車両管理システムおすすめ6選

車両管理システムとは、社用車の車両情報や運行状況の管理がおこなえるシステムです。リース契約やレンタル契約を締結している車両の管理も可能です。車両情報は車検日や定期点検日、契約期限日など、メンテナンス実施日や契約情報をまとめて管理できます。

運行状況に関しては、車両位置や走行距離、到着予定時間など、走行データ全般の記録が可能です。取得したデータは安全運転教育指導や配送ルート立案に活用できます。管理負担軽減や業務効率化を実現する手段として、車両管理システムが注目されています。

この記事では、車両管理システムのメリットや選び方、おすすめのシステムについて、まとめました。

OBD-Ⅱ ポート型

OBD-Ⅱ ポートは車載故障診断装置とも呼ばれ、エンジン回転数や車速から故障の有無を判断するタイプです。ドライブレコーダーへの組み込み型もありますが、近年はSIMカードが搭載された車載器を接続ポートにつなぐタイプが主流です。

ドライバーから見えない位置に取り付けるため、運転中のストレスも軽減できます。

シガーソケット型

車のシガーソケットに挿入するだけで運用できるタイプです。OBD-Ⅱ ポート型と同じく、配線工事は必要ないため、初期費用を抑えられます。着脱も簡単で、複数の社用車で使い回しが可能です。

ただしシガーソケットの挿入位置によっては、位置情報の更新速度低下や通信障害が起きるため、注意が必要です。

アプリ型

スマートフォンやタブレットにアプリをインストールして利用するタイプです。アプリ上で走行履歴の記録や車両予約などが可能です。デバイスを追加で購入する必要がないため、導入の手間や費用を抑えられます。

アプリを使用する時間を限定しないと、常に監視されている印象をドライバーへ与えるため、注意が必要です。

ドラレコ型

ドライブレコーダーの機能も搭載しているタイプです。撮影された映像はクラウド上に保存され、リアルタイムでの共有が可能です。車間距離や走行位置、スピードなどを撮影し、安全運転指導の教材に活用できます。

事故発生時前後の映像をピンポイントで切り抜けるタイプもあり、事故の証拠映像としても活用可能です。

デジタルタコグラフ型

走行距離や運転時間、位置情報など、さまざまなデータを記録できるタイプです。過去の走行履歴にもとづき、配送計画の作成や到着予定時間の算出もできます。実務経験が浅いドライバーをサポートし、ベテランドライバーにかかる負担を軽減します。

機器購入費や工事費用が発生するため、多額の初期費用が必要です。

運転分析機能が搭載されているか

ドライブレコーダーを搭載した車両管理システムを選ぶと、運転の癖や運転スキルを可視化できます。急加速や急ブレーキ、急ハンドルの有無を評価し、安全かつスムーズな運転ができているかを評価します。

算出したデータは安全運転指導の教材に活用可能です。データに基づいた指導によって、ドライバーの安全意識を高められる点がメリットです。また画像解析AIを搭載したシステムを選ぶと、事故のリスクを最小限に抑えられます。

居眠り運転やわき見運転につながる動きをした場合、音声や画像によって警告を発し、事故を未然に防げます。事故による多額の利益損失を防ぐためにも、運転分析機能を搭載したシステムを選びましょう。

GPSの精度は高いか

高性能GPSを搭載した車両管理システムを選びましょう。GPSが5秒や10秒単位など、一定間隔で位置情報を取得する場合、画面に表示される位置情報と実際の走行位置にズレが生じます。

管理者は距離のズレを加味して、ルート変更や迂回指示を出さなければなりません。判断のスピードが遅れるほど、ドライバーに迷いや不安を与える可能性が高くなります。

GPSが毎秒ごとに位置情報を取得できれば、走行位置や配送先までの到着予定時間を正確に算出できます。事故や渋滞が発生している場合もルート変更の指示を送り、遅延時間を最小限に抑えられます。

導入目的に合っているか

車両管理システムの選定に入る前に、導入目的を明確化することが重要です。搭載している機能や対応デバイスが、システムによって異なります。たとえば業務効率を高めたい場合は、位置情報や道路交通情報の取得に対応したシステムを選びましょう。

状況に応じてルート変更や迂回指示をドライバーへ伝達でき、渋滞時間を短縮できます。配送ルート作成機能を搭載していれば、道に迷う心配もいりません。導入目的が曖昧だとミスマッチを招く可能性が高く、高い投資に見合った効果が得られません。

無駄な費用の支払いを避けるためにも、車両管理システムの導入によって、どのような課題を解決したいかを明確にしましょう。

デバイスが自社に適しているか

導入目的に応じたデバイスを選択することが重要です。デバイスの種類によって、メリットとデメリットは異なります。たとえば、コスト優先の場合、シガーソケット型やアプリ型が適しています。

シガーソケット型は挿入するだけで運用ができるため、工事は必要ありません。初期費用や導入の手間を抑えられます。一方アプリ型は従業員に貸与しているスマートフォンを利用するため、デバイスを購入する必要はありません。

またドライブレコーダー型を選ぶと、運転時の映像を撮影できるため、ドライバーの安全意識向上やリスクヘッジ強化を図れます。車両管理システムの導入によって、どのような課題を解決したいか、明確化しておくことが重要です。

料金体系が自社に合っているか

車両管理システムの料金体系は月額固定制と従量課金制、2種類に分けられます。月額固定制は、端末買取金額+月額利用料の構成です。端末買取金額は、選択するデバイスによって変動します。

端末レンタルプランを選択した場合、初期費用はかかりません。月額料金は通信費込みで設定されているケースが多く、全体的に費用を抑えられます。従量課金制は、初期費用+単価×人数の料金体系です。

使用した分だけ料金が発生するため、無駄な費用の支払いを抑えられます。ただし利用人数が多い場合は、必要以上に月額料金を支払わなければなりません。どちらの料金体系が合っているか、慎重な見極めが求められます。

車両管理業務を効率化できる

車両情報や運行状況に関する内容をシステム上でまとめて管理できます。整備不良による事故を防ぐため、定期点検や車検、オイル交換などは期限内に実施しなければなりません。リース契約や保険の更新手続きも必要です。

車両管理システムを導入すれば、点検予定日や契約期限日の前に通知が送られるため、対応漏れを防げます。また走行距離や訪問件数、運転時間など、各ドライバーの走行履歴もシステム上から確認可能です。

「正しいルートを選択しているか」「無駄な移動が発生していないか」といった点を把握し、配送計画へ反映できます。そして配送ルートの自動作成機能が搭載された車両管理システムを選ぶと、業務負担を軽減できます。

運行状況の可視化やコスト削減を図れる

車両管理システムの導入によって、走行距離や運転時間、走行ルートなど各ドライバーの走行データを可視化できます。走行履歴の可視化によって、無駄な移動時間や滞在時間を可視化できる点がメリットです。

移動時間が短く効率的な配送ルートも作成でき、燃料使用量削減も図れます。また管理者が配送ルートを作成することで、新人ドライバーにも一定の業務量を任せられます。

配送先の順番に応じてカーナビに道順が表示されるため、ドライバーは道に迷う心配がありません。ベテランドライバーとの乗車時間を短縮し、教育コストを削減できます。そして車両の稼働状況や予約状況を分析したデータをもとに、社用車の台数削減も検討できます。

安全運転促進につながる

運転分析機能を搭載したシステムの導入によって、安全運転への意識を高められます。急発進や急ブレーキ、急ハンドルなど複数の評価項目で運転技術を評価します。データにもとづく客観的な指摘によって、各ドライバーの癖や課題を可視化できる点がメリットです。

システムによっては、過去の走行履歴から危険運転や事故が起きやすい場所の共有が可能です。またドライブレコーダーや画像解析AIを搭載したシステムを選択すると、事故を未然に防げます。

居眠り運転や脇見運転、あおり運転につながる挙動を検知した場合、画像や音声で警告を発します。管理者にも通知が届き、休憩時間や有給休暇の取得など、事故が起きる前に素早い対処が可能です。

コンプライアンス遵守につながる

アルコールチェックの結果をシステムに保存でき、飲酒運転を防げます。法令違反を犯した企業への評価は年々厳しくなっているのが現状です。仮に飲酒運転によってドライバーが事故を起こした場合、社会的信用低下やイメージダウンは避けられないでしょう。

管理者が検査結果を入力するシステムも多く、検査結果の改ざんも防げます。ドライバーはスマートフォンアプリから検査結果を送信できるため、大きな負担はかかりません。

また勤怠管理機能を搭載したシステムを選ぶと、労働時間や残業時間、有給休暇の取得状況などを正確に管理できます。常に最新の勤怠状況が反映されており、過重労働や残業代未払いなど、労働基準法違反を避けられます。

GPS機能

社用車の位置情報を把握できる機能です。リアルタイムで位置情報を取得できるシステムも多く、訪問先への到着予定時間を正確に算出できます。ひと目で位置情報が把握できるため、ドライバーと何度もやりとりを重ねる必要はありません。

また顧客から急な納品要請を受けた際、どの社用車で対応するかを素早く判断できます。

ルート作成・最適化機能

管理者が訪問先別に、もっとも効率的に回れる配送ルートを作成する機能です。無駄な移動時間や燃料使用量を削減できる点がメリットです。また、作成した配送ルートはカーナビに表示されるため、ドライバーは指示通りに運転すれば、訪問先へ到着できます。

実務経験が浅いドライバーにも一定の業務を任せられます。

車両稼働管理機能

保有する社用車が何台稼働しているか、画面上で把握できる機能です。業務遂行に必要な社用車の台数や駐車スペースを算出し、無駄なコストを削減できます。また車両予約と連動しているシステムも多く、重複使用を回避できます。

車両予約はスマートフォンからもできるため、ドライバーは隙間時間の有効活用が可能です。

運転分析機能

ドライバー一人ひとりが安全運転できているかを分析する機能です。ドライブレコーダーで撮影した様子から、ハンドリングや急ブレーキの有無などを評価します。

運転時の癖を可視化し、安全運転への意識向上や事故リスクの最小化を実現するのが目的です。また算出したデータは安全運転指導教育の資料にも活用できます。

導入コストがかかる

一定の費用が発生するため、自社の従業員規模に見合った料金体系を選ぶことが重要です。月額固定制の場合はオプションを利用しない限り、追加費用は発生しません。毎月支払う料金が固定化され、コスト管理が楽になります。

従量課金制は利用人数によって大きく費用が変動します。人数が多いと必要以上に月額費用を支払わなければなりません。どちらの料金体系を選ぶ場合でも、予算に見合ったシステムの選定が重要になります。

従業員のストレスをあおる可能性がある

アプリ型の車両管理システムを検討している場合は、注意が必要です。管理者は車両位置や走行データなどを取得できる一方、ドライバーは常に監視されている印象を持ちます。監視の目が気になると休憩時間も十分に取れず、注意力や集中力が散漫になります。

アプリ型の車両管理システムを検討している場合、従業員へ説明の場を設けることが重要です。理解を示してもらうためにも、使用時間をはじめ運用ルールの遵守も徹底しましょう。

車両管理システムは、管理者とドライバーの業務負担を軽減できるシステムです。オイル交換や定期点検など、各種メンテナンス実施日の前に通知が行き届くため、対応漏れを防げます。契約期限日や保険の更新日もシステム上での管理が可能です。

またモバイルアプリから日報作成や車両予約など、事務作業を進められます。ただし車両管理システムは種類やチェックポイントが多く、どのように選定作業を進めるべきか、わからない方もいるでしょう。

自社に合ったシステムを選ぶためにも、平均2分でできる無料の自動診断を試してみましょう。従業員数や必要な機能などの質問に回答すると、条件に合った車両管理システムが提示されます。