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【業務委託の確定申告】扶養、副業、経費はどうなる?疑問を解決!

最終更新日: 2019年10月30日

業務委託で仕事をした場合、1年間に得た収入について確定申告を自分で行わなければいけません。

業務委託契約で得た報酬から源泉徴収税が差し引かれている場合、確定申告は必要なのか?必要ならばどのようにすればよいのか?これらの疑問を解決しましょう。

また、業務委託として働く場合の確定申告の必要性や申告方法など、知っておきたい税金の基礎知識について詳しく解説していきます。

この記事を監修した税理士

菅野歩税理士事務所 - 宮城県仙台市宮城野区

仙台市宮城野区岩切に事務所を構える税理士の菅野歩と申します。日々の経理業務、会計・税務業務など経営者の皆様のニーズに合わせた適切なサポートを全力で行い、わかりやすくご説明させていただきます。
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業務委託は確定申告が必要?源泉徴収は?

業務委託は確定申告が必要?源泉徴収は?

カメラマンやプログラマー、デザイナー、ライターなど、いわゆるフリーランスと言われる人たちは、複数の会社や個人と業務委託契約を結んで業務を遂行していくのが一般的です。また、サラリーマンであっても、副業として業務委託契約で仕事を受ける人もいるでしょう。そして、これら業務委託を受ける者は、原則として確定申告をする必要があります。

業務委託とは?

業務委託とは、自社で業務を行うのではなく、外部の専門家に依頼する契約形態を言い、依頼する業務に応じて、請負契約と委任契約の2つに分かれます。

請負契約は一定の成果物を目的に依頼する契約を言い、一方、委任契約は成果物の有無は関係なく、事務処理や管理運営など、一定の業務の遂行を依頼する契約です。

たとえば、会社のホームページ作成を発注する場合は、『会社のホームページ』という成果物を目的としているため、これは請負契約になります。一方、社内設備の保守管理を外注する場合は、そこに成果物はなく、『保守管理』という業務の依頼であるため、これは委任契約となります。

パート/アルバイトとの違いは?

業務委託とアルバイトとはどう違うのでしょうか。

まず契約形態の違いです。アルバイトは会社や事業主に雇われる雇用契約となります。すなわち法的にはその会社の従業員です。一方、業務委託契約は会社と雇用関係になく、依頼会社と対等な立場にあります。

また、アルバイトには社会保険や労災など労働者としての権利があり、また労働基準法の適用対象ですが、業務委託契約にはこれらの適用はありません。業務委託は自由な反面、自己責任が伴う契約と言えます。

業務委託は確定申告が必要?

業務委託契約で報酬を得た場合、原則として確定申告は必要になります。ただし、年間を通して報酬が少ない、あるいは赤字となる場合には確定申告を必要としないケースもあります。

本業として一定の報酬があれば、確定申告する必要があると考えて間違いないでしょう。

業務委託でも源泉徴収がある?

業務委託報酬が支払われる場合、源泉徴収税として報酬金額の10.21%が差し引かれることになります。年間ベースでも、年間報酬総額の10.21%が源泉徴収されているので、かなりの金額が差し引かれます。

ただし、確定申告をすることで還付金が発生する可能性があることも知っておいた方がいいでしょう。

業務委託で確定申告が必要な場合とは?

業務委託で確定申告が必要な場合とは?

前述したように、業務委託報酬を得た場合、原則として確定申告は必要になります。ただし、例外としてその必要がない場合もあります。ここでは確定申告が必要なケース、及び注意したい事項について見ていきます。

副業で年間所得が20万を超える場合

『20万円の壁』という言葉を聞いたことはないでしょうか。副業を認める会社が多くなってきた今、副業を始める会社員は増えています。会社員の副業は所得税法上、雑所得にあたります。雑所得の場合、年間収入から必要経費を除いた年間所得が20万円を超える場合は確定申告が必要になりますので注意してください。

本業で年間所得が38万を超える場合

業務委託報酬は事業所得にあたります。事業所得の場合、年間所得が38万円を超えると確定申告が必要になります。この38万円という金額ですが、すべての人に認められている所得控除の1つである基礎控除の金額となっています。

言い換えれば、事業で年間所得が38万円以下となった場合、そこから基礎控除の38万円を控除すると所得はゼロまたはマイナスとなり、税金は発生せず、確定申告は不要ということになります。

配偶者控除の対象になっている場合

ご主人の配偶者控除の対象となっていた専業主婦の方が、在宅ワーク等で一定の報酬を得た場合は注意が必要です。この場合、年間所得が38万円を超えると、確定申告が必要となるばかりでなく、ご主人の配偶者控除の適用も受けられなくなります。

ただし、配偶者控除の適用がなくても、年間所得が38万円超123万円以下なら、配偶所特別控除の適用を受けることができます。

扶養控除の対象になっている場合

学生やご高齢者の方で、世帯主の扶養控除の対象となっている方も注意しましょう。これらの方が業務委託で年間所得38万円超となった場合、確定申告が必要になってきます。しかも扶養控除の対象から外れることになります。

※2020年度税制改正により基礎控除は48万円となるので、上記の38万円は48万円となる見込みです。

業務委託の確定申告の方法は2種類ある

業務委託の確定申告の方法は2種類ある

業務委託報酬を得た場合、原則として確定申告が必要なのは理解できたでしょうか。では、実際に確定申告をする場合、どのようにすればいいのでしょうか。

確定申告の方法として、白色申告、青色申告があります。この2つのどちらで申告するかによって、収める税金に違いが出てきます。

青色申告とは?

青色申告は、日々の取引をきちんと帳簿に記帳し、その記帳に基づき正しく申告をすることで、税金面でいろいろなメリットを受けることができる制度です。

青色申告を適用しようとする場合、あらかじめ税務署に対して申請書を提出し、承認を受けなければなりません。業務委託として本業で行う場合は、後述の白色申告より青色申告の方が望ましいでしょう。

白色申告とは?

白色申告とは、青色申告の承認を受けていない者が行う申告をいいます。帳簿への記帳は簡便的なものでも大丈夫ですが、青色申告に認められている税金面でのメリットをうけることはできません。会社員の副業など、業務の規模が小さい場合には、青色申告よりも白色申告でもいいのではないでしょうか。

業務委託の確定申告で必要となるものは?

まずは確定申告書用紙を入手しましょう。税務署に開業届を提出していれば、11月頃に郵送されてくる地域もあります。またパソコンとプリンターがあれば国税庁HPからダウンロードも可能です。

そして、業務委託の場合は確定申告書を作成するために、収入を証明する支払調書、経費に関する領収書などが必要となります。

支払調書は収入を証明する書類

支払調書とは、業務委託などフリーランスの方が、その収入を証明するための書類で、業務を依頼した会社または個人が発行するものです。記載内容は会社員の源泉徴収票とほぼ同じであり、1年間の支払総額と源泉徴収税額が記載されています。複数の会社と契約している場合は、それぞれの会社から支払調書を入手する必要があります。

ただし、源泉徴収していない会社など、支払調書を発行しない会社もあるので契約時にしっかり確認するようにしましょう。

経費を証明する書類は領収書や請求書など

所得とは、収入金額から経費を差し引いた残額を言います。収入金額は支払調書からわかります。一方、経費の金額はそれを証明する書類が必要となり、一般的には、領収書や請求書がこれにあたります。

業務に関する経費は納税額に影響しますので、それを証明する書類はしっかり管理しましょう。

確定申告書Bを作成する

確定申告書用紙にはAとBの2種類があります。確定申告書Aは一般的に、会社員の方が確定申告する場合に使用します。業務委託の場合、その所得は事業所得となるため、Aでは対応できず、したがってBを使用することになります。この申告書に添付する書類として、青色決算書または収支内訳書も作成しなければなりません。

業務委託で確定申告しないとどうなる?

業務委託で確定申告しないとどうなる?

業務委託では原則として確定申告しなければならないのは、これまで述べてきたとおりです。では、確定申告が必要であるにもかかわらず、確定申告をしなかった場合はどうなるのでしょうか。仮に、それがバレた場合、なんらかのペナルティがあるのでしょうか。

期限内に確定申告しなければペナルティが発生する

確定申告しなければならないのは知っていたが期限に間に合わず、期限後申告となった場合には、無申告加算税及び延滞税がかかります。

無申告加算税は、期限内に確定申告しなかったためのペナルティで納税額に5%上乗せされます。そして延滞税は申告期日から実際に確定申告書を提出した日までの日数に応じて決められます。

確定申告しないまま、税務署にバレたら大変なことに!

期限を過ぎてもどうせバレないやと思い、申告しないまま放っておいた場合はどうなるでしょうか。税務署には、あらゆる方面からいろいろな情報が集まってきます。そこから確定申告が必要な人なのに申告していないということがバレると考えて間違いありません。

この場合、無申告加算税も10%または15%となり、さらに重加算税が加わる可能性もあります。延滞税も日数が経っており、相当な金額になるでしょう。本来の納税額の倍以上になることもあります。それが過去数年分となると大変なことに・・・。

未申告だけは絶対にやめましょう!

まとめ

今回は、業務委託の確定申告について書きました。いかがだったでしょうか。フリーランスとなった場合には、税金や確定申告に関する基礎知識は必要になります。しかし、実際にはかなり専門的な内容も含まれており、手続きも時間を要します。それで本業がおろそかになってしまっては本末転倒です。本業に専念するためにも、確定申告については専門家である税理士に依頼することを検討してみてはいかがでしょうか。

監修税理士のコメント

菅野歩税理士事務所 - 宮城県仙台市宮城野区

インターネットの普及で、自宅にいながら仕事をする在宅ワークなどは、フリーランスや副業として主婦やサラリーマンにも人気のお仕事です。 その契約形態の多くは業務委託や請負であり、報酬をもらう場合には確定申告が必要です。いわゆるフリーランス契約と呼ばれたりしますが、会社の社員という立場ではなく、外注先の個人事業主としてお金をもらうことになるためです。 自分は「稼ぎが少ないから確定申告はいらないかな」と思われている方も、確定申告義務がある場合もありますので一度確認してみて下さい。
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