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クロゴキブリは他のゴキブリと何が違うの?生態を知って駆除・予防しよう!

最終更新日: 2024年05月01日

玄関や台所など、家庭でよく見かけるゴキブリがクロゴキブリです。大きくて黒く光沢があるので、見るとつい後ずさりをしてしまいますが、クロゴキブリの特徴や活動時期を知っておけば、効果的な駆除方法で退治できる可能性があります。

今回はクロゴキブリについて、他のゴキブリとの違いや駆除方法を交えながら解説します。

他のゴキブリと何が違う?クロゴキブリの生態

世界に3,000種類以上いるとされているゴキブリですが、日本だけでも数十種類、家屋の中まで侵入する場合は数種類しかないといわれています。具体的には「クロゴキブリ」や「チャバネゴキブリ」、「ヤマトゴキブリ」、「ワモンゴキブリ」の4種類です。

ゴキブリの種類 成虫の大きさ 卵鞘の大きさ 生息地域 主に潜んでいる場所 耐寒性 活動期 寿命
クロゴキブリ 30~40mm 4~6mm 関東以南、西日本 一般住宅(台所や風呂場、玄関など)

排水設備、ゴミ置き場など

寒さに強い 6月~8月 2年前後
チャバネゴキブリ 10~15mm 3~10mm 全国 飲食店、ビルなど 寒さに弱い 6月~8月 5か月前後
ヤマトゴキブリ 25~35mm 7~10mm 本州東部 一般住宅(台所や洗面所など) 寒さに強い 4月~9月 2年前後
ワモンゴキブリ 30~45mm 7~10mm 南九州や沖縄 ビル、ホテルの厨房 寒さに弱い 5月~10月 3年前後

クロゴキブリの成虫の大きさを比較

ゴキブリの種類 大きさ
クロゴキブリ 30~40mm
チャバネゴキブリ 10~15mm
ヤマトゴキブリ 25~35mm
ワモンゴキブリ 30~45mm

まずは、クロゴキブリの成虫の大きさです。体長30~40㎜で、ワモンゴキブリに次いで2番目に大きいゴキブリです。またクロゴキブリに並んでよく見聞きするチャバネゴキブリは10~15㎜、ヤマトゴキブリは25~35㎜とクロゴキブリと比べて小さいのが特徴です。

また色で比較すると、クロゴキブリはツヤがある黒色で胸部が大きい特徴がある一方で、ヤマトゴキブリはツヤがない黒色でほっそりとした形をしています。チャバネゴキブリは薄茶色で背中に黒い斑紋が1対あるほか、ワモンゴキブリは赤褐色で、前胸背板にリング状の黄白色紋があります。

クロゴキブリの卵の大きさと繫殖力を比較

上記は各ゴキブリにおける「卵鞘(らんしょう)」と呼ばれる殻のイラストです。「卵鞘の大きさ」と「1回に産む卵の数」、「一生のなかで産卵する回数」は下記の表のとおりです。

ゴキブリの種類 卵鞘の大きさ 卵の数 産卵回数
クロゴキブリ 4~6mm 22~28個 15~20回
チャバネゴキブリ 3~10mm 30~40個 3~7回
ヤマトゴキブリ 7~10mm 10~14個 6~8回
ワモンゴキブリ 7~10mm 6~18個 50回以上

ゴキブリの卵は「卵鞘」と呼ばれる殻の中に入っています。クロゴキブリやヤマトゴキブリ、ワモンゴキブリは長方形やガマ口型で、黒に近い茶色や濃い茶色をしています。一方でチャバネゴキブリは柔らかくて四角い形をしており、クロゴキブリの卵鞘の大きさは4〜6㎜に対し、ヤマトゴキブリとワモンゴキブリは7〜10㎜とクロゴキブリと比べて大きく、チャバネゴキブリは3〜10㎜と小さいのが特徴です。

また繫殖力で比べると、クロゴキブリの卵鞘の中には卵が22~28個入っており、産卵期に入ると2~7日おきに卵鞘を産み、1匹につき15〜20回程度産卵します。

たとえばクロゴキブリが1回に産む卵の数を25個、産卵回数を17回と仮定すると、一生で卵を産む個数は425個です。このように間を取って産卵数を計算すると、チャバネゴキブリが175個、ヤマトゴキブリが84個、ワモンゴキブリが600個となります。

そのためクロゴキブリの繁殖力は、ほかのゴキブリと比べて(ワモンゴキブリを除く)かなり高いことから、見つけたら早めに駆除することが大切です。

クロゴキブリの分布地域を比較

どのゴキブリも日本各地に広く分布していますが、地域によって種類に差があります。クロゴキブリ、チャバネゴキブリ、ワモンゴキブリは外来種とされており、寒さに弱いのが特徴とされています。しかし温暖化の影響や、暖房器具の充実などの要因から北海道でも見られるようになりました。

そのためクロゴキブリは関東地方から西日本にかけて多いですが、東北や北海道でも発見されるようになりました。チャバネゴキブリは全国各地で、ヤマトゴキブリは東北から本州中部にかけて、ワモンゴキブリは主に南九州や南西諸島でよく見られます。

関連記事:「北海道にゴキブリはいない」のは昔の話!?生息している種類や地域、対策方法を紹介

クロゴキブリの潜んでいる場所を比較

ゴキブリの種類 主に潜んでいる場所
クロゴキブリ 一般住宅(台所や風呂場、玄関など)

排水設備、ゴミ置き場など

チャバネゴキブリ 飲食店、ビルなど
ヤマトゴキブリ 一般住宅(台所や洗面所など)
ワモンゴキブリ ビル、ホテルの厨房

好んで潜む場所も各ゴキブリによって異なります。クロゴキブリは狭くて暗い場所や湿度が高い場所を好んでおり、主に自宅の台所や風呂場、玄関のほか、排水設備やゴミ置き場がある施設などに潜んでいます

ヤマトゴキブリも同様に一般住宅などに潜んでいますが、チャバネゴキブリとワモンゴキブリは、主に飲食店やホテルの厨房、ビルなどの複合施設が住み家となっています。

クロゴキブリの耐寒性と活動期を比較

ゴキブリの種類 耐寒性 活動期
クロゴキブリ 寒さに強い 6月~8月
チャバネゴキブリ 寒さに弱い 6月~8月
ヤマトゴキブリ 寒さに強い 4月~9月
ワモンゴキブリ 寒さに弱い 5月~10月

耐寒性や活動しやすい時期も各ゴキブリによって異なります。クロゴキブリは寒さに強く、冬でも屋外で生息できます。ヤマトゴキブリも寒さに強い一方で、チャバネゴキブリやワモンゴキブリは寒さに弱いゴキブリですが、温度が20℃以上の場所なら1年中生息できます。

またクロゴキブリは湿度が高い時期である6月〜8月にかけて活動しやすく、チャバネゴキブリも同様の時期に活発に行動します。一方でヤマトゴキブリは4月〜9月、ワモンゴキブリは5月〜10月の時期に活動しやすくなります。

クロゴキブリの寿命を比較

ゴキブリの種類 寿命
クロゴキブリ 2年前後
チャバネゴキブリ 5か月前後
ヤマトゴキブリ 2年前後
ワモンゴキブリ 3年前後

クロゴキブリの寿命は2年前後といわれています。卵鞘からふ化するまで1か月、8〜9回ほど脱皮を繰り返しながら1年以上かけて成虫に成長します。成虫でいる期間は5か月〜7か月程度です。

ヤマトゴキブリは2年前後、ワモンゴキブリは3年前後寿命がありますが、チャバネゴキブリは5か月前後と寿命が短くなります。

ちなみにどのゴキブリも、寿命のうちの大半の時間を「成虫になるまで」の期間に充てています。そのため実際に成虫してからの活動期間は数カ月程度のものが多いです。

関連記事:ゴキブリの寿命はどのくらい?種類別の寿命や駆除方法を知ろう | ミツモア

クロゴキブリがもたらす被害は?

クロゴキブリは雑食性で食品をはじめ、木材や革製品といった商品、さらにヒトへの健康被害を与えます。具体的には下記のような被害です。

食品への異物混入

クロゴキブリはエサを求めて食品へ近寄ってきます。家庭にある食品はもちろん、食品工場をはじめとした食材がある場所に侵入され、気づかないうちに異物として食品に混入するリスクが高まります。

病原菌やウイルスの媒介

下水道やゴミ置き場といった不衛生な場所にクロゴキブリは営巣しています。足や体にウイルスや細菌を付着させている可能性があるため、不衛生な状態で食品や食器などで触れると、感染症の病原細菌や急性灰白髄炎(ポリオ)ウイルス、赤痢アメーバなどを媒介するリスクがあるので注意が必要です。

フンによる被害

クロゴキブリのフンには「集合フェロモン」という物質が含まれています。この物質からは特殊な匂いが出ており、匂いにつられて仲間が集まってきます。またこの匂いの影響で部屋が臭くなったり、物について洗ってもなかなか取れなかったりする被害をもたらすケースもあります。

人に不快感を与える

黒光りした体や触覚などの見た目、素早い動きといったクロゴキブリに不快感を覚える人がいます。直接的な被害はないものの、同じ空間にクロゴキブリがいるだけで思わず叫んでしまい、見るだけで人に不快感を与えるでしょう。

飲食店やスーパーの風評被害

衛生管理がきちんとしていないと、スーパーマーケットや飲食店などにゴキブリが現れた際、風評被害が広がる可能性があります。被害が広まると、客足が遠のいてしまうほか、飲食店では営業停止処分などを受けてしまい、経済損失につながります。

クロゴキブリはどこから侵入する?

クロゴキブリは暗くて保温性が高く、水気のある場所ならどこにでも住み着く傾向があります。あわせて野菜を含め、パンや米ぬかなどが好物で匂いに誘われてやってくるため、生息しやすい環境と匂いの元を断つことで必要な対策や駆除に役立ちます。

クロゴキブリが侵入されやすい主な環境は、下記のとおりです。

開けっ放しの玄関

クロゴキブリは、ヒトが出入りする玄関から堂々と入ってきます。特に夏や荷物の搬入時などで開けっ放しにすると侵入されやすくなるので、気をつけましょう。玄関が閉まっていても、郵便受けが一体になっている玄関扉から侵入してしまうケースもあります。

窓・ベランダのすき間

窓のすき間やベランダからもクロゴキブリは侵入します。窓を開けて網戸を閉めていても、網戸とサッシの間にできたすき間から侵入することがあるため、窓や網戸がきちんと閉まっているか確認しましょう。

またクロゴキブリは壁や樹木を垂直に登れます。2階以上の上層階に住んでいる人も窓やベランダから伝って侵入するケースもあるため、注意が必要です。

排水口や排水溝のすき間

クロゴキブリはキッチンや洗面台、洗濯機、お風呂の排水口から室内に侵入することもあります。また排水管と床面にすき間があると、そこから侵入することがあるので日ごろからチェックするようにしましょう。

エアコンの配管や排水ホース

排水口や排水溝のすき間だけでなく、エアコン室外機の配管のすき間や排水ホースから侵入される場合があります。配管は壁に開けられた穴から室外機につながっており、この配管を通している壁の穴にすき間が空いていたり、排水するためのドレンホースの穴をそのままにしておくと、クロゴキブリが侵入されやすくなるので注意しましょう。

宅配で使われたダンボール

宅配されたダンボールにクロゴキブリがくっついて侵入することもあります。ダンボールは保温性や保湿性があり、2枚重ねで中に空洞ができてしまうと、卵を産みつける場合があり、そのまま放っておくと付着していたクロゴキブリの卵がふ化し、大量発生してしまう可能性があります。

クロゴキブリの駆除する方法

クロゴキブリが発生したら、どのように駆除すれば良いのでしょうか。クロゴキブリを見つけた場合と居場所がわからないときの駆除方法を解説します。

関連記事:ゴキブリを確実に駆除する方法!苦手な人でもできる駆除剤の使い方を解説

クロゴキブリを見つけた際の駆除方法

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クロゴキブリを駆除する方法のひとつが、アース製薬の『ゴキジェットプロ』をはじめとしたピレスロイド剤を含んだ殺虫スプレーを直接噴射することです。ただしスプレーを噴射してもしばらく動き続けることが多いので、冷凍して動きを止めるタイプのスプレーを利用するのもおすすめします。

なかにはスリッパで叩き潰したり、新聞を丸めて叩き潰す人もいますが、あまりおすすめしません。一発で仕留められる確証がないほか、体液が飛び散る可能性があるからです。

またゴキブリのメスは身の危険を感じると、逃げるために卵をその場に産み落とすという習性があります。結果として予期しない場所で繁殖を許してしまうことになりかねません。ゴキブリを見つけたときは、なるべく殺虫スプレーを使って駆除しましょう。

そのほかにも熱湯や食用洗剤を直接クロゴキブリにかけたり、金属部品などの掃除に使うパーツクリーナーも駆除には有効です。

関連記事:ゴキブリ退治にパーツクリーナーが効果的なのはなぜ?即死するって本当?使い方や注意点を解説

クロゴキブリの居場所が分からないときの駆除方法

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居場所が分からない場合の駆除方法として、バルサンをはじめとした燻煙剤(くんえんざい)を利用するのもおすすめです。クロゴキブリの居場所がわからないときや、巣まで徹底的に駆除したいときに有効で、部屋の隅々まで煙が行き渡って駆除できます。ただし卵に対しては効果がないため、卵が孵ったタイミングとあわせて計2回行うのが効果的です。

クロゴキブリが住み着かないための予防対策

クロゴキブリを侵入させないためには、日ごろから予防対策をとることが大切です。具体的な対策は下記のとおりです。

侵入経路をなくす

外からクロゴキブリが侵入されやすそうなすき間や穴を塞ぎましょう。たとえば、玄関ドアの郵便受けにすき間ができないように新聞や広告が入っていたらすぐに取ったり、すき間ができないように窓や網戸を閉めたりすることが大切です。

屋内と屋外にベイト剤(毒エサ)を設置する

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屋内と屋外に「ベイト剤」と呼ばれる毒エサも置きましょう。クロゴキブリの居場所はわからないけど駆除したい場合におすすめの方法で、毒エサを食べたクロゴキブリだけでなく、フンや死がいを食べた巣の仲間のゴキブリまで駆除できます。

ただしすでに産んでいる卵には効果がありませんので、見つけたらすぐに駆除しましょう。

こまめに生ごみを捨てる

生ごみが出たら蓋つきのゴミ箱に入れて密閉し、こまめに捨てましょう。クロゴキブリは匂いに釣られて食材などに集まってしまい、放置しておくと大量発生につながってしまいます。特にキッチンの三角コーナーや排水口のゴミ受けの生ごみは匂いが出ないように毎日捨てることが大切です。

定期的に排水溝やエアコン周りをチェックする

排水溝やエアコン周りを定期的にチェックして掃除するのも有効な予防対策のひとつです。

排水口にネットを張ったりエアコンの配管と壁、排水管と床面のすき間にパテを埋めたりして、クロゴキブリが室内に侵入されないようにしましょう。あわせてエアコンのドレンホースの内部や排出口付近をブラシやポンプで掃除したり、防虫キャップなどをつけたりすることも大切です。

部屋をきれいにする

クロゴキブリは食べ物だけでなく、ホコリや油、髪の毛などもエサとして食べます。エサとなるものを作らないように、毎日部屋を掃除して清潔な状態に保つようにしましょう。ホコリをためこまないようにするのをはじめ、水回りの水分をきれいにふき取ったり、キッチンやお風呂などの排水口に張ったネットを毎日交換したりすることが重要です。

すぐにダンボールを処分する

空のダンボールはため込まず、すぐに処分しましょう。クロゴキブリの卵や幼虫がついていないからといって放置しておくと、クロゴキブリの巣ができてしまう可能性があります

クロゴキブリを徹底的に駆除するときは専門業者に依頼を

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クロゴキブリについて他のゴキブリと比較しながら生態と駆除方法について解説しました。クロゴキブリを見つけたら殺虫スプレーや燻煙剤、ベイト剤などで駆除するのはもちろん、日ごろから巣を作らないように清潔な環境を維持することが大切です。徹底的に巣作りなどを防止したいときは、業者に依頼してプロの仕事をしてもらいましょう。

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