自宅の安全を守るために考えたいのが、玄関のセキュリティです。防犯性を高めるために、玄関の鍵を追加すべきか悩んでいる人も多いでしょう。「ワンドアツーロック」の空き巣に対する効果や鍵を追加する方法、気になる疑問について解説します。
最終更新日: 2023年03月31日
玄関に鍵を追加する必要性
窃盗犯の入り口にもなる玄関の防犯対策として、二つ目の鍵を追加する方法が有効です。ワンドアツーロックが防犯に役立つ理由を押さえ、鍵を追加する必要性を理解しましょう。
「ワンドアツーロック」で防犯性が高まる
一般的な住宅であれば本来付いている鍵は一つです。しかし後から補助錠を設置するといった工夫をすれば、1枚のドアに対して2個の鍵を設置できます。
ドア1枚に2個の鍵を付けているのが、一般的に「ワンドアツーロック」と呼ばれる状態です。ワンドアツーロックにすることで空き巣や忍び込みといった窃盗犯から、家を守れる確率が高くなります。
実際にワンドツーロックは、警察庁も防犯対策として推奨している方法です。現在住んでいる家の防犯性に不安があるなら、鍵の追加を検討しましょう。
参考：防犯に配慮した共同住宅に係る設計指針｜警察庁
鍵が二つあれば空き巣に狙われにくい
家の中に24時間人がいる場合を除き、どの家でも注意したいのが空き巣です。空き巣犯は玄関から入ろうとして鍵がかかっていると、錠前の穴に工具を差し込んでピッキングをします。
手慣れた犯人だと1個の鍵につき5分ほどあれば、解錠できてしまうでしょう。しかし手早くピッキングできる犯人でも、ツーロックなら解錠にかかる時間も2倍になります。
鍵開けの所要時間が延びるほど空き巣は人に見つかりやすくなるため、ワンドアツーロックの家は侵入されにくいのです。下見のときにツーロックだと分かれば、最初からターゲットにしない場合もあります。
玄関をワンドアツーロックにする方法
自宅の玄関に2個目の鍵を取り付ける際、最も手軽なのは補助錠を取り付けるという方法です。ただ他にも方法はあるため、それぞれのメリットやデメリットを知って自宅に適した手段を選びましょう。
補助錠を取り付ける
「補助錠」とはもともとドアに付いている鍵の補助として、後から取り付ける鍵です。賃貸物件で勝手に改造できない玄関ドアにも、工事をせずに取り付けられる簡易タイプが多く販売されています。
簡易補助錠には内・外の両側に鍵穴があるものと、片側にしか鍵穴のない「外付け」「内付け」があります。
外付けタイプなら犯罪者から防犯性の高い家と認識され、狙われにくくなるでしょう。ただ誰かが在宅している状態で閉めて出掛けると、中の人が出られなくなってしまう点には注意が必要です。
内付けタイプは外から鍵をかけられませんが、在宅中に忍び込まれる居空きには効果的があります。家の外観を損ねないほか、ピッキングされるリスクが減るのもメリットです。
鍵穴を増やす
簡易的な補助錠だと壊されるのが心配という場合は、鍵穴(シリンダー)を増やすのも一つの手です。ドアと一体化した鍵穴が2個になれば、補助錠以上に高い防犯性を期待できます。
ただ基本的に持ち家に住んでいる人しか使えず、取り付けの難易度も上がる方法です。DIY用に売られているシリンダーを扉に付けるには、シリンダーの大きさに合わせて扉に穴を開けなければなりません。
作業に慣れていない人が行うと玄関ドアが使えなくなる可能性もあるので、取り付けは業者に頼んだ方が安心です。
賃貸物件に住んでいて補助錠の設置だけでは不安な場合は、勝手にドアを加工せず管理会社や大家さんに相談しましょう。
錠前を丸ごと新しくする
持ち家で玄関の防犯性を高めたいなら、鍵のシステムそのものである錠前ごと交換するのも選択肢です。
ツーロック式の錠前に取り換えれば1本の鍵で開け閉めできるため、鍵穴がもともと2個ある錠前であれば、紛失のリスクや管理の手間が減ります。小さな子どもがいる家庭であれば、シリンダーを増やすよりおすすめです。
ただし錠前を交換する際は、現在の穴を拡張する作業(もしくは塞ぐ作業)を行わなければならなりません。自力で作業する場合の難易度は上がります。
気になるワンドアツーロックの疑問
玄関ドアをワンドアツーロックにしたいとき、補助錠のタイプや賃貸での取り付け・引き戸のケースは気になるポイントです。疑問を解消して防犯対策を進めましょう。
補助錠にはどんな種類がある？
補助錠の種類には付く場所が両側・内側・外側という分け方の他にも、さまざまな分類があります。屋外側・室内側に取り付ける簡易的なタイプ以外に、代表的な種類は以下の通りです。
- 面付きタイプ
- リモコンタイプ
- 暗証番号タイプ
「面付きタイプ」はドアに開けた穴に留め具を固定して、しっかりと取り付けるタイプです。持ち家でも鍵穴の追加や錠前の交換まではしなくてよいという場合、防犯性と手軽さを両立できます。
リモコンタイプはセンサーで施錠・解錠する種類です。家の中に人がいるなら玄関から離れていても内側から解錠できます。家族が帰宅するまでは補助錠をかけておけば、安全性が高まるでしょう。
暗証番号タイプは出掛けるときに鍵を持ち歩く必要がありません。物理的に鍵穴が設置されているわけではないため、ピッキングされにくいのもメリットです。
どの種類にも一般的に内開きドア用と外開きドア用があります。自宅の玄関を確認して合ったものを選びましょう。
賃貸で鍵を追加する場合は？
アパートやマンションをはじめとした賃貸物件の場合は、扉への穴開けが許可されていないケースがほとんどです。穴を開けなければ設置できない面付きタイプの補助錠は、使えないと思っておくのが賢明です。
鍵穴の追加や錠前の交換も、入居者側での作業は許可されない可能性が大きいでしょう。ドアに穴を開ける必要がない外付けタイプ・リモコンタイプであれば、扉の状態を変えずに取り付けられます。
ただ勝手に作業をするとトラブルにつながるため、ドアを加工しないとしても相談はしておいた方が安心です。物件の価値を損ねないと確認が取れれば、許可される可能性が高まります。
引き戸でも鍵の追加は可能？
玄関の引き戸をツーロックにしたい場合、開き戸とは違ったタイプの鍵が必要です。補助錠にも引き戸用の種類があるので、求める防犯性や利便性を考えて選びましょう。
引き戸用の補助錠にはスライドスイッチ式やダイヤル式・暗号式など、バリエーションに富んだ補助錠が販売されています。
どのタイプでも防犯性が高い・機能が豊富なものは値段も高い傾向があるため、予算とのバランスを考えるのがポイントです。
持ち家の引き戸をワンドアツーロックにしたい場合には、工事によって防犯性が高いディンプルキーを設置する方法もあります。ディンプルキーは通常の種類よりも造りが複雑で、ピッキングされにくい種類です。
引き戸に鍵を追加するときは、引き違い扉用と片開き扉用を間違えないよう注意が必要です。
玄関の鍵はプロに追加を頼もう
玄関ドアをワンドアツーロックにするとき、自力でも作業は可能です。ただ業者に頼んだ方が手軽かつ確実に追加できるでしょう。プロに任せた方がよい理由や、玄関ドアに鍵を追加するときの相場を解説します。
業者に任せるメリット
簡易タイプの補助錠なら、さほど難しい作業は必要ありません。ただDIYに慣れていないのであれば、プロの力を借りた方が失敗のリスクは減ります。素人よりスピーディーに作業が完了するのも、業者に頼むメリットです。
シリンダーを追加する・錠前ごと取り換えてツーロックにする場合、自力での作業には労力とスキルが求められます。鍵自体の値段も簡易補助錠に比べて高いため、失敗したとき無駄になる費用も大きいでしょう。
余計な手間や料金をかけないためにも、補助錠以外の方法を考えているならプロの力を借りるのが賢明です。キレイに仕上げたい人にも業者への依頼が向いています。
鍵の追加にかかる費用相場
鍵の追加を業者に頼んだときにかかる費用は、鍵の種類によって大きく変わってきます。補助錠なら9,000〜18,000円が相場ですが、ディンプルキーになると20,000円以上かかるケースも珍しくありません。
業者によっても費用は異なるため、事前に見積もりを取りましょう。1社に絞らず複数社を比較検討すれば、自宅の玄関ドアにかかる費用の平均を把握できます。値段とサービス内容をよく確認して、依頼先を決めましょう。
ミツモアに登録している業者は、一定の基準をクリアしたプロだけです。利用者の口コミも見られるので、比較検討に役立ちます。一度に見積もりを受け取れる業者は5社までなので、過度な連絡を避けたい人にもおすすめです。
玄関をワンドアツーロックにして空き巣対策
玄関ドアへの鍵の追加には防犯性の向上を期待できます。特に人目を忍んで犯行に及ぶ空き巣には、鍵開けの時間が2倍になるツーロックは効果的です。
賃貸物件で扉に穴を開けられない場合には、補助錠を活用すると建物を傷付けずにセキュリティを強化できるでしょう。持ち家で強固な防犯対策をとりたいなら、鍵穴の追加や錠前の交換も選択肢です。
簡易的な補助錠なら自力での取り付けも可能です。作業に不安がある場合や他の方法を選ぶ場合は、プロの力を借りるとスピーディーに防犯性を向上させられます。玄関のセキュリティを見直して、安心できる生活を目指しましょう。
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