家庭用の壁掛けエアコンを取り付ける場合、本体価格を含まない工事費用の相場は新品で1万~2万円、中古で8,000~1万円が目安です。エアコンの容量が大きい、設置環境が特殊などの場合は、更に金額は上がります。
エアコン取り付け工事の費用相場はいくら?
商品代を除く取り付け費用は新品で1万~2万円、中古で8,000~1万円が目安です。それ以外にも設置環境によって追加費用が必要になるケースもあります。
例えば、穴開け箇所の壁材の材質によって特殊な作業が必要になるケース、室外機をベランダや地面に置けないケース、配管の長さが4m以上になるケース、エレベーターなし物件で3階以上に搬入するケースなどです。これらの場合には取り付け工事費用に、追加でオプション費用が必要になります。
エアコン取り付け工事の費用相場の内訳
上記で紹介したように、設置環境により標準工事の取り付け費用相場よりも高くなってしまう場合があります。下記のような場合、オプションとして追加工事が必要になります。
追加工事が必要な条件 | 工事内容 | 費用目安 |
---|---|---|
特殊な材質の壁に穴あけが必要 | 壁の穴あけ | 2,000~12,000円 |
室外機を地面・ベランダに置けない | 室外機の特殊設置 | 15,000円 |
配管の長さが4m以上必要 | 配管の延長(4m以上) | 3,000~4,000円/m |
配管を保護したい・見栄えよくしたい | 配管カバー取り付け | 14,000~20,000円 |
隠蔽(いんぺい)配管工事をする | 隠蔽(いんぺい)配管工事 | 10,000~15,000円 |
エアコン用コンセントがない | エアコン専用コンセント設置 | 10,000~20,000円 |
部屋の電圧とエアコンの電圧が異なる | 電圧変換工事(100V⇒200V) | 2,000~4,000円 |
既存エアコンを外さなくてはいけない | エアコン取り外し・処分 | 5,000~10,000円 |
エレベーターなし物件で3階以上に搬入する | 3階以上に搬入 | 1,000~3,000円 |
エアコン取り付け標準工事の作業内容
エアコン取り付け工事の標準的な内容は以下の通りです。
エアコンを購入するとき「取り付け工事込み」の値段になっているときは、基本的に「標準工事の施工が含まれた価格」という意味です。
標準工事にはエアコンを動かすのに最低限必要な作業が含まれていますが、オプションで必要になる工事内容によっては、以下のような場合に追加工事が発生して費用が高くなることがあります。
- エアコンを取り付ける環境が特殊で作業が増える場合
- エアコン周りの見た目にこだわりたい場合
また、「穴あけが標準工事に入っておらず、オプション扱いになった」というように、標準工事の内容が業者によって異なることもまれにあるので注意しましょう。
1.エアコン本体(室内機)の取り付け
エアコン室内機の取り付けでは、エアコン設置箇所に背板を取り付け、室内機本体を固定します。
エアコンは専用コンセントにつなぐ必要があり、部屋にない場合は増設工事をしなければなりません。これは標準工事に含まれないので追加料金がかかります。
2.穴あけ工事(1か所)
エアコンは本体(室内機)と室外機を配管でつなぐため、壁に穴を開けて配管を通さなくてはいけません。もともと穴が開いていない場合は穴あけ工事が必要です。
穴あけ工事は、1か所までなら標準工事に含まれているケースが多いです。ただし壁がコンクリートやタイルなど特殊な素材の場合は、追加料金が発生することもあります。
3.配管・電線の接続(4mまで)
空気の熱を運んで循環するための「銅管」、室外機に電力を供給する「電線」、そしてエアコン本体から排水する「ドレンホース」の3つを接続する作業が必要になります。
一般的にこれらの配管接続は、長さ4mまで標準工事に含まれることが多いです。エアコンと室外機の距離が遠くて4mでは足りない場合は、延長する長さに応じて追加料金がかかります。
具体的には、2階に取り付けるエアコンの室外機を1階に置く場合などに必要になることがあります。
標準工事の場合、配管は基本テープ巻きですが、見た目を美しくするために追加料金でカバーを設置することもできます。屋外側の配管カバーは雨風から配管を守る役割もあります。
「配管を外から見えないようにしたい」「外に面していない部屋にエアコンを付けたい」といった場合には、配管を壁の中に通す隠蔽(いんぺい)配管という追加工事が必要です。
4.室外機の設置
屋外側に土台を作って室外機を固定する作業です。
エアコンを取り付ける部屋の外側がベランダまたは地面で、周りに障害物もない場合は、標準工事の費用内で室外機を設置できます。
軒下に吊り下げたり、屋根に置いたり、架台を使って2段にしたりする必要がある場合は追加料金がかかります。費用相場は4,000~8,000円ほどですが、プラスで架台や金具の商品代が6,000~10,000円ほど必要です。
ちなみに北海道や東北などの豪雪地帯では、冬に室外機が雪につもらないよう、通常の置き方ができる場所でも架台を使った方がよいケースがあります。
5.真空引き
真空引きとは、エアコンと室外機をつなぐ銅管の中から空気や水分を抜く作業です。銅管のなかには、熱を運ぶ「冷媒ガス」だけが残り、冷房や暖房が使えるようになります。
エアコンを使うためには欠かせない作業で、設置場所の状況によって作業内容が変わることはないため、追加料金も基本かかりません。
エアコン取り付け工事のオプション費用相場
標準工事だけではエアコンを運転するために不十分である場合や、見た目やクオリティを上げるオプションを付ける場合には、追加料金が発生します。
主な追加工事のパターンは以下の8つです。
オプションの内容 | 費用相場 |
---|---|
コンクリート壁など特殊な材質の壁に穴あけ | 2,000~12,000円 |
室外機の特殊設置 | 10,000円~ |
配管の延長(4m以上) | 3,000~4,000円/m |
配管カバー(化粧カバー)の取り付け | 14,000~20,000円 |
隠蔽(いんぺい)配管工事 | 10,000~15,000円 |
エアコン専用コンセントの増設 | 13,000~15,000円 |
既存エアコンの取り外し・処分 | 5,000~10,000円 |
エレベーターなし物件で3階以上に搬入 | 1,000~3,000円 |
また、家電量販店で購入から取り付け工事まで依頼する場合は、セール期間中に申し込むと「配管カバー取り付けが無料」「古いエアコンの取り外しが無料」などのお得な特典がつくこともあります。
コンクリート壁など特殊な材質の壁に穴あけ:2,000~12,000円
配管用の穴あけ1か所分は標準工事に含まれていることが多いです。しかし壁の材質がタイルやコンクリートなどの特殊な素材の場合は、穴が開けにくいので追加料金が発生します。
壁の材質 | 費用相場 |
---|---|
木造 | 2,000~3,000円 |
モルタル | 2,000~3,000円 |
ALC | 3,000~4,000円 |
コンクリート壁 | 12,000~15,000円 |
タイル、レンガなど | 7,000~9,000円 |
ガルバリウム(金属) | 7,000~9,000円 |
とくにコンクリート壁の場合は、穴あけ工事の費用が高額になりがちです。壁の厚みによって「1cmごとに追加料金がかかる」といったケースもあります、業者によっても金額の差が出やすい項目のため、必ず事前に見積もりをもらって確認しておきましょう。
室外機の特殊設置:10,000円~
室外機を特殊な場所に設置する場合は追加費用がかかります。具体的には、ベランダと地面(1階のエアコンに限る)以外の場所に置くときは基本的にすべてオプション扱いです。
設置場所 | 追加費用相場 |
---|---|
屋根置き | 15,000円~ |
壁掛け(壁面に金具を付けて設置) | 15,000円~ |
立ち下ろし(室外機を1階、室内機を2階に設置) | 9,000円 (配管延長:3m) |
天吊り(軒下金具を付けて吊り下げる) | 15,000円~ |
2段置き(室外機を2段に重ねる) | 20,000円~ |
作業費に加えて金具や架台の費用がかかるので、金額も高くなります。
2階の部屋にエアコンを取り付けるときの費用相場については、以下の記事でも詳しく解説しています。
配管の延長(4m以上):3,000~4,000円/m
配管類の接続は標準工事に含まれていますが、長さが4mを超える場合には追加料金が発生することが多いです。たとえば2階の部屋にエアコンを設置して地面に室外機を置くことになり、その距離が5m離れている場合は、差分の1m分の追加費用がかかります。
ちなみに1階に室外機を置く場合、2階まで配管を延ばすと6~8m、3階まで延ばすと9~11mが目安です。
なお、エアコンの機種・メーカーによって銅管のサイズが「2分3分(にぶさんぶ)」または「2分4分(にぶよんぶ)」という種類に分かれます。「2分3分」の方が費用は安いですが、好きな方を選ぶことはできず、決まった種類を使わなくてはいけません。
工事の内容ごとの費用相場は以下の通りです。
工事内容 | 費用相場 |
---|---|
銅管・電線・ドレンホースをすべて延長 | 3,000~4,000円/1m |
銅管の延長(2分3分) | 2,200~2,800円/1m |
銅管の延長(2分4分) | 3,000~3,500円/1m |
ドレンホースのみ延長 | 500円前後/1m |
見積書をもらうと上記のように項目ごとに分かれているので、単価相場が大きく離れていないか確認してみましょう。
配管カバー(化粧カバー)の取り付け:14,000~20,000円
配管カバー(化粧カバー)は、配管類を覆うプラスチックカバーです。配管の劣化を防いだり、見栄えをよくしたりする目的で設置します。特に屋外は風雨にさらされるのでオプション料金を払っても配管カバーを設置しておいたほうが安心でしょう。
また配管カバーの色や種類は業者によって異なります。希望の色が選べるかどうかも見積もりの際に確認が必要です。
標準工事のみで配管カバーを設置しない場合は、画像左側のようにテープでぐるぐる巻きにして、配管穴にはパテという粘土状の部材を埋めるのが一般的です。
工事内容 | 費用相場 |
---|---|
室外側(2mまで) | 6,000~9,000円 |
室外側の延長 | 5,000~6,000円/2m |
室内側(1mまで) | 8,000~11,000円 |
室内側の延長 | 1,000~1,500円/1か所 |
室内・室外ともに既存のカバーを再利用する場合 | 3,000~4,000円1/か所 |
室内・屋外どちらかだけでも施工できますが、どちらにも施工する場合は、両方あわせて14,000~20,000円ほどが相場です。
「部材費込みかどうか」「配管が2分3分か2分4分か」といった違いでも費用が変わりますが、おおよそ上記の価格帯になるでしょう。
室外側の配管カバーは、2mまでが基本料金の範囲となっているケースが多く、それ以上の長さになる場合はさらに2mごとに追加料金が発生します。また折り曲げる箇所などがあれば、1か所ごとに1,000~1,500円ほどの部材費がかかることも。
室内側の配管カバーはそこまで長くなることがないので、1mまでが基本料金となっているケースが多いです。折り曲げが必要な箇所に応じて、1か所ごとに追加の部材費用が1,000~1,500円ほどかかります。
隠蔽(いんぺい)配管工事:10,000~15,000円
「隠蔽(いんぺい)配管」とは、室外機までのびる配管類パイプのを壁の内側に通すことです。住宅の新築時に施工されることが多く、配管が隠れるので室内外ともにスッキリした見た目になります。
新築でこれからエアコンを取り付ける場合、隠蔽配管だと約10,000~15,000円ほど追加料金が発生します。
新築でなくても配管を通せるスペースがあれば施工可能ですが、新たに壁に穴開けをする必要があり、長く住む家であればあまりオススメはできません。いずれ新品のエアコンに交換するときに、通常より約1万円ほど高い相場になること、配管の交換が必要になるとより高額になることなど、デメリットが大きいからです。
すでに隠蔽配管だったエアコンを新品に交換する場合は、配管洗浄で冷媒ガスを排出してから施工するケースがあり、その場合は20,000~50,000円という高額な費用になることも。
劣化した配管を交換しなくてはいけない場合は、2分3分の配管で約3,500円/mほど、2分4分の配管で約4,500円/mほどの追加料金が必要です。
エアコン専用コンセントの増設:13,000~15,000円
エアコンを稼働させるには、エアコン専用コンセントを使わなくてはいけません。もし設置されていない場合は、追加工事としてコンセントの交換や増設をする必要があります。
エアコンの電気回路は、ブレーカーからコンセントまで回路を分岐させず、エアコンだけに電気を送っています。
工事内容 | 費用相場 |
---|---|
コンセント交換 (コンセント穴の形状だけ変更) |
2,000~3,000円 |
コンセント新設 (エアコン用のコンセントがない場合) |
13,000~15,000円 |
コンセント延長 (エアコン取り付け位置までコンセントを移動) |
2,000~5,000円 |
コンセントの電圧切替 (100V⇒200V) |
2,000~3,000円 |
分岐ブレーカー交換 (100V⇒200V) |
3,000~5,000円 |
もしエアコン設置場所の近くに専用コンセントが無いならば、コンセントの増設や、配線用の穴あけ工事が必要となります。回路工事だけであれば13,000~15,000円程度、配線を延長する必要があれば18,000円程度まで追加料金がかかる可能性も。
またそもそもエアコン用の分岐ブレーカーが機種に対応していない場合は、ブレーカーの交換が必要です。追加料金の目安は約3,000~5,000円ほど。
コンセントの形状が合わないだけだったり、100Vと200Vの電圧切り替えだけだったりで済めば2,000~3,000円前後で済むでしょう。
既存エアコンの取り外し・処分:5,000~10,000円
買い替えで既存のエアコンを取り外す場合、取り付け・取り外しをセットで依頼することができます。エアコン取り外し工事は別料金で、処分したい場合はリサイクル料金・収集運搬費も必要です。
工事内容 | 費用相場 |
---|---|
エアコン取り外し工事 | 5,000~10,000円 |
特殊設置された室外機の取り外し | 2,000~5,000円 |
配管カバーの取り外し | 1,000~1,500円 |
古いエアコンのリサイクル料金 | 990円~ |
古いエアコンの収集運搬費 | 1,000~2,000円 |
取り外し工事は、標準工事で設置してあるエアコンなら5,000円程度でおこなえます。業者のプランによっては、「取り付け・取り外しをセットで依頼すれば割引」というケースもあるので、その場合はもっと安くなるかもしれません。
ただし取り付け工事と同様に、室外機の位置や配管カバーの有無によってはオプション料金が発生するため、あらかじめ見積もりを取っておくのが確実です。
古いエアコンを処分したい場合、三菱、シャープ、パナソニック、東芝、ダイキンなど大手メーカーのリサイクル料金は990円です。そのほかアイリスオーヤマなど一部のメーカーでは、リサイクル料金が2,000円程度になることもあります。
また業者が古いエアコンを回収するための運搬費として、約1,000~2,000円ほど追加でかかります。処分費の合計は約2,000~3,000円ほどが目安です。
エレベーターなし物件で3階以上に搬入:1,000~3,000円
工事ではありませんが、エアコンの搬入に階段への上り下りが発生すると、追加料金がかかるケースがあります。追加料金は以下が目安となります。
- 3階:約1,000円
- 4階:約2,000円
- 5階:約3,000円
基本的に2階までは標準工事料金におさまることが多いですが、3階以上だと階数に応じて上記のような追加費用が発生することがあります。
エレベーターのないマンションにお住まいの方は注意しましょう。
その他の追加料金:1,500~3,000円
ここまで紹介してきたケース以外にも、エアコン取り付け工事で追加料金が発生する場合があります。
工事内容 | 費用相場 |
---|---|
エアーカットバルブの取り付け | 1,500~3,000円 |
アース工事 | 約3,000円 |
スマホ連携用の無線アダプター取り付け | 2,000~3,000円 |
使わなくなった配管穴を埋める | 2,000~3,000円 |
エアコンに換気機能や加湿機能が付いている | 2,500~3,500円 |
1つめの「エアーカットバルブ」とは、エアコンを運転したときに「ポコポコ」と音が鳴るのを防ぐ装置です。気密性の高いマンションだと音がうるさくなる可能性があるので、設置しておくのがオススメです。
またアース工事は、万が一電流が漏れたときの事故防止のために必ず必要とされています。
そのほか換気機能や加湿機能がついている一部の機種だと、対応する追加工事が必要になることも。見積もりを出してもらうときには、なるべく正確に機種や設置環境を伝えておきましょう。
【都道府県別】エアコン取り付け工事の費用相場
エアコンの取り付け費用は地域によっても相場の差があります。お住まいの地域の取り付け費用の参考にしてください。
北海道・東北地方
北海道・東北地方のエアコン取り付け費用の相場は、北海道で14,000~18,000円、宮城県仙台市で9,000~14,000円です。地域別の詳しいエアコン取り付け費用は下記のリンクからご確認ください。
関東・甲信越地方
関東・甲信越地方のエアコン取り付け費用の相場は、東京都で12,500~20,000円、長野県長野市で14,000~18,000円です。地域別の詳しいエアコン取り付け費用は下記のリンクからご確認ください。
東海・北陸地方
東海・北陸地方のエアコン取り付け費用の相場は、愛知県で9,900~16,500円、石川県金沢市で14,000~18,000円です。地域別の詳しいエアコン取り付け費用は下記のリンクからご確認ください。
関西地方
関西地方のエアコン取り付け費用の相場は、大阪府で13,750円~です。地域別の詳しいエアコン取り付け費用は下記のリンクからご確認ください。
中国・四国地方
中国・四国地方のエアコン取り付け費用の相場は、広島県広島市で8,000~12,000円、徳島県徳島市で14,000~18,000円です。地域別の詳しいエアコン取り付け費用は下記のリンクからご確認ください。
九州・沖縄地方
九州・沖縄地方のエアコン取り付け費用の相場は、福岡県で13,750円~、沖縄県那覇市で8,000~12,000円です。地域別の詳しいエアコン取り付け費用は下記のリンクからご確認ください。
エアコン取り付け工事の費用を安くおさえる3つのコツ
エアコンの取り付けにかかる費用をなるべく安く抑えるには、以下のようなポイントがあります。
中古エアコンを購入して専門業者に取り付けだけを依頼する
とにかく安くエアコンを取り付けたい場合は、ネットの中古通販サイトやフリマアプリなどで中古のエアコンを購入し、エアコン専門業者に取り付けのみ依頼するのがおすすめです。
家電量販店で購入から取り付けまで依頼してしまうのが一番ラクですが、基本的に新品価格なうえ、取り付け作業を下請け業者が行うので中間費用(マージン)が発生します。
安さを重視しており、新品にこだわらないのであれば、中古エアコンを買って自分でエアコン専門業者を探してみましょう。
なるべく繁忙期を避ける
設置時期がずらせるのであれば、エアコン取り付けの繁忙期である6~8月を避けて設置することをおすすめします。
夏に向けて気温が上がりはじめる時期はエアコン購入者が増え、需要が増えます。取り付け工事の需要も集中するので、業者によっては2割ほど設置料金が上がることも。
または引っ越しをきっかけに新居にエアコンを設置する人が増える3~4月も予約が集中するため、可能であれば設置時期をずらしましょう。
料金が高くなりがちなのに加えて、工事の予約も取りづらくなります。なかには1カ月程度待たされてしまうこともあるため注意してください。
新築物件の場合は入居後に取り付ける
新築の家にエアコンを取り付ける場合、「建築時に取り付ける」のがよいのか「家が完成し入居してから取り付ける」のがよいのか迷われる方も多いでしょう。それぞれのメリット・デメリットは以下の通りです。
取り付けるタイミング | メリット | デメリット |
---|---|---|
建築時に取り付ける |
|
費用が高くなる |
入居後に取り付ける | 費用が抑えられる | 穴あけ工事が必要になる場合がある |
なるべく費用を抑えたい方は入居後にエアコンを取り付けるのがよいでしょう。
一方で建築時にエアコンを取り付けると配管を家の内部に通して隠せるので、美しい仕上がりになります。費用はかかりますが見た目を重視する方にはおすすめです。
エアコン取り付けはどこに頼む?家電量販店・引越し業者の費用比較
エアコンの取り付けをどこに頼むべきかは、エアコンの入手先や取り付けの理由によって変わります。
状況 | 依頼先 |
---|---|
新品エアコンを買って取り付けたい | 家電量販店 エアコン専門業者 |
中古エアコンや新品エアコンの取り付けだけ依頼したい | エアコン専門業者 |
引越しに伴いエアコンを移設したい | 引越し業者 |
これから新品のエアコンを買って取り付ける方は、家電量販店で購入と同時に設置を頼むか、エアコン工事業者に依頼しましょう。家電量販店だと自分で業者を選べないので、工事の質を重視する方は自分でエアコン工事業者に依頼するのがオススメです。工事業者経由でエアコンを購入することもできます。
譲り受けた中古エアコンや手持ちのエアコンを取り付けるなら、エアコン工事業者に依頼するのがもっともお得です。今持っている部材だけで対応できるなら、安く済ませられます。
引越しのときにエアコンを新居に移設するなら、引越し業者にまとめて依頼するとラクです。実際に工事をするのは下請けの事業者なので、中間手数料がかかる分費用は高いです。ただしエアコン工事業者に依頼した場合、運搬はオプション料金になるため、あまり金額は変わらないでしょう。
家電量販店とエアコン取付業者どっちが安い?
「家電量販店で本体を買って工事まで依頼する」のと、「本体だけネットで買って専門業者に取り付けてもらう」のはどちらが安いのでしょうか。日立「白くまくん KDシリーズ」を購入して取り付けた場合を比較しました。
日立 「白くまくん KDシリーズ」RAS-KD25M(8畳用)
※2023年3月時点の価格情報です。
※ネット購入価格は価格.comの最安値、専門業者の工事費用はミツモア登録事業者の実際の設定料金事例です。
本体価格 | 工事費用 | 合計 | |
---|---|---|---|
ヤマダ電機 | 96,800円 | 14,300円 | 111,100円 |
ビックカメラ | 107,580円 | 本体価格に含む | 107,580円 |
ケーズデンキ | 104,280円 | 本体価格に含む | 104,280円 |
ノジマ | 87,120円 | 18,150円 | 105,270円 |
ジョーシン | 96,822 円 | 本体価格に含む | 96,822 円 |
ネット購入+専門業者※ | 76,400円 | 11,000円 | 87,400円 |
基本的には「ネット購入+エアコン専門業者の取り付け」が安く済むことが多いです。ただし家電量販店で本体価格や工事費用の値引きが行われているタイミングであれば、「家電量販店で購入&取り付け」のほうが安くなることもあります。
また家電量販店はメーカー保証に加えて店舗の保証がつくことも多いです。アフターフォローの手厚さをどれくらい重視するかも判断基準になるでしょう。
家電量販店で取付を依頼する場合、取付業者の指定はできません。既存のエアコンの取り外しが可能か、追加費用が必要になるかなど確認が必要です。
既存のエアコンの取り外しや処分もまとめて依頼したいのであれば、エアコン取付業者への依頼が便利です。
引越し業者とエアコン取付業者どっちが安い?
引越しの際には、基本的には引越し業者で対応できる場合がほとんどですが、多くの場合引越し業者の協力下請け業者が対応します。そのため、仕上がりや追加費用の確認が必要です。
一方取り付け業者は、エアコン工事のプロですが運搬に関しては専門ではないため運送費が高額になる、または運送のサービスは行ってくれないケースがあります。そのため、引越し業者に確認した上で納得できなければ、施工は取付業者に相談してみるといいでしょう。
エアコンを工事費込みで購入するときの費用相場と注意点
大手の家電量販店では、「工事費込み」としてエアコンが販売されていることがあり、その場合は標準取り付け工事がセットになっています。
通常より安くお得になるケースもありますが、自分で口コミなどを比較して業者を選びたい方には不向きです。
工事費込みエアコンの価格相場は、おおよそ以下の通りです。
エアコンの対応畳数 | 費用相場 |
---|---|
6畳用エアコン | 5万~7万円程度 |
8畳用エアコン | 6万~8万円程度 |
10畳用エアコン | 6万~10万円程度 |
12畳用以上に対応しているエアコン機種であれば、10万円以上が相場となっています。
エアコンの本体価格を安く済ませようとして、実際の部屋よりも小さい対応畳数のモデルを買うのはオススメできません。
エアコンは対応畳数に合ったパワーを持っています。そのためパワーが低いエアコンを使って広い部屋に冷房・暖房をかけると、快適な温度になるまでに時間がかかってしまうのです。
エアコンは設定温度に達するまでの時間にもっともパワーを消費するので、電気代が高くなってしまう可能性があります。また余分に設定温度を上げ下げすることでも、電気代がかかってしまうでしょう。
本体のみ購入のほうが安い場合も
家電量販店などで売られている工事費込みのエアコン購入価格には、「本体価格+標準工事費+仲介料」が含まれます。
そのため費用を抑えたい方は本体のみを購入し、そのあとで自分で業者に依頼すれば、仲介料がかからないので安く済む可能性があります。
適用畳数が大きいほどエアコン本体価格は上がりますが、工事費の料金自体はそこまで差がありません。
費用をおさえられ、かつ業者を自分で選び日程調整などできるので、安心してエアコン取り付け工事をしたい方におすすめの方法です。
賃貸物件でエアコンを取り付けるときの2つの注意点
賃貸物件にはエアコンが備え付けられている部屋も多いですが、部屋によってはついておらず、自分でエアコン本体を購入して取り付けなければならないケースもあります。
取り付けにかかる費用は基本的に戸建の場合と変わりません。
ただし取り付けの際は以下の点に注意しましょう。
エアコンを設置できる環境があるか確認する
賃貸物件にエアコンを設置したい場合は、まず以下のような設備が整っているかを確認しましょう。
- 配管用の穴(エアコンスリーブ穴)があるか
- 室外機を置くことができる場所があるか
- エアコン用のコンセントがあるか
- 十分なアンペア容量があるか(目安:40A以上)
- 十分な電圧設備があるか(200V)
築浅の物件であれば基本的にエアコンが設置できるつくりになっています。ただし築年数の古い物件だと上記の条件を満たしておらず、エアコンが設置できないことがあるので注意しましょう。
「エアコンを取り付けたいけど、物件にエアコンが設置できない」という場合は窓用エアコンを設置するのも1つの手です。
窓用エアコンは室外機がなく、設置時に壁に穴を開ける必要もありません。しかし動作音が大きかったり電気代が高くなりやすいというデメリットもあります。
大家さん・管理会社に許可をとる
賃貸物件にエアコンを設置するときは、必ず大家さんまたは管理会社に相談して許可を取りましょう。
エアコンを固定するためにネジ穴を開ける、室外機をベランダや廊下に置けない場合は外壁に台を設置するなど、借りている建物設備に手を加えなければならないからです。特に「配管を通す穴が開いていない場合」は要注意です。
このとき退去時のエアコン取り扱いについても必ず相談しておきましょう。
賃貸物件を退去するときは、入居時の部屋の状態に戻す義務(原状回復義務)が発生します。エアコン取り付けのために穴を開けた場合、退去時に穴をふさぐ費用を負担し、取り付けたエアコンも自分の責任で取り外さなくてはいけません。
ただし大家さんや管理会社の意向次第では、配管用の穴や取り付けたエアコンをそのままにしておいて良いと言ってもらえる可能性もあります。
トラブルに発展しないよう、設置前に大家さんや管理会社と相談して扱いを決めておきましょう。
エアコン取り付けの優良業者を選ぶポイント
工事の品質に信頼がおけて料金の安い業者を選ぶには、複数社から見積もりをとって比較する「相見積もり」を行いましょう。
業者を比較するときにみるべきポイントは主に以下の3つです。
アフターサービス・保証を設けている
エアコンの取り付け工事後の保証をしっかり設けているかどうかは、優良な業者を判断する基準の1つです。
エアコンを設置したあと「冷媒ガスが漏れていて涼しくならない」「水漏れが発生した」といった不具合やトラブルが発生した場合に、保証がしっかりしている業者であれば適切な修理対応を行ってくれます。
工事の保証期間は1~10年程度が目安です。自社の工事品質に自信がある業者は保証期間も長い傾向にあります。
見積もりの内容を明確に提示してくれる
標準工事とオプションの範囲や料金設定をあいまいにせず、明確な見積もりを提示してくれる業者は信頼できるでしょう。
工事内容や内訳が書かれていないような適当な見積もりを出す業者はおすすめできません。必要な工事が標準工事に含まれていると思っていたらオプション扱いで、当日に予想外の追加費用が発生してしまうという可能性もあります。
当日、その場で追加工事の内容や料金を告げられても、それが相場なのか、それとも相場よりも高いのかを判断するのは困難です。
また、金額幅の最低額しか記載せず、最大でいくらになるのか明言しない書き方にも気を付けたほうがよいでしょう。
電気工事士の資格を持っている
基本的なエアコン取り付け工事に資格は要りません。ただし「コンセントの増設・交換」「電圧の切り替え」といった作業が発生する場合は、電気工事士の資格が必要です。
資格が必要となる工事内容は、以下のとおりです。
- 内外接続線同士の接続や、壁・天井などへの固定
- 内外接続線の防護装置を取り付ける作業
- コンセントの増設や電圧切り替え
- 600vの電圧を超えるエアコンの設置
- アース接地極への接続や地面への埋め込み作業
いざというときに対応できる電気工事士の資格を持っている業者であれば安心できます。
ミツモアでエアコン取り付けを依頼した人の口コミ
「ミツモア」を通してエアコンの取り外しを依頼した利用者からの口コミを紹介します。
依頼内容:壁掛けエアコン1台取り付け
評価:★★★★★ 5
期待以上の仕事でした!文句なしの星5つです!
ネット上で散見されるエアコン取付の失敗談などを見て不安を抱えていたのですが、ひとつひとつ丁寧に説明していただき、安心してお任せすることができました。
室内機や室外機の設置場所もプロの視点から色々とアドバイスしてくださり、大変助かりました。
仕上がりに関しても文句なしでとても綺麗に設置していただけました。
引越し直前の作業日程設定で、他の業者さんと同時の作業となってしまいましたが、嫌な顔もせずご対応いただけました。
色々とご意見をいただけたり、こちらからの質問などにも丁寧にお答えいただきました。質問しやすい人柄も素敵だと思います。
また何かあれば○○様にお願いしたいと思っております。壁の穴あけ、柱や筋交を傷付けられるんじゃないかと心配な方は○○様をオススメします!安心感が違いますよ。
この度はありがとうございました!
利用時期 | 2024年4月 |
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取り付けたエアコンの種類 | 三菱電機「霧ヶ峰シリーズ」 |
費用に対する納得感 | 5:お願いした訳でもないのにお値引きしていただけました! |
電話・チャット対応 | 5:チャットでの質問にも素早くお返事をいただけました。 |
知識の豊富さ | 5:安心できる知識量です。こちらの質問にもプロ視線で的確にお答えいただけました |
施工の質 | 5:とても綺麗で大満足です。 |
説明のわかりやすさ | 5:施工の内容ややり方など丁寧に説明していただけました。 |
依頼内容:コンクリート壁のガレージへのエアコン取り付け
評価:★★★★★ 5
今回は、母屋から離れた庭にあるガレージにエアコン新設工事して頂きました。
エアコンの電源がガレージに来ていないので母屋からガレージまで40mの配線をして、ガレージはRCコンクリート作りなので穴開けし無事に取付完了して頂きました。
説明から計画実施まで丁寧かつ完璧な仕事をして頂きありがとうございました。
利用時期 | 2024年2月 |
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取り付けたエアコンの種類 | ダイキン「うるさらシリーズ」 |
費用に対する納得感 | 5 |
電話・チャット対応 | 5 |
知識の豊富さ | 5 |
施工の質 | 5 |
説明のわかりやすさ | 5 |
依頼内容:壁掛けエアコンの取り付け
評価:★★★★★ 5
経験豊富な仕事ぶりを拝見して勉強になりました。
降雪地のため、基本温水循環ガスストーブを暖房利用している、エアコンによる暖房は必要ないのですが、
昨年の猛暑経験により、5月末からの冷房対策のために早期エアコンを導入しました。
室外機1人、室内機1人の作業分担で、
電気コンセントを100Vから200Vに変更、分電盤も100Vから200V変更
室内外化粧カバー取付、見積段階から細部の説明をしていただき、好感がもてました。
試運転時の注意事項と運転確認で異常なく、作業時間4時間で完了。
作業後の清掃を含め満足しております。これで夏対応ができ嬉しいです。
利用時期 | 2023年1月 |
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費用に対する納得感 | 4:雪道の走行ご苦労様 |
電話・チャット対応 | 4:よい、作業者で対応OK |
知識の豊富さ | 4:経験は力 |
施工の質 | 4:納得できる |
説明のわかりやすさ | 4:知識をひろげることができた |
エアコン取り付けは相見積もりで費用比較がおすすめ
この記事では、エアコンの取り付け工事にかかる費用相場を解説してきました。エアコン専門業者に依頼するときには、どこまでが標準工事で、どこからが追加料金なのかを確認しておくと安心です。
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エアコン設置工事は、取り付け位置や配管カバーの有無など、要望が細かくなりがちですが、ミツモアならチャットで業者と気軽に相談できます。
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