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「混ぜるな危険」は何を混ぜてはダメ?危険性や混ぜてしまったときの対処法を解説

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最終更新日: 2023年08月30日

「混ぜるな危険」の表記が気になったことはありませんか?

この表記は他の洗剤と混ぜると、有毒な塩素ガスや硫化水素ガスが発生する恐れのある洗剤などに付いています。

本記事では一般的な家庭で発生する恐れのある塩素ガスについて、何と何を混ぜると発生するのか、洗剤の使い方で気を付けることは何か、万が一の対処法について解説します。

洗剤の「混ぜるな危険」とは?その危険性を解説

市販の洗剤を見ると、赤い字で「混ぜるな危険」と表記されているものがあります。何と何を混ぜてはいけないのでしょうか。

ここでは混ぜたときに発生する塩素ガスについて、塩素ガスとは一体どのようなものなのか、なぜ危険なのかについて、解説していきます。

混ぜると毒性の強い塩素ガスが発生してしまう

「混ぜるな危険」と表示されている代表的なものは、塩素系の漂白剤・洗剤です。この塩素系の主成分は次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)で、塩素(気体、Cl2)と水酸化ナトリウム(NaOH)を反応させて生成しています。

化学式で表すと、次のようになります。

Cl2+2NaOH=NaClO+NaCl+H2O

塩素+水酸化ナトリウム=次亜塩素酸ナトリウム+塩化ナトリウム+水

次亜塩素酸ナトリウムはアルカリ性に調整され、安定した状態になっていますが、もともとはとても分解しやすい不安定な物質です。そのため酸性の物質と反応すると、あっという間に分解がはじまってしまいます。

例えば次亜塩素酸ナトリウムに酸性物質である塩酸(HCl)を混ぜると、次のような反応が起こり、有毒な塩素ガスを発生してしまいます。

NaClO+HCl=NaCl+H2O+Cl2

次亜塩素酸ナトリウム+塩酸=塩化ナトリウム+水+塩素

このことから、「混ぜるな危険」は塩素系の漂白剤・洗剤だけではなく、一部の酸性洗剤にも表記されているのです。

塩素ガスはなぜ危険なのか

塩素系の漂白剤・洗剤と酸性の洗剤が混ざり合ったときに発生する塩素ガスは、強アルカリ性で毒性が強く、次のような特徴をもっています。

  • 殺菌作用(水道水やプールの水に使用)
  • 強い刺激臭(皮膚や呼吸器・目・口の中の細胞組織を破壊)
  • ガスの濃度が高い(中毒症になる可能性があり、最悪の場合死に至る)

そのため塩素ガスに触れたり吸い込んだりすると、次のような症状を引き起こしかねません。

  • 皮膚や目に、刺激や痛みを感じる
  • 鼻の奥やのどに、刺すような痛みと刺激臭を感じる
  • 気分が悪くなる、息苦しくなる、咳や窒息感、のどの腫れ、頭痛、めまい、吐き気などの症状
  • 多量の塩素ガスを吸い込むと、呼吸困難・脈拍減少・チアノーゼ・咽頭痙攣などの命に関わる症状を引き起こし、ショックで死に至るケースもある

実際、家庭での掃除中に塩素ガスによる死亡事故も起こっています。とても危険なため、塩素ガスを発生させないよう「混ぜるな危険」と表示されている洗剤の扱いには十分注意しましょう。

塩素系漂白剤と酸性洗剤の同時使用はNG

塩素系漂白剤と酸性洗剤は絶対に一緒に使わないこと

塩素系の漂白剤・洗剤と酸性の洗剤が混ざるような使い方をしてはいけません。ここで気を付けなければいけないのは、「混ぜるな危険」の表記がなくても、塩素ガスが発生するものがあるということです。

何と何が混ざるといけないのでしょうか。「混ぜるな危険」の表記のない洗剤や洗剤以外の身近なものについて、注意点を解説していきます。

洗剤は混ぜて使わない

塩素系の漂白剤・洗剤と酸性の洗剤には、主に次のようなものがあります。

【塩素系の漂白剤・洗剤】

  • カビ取り剤(カビキラーなど)
  • 台所用の塩素系漂白剤(キッチンハイターなど)
  • 衣料用の塩素系漂白剤(ブリーチなど)
  • 排水パイプクリーナー(パイプマンなど)
  • トイレ用の塩素系洗剤(トイレハイターなど)
  • 塩素系の洗濯槽クリーナー
【酸性の洗剤】

  • 浴室や洗面台・キッチンシンク用の酸性洗剤(水回り用ティンクルなど)
  • トイレ用の酸性洗剤(サンポールなど)
  • 食器用の酸性洗剤(キュキュットクリア除菌など)

このような塩素系の漂白剤・洗剤と酸性の洗剤を混ぜてしまうと、塩素ガスが発生してしまいます。絶対に混ざらないようにしましょう。

食器用の酸性洗剤などには、「混ぜるな危険」との表記はありません。しかし塩素系の漂白剤・洗剤と混ぜると塩素ガスが発生するので、「混ぜるな危険」の表記がなくても注意が必要です。

実際にやってしまいがちな具体例をみてみましょう。

  • 便器のカビ取りにカビキラーを使い、その後にサンポールで便器の掃除をする
  • お風呂掃除にクエン酸を使い、その後にカビ取りをするためにカビキラーを使う
  • 食器用酸性洗剤で食器を洗い、その後にシンクの排水口掃除でパイプクリーナーを使う

このように、どうしても同じ場所で塩素系の漂白剤・洗剤と酸性の洗剤を使いたい場合は、以下の要領で使用するようにしましょう。

  • 十分な水でよく洗い流してから、次の洗剤を使う
  • 1日以上間を開けてから、次の洗剤を使う

無意識に混ぜて使わないためにも、注意が必要です。

身近なところにも酸性のものは潜んでいる

身近なところにも酸性のものは潜んでいる

塩素系の漂白剤・洗剤と反応して塩素ガスを発生するのは、酸性の洗剤だけではありません。身近にある次のような酸性のものにも注意が必要です。

  • 固形や粉末のクエン酸(100均やドラッグストアなどに売っているもの)
  • 食品にクエン酸が含まれているもの(レモンや梅干し・グレープフルーツ・キウイなど)
  • アルコール
  • 食塩
  • アンモニア

では塩素ガスが発生してしまう具体例をみてみましょう。

  • 塩素系漂白剤が付いた雑巾の上に、レモンの皮を捨てる
  • レモン味の飴やガムを食べながら、カビキラーを使う

身近にある酸性のものでも、塩素系の漂白剤・洗剤と反応して塩素ガスを発生することを覚えておきましょう。

中性洗剤なら混ぜてもOK?

塩素系の漂白剤・洗剤や酸性の洗剤に中性洗剤(食器用洗剤など)を混ぜても、塩素ガスは発生しません。中性のものは、塩素系や酸性・アルカリ性のものと混ぜても、反応しないからです。

そのため以下のような「結果的に混ざってしまう」使い方が可能です。

  • 食器用中性洗剤で食器を洗った後、シンクの排水口掃除にパイプクリーナーを使う

中性洗剤は酸性・アルカリ性の両方の汚れに対応できますが、だからといって酸性洗剤やアルカリ性洗剤に中性洗剤を混ぜて使うことに、特別なメリットはありません。

そのため、わざわざ混ぜて使わず、別々に使うほうがいいでしょう。

こんな使い方は危険!4つの危ない使用例

絶対にやってはいけない4つの使用例

塩素系の漂白剤・洗剤と酸性の洗剤を同じタイミングで使うときは、使い方に十分な注意が必要です。塩素ガスが発生する危険な使い方として、4つのパターンと具体的なNG例を解説します。

【塩素系+酸性】あらかじめ混ぜて使用するのはNG

【NG例】

  • カビ取り効果を高めるため、塩素系のカビ取り剤と酸性洗剤を混ぜて使う

塩素系洗剤と酸性洗剤をあらかじめ混ぜて使用するのはご法度です。

塩素系の漂白剤・洗剤と酸性の洗剤は、かならずそれぞれ単独で使いましょう。

【塩素系+酸性】同時使用もNG

【NG例】

  • 塩素系のカビ取り剤を浴室の天井に使い、床面の水垢汚れを酸性洗剤で落とそうとする
  • 洗濯で服に付いた油を落ちやすくするために食器用酸性洗剤を付け、そのまま洗濯機で塩素系漂白剤を使って洗う

塩素系洗剤と酸性洗剤を同時に使用してはいけません。

塩素系の漂白剤・洗剤と酸性の洗剤は、かならず単独で使いましょう。

【塩素系→酸性】塩素系使用後の酸性タイプ使用はNG

【NG例】

  • 台所の排水口掃除にパイプクリーナーを使い、その後シンク掃除に酢配合の洗剤を使う
  • カビキラーで掃除したのにお風呂の黒い汚れが落ちず、カビキラーをサッと流しただけの状態で、お風呂用酸性洗剤で掃除する

塩素系洗剤を使ったあとに酸性洗剤を使用するのはNGです。

混ざり防止のためにも、洗剤が残らないように水でよく洗い流してから、次の酸性の洗剤を使いましょう。

【酸性→塩素系】酸性タイプ使用後の塩素系使用はNG

【NG例】

  • 酢配合の洗剤でシンクを掃除した後、軽く洗い流しただけで、パイプクリーナーで排水口を掃除する
  • お風呂用酸性洗剤で掃除したのに黒い汚れが落ちず、洗剤が残ったままでカビキラーを使う

酸性洗剤を使用してから塩素系洗剤を使用するのも、ついやってしまいがちなパターンです。

水でよく洗い流してから次の洗剤を使い、2種類の洗剤が混ざらないようにしてください。

もしも混ぜてしまったらどうする?4つの対処方法

もしも混ぜてしまったらどうする?4つの対処方法

塩素系の漂白剤・洗剤と酸性の洗剤などを混ぜてしまったら、どうするといいのでしょうか。塩素ガスが発生してしまったときの対処法と、塩素ガスに触れたり吸ったりしてしまったときの応急処置を解説します。

万が一に備えて、塩素ガスの対処法と応急処置は覚えておきましょう。

【対処法1】立ち上がる

塩素ガスは空気より重く、床の方から溜まっていきます。そのため塩素ガスが発生してしまったら、まずはその場ですぐに立ち上がりましょう。落としたものを取ろうとして、頭を下に下げるのは危険です。

【対処法2】その場を離れる

塩素ガスは、ツンとしたわかりやすい刺激臭がします。この臭いを感じたら、塩素ガスが発生した合図です。塩素ガスを吸い込まないよう注意しながら、素早くその場を離れてください。

【対処法3】換気する

発生した塩素ガスは、窓を開けたり換気扇を回したりして、外に排出しましょう。このとき、次のようにして空気の通り道を作ると、効率よく換気できます。

  • 窓を開けるときは2ヵ所、できるだけ対角線上の窓を開ける。
  • 換気扇を使うときは、窓も1ヵ所開ける。

ツンとした刺激臭を感じなくなるまで、部屋には入らないようにしましょう。

【対処法4】水をかける

塩素ガスは水に溶けやすい性質があります。この性質を利用し、反応した洗剤とその周辺に水をかけて洗い流しましょう。お風呂ならシャワーを、トイレや部屋の床なら霧吹きで水を吹きかけて拭き取ります。

また、必ずツンとした刺激臭を感じなくなってから行ってくださいね。

応急処置方法も知っておこう

「混ぜるな危険」の表記がある洗剤どうしを混ぜて気分が悪くなったり、目がしみたり場合は次の応急処置を取りましょう。

【気分が悪くなった、目にしみた、咳き込んだ】

すぐにその場を離れて、目を洗ったりうがいをしたりする。状況が改善しない場合は、病院で診察を受ける。

【皮膚に付いた】

ヌメっとした感じがなくなるまで、すぐに水道水で洗い流す。異常がみられる場合は、病院で診察を受ける。

【目に入った】

流水で15分以上目を洗い、すぐに病院で診察を受ける。

【口に入った】

コップ1~2杯ほどの水または牛乳を飲ませ、すぐに病院で診察を受ける。

「応急処置をしても症状が治まらない」「応急処置はしたが気になることがある」という場合は、原因となった洗剤を持って、速やかに病院に行きましょう。

塩素ガスの被害を防止するための4つの習慣

被害を防ぐためには日頃の習慣づけが大切

塩素ガスによる思わぬ被害を防ぐために、日頃からできる4つの習慣を紹介します。

  • 洗剤を使う前にラベル表記を確認する
  • 換気しながら洗剤を使う
  • 洗剤の使用後は水でしっかりと洗い流す
  • 2種類以上の洗剤を同時に使わない

いずれの洗剤を使用するにしても、これらの習慣を守っておけば、万が一の事態を防ぐことができますよ。

洗剤を使う前にラベル表記を確認する

塩素系や酸性を問わず、洗剤を使用する前にラベル表記を確認しておく習慣をつけるとよいでしょう。

「まぜるな危険」の表記はもちろん、洗剤のタイプが塩素系なのか酸性なのかを事前に把握しておけば、意図せずに混ざってしまうのを防げます。

洗剤のウラ面を確認するひと手間で、塩素ガス発生のリスクをグッと減らすことができますよ。

換気しながら洗剤を使う

洗剤を使う際には換気しながらの使用を心がけましょう。

窓を開けたり換気扇をつけたりして空気の通り道を確保しておけば、洗剤が混ざってしまった場合でも速やかにガスを排気できます。

またカビ取り用洗剤をお風呂などの密室で使用した場合は、空気中の炭酸ガスと反応するケースもあります。

塩素ガスの思わぬ発生を防ぐためにも、洗剤の使用時には十分な換気を行ってくださいね。

洗剤の使用後は水でしっかりと洗い流す

洗剤の使用後は掃除した場所を水でじゅうぶんに洗い流しましょう。

付着した成分をしっかりと取り除くことで、別の洗剤を使ったときに混ざってしまう可能性を減らせます。

水洗いが難しい場所の場合は、雑巾などを使って拭き取りましょう。

2種類以上の洗剤を同時に使わない

掃除の際は2種類以上の洗剤を同時に使わずに、ひとつずつ使うことを心がけてください。

特にカビキラーなど塩素系のカビ取り剤を使用する場合は、必ず単独で使いましょう。

どうしても2種類以上の洗剤を使って掃除したい場合は、水で洗い流してから別の洗剤を使用してくださいね。

【まとめ】「混ぜるな危険」に気を付けよう

「混ぜるな危険」に気を付けよう

次のような塩素系の漂白剤・洗剤と酸性の洗剤などを混ぜると、人体に有害な塩素ガスが発生します。

【塩素系の漂白剤・洗剤】

  • カビ取り剤(カビキラーなど)
  • 台所用の塩素系漂白剤(キッチンハイターなど)
  • 衣料用の塩素系漂白剤(ブリーチなど)
  • 排水パイプクリーナー(パイプマンなど)
  • トイレ用の塩素系洗剤(トイレハイターなど)
  • 塩素系の洗濯槽クリーナー
【酸性の洗剤】

  • 浴室や洗面台・キッチンシンク用の酸性洗剤(水回り用ティンクルなど)
  • トイレ用の酸性洗剤(サンポールなど)
  • 食器用の酸性洗剤(キュキュットクリア除菌など)
  • 固形や粉末のクエン酸(100均やドラッグストアなどに売っているもの)
  • 食品にクエン酸が含まれているもの(レモンや梅干し・グレープフルーツ・キウイなど)
  • アルコール
  • 食塩
  • アンモニア

この2種類のものを同じタイミングで使うときは以下の点に注意しましょう。

  • 混ぜたり同時に使ったりせず、間隔を十分空けて使う
  • 連続で使うときは、最初に使った洗剤を十分な水でしっかり洗い流してから、次の洗剤を使う

万が一塩素ガスが発生してしまった場合は、塩素ガスを吸わない・触れないよう、適切な対処が必要です。

「混ぜるな危険」の表記のある洗剤はもちろん、表記のないものでも塩素ガスが発生する可能性があることを覚えておきましょう。

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