ログ監視ツール比較おすすめ8選

ログ監視ツールとは、各種機器の稼働状況や操作履歴に関する情報を収集し、可視化するシステムです。監視対象はサーバーやストレージ、データベースなど、IT資産全般に渡ります。

ログデータを収集すると、「いつ誰がどの機器でどのような行動を取ったか」を確認でき、サイバー攻撃や不正行為を早期に発見できます。インフラ機器やモバイル端末の稼働状況を常に監視することで、安定稼働を継続的に実現できる点もプラスです。

しかし、はじめてログ監視ツールを導入する場合、不安な点やわからない点も多いでしょう。この記事では、ログ監視ツールの導入メリットや選び方、おすすめのツールなどについて、まとめました。

エージェント方式かエージェントレス方式か

ログ監視の方法はエージェント方式とエージェントレス方式、2つに分けられます。エージェント方式は、詳細なログデータを収集できる点が特徴です。サーバーやデータベースなど、監視対象を内部から監視するため、稼働状況や不正行為の有無を正確に把握できます。

半面、監視対象のリソースを過度に消費する傾向にあり、速度遅延や通信障害を招く可能性が高まります。一方、エージェントレス方式はインターネット上にある外部サーバーを使い、サーバーやデータベースを監視する方式です。

リソースの過度な消費を避けられる半面、収集できるデータの内容は限定されます。どちらの方式が合っているか、慎重な見極めが求められます。

導入目的に沿っているか

導入目的を明確化することが重要です。ログ監視ツールによって搭載されている機能は異なります。たとえば、「インフラ環境を構成する各種機器の稼働状況を可視化したい」と思っていたとしましょう。

サーバーやストレージ、データベースなど、各種機器を統合監視できるシステムを選択します。クラウドサービスを利用してインフラ環境を構築している場合、クラウド環境への対応可否も確認が必要です。

また、インシデントへの対応力強化を掲げている場合は、操作ログの取得やアラート通知など、不正行為を検知する機能が充実したシステムを選択します。ミスマッチを避けるため、どのような課題を解決したいか、明確化しておくことが重要です。

監視したい対象が含まれているか

監視対象が含まれているか、ログ監視ツールの対応範囲を確認します。多くのツールでサーバーやネットワーク機器、ノートPCなどは管理対象に含まれています。

高速通信の安定化に向けては、ストレージやデータベースなど、インフラ環境を構成する各種機器の状況把握が欠かせません。クラウドサービスやオウンドメディアも監視対象に含まれていると、通常業務への支障を回避できます。

また、複数の拠点を展開している場合は、遠隔操作でログデータを回収できるシステムを選びましょう。オフラインのPCも含めてログデータの回収や設定作業の変更を遠隔操作できると、メンテナンスの手間を削減できます。

サポート体制は充実しているか

手厚いサポートが望めるベンダーを選びましょう。ベンダー側とスムーズに情報共有ができれば、トラブルが起きても早期解決が望めます。特に初めてログ監視ツールを導入する場合、不安なことも多いでしょう。

メールやチャット、電話など、複数の手段でベンダー側とコミュニケーションが取れれば、安心感が持てます。オンラインヘルプやFAQが充実していると、必要な情報を効率的に収集できます。

また、よほどメリットがない限り、国内ベンダーが提供しているログ監視ツールを選ぶのがおすすめです。海外ベンダーの場合は日本と時差があるため、リアルタイムでコミュニケーションを取れません。トラブル解決までの時間が長くなります。

自社の予算に合っているか

クラウドとオンプレミス、どちらかの形態を選んでログ監視ツールを導入します。コスト優先の場合、クラウド型のログ監視ツールを導入するのがおすすめです。システムを導入する際、サーバーやネットワーク機器などを調達する必要はありません。

メンテナンスやアップデートもベンダーが対応するため、全体的にコストを抑えられます。半面、すぐに利用できるよう設計されており、カスタマイズの余地はほとんどありません。

一方、オンプレミスは、インフラ環境構築やシステム設計から自社で対応するため、ユーザビリティを最大限追求できます。ただし、多額の初期費用が必要になり、豊富な資金力が求められます。

不正操作を抑止する効果がある

ログ監視ツール導入によるメリットは、内部不正の抑止力が高まる点です。サーバー監視やネットワーク監視、アプリケーション監視など、IT資産全般の稼働状況を監視できます。異変が起きたらすぐに管理者へ通知されるため、被害を最小限に抑えられます。

また、ユーザーや部署単位でデータファイルへのアクセス権を設定可能です。業務上必要なファイル以外は閲覧できない状態に設定し、アクセス権の過大付与による情報漏えいを防げます。

仮に不正行為が発生したとしてもログデータを取得すれば、犯人をすぐに特定可能です。ログデータは、損害賠償請求時の証拠やセキュリティ対策の見直しにも活用できます。

障害発生時に素早く対応できる

サーバーやネットワーク機器などの稼働状況を分析したデータから、不正アクセスや内部不正の有無を可視化できます。各種機器の稼働状況は、色分けされたグラフでダッシュボード上に表示されるため、状況をひと目で把握できます。

異変を検知するとメールや自動応答、アラート通知など、さまざまな方法で管理者に通知が届き、素早い対処が可能です。また、パスワードロックアウトやデータの暗号化機能によって、機密情報の漏えいを防げます。

パスワードロックアウトは、一定回数以上パスワードを間違えるとアクセスを遮断する機能です。不正アクセスやなりすましを未然に検知します。一方、データの暗号化によって、内容の識別は困難になります。

24時間監視によってシステム管理者の負担を軽減できる

ログ監視ツールの導入によって、自社のIT資産を24時間365日体制で監視できる体制を確立できます。各種機器の稼働状況を監視するために、システム管理者に過度な負担を強いる心配はいりません。業務負担を軽減し、他の業務に集中して時間や労力を割けます。

自動復旧機能を搭載していれば、再起動コマンドによってシステムが自動で復旧作業を開始します。障害が発生しても、システム管理者に早朝出勤や深夜残業を強いることはありません。

また、サイバー攻撃や不正行為の有無を24時間体制で監視することで、機密情報漏えいのリスクを最小限に抑えられます。

インフラ機器の異変をすぐに検知できる

サーバーやストレージ、データベースなど、各種インフラ機器の稼働時間やパフォーマンスを常に監視できます。各種機器のデータはダッシュボード上でまとめて表示されるため、個別に確認する必要はありません。

事前に閾値を設定しておけば、サイバー攻撃やマルウェア感染が生じたかをすぐに把握できます。サーバーダウンが発生した場合、機能不全に陥った原因を特定できるシステムもあります。

また、監視用のテンプレートが搭載されているシステムも多く、設定作業や監視を効率的に進められる点も魅力です。ログ監視ツールの導入によってささいな変化も検知でき、高速通信を安定して実現できます。

監視機能

監視機能とはシステムの動作やサーバーへのアクセスなど、各種機器のログを監視する機能です。ログ監視ツールによって、24時間365日体制で異常をすぐに検知できる体制を確立できます。

システムによってはログ監視をおこなうデータファイルを限定でき、情報を効率的に集められます。

検索機能

検索機能とは収集したログから任意の条件を設定し、必要な情報を検索できる機能です。特定のデータファイルを検索し、「誰がいつどのような操作をおこなったのか」といったアクセス履歴を可視化します。

また、不正アクセスやマルウェア感染が発生したデータファイルを活用し、今後のセキュリティ対策に反映できます。

アラート機能

アラート機能とは複数回のログイン失敗やデータファイルの持ち出しなど、不審な行為を検知し、管理者に通知する機能です。メールやSMSなど、管理者が指定した方法で通知が送られます。

事前に登録した不正行為の内容や過去のログ情報と照合してアラートを発するため、高い検出精度を誇ります。

レポート機能

レポート機能とは1週間や1カ月など、特定の期間内に記録したログ情報をレポートとして出力する機能です。一定期間が経過するたびにレポートを出力するよう設定しておけば、毎回作業をおこなう必要はありません。

レポートは、ログ監視ツールの稼働状況確認や不正アクセスの有無把握などに活用できます。

導入時や運用の際の費用がかさむ

ログ監視ツールに限らず、新たにシステムを導入する際は初期費用とランニングコストが発生します。とくにオンプレミス型のログ監視ツールを選ぶ場合は初期費用が高騰するため、注意が必要です。

サーバーや大容量電源の確保など、多くの機器を自社で調達しなければなりません。メンテナンスや障害復旧も自社対応となるため、システム管理者への負担が増大します。コスト優先の場合は、クラウド型のログ監視ツールを選択しましょう。

ログ監視ツールを導入する際、インフラ環境の構築やソフトウェアのインストールは必要ありません。アップデートやメンテナンスもベンダーへ一任でき、ランニングコストを大幅に削減できます。

十分なストレージ容量と優れたデータ分析機能が必要になる

さまざまなログデータを保存するには、大容量のストレージを搭載したシステムの導入が重要です。ログ監視ツールはWebサイトやサーバー、アプリなど、IT資産全般のログデータを日々収集するため、膨大な量のデータを保存します。

ストレージ容量が少ないと必要以上にリソースを消費し、通信障害や速度遅延のリスクが高まります。また、優れたデータ分析機能を搭載しているかも、事前に見極めが必要です。

ログ監視ツールには、膨大なログデータから必要な情報を抽出し、レポート化することが求められています。データ分析機能に乏しいシステムを選ぶと、データ抽出や可視化に多くの時間がかかり、かえって業務効率が悪化します。

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