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【ゴミ屋敷】なぜ捨てない?心理状態と対策方法を解説

最終更新日: 2023年07月24日

「年末年始に実家に帰省したら、ニュースで見るようなゴミ屋敷になっていた。」「受け入れたくはないけど、両親がごみを集めている気がする。」大きな声では言えない話題ですが、実は悩んでいるという人は少なくありません。今回は「ゴミ屋敷」になってしまう心理状態と対策法について解説します。

なぜ捨てない?ゴミ屋敷に住む人の心理状態

なぜ捨てない?ゴミ屋敷に住む人の心理状態
(画像提供:Evgeny Pylayev/Shutterstock.com)

「これ、どう見てもゴミでしょ?」「ゴミ屋敷になるのに、なぜ集めるの?」というものが、あちらこちらに散財しているゴミ屋敷。一般的な感覚ではゴミにしか思えないものも、どうやら家主にとっては宝物、大事なものとして捉えられているようです。

お部屋を整理整頓したり、物が散らばっている状態に嫌悪感を抱いてる人にとって、ゴミ屋敷に住む人の心理状態を理解するのはとても難しいこと。しかし、心理状態を理解することで事前に対策を打てます。そこでゴミ屋敷に住む人の心理状態を解説していきます。

1.もったいない精神で物を捨てられない

物資が不足している時代もありましたし、昔からもったいない精神は良いものとして捉えられてきました。ゴミ屋敷に住む人の多くが、もったいない精神を間違った方向に強めている傾向があります。人それぞれの価値観や金銭感覚は異なるものの、ゴミ屋敷化する場合は、驚くような物にもったいない精神を働かせてしまうのです。

例えば、ちり紙、お菓子の包装紙、腐っている食べ残し、木材など、本来ならゴミとして処分するべきものがもったいなくて捨てられないのです。ゴミ屋敷の家主に「なぜ捨てないの?」と聞くと、「もったいない」と返されることも非常に多いです。

2.不快な環境にも無頓着

ゴミ屋敷は、とても不衛生な劣悪環境と言えます。悪臭・害虫・ウィルスなどが蔓延しており、感染症や食中毒、体臭の悪化などを引き起こすリスクは非常に大きいです。普通なら5分と我慢できない環境でも、ゴミ屋敷の家主は何も感じることはありません。

なぜなら、不快な環境にも無頓着だからです。驚きますが、私達が清潔な環境で暮らしているのと同じ感覚で、ゴミ屋敷で暮らしているのです。このような状況では、 血のつながっている親子・兄弟でもゴミ屋敷に家主に対して「なぜ?」「どうして?」の気持ちが強まるのは、当たり前のことです。

3.外で拾ってきた物を私物化する収集癖

家主の過剰な収集癖が、ゴミ屋敷を作り上げているケースも多いです。収集癖とは、何に構わずとりあえず集めてしまう癖の一種で、独特な感覚を持ち合わせています。例えば、道路に転がっている石ころやポイ捨てされた空き缶が、どこか儚く可哀想に思えてくるのです。「こんなところで一人ぼっち。可哀想だから、家に連れていってあげよう」と、まるで子猫を引き取る感覚で、あらゆる不用品を収集してきます。

あまり理解できない感覚かもしれませんが、ゴミ屋敷の家主にしてみれば「なぜそんなに薄情なんだ?」と、逆にこちらが疑問を持たれてしまう場合もあります。ゴミ屋敷の家主は自宅に不用品を引き取ってきて、自分はとても良いことをしたという錯覚にすら陥るのです。

4.買い物癖がある

買い物をしている時だけが、嫌なことを忘れられるというタイプの人は、自宅がゴミ屋敷化しやすい傾向にあります。新しく購入してばかりでは、どうしても自宅内にモノが溢れてしまうので、不必要なものは捨てていく必要があることを、普通は理解できます。

しかしながらゴミ屋敷の家主は、真逆の行動を当たり前のようにしていきます。「買い物癖」と「過剰なもったいない精神」を両方持ち合わせている人は、物がどんどん溜まっていき

少なくなることはないため、ゴミ屋敷化してしまうのです。

5.ゴミで孤立感を紛らわす

一人暮らしの高齢者世帯が増加しており、ゴミ屋敷の家主も一人で生活をしている人が多いです。切ない話なのですが「広い自宅にポツンといるよりは、ゴミでも物に囲まれていると気が楽」「ゴミでも寂しさが紛れる」という人も少なくありません。

久しぶりに帰省した実家がゴミ屋敷になっていると「どうして片付けないんだ!」「なぜ捨てないの?」と、家主を責めたくなる気持ちは分かりますが、ゴミ屋敷の根底に孤独や寂しさがあることをお忘れなく。

6.過労による過度なストレス

一人暮らしの高齢者だけではなく、中年、若者、女性の自宅がゴミ屋敷化するケースも見逃せません。

ゴミ屋敷は仕事が忙しいことによる過度なストレスが原因になることもあるのです。また、主婦だと、過度の育児ストレスと過労で鬱になり何に対してもやる気が起きないケースもあります。

これらの過労による過度なストレスによって、無気力状態となりゴミ屋敷になってしまう場合が多々あるのです。

7.ADHDでゴミを片付けられない

ゴミ屋敷の家主の中には、ADHD(注意欠陥・多動症候群)という障害をお持ちの人も多いです。ADHD(注意欠陥・多動症候群)になると、物事に集中することが難しくなったり、片付けなどの作業が苦手になるなどの症状が現れます。

厄介な点は自分がADHDであることに気づかないケースです。ADHDであることが分からないと、何が原因でゴミ屋敷化してるのか分からなくなり、対策を打つことが難しくなります。もしADHDの疑いがあるのであれば医師に診断してもらいましょう。適切な治療を行い改善できれば、ゴミ屋敷化することもなくなるでしょう。

なぜ放置してはいけない?ゴミ屋敷は近隣住民にも迷惑をかける

なぜゴミ屋敷を片付けない?近隣住民が迷惑に思ってる女性画像
(画像提供:PIXTA)

「人様に迷惑をかけるような生き方はしてはいけない」と育てられたはずなのに、実家がゴミ屋敷化して近隣住民が迷惑していることを知ると、子供としては切なくなりますよね。

「なぜ、うちの家族がゴミ屋敷の家主なんかに・・・」と嘆く前に、現実は現実として受け入れるべきです。いったいゴミ屋敷は、近隣住民へどのような迷惑をかけてしまうのでしょうか?

ホコリの蓄積による火災被害

ゴミ屋敷から火災が生じるケースは少なくありません。ゴミ屋敷ですからゴミは大量に出ていますが、それ以上に出ているのが「ホコリ」です。ゴミ屋敷から火災が発生する場合、考えられるのは火の不始末・放火・ホコリへの引火と言われています。

起こりやすいのが、長期間差し込んだまま放置しているコンセントにホコリが溜まって、そこから発火してしまうトラッキング火災です。ゴミ屋敷化するとコンセントやホコリに意識が行き届かなくなり、火災が引き起こされるリスクはとても高くなっています。

生ゴミ腐敗による悪臭被害

「なぜ捨てないの?」と何百回も聞きたくなるようなものが、ゴミ屋敷にはたくさんあります。カビが生えたたべもの、腐った野菜や果物、カップラーメンの食べ残しや空のカップなど、もうゴミの収集場のようです。

ゴミ屋敷の近くに住む住民がとても不快に感じているのが、生ゴミによる悪臭です。夏の暑い時期に窓を開けたいけれど、ゴミ屋敷から放たれる強烈な悪臭に耐えられないとの苦情も自治体に寄せられています。

生ゴミ放置による害虫被害

ゴミがあるところには、当然害虫が発生します。ネズミ・ハクビシン・ゴキブリ・ハエなどの害虫にとっては最高の住処となります。害虫はあらゆる病原菌を持っているので、人間の健康も脅かすような存在であることを深刻に捉えるべきです。

害虫獣はゴミ屋敷だけで発生するのではなく、それらの害虫獣が近隣住居に侵入して、更なる被害拡大に結び付くケースも増えているのです。

ゴミ屋敷を作らないために!事前にできる対策方法

ゴミ屋敷の対策方法
(画像提供:miya227/Shutterstock.com)

ゴミ屋敷を作らないためにできる事前の対策方法として「孤立を防ぐ」「片付けをするように説得する」「自治体に連絡する」の3点が挙げられます。そのまま放置してしまうと、手のつけようの無い状態になってしまうので、早めに実行しましょう。

1.定期的に連絡を取って孤独感を感じさせない

ゴミ屋敷を作らないためには「孤立させない」のも重要なポイントです。

パートナーと死別して孤独になると、掃除や洗濯など生活に関する全てのことにやる気を失ってしまいます。片付けをしないまま放置してしまうと、あっという間に家の中にゴミが溜まってしまいます。

ですので定期的に実家に帰省するように心がけることをおすすめします。もし忙しくて会いに行くのが難しかったとしても電話などで孤立感を克服できるかもしれません。孤立感を少しでも紛らわすことができれば、生きる気力も湧いてきて掃除や洗濯を再開するようになるかもしれませんよ。

2.片付けをするように説得してみる

ゴミ屋敷を作らないためには「片付けをするように説得する」という対策法が挙げられます。早めに説得しておくことで、手のつけようの無い状態になる前に片付けすることができます。

ただし、無理やり自分の親を説得しようとすると、かえって逆効果になる場合もありますので注意しましょう。親と口がきけなくなってしまい、片付けの説得がさらに困難になります。

実家の親にスムーズに掃除をしてもらうポイントとして「実家を無理やり掃除しようとしない」「親に実家を掃除するメリットを伝える」などが挙げられます。詳しい方法は実家の掃除で運気もアップ?親と仲良く片付ける方法で記載してますので是非ご覧になってください。

3.自治体に連絡して対応してもらう

ゴミ屋敷にならないよう片付けを説得しても応じない場合は、自治体に連絡するのも一つの手です。自治体に連絡することで担当のスタッフが家へ調査を行い、審査会で討論した後に管理不全かどうかが判断されます。もし、管理不全と判断された場合は、整理整頓するように指導し、必要に応じて勧告が行われます。

それでも「住居者が指示に従わない場合」や「危険である」と判断した場合は、自治体が強制的に対応を行います。その際にかかった費用に関しては、居住者が負担となります。

もし自分の親の家がゴミ屋敷になっていた場合は、自分の親に費用の請求が行き渡ります。強制対応レベルになる前に早めに自治体に連絡すると良いでしょう。

自治体の干渉にはハードルも

自治体が強制的に対応してくれるなら一安心となりそうですが、なかなか実行されるケースが少ないのが現状です。ゴミ屋敷の家主がゴミを自身の資産であると主張した場合は、家主以外の人間が勝手に処分することができないためです。誰が見ても、ゴミのように見えても、家主の意見が尊重されるケースが多く、自治体の強制執行が増えない理由の一つとなっています。

自力でゴミ屋敷の片付けが不可能なら業者へ依頼しよう

ゴミ屋敷の家主に「どうにかしてよ」とお願いをしても、解決できる可能性は低いでしょう。それができたら、ゴミ屋敷にはなっていませんものね。実家がゴミ屋敷になっていたり、自分が生活するスペースがゴミ屋敷になっていても、家族や自分の力で片付けられるのでしょうか?悪臭・害虫・火災の危険性など、リスクが非常に高い状況の中で、完璧に元通りにするには、プロの力が必要となります。そこで頼ってほしいのが不用品回収業者です。

業者に任せると安全!自分で片付けると身体的危険を伴う

ゴミ屋敷の片付けには「片付けの最中に、ゴミや荷物が上から落ちて怪我をする」「害虫に刺されたり病気を移される」「火災に巻き込まれる」などさまざまなリスクが存在しています。

他にもさまざまなリスクが伴いますので、ゴミ屋敷を自分で片付けると身体的危険を伴うことを理解しておかなければなりません。プロである不用品回収業者は危険性を十分に予想した上で、服装・道具・片付ける順番・人の配置などを考えて動きます。素人が片付けるリスクを考えると業者に依頼した方が安全なのです。

作業量が膨大

ゴミ屋敷にため込まれたゴミは、想像を絶する量となるケースがほとんどです。その作業量は当然膨大で、ゴミの運搬もトラックがなければとても終えられる量ではありません。トラックを手配でき、劣悪な環境の中膨大な作業を進める覚悟がある方ならば自身で進めることもできると思いますが、一般的には非常に難しく、業者に依頼するほうが手間を大幅に削減できます。

業者なら条例や法律にしたがって処分可能

大量のゴミを片付けていく場合、その度にゴミの分類が必要になっています。自分でやろうと思っても、なかなか処分方法まで完璧に守ることは難しいでしょう。しかしながら、プロの不用品回収業者であれば、条例や法律に従って、きちんと処分をしてくれます。

業者に依頼すれば片付けに手間がかからない

プロの不用品回収業者に片付けを依頼すると、お金はかかりますが、片付けに手間はかかりません。片付けといっても、ゴミ屋敷の片付けは並大抵の気持ちと労力では不可能です。

仕事を休んで、自らにふりかかる色んなリスクを受け止めて、道具を揃えておこなう必要があるからです。だからこそ、多くの人が不用品回収業者にゴミ屋敷の片付けを依頼しています。

ゴミ屋敷の片付けをプロに依頼する