戻すには脇芽をある程度伸ばす必要があり、不格好な樹形のまま何シーズンかを過ごすことになります。
また真夏や真冬といった時期に大きな剪定をすると、最悪枯れる事態にもなりかねません。強く剪定したい場合は、数年かけて少しずつ切り詰めていくのが正解なのです。脚立でも届きにくいほどの大きさになっている場合は、危険なので無理せず業者に依頼しましょう。
小さくする以外にも?生垣を剪定する大きな2つの目的・必要性
剪定は生垣を適正なサイズで美しく維持するために必要な手入れです。しかし剪定には形の調整以外にも、大きな2つの目的があります。
- 病害虫を防ぐ
- 株の老化を防ぐ
目的①病害虫を防ぐ
生垣が病害虫被害を受ける最大の原因は、風通しの悪さです。適切に剪定を行うことで風通しがよくなり、病害虫の発生を防ぐことができます。生垣は人の通り道に面しているため、毛虫の発生やハチの巣被害は絶対に避けたいものですね。
うっすらと向かいが見える程度に透かした状態を保つことが、病害虫の発生を予防するポイントです。
目的②株の老化を防ぐ
剪定は植物を活性化します。古い枝を切ることで新芽の成長が促され、光合成効率の良い若い葉を増やすことにつながるのです。
古い枝を切って新しい芽を出すことは植物にとって「若返り」のようなもの。株への負担を軽減し、株の寿命を伸ばすことにつながります。
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