フォレンジックツール比較おすすめ7選

フォレンジックツールとは、ソフトウェアやハードウェアに保存された情報を調査するツールです。そもそもフォレンジックとは法医学という意味で、転じてIT業界で使われる場合はデジタル機器から情報を収集・分析して、法的証拠を見つけ出す技術や手法を指すようになりました。デジタルフォレンジックとも言います。

フォレンジックツールではデータの復元や分析、保全などが可能です。不正アクセスやネット詐欺、企業内での情報漏洩や従業員の不正行為が発生した際、迅速に法的証拠となるデータを特定し、保つことができます。

デジタルフォレンジックが必要となる背景

デジタルフォレンジックが必要となる背景には、サイバー犯罪の増加や改正個人情報保護法の施行など、法規制の強化が一因にあります。

2022年4月に施行された改正個人情報保護法によると、情報漏洩時に企業は個人情報保護委員会と本人に報告することが義務づけられました。また命令違反や虚偽報告に対する法定刑も引き上げられています。

ほか、知的財産権の侵害や企業間の契約違反などビジネス上の法的紛争において、デジタルフォレンジックは解決手段として必要不可欠な要素です。メールや文書、通信記録やログの解析によってしか、顕在化できない証拠が多々あるからです。

DXが促進されることで、サイバー犯罪の多様化や情報漏洩の増加が見込まれます。フォレンジックツールによる迅速なデジタルフォレンジックは今後、さらに必要性を増していくでしょう。

※参照：令和２年 改正個人情報保護委員会委員会委員会委員会法について｜個人情報保護委員会

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データの抽出

コンピューターやモバイル機器、ネットワークから特定のデータを抽出できる機能があります。企業の内部調査や調査機関による犯罪捜査時、疑わしい活動に関連する可能性があるファイルやメール、画像や操作ログを特定できます。

データの復元・保全

データ復元・保全機能は、損失や破損したデータを復元したり、調査対象のデータを複製保存する機能です。法的証拠としてデータを扱う場合、改ざんしていないことを証明しなければならず、そのために保全機能が必要となります。

また誤って削除した重要なファイルを回復したり、ウイルスに感染したシステムからデータを保全する際にデータの復元機能を使用します。

データの隠匿追跡

データの隠匿追跡機能は、重要なデータを隠すために使用したテクニックやツールを検出し、隠れたデータを明らかにするために使われる機能です。不正行為や犯罪行為が行われているか、データに何らかの変更を加えているか確かめる際に重要な役割を果たします。

タイムライン分析

タイムライン分析機能は、特定の活動やイベントが発生した時間を明確に把握するために使用されます。データ侵害や内部犯罪の調査に特に有用で、どのアクションがいつ発生したか、それが他のどの活動と関連しているかを視覚化できます。

レポート化

レポート化機能は調査結果を整理し、他のチームメンバーや組織の管理職、法廷での証拠として使用するレポートの作成ができる機能です。抽出されたデータやおこなった分析結果をもとに報告できる形にまとめます。法的証拠として万全な形にする場合は、調査会社に依頼してレポートの作成依頼をすることも可能です。

フォレンジックツールの導入にかかる費用はツールの種類や機能、サービスの質によってそれぞれ異なります。

ただ、費用の概算をざっくりまとめると十数万〜数百万円程度のケースが多いようです。ツールは海外製品もあり、価格がドル表記となっているものも少なくありません。

また、調査会社にフォレンジック調査を依頼する場合でも、解析するデバイスの数やサービス範囲ごとに費用が変動します。正確な価格を把握したい場合は、デバイス数やサービス内容をまとめてから見積もり依頼を出すといいでしょう。

無料のフォレンジックツールについて

フォレンジックツールにはオープンソースなど、無料で提供されているものもあります。一部デバイスの解析やマルウェアやウイルスの検知に特化したものなど、一定の分野に特化したツールが多いです。

無料で使用できるツールは、機能が限定的だったり制限があるため、有料ツールと組み合わせて利用するとよいでしょう。

調査用途と機能が合っているか

フォレンジックツールを比較する際には、ツールの機能が調査用途に合致するか確認しましょう。

例えばシステムのログ分析を主要な調査用途としているなら、解析機能を備えたツールを優先的に選びます。マルウェア検出やウイルススキャンを実施したい場合は、ウイルス検知に長けたツールを探す必要があります。調査レポートや法的資料の作成に重点を置いている場合は、調査会社などに依頼する手もあります。

フォレンジックツールは用途ごとに特化したツールが多く、データの抽出と解析では、別々のツールが必要となることが多いです。用途と必要機能をハッキリさせてからツールを選びましょう。

フォーマットやデバイスに互換性があるか

フォレンジックツールの選択において、デバイスやデータ形式の互換性は重要な比較ポイントとなります。

例えばスマートフォンやタブレット端末などの解析をおこないたい場合、スマートフォンのバージョンによっては対応できないこともあります。対応iOSやAndroidについてはしっかりと確かめましょう。また画像や文書形式などファイル形式が自社の求める形式と互換性があるかも重要です。

法的要件には準拠しているか

フォレンジックツールで分析したデータを法的証拠とするためには、証拠の改ざんや削除をおこなっていないと証明する必要があります。

調査対象のデータを効果的に保護する証拠保全機能が備わっているか、データの操作履歴を詳細にトラッキングできるかなどを比較して、法的要件に準じているかを確かめましょう。

法的な問題を回避し、裁判所での証拠としてデータが認められるためには、証拠保全機能やの検証が不可欠です。調査結果を法的証拠とする場合、第三者機関のフォレンジック調査会社に相談して、資料を作成してもらうことも可能です。

フォレンジックツールは製品によって特徴や機能もさまざま。「どの製品を選べばいいかわからない・・・」といった方も多いのではないでしょうか。

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