年末調整アウトソーシング比較おすすめ10選

紙の申告書を従業員に配布し、手書きされた情報を人事総務担当者が手作業で入力処理をするのが年末調整の通例でした。しかし現在は、電子化によって従業員および人事総務担当者両者の負担を減らすのはもちろん、専門の業者に作業をまるごとアウトソーシングする企業も増えています。

年末調整アウトソーシングを提供する会社によっては、給与計算や社会保険業務など人事総務経理にかかわるさまざまな業務を代行してくれます。毎月の業務だけでなく、賞与の計算も発生するため、年末の人事総務担当者は必死です。もちろん従業員も多忙であるのは同様でしょう。年末調整アウトソーシングは従業員および人事総務担当者両者の負担を軽減してくれるサービスです。

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年末調整アウトソーシングの業務範囲は「申請書チェックや修正」と「年末調整データ作成」の2つがメインです。

年末調整ではまず、控除に関する申請書を従業員に記入・提出してもらいます。回収した申請書を取りまとめた(従業員の年間給与支払額と源泉所得額を確定させた)のち、税務署に法定調書合計表・自治体に給与支払報告書を企業は提出しなければなりません。社員が多くなるほど申請書の数が増え、チェックやデータ作成が大変になります。

そこで年末調整アウトソーシングが活躍します。専門のスタッフによって不備のチェックや修正を代行し、従業員ごとの個別データの作成も任せられます。さまざまな企業が年末調整アウトソーシングの代行を受け付けており、自社に合ったサービスの選定が必要になってきました。

年末調整業務を一任できる

導入によって人事総務担当者の業務効率化が図れます。ソフトウェアに代替するかアウトソーサーのスタッフが代行するかは会社ごとで異なりますが、自社で紙を配って行っていたときのように、申請書を回収して自社でいちいち手作業で入力作業をする必要はありません。給与計算ソフトと同期すれば確認も簡単です。従業員の給与データを基に税額や控除額を簡単に算出でき、ミスやモレが削減できます。

毎年12月に必要とはいえ、年末調整は通常業務とは別で発生する業務です。給与計算だけでなく12月には賞与を給付している会社が多く、通常より忙しい月に年末調整はしなければなりません。アルバイトを採用したとしても育成コストが発生します。残業で対応しても限界があるでしょう。年末調整アウトソーシングをすれば、入力からチェックまで責任をもってデータ作成を行ってくれるので、人手が足りない会社には特におすすめです。

入力業務の効率化できる

申請書を作成する従業員側にもメリットがあります。たとえば入力フォーマットをアンケート形式にしていて、回答すればデータ入力や申請書作成が自動で行えるようになっている年末調整アウトソーシングがあります。パソコンやスマートフォンからでもアクセス利用可能で、いつでもどこからでも申請できる点が魅力です。

くわえて入力フォームにはヘルプガイドも備えてあります。人事総務担当者に確認したりネットで調べたりせずに、1人で回答できるのはありがたい工夫です。同じサービスを使い続ければ、確認済みの項目は昨年の情報が記載されていて入力不要であったり、控除の対象か否かの確認および控除額の計算も自動で行ってくれたりします。紙への記入方式よりはるかに楽でしょう。

税法改正に対応できる

アウトソーシングしておけば、税法の改正があったときの対応が楽になります。アウトソーサーは税制や法律について常に情報収集をしています。改正が行われ給与計算や各種申告書の記載の方法などが変更になった場合でも、アウトソーサーが的確に対応して社内での負担を減らしてくれるのです。

また税制や法律が改正されると、ソフトウェアの更新が発生します。アウトソーシングしておけば、更新作業もアウトソーサーが対応してくれるため、メンテナンスの負担がなくなる点もメリットです。

代行する業務範囲を明確にする

計算だけでなく、入力代行やチェック代行まで依頼すると依頼費用は増えます。逆に自社で負担して代行する業務を絞れば費用が安くできます。会社ごとで状況が違うため、どの程度までなら自社で対応できるのかを事前に考えておくのが重要です。

年末調整の実務ノウハウが社内に蓄積していない場合は外注した方が効率的かもしれません。反対に実務経験者はいるものの単純に人手が足りない場合は、どこからどこまでをサポートしてもらえば十分かも考えられるでしょう。

代行する業務範囲を明確にした方がサービスも決めやすいので最初に考えるのがおすすめです。見積もりを依頼する場合も必要な分だけを的確に見積もってもらえます。オプション選択で無駄に悩む時間も省けるでしょう。

外部システムと連携ができるか

アウトソーサーとの情報連携の方法も吟味しましょう。企業によっては、自社で開発したシステムやソフトウェアを新たに導入するのが前提のサービスもあります。システムやソフトウェアを新たに導入する場合は、時間がかかるのが避けられません。

依頼主の要望に合わせて使用中のシステムやソフトウェアのまま連携が可能な会社を選ぶ方がいい場合もあるでしょう。もしくは独自開発ではない市販のシステムやソフトウェアを使っているアウトソーサーのなかから、自社と同じものを使っている会社を探す方法もあります。導入の手間暇が削れれば、費用を抑えられる可能性も高くなるでしょう。

予算に見合っている

基本料金に従業員の人数に応じて追加料金を足して費用が算出される形式が一般的です。「基本料金1~3万円・追加料金1人あたり1,000〜3,000円」と紹介しているサイトがあったり、「基本料金8,000円・追加料金1,500円(1〜5名の場合)」としているサイトがあったりと費用はサービスによって異なります。

導入・運用サポート体制があるか

サービスの利用に関して導入や運用のサポートがしっかりしているかを事前にチェックするのが大事です。年末調整のような年に1回しか行わない処理はもちろん、日頃の給与計算の処理についても迷う機会は珍しくないでしょう。

長く使ってきたシステムであっても迷うのに、新しいシステムを導入するとわからないことがなおさら増えかねません。サポート窓口の対応時間や対応範囲をしっかり確認しましょう。なかには社内の問い合わせ対応を代行してくれるサービスや、新しいシステム導入は不要で導入済みのものをそのまま使えるサービスもあります。

税理士法に違反していないか、税理士資格保有者はいるか

税理士や税理士法人しか年末調整の代行はできません。日本税理士会連合会と全国社会保険労務士会連合会によって、税理士または税理士法人が行える付帯業務の範囲に関する下記のような確認書が取り交わされています。外注先を選定する際に、税理士が在籍しているかを確認しましょう。

”年末調整に関する事務は、税理士法第２条第１項に規定する業務に該当し、社会保険労務士が当該業務を行うことは税理士法第５２条（税理士業務の制限）に違反する。”

引用：税理士の付随業務|愛知県社会保険労務士会

社会保険労務士が代行した場合は税理士法違反です。なかには税理士と協業する形で年末調整を受けている社会保険労務士事務所もあります。法律に反していないか、協業先についての確認までしっかり行うと安心でしょう。

個人情報を適切に管理しているか

セキュリティ対策や情報管理を適切に行っている外注先を選ぶのも重要です。年末調整をアウトソーシングする際には社員の個人情報を預けなければなりません。とくにマイナンバーは、多くのデータが紐づけられた機密情報であり、漏えいしたときのリスクが大きいため、取り扱いや管理の方法が細かく規定されています。

サービスを選定するときは、信頼に値する実績があるかはもちろん、利用規約やプライバシーポリシーまで契約書やWebサイトで細かく確認しましょう。

費用が高額になりすぎていないか

人件費などの費用を削減する目的で年末調整アウトソーシングを利用する場合、依頼費用が高くなりすぎていないかを確認しましょう。税理士によっては、年末調整の費用とは別に顧問料が発生する場合があります。契約時に業務範囲を確認し、年末調整が含まれるかを確認するとよいでしょう。

またオンラインのサービスであっても、各社で料金設定が異なります。社員数が少ない会社と多い会社とでは、費用が抑えやすいサービスが変わります。各社のWebサイトも参考にしながら自社に合っているものを検討してみましょう。

従業員たちが頭を悩ませる控除申請書の記入を補助し、データ入力や進捗管理の手間まで減らせる年末調整アウトソーシングは、年末で賞与や場合によっては決算の処理に追われる人事総務担当者の強い味方です。コア業務だけでなく通常の業務まで幅広くアウトソーシングが可能なサービスも多いため、人手不足で悩む企業はぜひ活用してみてください。

年末調整アウトソーシングはサービスごとで料金や対応範囲が大きく異なります。導入時のコストをチェックするのはもちろん、導入後の運用のしやすさにも気を配るのが重要です。

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