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梅の木の剪定時期は?正しい剪定方法やお手入れのコツを解説

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最終更新日: 2024年02月19日

梅の木は生長するスピードが早いので、剪定をしないで放っておくと枝が茂って樹形が悪くなってしまいます。

梅の美しい姿を保つために、定期的に剪定をするようにしましょう。

梅の木の剪定に適した時期は7~8月と11~1月

梅の剪定時期カレンダー

梅の木の剪定に適した時期は夏(7~8月)と冬(11~1月)です。あまり知られていないですが春(4~5月)に行うこともできます。

また、梅には実梅と花梅の2種類あります。剪定方法に違いはありませんが、「剪定する時期」や「梅の年数」によって剪定方法が異なるため注意するようにしましょう。

それぞれの年数で行う剪定の主な内容は以下の通りです。

年数 時期 剪定の内容
1年目 秋~冬 幹を切り詰める
2、3年目 真上に伸びた枝を切る
4年目以降 伸びすぎた枝を切って整理する
不要な枝をバッサリ切り落とす
新芽を間引く

梅の木の剪定に必要な道具

剪定をするにあたって、以下の道具を準備しておきましょう。

剪定用はさみ

刃の部分が厚くて短い剪定用のはさみです。丈夫なつくりなので、かたい枝を1本1本切るのに向いています。梅の木の剪定の際には、直径2cm程度の枝をカットするのに使うのが良いでしょう。

剪定用はさみとは別に、細かい枝葉をまとめて刈るための「刈り込みばさみ」もありますが、梅の木の剪定ではあまり使うことはないでしょう。

剪定ノコギリ

剪定用はさみで切れないような太い枝を切る際にはノコギリを使ってください。

高枝切りばさみ

梅の木は生長すると5〜10mの高さに達します。手が届かない範囲の剪定をするために高枝切りばさみを用意するのがよいでしょう。脚立を使うという手もあります。

ただしあまりに木が大きくなっている場合は高枝切りばさみを使ってもうまく剪定しにくく、けがをするかもしれません。自分で剪定する自信がない場合にはプロに依頼するのも一案です。

癒合剤

癒合剤は、剪定後に枝の切り口に塗る薬剤です。切り口の乾燥を防いだり、害虫・雑菌の侵入を阻止することで木の健康を保つ効果があります。

ハケなどを使い、まんべんなく切り口に塗って使います。薬剤を乾燥させる必要があるので、天気の良い日に塗るのがおすすめです。

初心者の方であれば色付きの癒合剤を使用することをおすすめします。色を付けているときちんと塗れているかどうか、分かりやすく判断できるからです。

また市販の癒合剤以外にも、墨汁やロウソクを溶かしたもの、ペンキなども感染対策として効果を発揮します。

【4年目以降】梅の木の基本的な剪定方法

4年目以降の梅を剪定するときは、樹形の乱れを矯正することを意識しましょう。

ここでは、春・夏・冬に出来る梅の剪定方法を紹介します。

剪定すべき枝の種類

剪定すべき不要な枝

不要な枝 特徴
徒長枝 上に向かって真っすぐ伸びる
ひこばえ 木の根元から伸びる
交差枝 残したい枝と交差して伸びる
平行枝 残したい枝に対して平行に伸びる
腹切枝 幹と交差するように伸びる
ふところ枝 幹のそばで成長する
車枝 枝の同じ部分からいくつも伸びる
絡み枝 枝どうしが絡まっている
胴吹き枝 幹の下から伸びる

剪定すべき枝は上記の通りです。4年目以降の木は、不要な枝も大きくなるので思い切ってカットするようにしましょう。

夏の剪定:伸びすぎた枝を切って整理する

梅の枝を3分の1切る

剪定手順
  1. 長く伸びている枝を1/3程度の長さに切る
  2. 上に向かって真っすぐ伸びる枝(徒長枝)を切る
  3. 他の枝と交差している枝(交差枝)を切る
  4. 枯れている枝を切る
  5. 内側に伸びている枝を切る

夏は主に勢いのある長枝が養分を奪うのを防ぐ目的で剪定を行います。不要な枝を見つけた場合には、迷わず切るようにしましょう。

剪定時のポイント

不要な枝の剪定方法

ポイントは外芽の部分で切ることです。木の外側へと生える芽を外芽といいますが、この場所で切ることで、不要な枝の成長を抑える効果が生まれます。

冬の剪定:不要な枝をバッサリ切り落とす

不要な枝の剪定

剪定する枝は夏と同様、長く伸びた枝や真上に伸びた枝、幹へ伸びた枝です。大量に葉が落ち、枝だけが残っているため剪定が行いやすいでしょう。

夏と異なる点は、強剪定が出来る点です。強剪定とは、枝や葉をバッサリ切り落とすことです。夏に強剪定を行うと生育に悪影響を及ぼしますが、冬は健康な生育の助けになります。

春の剪定:新芽を間引く

春(4~5月)の剪定では、間引きを行います。間引きとは、大量の新芽から生命力の強い枝を選び、それ以外の新芽を切る作業です。

剪定というと、枝のカットに意識が向きがちですが実を間引くことも大切です。実の数が多すぎると、養分が不足してよい果実が収穫できません。

間引きを行う時期は、実が成りはじめる4月が適しています。実同士の間隔が5~6cmになるように切るようにしましょう。1つの枝に3~4個の新芽を残しておくとよいです。

また、実を見て他のものと比べて小さいものや形のよくないもの、傷や病気が見られるものがある場合は、あらかじめ取り除いておきましょう。

【1~3年目】梅の木の成長を促す剪定方法

1~3年目の若い梅は通常の剪定方法とは異なります。剪定時期も異なるため、注意するようにしましょう。

梅の年数 剪定時期
1年目 9~12月
2年目 12月~1月
3年目 12月~1月

1年目:幹を切り詰める

1年目の梅の剪定時期は9~12月に行うのがおすすめです。この時期に剪定することで、苗木の生長を促進することができます。

地面から30~60cmの高さに幹を切り詰めます。「切り過ぎではないか」と感じる人もいるようですが、思い切って作業することが大切です。

かんぬき枝

また上記のように、同じ部分から左右対称に伸びた枝(かんぬき枝)があると、栄養を奪い合い花付きに悪影響を及ぼします。そのため、左右対処の枝のうち、勢いのある枝だけを残すようにしましょう。

2・3年目:真上に伸びた枝を切る

徒長枝の図解

剪定手順
  1. 幹や枝から真上に伸びる枝(徒長枝)の中で状態の良い枝を3本選ぶ
  2. 選んだ3本以外の徒長枝は切り落とす(残した3本の枝から細い枝がいくつも伸びている場合)
  3. 細い枝を3本残して、他の細い枝は切り落とす

剪定方法は上記の通りです。2・3年目の梅であれば12月〜翌年1月の冬に剪定を行うのがおすすめです。

徒長枝を剪定しないと、必要な養分を吸収されて生育に悪影響を及ぼします。適切な時期に剪定を行うことで梅の生育を阻害しないようにしましょう。

しだれ梅の剪定方法

しだれ梅は、多くの花をつけた枝が垂れ下がって成長します。より近い距離で梅の花を楽しめるため、人気の品種です。しだれ梅の剪定方法について紹介します。

しだれ梅の剪定時期は秋~冬がおすすめ

しだれ梅の栽培スケジュール

しだれ梅は通常の梅と異なり、大きく垂れ下がっています。適切な時期に剪定しないと、重さに耐えきれなくなった枝が折れてしまいます。必ず秋から冬の間に剪定を行うようにしましょう。

しだれ梅を剪定する際のポイント

しだれ梅の剪定場所

しだれ梅を剪定するコツは2つあります。

1つ目は、「切り戻し剪定を行うこと」です。 切り戻し剪定とは、伸びすぎた枝を根元から切り落とすことです。地面につきそうなくらい伸びている枝は上の図解のように切ってください。

2つ目は、「実を間引くこと」です。間引きとは、新芽の中でも生長が早く太い芽を残して、養分を全体にいきわたらせる手法です。実同士の間隔が5~6cmになるよう切っておきましょう。

梅の剪定で注意する2つのポイント

庭木の栽培をはじめたばかりで、まだ剪定に慣れていない人もいるでしょう。ハサミやノコギリを使うため、初心者には注意が求められます。

梅の剪定に当たって、気を付けるべき点について解説します。

花芽・葉芽を区別して剪定する

剪定の際は、のちに花を咲かせる芽(花芽)と葉や茎に成長する芽(葉芽)を見分けることが重要です。特に春の剪定では、1つの枝につき何個の花が咲くのか先に把握してから新芽を間引くことで、次の年に理想通りの美しい見た目になるでしょう。

花芽は丸みのある形をしており、1か所にやや集まって付いている場合が多いです。いっぽう葉芽は先がとがったような形をしています。花芽を切り取りすぎると、当然ながら来年咲く花の数が減ってしまうので注意しましょう。

尖った枝によるケガを防ぐため、軍手をつける

繊細で美しい姿とは裏腹に、梅の木の枝は硬い性質を持っています。とがった枝や剪定した後の鋭利な切り口を素手で触ると怪我をする恐れがあります。作業時は必ず軍手をつけることが大切です。

また、剪定して地面に落ちた枝にも、リスクがあります。不用意に踏んでしまうと、思わぬケガを負う原因にもなるので気を付けましょう。

梅の木をちゃんと剪定しないとどうなる?

もし梅の木を剪定せずに放置した場合、見た目が悪くなるだけではなく、木の健康に悪影響を及ぼします。

梅が生長しない

必要のない部分にまで栄養が届き、成長に必要な栄養分が不足してしまいます。栄養分が不足すると、木の生長が妨げられてしまうのです。

木が栄養不足になると、つぼみや花が付く前に枝が枯れてしまうリスクがあります。長く梅の花を楽しむためにも、不要な枝はどんどん切り取ってしまいましょう。

病害虫の被害を受ける

剪定をしないために枝や葉が茂り過ぎてしまうと、太陽の光が当たりにくくなり、風通しも悪くなります。すると日陰を好む害虫が寄ってくるようになるのです。

アブラムシやウメスカシクロバなどの害虫は、梅の木の葉を食べる、木の水分を吸うなどして木の生長に悪影響を及ぼします。害虫が原因で木が病気にかかってしまう可能性もあるので、こまめな剪定によって虫が寄り付かないようにしましょう。

すでに害虫がついてしまった場合には、市販の殺虫剤を使って駆除してください。

住友化学園芸 殺虫殺菌剤|Amazon
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「うまく害虫を駆除できない」「木の生育が悪いが原因が分からず困っている」などの場合には、一度庭木のプロに相談してみるのがいいかもしれません。

プロに剪定を依頼する

梅の剪定を業者に依頼する費用相場

剪定をする男性

プロに剪定をお願いする場合、料金の組み立て方は大きく2通りあります。

1つ目は、庭木1本当たりの金額で依頼する単価制です。その際は、樹木のサイズや状態によって金額が変動します。おおよその費用相場は以下の通りです。

低木(~3m) 2,500~5,000円
中木(3~5m) 5,000~10,000円
高木(5m~) 10,000~25,000円

2つ目は、職人1人の1日当たりの日当を基本とした料金です。かかる時間・日数と必要な職人の数に応じて、費用を算出します。おおよその費用相場は以下の通りです。

職人1人1日あたり 20,000~30,000円/日
職人1人1時間あたり 2,000~3,000円/時間

どのような料金体系になるかは業者によっても違いますし、状況によっても異なるでしょう。複数の業者から相見積りを取って、納得してから依頼しましょう。

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まとめ

梅の花

梅の木の剪定に適した時期はいつ?

基本的には7~8月と11~1月が剪定に適した時期です。夏は細かい枝を切って整理し、冬に太い枝をバッサリと切り落とします。また春の時期も、新芽を間引くといった軽い剪定が可能です。

ただし梅の年数によって剪定時期と剪定の内容は変わり、1~3年目までの若木は毎年異なった方法で剪定する必要があるので注意しましょう。

梅の木の剪定はどこを切ればいい?

他の枝と比べて長く伸びすぎている枝や、真上に伸びている枝(徒長枝)、根元から生えている枝(ひこばえ)などを切り落としましょう

そのほかにもいくつか切り落とすべき枝があります。こちらで不要な枝の種類を確認して、適切な時期に剪定してください。特に冬は花や葉が枯れていて、枝を切っても生育に影響しないため、不要と判断した枝はバッサリと切ってしまうのがおすすめです。

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