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Web問診システムとは患者がタブレットやスマートフォンを使って、問診に回答できるシステムです。主に病院やクリニックで利用され、診察の効率化や待ち時間の短縮に活用されます。また、問診票内容のカルテへの転記作業が軽減されるため、医療スタッフの負担も軽減できます。
Web問診と似た言葉としてAI問診という言葉があります。AI問診は人工知能(AI)が患者の回答を分析し、問診内容を自動的に選択、表示するタイプのWeb問診システムです。
例えば、患者が「腹痛」を主訴としてAI問診に答えていくと、「どのような痛みか?」「何時間前から痛いのか?」などの質問をAIが大量のデータから選んで表示し、患者の症状に合った問診ができるという仕組みになっています。
一方、通常のWeb問診は医師や医療スタッフが事前に入力した問診内容がそのまま、Web媒体で表示されるようになっています。ともに診察をより効率化できる点が魅力ですが、AI問診は迅速で一貫性があり、大量のデータをもとにした問診を自動で表示できるという利点があります。
Web問診システムを始めとした医療ITシステムを導入する医療機関は少しずつ増加しています。ミーカンパニー株式会社が2023年10月に実施した医療ICTシステムの導入状況調査によると、東京都におけるWeb問診の導入医療機関数は前年比19%増となっていることが分かりました。
開業5年以下の医療機関の導入割合が最も高く、小児科や耳鼻咽喉科で導入が進んでいるようです。オンライン診療やWeb問診システムを導入する医療機関の院長年齢は40代が最も多く、開業し始めた医院で普及が進んでいることが伺えます。Web問診システムを導入する医療機関は今後も増加が見込まれるでしょう。
※参照:スクエル、Web問診、予約システム、オンライン診療システムを利用する医療機関を調査|PR TIMES
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診察に必要な問診票を作成し、患者や症状別にカスタマイズできる機能です。テンプレートやドリルダウン式の選択肢を選ぶことで、特定の症状や医療履歴に関する情報を収集できます。
患者が入力した情報を自動的に電子カルテに転記する機能です。患者がスマートフォンやタブレットで問診フォームに記入した症状や医療履歴が自動で転記されるため、カルテへの手入力作業を短縮できます。
医療施設が定期的な検診や予診を行う際、必要な検診票や予診票を作成できる機能です。定期的な健康診断や予約前の情報収集に活用できます。
患者の問診結果や医療履歴をWeb上で管理し、必要な場合に簡単に診察に利用できる機能です。患者を問診票の回答順に並べ替えたり、症状ごとに振り分けたりすることで、診察の順番決めや治療方針の策定に役立てることができます。診療スタッフ間での情報共有や連携にも利用可能です。
医療施設が患者に対してアンケートや重要な資料を配信する機能です。健康調査や医療情報の提供などに活用できます。患者が必要な情報にアクセスしやすくなり、医療施設とのコミュニケーションが円滑になるでしょう。
Web問診システムの導入は、問診からカルテ転記までの作業を効率化できるというメリットがあります。
例えば医療機関に訪問する前や待合室で待っている間にスマートホンやタブレットで問診を済ませることで、診察時の待ち時間を短縮できます。問診内容をカルテに転記する際に、自動で内容が反映されるため、手入力の手間や時間が掛からなくなります。
医療機関には多くの患者が訪問するため、作業時間や手間を短縮できれば、より効率的に診察できるようになるでしょう。
Web問診システムでは、必須項目の不備を自動的に検知し、回答するよう患者に促す、患者の属性に合わせた質問を表示するなど、回答精度向上の工夫が凝らされています。より症状を深掘りした質問もできるなど、紙の問診票では枚数や表記の都合で出来なかったカスタマイズも可能です。
回答精度が向上し、無回答が回避できるため、診察の際にふたたび質問や確認をする必要がなくなります。医師はより正確な患者情報を把握しながら、診察ができるというメリットがあります。
Web問診システムは感染症拡大時や災害対策時にも便利な機能が搭載されています。Web問診では患者が自身のタイミングで場所を選ばず回答できるため、紙の問診票と比べ、少ない接触回数で早く診察まで進められます。また、事前に医療履歴や症状を収集もできるため、医師はより綿密な診療計画を立てることができます。
感染症のリスク低減はもちろん、災害時など多くの患者の診察が必要な場面で使えば、効率的に重症度の高い人から診察を進めることができるでしょう。緊急時に対応しやすいという点がメリットになります。
Web問診システムを選ぶ際には、施設の規模や診療科に応じた問診を設置できるかが重要な比較ポイントとなります。
小規模のクリニックでは簡易な問診フォームやどんな年齢層でも応えやすい設問が適していますが、総合病院の特定診療科では症状に応じた分岐や特定の診療科に特化したフォームが必要です。
比較する際には、診療科に合った問診テンプレートが多いか、UIが見やすいか、カスタマイズ性が高いかなどを考慮して、自施設に合ったシステムを検討するといいでしょう。
Web問診システムの比較ポイントとして、既存の電子カルテシステムと連携がしやすいかも目を向けておく必要があるでしょう。
特定の電子カルテのみ自動連携するシステム、QRコードやURL、Bluetoothによって連携できるシステムなど、Web問診システムと電子カルテの連携方法は多種多様です。自施設の電子カルテとの連携に対応しているか、連携にかかる手間はどの程度なのかを比べ、連携しやすいシステムを選びましょう。
Web問診システムがトリアージや検診など、さまざまな医療プロセスに対応しているかも比較ポイントとして重要です。
大きなケガや緊急度の高い感染症患者が外来に訪れる際、患者の緊急度や重症度に合わせた優先順位をつけて診察をおこなう必要があります。また検診のような病気やケガ以外での診察の際は別途、異なる観点での問診を設置する必要があります。
Web問診システムの中には、回答内容から自動でトリアージをおこなったり、検診向けのテンプレートが用意されているシステムがあります。一般的な診察以外の医療プロセスが必要となった際、すぐに対応できるシステムか確認しましょう。
アポクル問診はアポクル予約と問診セットで問診業務を効率化できるWeb問診システムです。予約完了後に事前問診をリマインドする機能により、問診回答を確実に得られます。問診項目はドリルダウン式にカスタマイズされ、結果は電子カルテへ自動反映されます。月額1〜2万円の定額料金で手軽に問診システムを導入できます。
今日の問診表は著名医師2,000名の協力のもと制作されたWeb問診システムです。AIにより1万症例を超える現場のフィードバックをもとに症例に応じて動的に質問が変更されます。また初診カルテ作成にかかる時間を1/3まで削減できます。(※)
※株式会社プレシジョン(2024年1月時点)
Web問診システムの費用相場は導入規模やカスタマイズの程度によって異なりますが、初期費用は数十万円程度、月額費用は3000円から数万円程度のものまで見られます。
ただし、上記の費相場はオンプレミス型かクラウド型か、カスタマイズが無料か有料か、サポートやセキュリティ対策費用がかかるかなども想定した場合、変わっていく可能性が高いです。
費用を正確に比較したい場合、システムに求める機能や導入方式、サポート体制などを明確にして、個社にしっかりと見積もりしてもらう必要があるでしょう。
基本的には無料で使えるWeb問診システムはありません。ただし、Googleフォームなどの無料で使用できるフォーム作成ツールを利用して、Web問診をおこなうことは可能です。
しかし、フォーム作成ツールによるWeb問診を実施する場合、いくつか注意が必要です。汎用的なツールであるため、症状や診療科ごとのテンプレートは無く、1から問診内容を考え、作成していく必要があります。加えて、入力方式も患者サインやシェーマ入力などは設定できません。診療科によっては、具体的な症状の範囲などを質問だけで把握することが難しいケースもあるでしょう。
柔軟な質問設定やカスタマイズ、患者の症状ごとの管理をしたい場合は、有料のWeb問診システムを利用することを勧めます。
Web問診システムは製品によって特徴や機能もさまざま。「どの製品を選べばいいかわからない・・・」といった方も多いのではないでしょうか。
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