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税理士の記帳代行とは?アウトソーシングの前に費用とメリットを確認

最終更新日: 2019年10月04日

事業を始めて間もない経営者にとって、経理の記帳は頭の痛い仕事です。そんなときに解決策の1つになるのが、税理士に記帳代行を依頼することです。このページでは、記帳代行とは具体的に何を依頼するのか、それにはどんなメリット・デメリットがあり、費用の相場はいくらなのかを、詳しく解説します。

この記事の監修税理士

記帳代行とは

記帳代行とは
記帳代行とは

業務が忙しくて記帳が追い付かない、経理知識が不足していて記帳の仕方が分らない、事業を始めて間もない経営者に共通の悩みですね。個人経営のときのように、納税申告の前にあわてて帳簿を整理するのでは間に合いません。そんなときに役に立つのが税理士に記帳代行を依頼することです。

記帳代行とは

記帳代行とは、請求書や領収書など会社のお金の出入りに関する記録(伝票)を税理士に渡して、現金出納帳や仕訳帳に記入してもらうことです。さらに、それに基づいて会社の経理の正規の主要簿である総勘定元帳を作成してもらいます。契約によりますが、税務申告や銀行からの借入れに必要な貸借対照表、損益計算書の作成は、一般的には記帳代行に含まれません。

書類(コピー)の受け渡しは月に1度程度、税理士あてに郵送するか、税理士が会社に受け取りに来ます。税理士からは、預かった資料に基づいて記帳された、総勘定元帳、請求書綴り、領収書綴りなどが、毎月届けられます。このような記帳代行の依頼によって、帳簿に記帳する時間がない、記帳業務のために本業に力を注げないという経営者の悩みを解消できます。

記帳にミスがあると税額計算に影響がでる

経営者が自分で簿記の記帳をすると、忙しさにまぎれて計上漏れやうっかりミスが生じがちです。とくに決算前にあわてて記帳するとミスが発生します。税務申告でミスが見つかると税務調査の対象になることがあり、税務署はミスが意図的であるかどうかに関わらず、売り上げの申告漏れは修正申告の対象となり、追徴課税が課せられますので注意が必要です。税理士に記帳代行を依頼すると、売り上げの申告漏れ等が防げ、税務調査のきっかけを作るような心配がなくなります。

記帳代行における業務内容

記帳代行における業務内容
記帳代行における業務内容

記帳代行を依頼された税理士の業務内容は、依頼主がどこまで伝票の整理や帳簿の記入をしてから渡すかで違ってきます。いわゆる「丸投げ」で伝票の束を渡すのと、ある程度整理や記帳がしてあるのとでは、税理士の業務内容や料金にも当然違いが出ます。

請求書、領収書、台帳の用意

税理に記帳代行を依頼するには、お金の出入りが分る伝票を税理士に渡す必要があります。伝票の主なものは、

  • 得意先への請求書と領収書
  • 仕入れ先からの請求書と納品書
  • 家賃、水道光熱費、交通費などの経費に関する領収書や伝票
  • 社員の給料振込みが記された預金通帳のコピーなどです。

また、これらの伝票類の他に、日々のお金の出入りを発生順に記録した台帳(日記帳)があれば、そのコピーも渡すことで税理士の記帳代行がスムーズになります。

帳簿作成に必要な書類の作成

税理士は、依頼主から渡された上記の伝票から、正式な会計帳簿の基になる現金出納帳と預金出納帳などを作成します。現金出納帳とは、文房具などの消耗品を現金で買ったときに記入する帳面です。銀行から現金を引き出したときも記入します。このような現金の出し入れをすべて発生順に記入するのが現金出納帳です。

預金出納帳とは、預金通帳に記帳されているお金の出入りが、何の目的でどこから入ったか、あるいはどこへ出て行ったかを記録しておく帳簿です。お金の流れを把握する上で大切なのはもちろん、不正なお金が出入りしていないことの証拠にもなります。

仕訳帳、総勘定元帳、合計残高試算表の作成

記帳代行を依頼された税理士はさらに、現金出納帳や預金出納帳を基に、仕訳帳、総勘定元帳、合計残高試算表を作成します。仕訳帳とは、1つの取引き(お金の出入り)を「借方」と「貸方」という2つの流れで記録する帳簿です。例えば、タクシー代を1,000円払った場合は、借方科目に「交通費」として、貸方科目に「現金」として、それぞれ1,000円と金額を記入します。

総勘定元帳とは、仕訳帳に記載した取引を交通費、消耗品費などの勘定科目ごとに分類して記載した帳簿です。仕訳帳とこの総勘定元帳が複式簿記の基本になるので「主要簿」と呼ばれます。

合計 残高試算表とは、総勘定元帳に記載されたデータが正しく、借方と貸方の数字が一致するか確かめるために作られる表です。決算のときに必要で、月次毎、または年度末に作成されます。

貸借対照表、損益計算書の作成

記帳代行を依頼された税理士は、契約によっては決算に必要な貸借対照表や損益計算書を作成します。貸借対照表とは、左側に資産の種類と額を、右側に負債の種類と額を記した一覧表で、バランスシートとも呼ばれます。経営の健全性を示すバロメータになる資料です。損益計算書とは、一定期間(多くの場合1年間)に会社にどれだけの利益あるいは損失が生じたかを計算した書類です。売上高、売上原価、法人税などの損益を記載して、最終的に「当期利益」を計算して記載します。

記帳代行の費用相場は?

記帳代行の費用相場は?

記帳代行の費用は税理士事務所によって違いますが、ざっくり言うと仕訳数(伝票の数)によって月に5千円から4万円くらいが相場です。税理士事務所では仕訳数による料金表をホームページなどに公表していますが、単に数字を見るだけでなく、そのサービス内容を確認する必要があります。

記帳代行料は仕訳数などで変わる

税理士による記帳代行料を決める目安になるのが「仕訳数」です。経理でいう仕訳とは、1つの伝票を借方・貸方に振り分けて記載することで、伝票の数が多いほど仕訳数も多くなります。また、どこから税理士に依頼するか(自分ではまったく帳簿を作らずに伝票だけ渡すなど)、どこまで依頼するか(決算書類の作成も依頼するなど)によって料金が違ってきます。一般的には「基本料金+仕訳数+オプション」が記帳代行の費用で、仕訳数の中に基本料金が含まれている場合もあります。また、何がオプションで別料金になるかは税理士によって異なります。

税理士事務所Aの相場

税理士事務所Aでは、手書き帳簿がある場合と領収書などの伝票を渡す場合(丸投げ)に分けて、次のような料金設定(月間・税別)になっています。

毎月の仕訳数 手書き帳簿 領収書など
50まで 6,500円 8,000円
100まで 10,000円 13,000円
200まで 17,000円 23,000円
300まで 24,000円 33,000円
400まで 31,000円 43,000円
500まで 38,000円 53,000円
500超 要相談 要相談

ただしA事務所では、会社設立1期目の場合は50%OFF、2期目は25%OFFの「創業応援割引」を設けています。また、従業員が5名以下で売り上げが3,000万円以下の会社は20%OFFです。

消費税の納税義務者は上記の金額に20%(簡易課税の場合は10%)加算されます。

税理士事務所Bの相場

税理士事務氏Bでは、会計ソフトを導入していてそのチェックを受ける場合と、伝票を渡す(丸投げ)の場合に分けて、次のような料金設定をしています。

毎月の仕訳数 会計ソフト導入 伝票を渡す
50まで 2,000円 4,000円
100まで 5,400円 7,200円
200まで 7,200円 14,400円
300まで 10,800円 21,500円
400まで 14,400円 28,800円
400超 50仕訳ごとに2,000円加算 50仕訳ごとに4,000円加算

初めての契約で、記帳代行を1年契約した場合は、最初の3ヵ月間は無料になります。仕訳数は毎月実数を数えるのではなく、最初の3ヶ月の平均数をその年の仕訳数として代行料を決定します。翌年からは前年度の平均を仕訳数とします。

税理士事務所Cの相場

税理士事務Cでは、依頼する会社が会計ソフトを導入することを条件に、記帳代行をサポートプランと、丸投げプランに分けて料金を設定しています。

毎月の仕訳数 入力サポートプラン 丸投げプラン
50まで 1,500円 3,000円
100まで 5,000円 10,000円
200まで 15,000円 20,000円
300まで 20,000円 30,000円
400まで 25,000円 35,000円
500まで 30,000円 40,000円
500超 別途見積り 別途見積り

サポートプランでは、依頼者が伝票類を渡すほかに、現金出納帳を作成する必要があります。丸投げプランでは依頼者が行なう記帳作業はなく、伝票類を渡すだけです。(売り上げ集計表の作成は必要)

会計事務所は資料を受け取ってから20日以内に納品しますが、急ぐ場合は最短5日で納品する特急プランがあります。その他に、「予算管理オプション」、「異常値レポートオプション」などのオプションメニューがあります。

記帳代行業者に依頼することもできる

記帳代行は、とくに設立して間がない会社にとって、本業に専念できる、会計上のミスが防げるなど数々のメリットがあります。上記のように、税理士事務所によって料金や代行の内容が異なります。記帳代行を依頼するときは、適正な価格で自社に合ったサポートを提供する税理士事務所を選ぶのが重要です。

また、記帳代行は税理だけが行なえる業務ですが、税理士資格がないにもかからわらず「記帳代行を請け負います」と謳う業者があるので注意が必要です。経理業務は会社の秘密情報を扱うので、守秘義務のない無資格者に依頼するのは非常に危険です。自分で税理士事務所を探すのが難しい場合は、優良事務所を紹介するインターネットのサイトを利用することもできます。

税理士に記帳代行を依頼するメリットは?

税理士に記帳代行を依頼するメリットは?

税理士に記帳代行を依頼するのは、とくに設立間もない会社にとって多くのメリットがあります。本業に専念できるだけでなく、ややもすると猪突猛進になりがちな経営に第三者のチェックが入り、大きなミスや逸脱を防ぐことができるからです。

記帳に使う時間を節約できる

創業1年目、2年目の会社にとって、経営者が経理の記帳に時間を取られるのは大きなマイナスになる場合があります。それが直接売上に結びつかない行為だというだけでなく、時間に余裕がなくなることで本業のアイディアが貧弱になることがあるからです。

また、法人になってすぐは会計の知識が不足しているので、自社で記帳しているとミスが発生する可能性が高くなります。記帳に使う時間を節約でき、ミスを防げる記帳のアウトソーシングは、とくに創業まもない会社にとって大きなメリットがあります。

顧問税理士を雇うより安く済む

顧問税理士を雇うと中小企業の場合でも、1ヶ月に1回か2ヶ月に1回の訪問でも、月に20,000円以上の顧問料を払うことになります。もちろんその顧問料に記帳代行は含まれていません。とくに新設したばかりの法人にとっては、顧問税理士にアドバイスを受けることより、スムーズに正しい記帳をすることがの納税申告上大切です。顧問税理士を雇うより安くそれができるのが、税理士への記帳依頼です。

税務担当者が退職しても大丈夫

小さな企業にとって、経理を任せていた税務担当者が退職するのは一大事です。業務の引継ぎに多大の時間がかかるし、退職してから不明な点が必ずいろいろと出てきます。新しい経理担当者を見つけるのは簡単ではないし、その教育にも多くの時間と労力がかかります。こんなドタバタを未然に防いでくれるのが税理士への記帳依頼です。

決算とセットで依頼すればなお安心

会社の決算前といえば「忙しい」の形容詞が付きものですが、記帳を依頼した税理士に決算書類の作成もセットで依頼すればスムーズに決算を乗り越えることができます。記帳代行とは別途の費用が発生しますが、決算前の超多忙と、忙しさにまぎれてのミスがなくなるメリットは小さくありません。

税務申告は税理士の独占業務

先ほども触れましたが、税務申告は本人以外は税理士の独占業務で、資格のない他人に依頼することはできません。また、税理士に依頼することによって、会社にとっての最大のプライバシーである経理情報が第三者に漏れるのを防げるメリットがあります。

節税対策になる

税理士への記帳代行の費用はもちろん経費として認められるので、節税対策の1つになります。また、記入漏れなどがない正確な記帳をすること自体が、正当な節税につながります。

税理士に記帳代行を依頼するデメリットは?

税理士に記帳代行を依頼するデメリットは?
税理士に記帳代行を依頼するデメリットは?

税理士への記帳代行のアウトソーシングにはメリットだけでなく、デメリットもあります。記帳代行のみを依頼した場合に考えられることを確認してみましょう。

自分で数字を把握できるようにならない

丸投げで記帳を依頼していると、経営者が自分で数字を把握できるようにならないというデメリットがあります。
また、毎月税理士から届けられる資料を見るのでは、リアルタイムのお金の動きを把握できず、経営判断が遅れる可能性もあります。節税対策などもその分後手に回ることになります。

税務相談ができない

税務相談と記帳依頼は別の業務なので、記帳依頼の料金のみで税務相談をすることはできません。

税務調査対策が不十分

税務調査が入ったときに税理士が立ち会うなどは、顧問税理士の仕事で、記帳代行の範囲から外れます。しかし、税理士に依頼してミスのない記帳をすることで、税務調査が入る可能性を低くすることができます。

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監修税理士のコメント

菅野歩税理士事務所 - 宮城県仙台市宮城野区

国の税金は、納税者一人一人が、所得の申告を行うことにより確定した税額を自ら納付する申告納税制度を採用しています。しかし納税者の多くはサラリーマンであり、勤務先が本人に代わって税額計算をするため、ほとんどの方が確定申告の経験がないのが実情です。 独立して開業された方、法人を立ち上げられた方にとっては、日々の記帳から申告・納税までの流れをつかむには大変苦労される事でしょう。 記帳代行を依頼した税理士に、決算書・申告書作成も併せて依頼する事でその大半は解決されます。また経営に対する財務、税務面からのアドバイス、資金調達など様々なサービスが得られるはずです。ぜひお近くの税理士にご相談下さい
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