仏像彫刻を寺院に納める会社を経営しております。お姿はほとんどオーダーメイドなので、納入前の撮影がとても重要です。以前はその都度写真館で撮って頂いておりましたが、その分の金額でデジタル一眼レフカメラを求め、自分で撮影すればもっと自由に展開できるなと思い実行に移しました。試行錯誤しながらの撮影はお姿との対話のようで楽しく、単焦点レンズなども求め、しばらくは同じスタイルでの撮影を続けておりました。撮影した写真は当社のホームページで公開し、一定の効果を上げておりました。しかし、しばらく経つと最初に感じていた新鮮味が薄れ、撮影へ向かう気持ちが重くなったのでした。そんな時、フェイスブックで兼子さんの存在を知り、「この状況を打開して頂けるのでは・・・」と撮影を依頼したのでした。当社のギャラリーにいらした兼子さんは、すぐ撮影を始めるのかと思っていた私の想像に反して、「先ずは色々お聞かせください」と、当社の事業内容や、お姿に関しての我々の思いなどを引き出して下さいました。その上で、私が今まで撮影を続けてきたこと、お姿の良さを一番知っているのが私であるという点から、「レクチャーしましょう。ご自分で撮影するのが一番です!どんな写真を撮りたいか、それを私に教えて下さい。私がお手伝いしましょう。」と言って下さったのでした。レクチャーは発見の連続でとても刺激的でした。そして兼子さんが帰られたあと、暗いギャラリーの中、ライティングされたお姿と一人向き合いました。その日の撮影は、自分で撮り始めた頃の楽しさが戻ったようで、とても印象に残るものでした。後日それを兼子さんにお伝えすると、「また同じような壁が何度もやってくると思います。その時はいつでも相談にのりますよ。それが成長のチャンスです!」と仰って下さいました。それ以来、お姿に限らず、物の捉え方全般にレクチャーの影響を感じております。プロから導いて頂いた撮影の楽しさ。今まで撮影した写真と共に私の宝物です。