エアコンを2階に設置するとき、1階と比べて費用は高くなるのでしょうか?
室外機をベランダに置ける場合は標準的な費用で済みますが、置けないときは特殊な方法で設置したり、配管を延長したりするための追加費用がかかります。状況別に必要な工事と、具体的な追加費用を詳しく解説します。
エアコンを2階に取り付けると費用が高くなるのはどんなとき?
エアコンを2階の部屋に取り付けるとき、配管や電線の延長が必要になることが多く、1階に取り付けるときよりも費用が高くなりがちです。
まずはどんなときに費用が上がり、逆にどんなときには変わらないのかを見ていきましょう。
エアコンを2階に取り付けると費用が高くなるのはどんなとき?
エアコンを2階に取り付けるとき、施工費用が高くなるのは以下のようなケースです。
【2階のエアコン設置費用が高くなるケース】
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そのほか「穴あけ工事」や「古いエアコンの処分」なども追加料金がかかりますが、これらは1階にエアコンを取り付けるときも同程度の費用相場となります。
2階でも費用が高くならないのはどんなとき?
エアコンを2階に設置する場合でも、ベランダなどに室外機を置くスペースが十分にあるならば、1階に取り付ける場合と変わらず追加料金などは発生しません。
エアコン取り付けには「標準工事」という基本プランがあるので、それに含まれる内容で施工できるかどうかを確認しましょう。
【標準工事の内容】
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上記5つの条件だけで施工できれば、通常の1~2万円ほどの相場でエアコン取り付け工事ができます。
ただし配管カバーを付けたり、配管を再利用するために洗浄したりする場合は、追加料金がかかるので注意しましょう。詳しくは以下の記事を参考にしてください。
エアコンを2階に取り付ける費用相場と必要な追加工事
エアコン取り付けの標準工事が約1~2万円ほどです。プラスで追加料金がかかることになり、2階に取り付けるときは合計で5万円以上になることもあります。追加工事の内容と単価相場は以下のとおり。
室外機の特殊設置
(壁掛け、天吊り、屋根置き等。) |
10,000~15,000円 |
室外機の立ち下ろし
(室内機2階・室外機1階の設置方法。配管の延長料金は別。) |
3,000~5,ooo円 |
配管の延長 | 3,000~4,000円/1m |
配管カバー | 4mまで:14,000~20,000円
延長:5,000~6,000円/2m |
2階の専用回路工事
(コンセント新設・増設) |
15,000~20,000円 |
高所作業
(高さ2m以上の場所に室外機を設置する等。) |
3,000~6,000円 |
それぞれどんな時に費用がかかるのか、もう少し詳しく見ていきましょう。
室外機の特殊設置
壁・軒下・矢屋根に金具を取り付けて、室外機を壁掛け・天吊り屋根置きで設置すると、追加料金がかかります。
専用金具を持っている場合は4,000~8,000円の工事費だけで済みますが、金具がない場合は10,000~15,000円ほどの相場です。
室外機の立ち下ろし
1階の室外機から2階のエアコンまで接続する場合は、施工費自体は3,000~5,000円ほどです。
他の特殊設置と違って金具の購入費はかかりませんが、配管を延長する分の費用がかかってしまいます。一般的には約3~4mの延長が必要となるので、合計で12,000~15,000円ほどが相場となります。
配管の延長
エアコンの配管には、「冷媒銅管」と「ドレンホース」、そして「電線」が含まれています。冷媒銅管は熱を運ぶための冷媒ガスを循環させているパイプで、ドレンホースは室内機の水を排水するホースです。
すべて延長すると、1mあたり約3,000~4,000円ほどが相場となります。
もう少し詳しく説明すると、冷媒銅管が「2分3分」という種類であれば3,300円程度、「2分4分」という種類であれば4,000円前後です。
配管カバー
配管カバーは、冷媒銅管やドレンホースを隠すためのプラスチック素材です。見栄えがよくなり、配管の劣化を防ぐことができます。
配管カバーの取り付けはそもそも標準工事に含まれていないので、室外機までの距離が近い場合でも14,000~20,000円ほどかかります。
室外機が1階にある「立ち下ろし」の場合、そこから3~4m延長する必要があるので、24,000~36,000円が相場です。
2階の専用回路工事
エアコンの電源には、エアコンコンセントの専用回路が必要となります。1階に配電盤(ブレーカー)がある場合、2階まで専用回路を引くと約15,000~20,000円の追加料金が一般的です。
ただし2階にも配電盤があるなら、専用回路を引くための工事が5,000円ほど値下がりする可能性もあります。
すでに専用回路があれば、コンセント交換や電圧切り替えだけで済むので、2,000~3,000円程度が一般的です。
高所作業
とくに室外機の特殊設置(壁掛け・天吊り・屋根置き)で発生しやすいのが、高所作業費用です。一般的には「高さ2m以上の場所に室外機を設置する」ときに必要となります。
例1:エアコンの室内機を2階に、室外機を1階の地面に置く場合
取り付けの際に室外機を1階の地面に置くだけの施工であれば下記のような費用感です。
【2階からの高さが約8mの場合】
標準工事費 | 10,000~18,000円 |
配管延長費(4m延長) | 16,000円 |
配管カバー設置(8m設置) | 24,000円 |
合計:50,000~58,000円
配管カバーなしの場合:26,000~34,000円 |
もともとエアコンを設置していた場所であれば、回線工事も必要ないので、配管カバーも付けずに費用を抑えると26,000~34,000円と比較的安価になります。
ただ配管カバーを付けると、室外機からエアコンがある部屋までの距離に応じて部材費がかかるので、少し高額になってしまいます。
配管カバーを取り付けるかどうかは迷うところですが、エアコンは10年以上の長期間使う機器なので、長い目でみて決めましょう。
例2:室外機を外壁や軒天、屋根に設置する場合
室外機を置くベランダがない場合、壁、軒天、屋根などの場所に金具で設置することができます。
標準工事費 | 10,000~18,000円 |
室外機の特殊設置 | 15,000円 |
高所作業費 | 5,000円 |
合計:30,000~38,000円 |
壁掛けや天吊りであれば、エアコンのそばに室外機を設置できるので、配管の延長料金はかからなくて済むでしょう。ただし代わりに、高所作業費用がかかるケースがあります。
屋根置きの場合は、エアコンから離れた場所に室外機を取り付ける場合、配管の延長料金もかかってしまうので注意しましょう。1mあたり3,000~4,000円ほどかかり、延長する長さによって費用が変わります。
ちなみに室外機の特殊設置の費用の内訳には、取り付け金具の部材費も含まれているので、もともと使っていた金具を再利用できる場合はそのぶん安くなるでしょう。
例3:2階にエアコン専用の電源や取り付け穴がない場合
昨今の住宅ではあまりないでしょうが、古い住宅だと2階の居室にエアコンを取り付けることを想定しておらず、配管穴や電源が存在しないことがあります。
その場合は壁の穴あけ工事や、専用回路工事が必要です。諸々の追加工事が必要となった場合の費用を見ていきましょう。
【2階からの高さが約8m、1階の地面へ室外機を置く場合】
標準工事費 | 10,000~18,000円 |
配管延長費(4m延長) | 16,000円 |
配管カバー設置(8m設置) | 24,000円 |
穴あけ工事
(貫通スリーブ込み) |
3,000~4,000円 |
専用回路工事 | 15,000~20,000円 |
合計:68,000~82,000円
配管カバーなしの場合:44,000~58,000円 |
配管延長だけでなく、専用回路工事や穴あけ工事も必要になると、このようにいっきに高額になることがあります。配管カバーをつけなかったとしても、44,000円~の費用が目安です。
ちなみに穴あけ工事は1か所までなら標準工事に含まれていることも多いので、そのぶんの費用は含まれないケースも。業者を選ぶときに参考にしてみてください。
穴あけ工事が追加料金になる場合、壁の素材の種類によって費用が変わります。モルタルやサイディングパネル・ALCパネルなどであれば3,000~4,000円ですが、コンクリートなどの場合は約12,000~15,000円と費用が高くなります。
専用回路工事は、1階の配電盤から引くことを想定して15,000~20,000円としていますが、2階に配電盤があるならもう少し安くなるかもしれません。
標準工事の内容も確認しておこう
そもそもエアコンの標準工事でどこまで施工できるのかを知っておけば、なぜ2階に設置するときに高額になるのかが分かります。見積もりの費用が妥当かどうかを判断するためにも、標準工事の内容について知っておきましょう。
エアコン本体(室内機)の取り付け
エアコン本体を、室内の壁に取り付ける作業です。壁に据付板というプレートを取り付けて、その上にエアコン本体を引っかけます。
家庭用エアコンのサイズ(対応する畳数)によっては費用が高くなり、12畳用より大きいエアコンになると追加料金が発生することが多いです。
穴あけ工事(1か所)
1か所までの穴あけ工事なら、標準工事の料金内におさまることも多いです。ただし穴を開ける壁がコンクリートや金属だと、追加費用が発生することがあります。
配管・電線の接続(4mまで)
エアコンの配管は「冷媒銅管」「ドレンホース」「電線」の3種類あり、これらをまとめて断熱材・テープで巻いてから接続します。
標準工事に含まれる配管・電線の接続は、一般的にエアコンの4m以内までの場合です。
2階のエアコンから1階の室外機まで接続しようとした場合、4mではまず長さが足りません。2階からだと少なくとも6~8mの長さが必要になります。
室外機の設置(大地置き、ベランダ置き)
室外機の設置は、庭などの地面に設置する「大地置き」もしくは「ベランダ置き」であれば標準工事の料金に含まれています。
ただし大地置きやベランダ置きでも、部屋から離れた場所に室外機があると配管の延長費用がかかって、結果的には高くなってしまうことも。
真空引き(エアパージ)
真空引きはエアコン取り付けに必須の作業なので、標準工事の料金に含まれていることが多いです。熱を運ぶための「冷媒銅管」のなかにゴミや水分がたまらないよう、真空状態にします。
中古エアコンを取り付ける場合は、ガスの補充が必要であれば追加料金がかかるので注意しましょう。
2階へのエアコン設置を安く依頼するためのコツ
2階へのエアコン取り付け費用をなるべく安くするためには、複数社の見積もりを比較したり、エアコンを購入する時期をずらしたりしてみましょう。
複数社の見積もりを比べる
今回紹介してきたようなエアコンの取り付け費用は、あくまで目安です。実際には事業者によってさまざまな料金設定になっているので、安さやサービス内容は違います。
まれに「5,000円で取り付け!」など格安で作業できる業者を見かけますが、多くの場合は標準工事でできることの範囲が狭いか、もしくは手抜き工事になるリスクが高いです。
標準工事を格安に設定している場合、たとえば必須である「真空引き」が含まれていなかったり、「出張費」を多く請求されたりするトラブルも。
そうならないためにも、複数社の見積もり料金を比べて、「だいたいこのくらいが平均になりそう」という相場感をつかんでおきましょう。
また見積もりの明朗さ、対応の丁寧さなども見比べてみるのがコツです。
エアコンを購入する時期をずらす
エアコンは時期によって値段が変わりやすい機械です。エアコンを使用する人が増えはじめる6~7月の時期には、エアコンの需要が高まるのでセールをしていなくても購入する人が多くなります。
しかし8~9月頃になると、モデルチェンジを見越した一掃セールが始まる家電量販店が多いので、そこから値段が安くなっていくのです。
また新型エアコンにこだわりがなければ、モデルチェンジが終わったあとの10~11月がねらい目。型落ち品になるので、購入費を抑えることができます。
もし急ぎの買い替えでなければ、エアコンの購入時期・交換時期を少しずらすことで費用総額を抑えられるかもしれません。
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