ミツモアロゴ
ミツモアメディア

【税理士監修】個人事業主に税務調査が入る確率や対象になりやすいのは?

最終更新日: 2019年09月19日

「税務調査というものは、個人事業主には来ない。調査されるのは法人だけ」という話を聞いたことがあるかもしれません。これは都市伝説どころか、真っ赤な嘘です。

確かに、法人(会社形態)に比べれば、個人事業主に税務調査がやってくる確率は低いかもしれません。しかし、個人事業主への税務調査は確実に行われています。

ここでは、個人事業主へ税務調査が入る確率とともに、調査されやすいタイプの人にも触れてご紹介していきます。

この記事を監修した税理士

公認会計士・税理士 宮澤 明宏 事務所 - 神奈川県横浜市青葉区

宮澤明宏(みやざわあきひろ)公認会計士・税理士・相続診断士 宮澤明宏(神奈川県横浜市青葉区)1976年 愛知県丹羽郡出身。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。2018年11月税理士登録。税理士登録後、ミツモアを通じて半年間で20件以上の確定申告業務を受託。デザイナー、一人親方、小売、ITエンジニア、不動産業等、多様な業種のお客様に対して丁寧なサービスを提供している。また、相続診断士として活動しており、エンディングノートの書き方セミナーを通じて「生前から相続へ備えることの大切さ」を多くの人に広める活動を行っている。
ミツモアでプロを探す

個人事業主に税務調査が来る確率

個人事業主に税務調査が入る確率は?

国税庁は税務調査についても、ある程度の情報を公開していて、その中に「税務調査を受ける割合(実調率)」という確率があります。

実調率は以下のように算出されます。

税務調査を受ける割合(実調率)=税務調査件数÷調査対象の法人・個人の数

個人事業主への実調率は1.1%

法人全体での実調率は約3.2%なので、個人事業主の調査の確率は、法人の三分の一ということになります。つまり、計算上では法人に対しての調査は約30年に一度、個人に対しての調査は約90年に一度です。

この”確率”から、「個人には滅多に調査が来ない」が「個人には来ない」と独り歩きして、根拠のない噂になったのかもしれません。

(実調率のデータ参考元→税務行政の現状と課題−国税庁

税務調査がくる頻度は?

税務調査がくる頻度は、会社の規模や業種などによってまちまちであるため一概には判断できません。

ただし指摘を受けたことがある個人事業主は、再び税務調査を受ける確率が高まります

特に、過去に不正に対して重加算税が課されていると、今後も不正を起こす可能性が高いと認識され、1回目の税務調査の数年後、という短いスパンで再び調査される確率が上がります。

一方で、指摘事項を確実に改善する姿勢がみられる個人事業主は、「二度と同じ過ちを繰り返さないだろう」と見込まれ、二度目の税務調査までには時間をおかれる確率が高いと言えます。

また、後に述べるマークされている業種も、他の業種に比べて調査の頻度は高くなっています。

つまり、90年に一度 という税務調査の確率は、全業種を含み、再調査も含んでいる為、マークされていない業種は、もっと確率が低いと言えます。

税務調査の対象はどんな人?

税務調査の対象になりやすい人がいる!?

さて、個人事業主に税務調査が来る確率は低いことを述べました。

しかし、「マークされている業種」について触れましたように、”得意先 “(調査を実施する相手)を絞って税務調査をしているのは事実であり、調査されやすい業種、あるいは調査されやすい事業主の特徴は存在しています。

指摘という”売上”をあげる必要がある中、一年間で調査に使える時間が限られているので、調査に行って空振りがないよう、狙いを定めて効率よく税務調査を実施していると言えます。

対象になりやすい業種

それでは、実際のデータで見てみましょう。

1.不正発見割合の高い10業種(平成28年度)

業種不正発見割合
①バー・クラブ62.5%
②外国料理45.3%
③大衆酒場、小料理37.7%
④廃棄物処理30.5%
⑤自動車修理28.9%
⑥土木工事(道路,下水道,宅地造成工事など)28.9%
⑦パチンコ28.6%
⑧貨物自動車運送(運送業)27.1%
⑨職別土木建築工事26.2%
⑩管工事(冷暖房,冷凍,空調,給排水 ・給湯設備工事など)26.2%

データ参考元→国税庁

2.事業所得を有する個人の1件当たりの申告漏れ所得金額が高額な上位10業種(平成28年度)

業種1件あたりの申告漏れ所得金額1件当たりの追徴税
(含加算税)
1 風俗業2,083万円519万円
2 キャバレー 1,667万円318万円
3 プログラマー 1,178万円175万円
4 畜産農業(肉用牛)1,150万円179万円
5 防水工事1,109万円191万円
6 ダンプ運送1,097万円132万円
7 型枠工事1,015万円160万円
8 特定貨物自動車運送1,007万円129万円
9 解体工事998万円144万円
10 とび工事972万円145万円

データ参考元→国税庁

税務署は、これらの業種を「脱税や申告漏れが多いと見てマークしている」と公表しているも同然でしょう。

次に、個別の特徴かマークされやすいケースをご紹介していきます。これらの特徴をもつ個人事業主の業種が、税務調査の対象になりやすい業種でなくても、税務当局は「いつかは税務調査にいくリスト」に入れている確率が高いといえます。

売上高が大きい場合

まず、売上の金額規模が大きくなれば、同じ一つの指摘事項でも修正金額は大きくなります。その結果、調査官の”売上”が増大する可能性は高くなります。したがって、売上が大きい事業主のところへは、「そろそろ調査に行って確認してみよう」というモチベーションになります。

また税務署は、業種ごとに「売上と利益金額(利益率)の年度ごとのデータ」との比較を毎年行っています。同じ業種と比較して極端に利益率の低い個人事業主には「経費を水増ししているのではないか」という疑念から調査する可能性が高まります。似たような観点から、売上高や所得金額の変動が大きい個人事業主に着目される確率も高いと言えます。

現金商売をおこなっている場合

税務調査では、決算書とともに銀行取引推移も調査します。

よって、銀行口座に入金された売上代金を決算数値から除外しても、すぐに発覚します。

しかし、現金商売については次のような傾向があるため、税務署は「何かあるかもしれない」と予測して、調査をするモチベーションになります。

  1. 銀行という第三者が作成した預金通帳とは違い、「現金出納帳」や「レジのデータ」からは、意図的に売上が除外される可能性がある。
  2. 従業員への給料を現金の手渡しで行うと、お金の流れを客観的に見るのが難しくなる。
  3. 消費者相手の売上では、企業同士の取引とは違って注文書や請求書を発行・入手することがない。この点から、売上や費用を正確に記帳しない行動に繋がる恐れがある。

風俗業(申告漏れ1位)、キャバレー(申告漏れ2位)、バー・クラブ(不正1位)、飲食店(不正2、3位)の他、美容室やサロンなどは、現金商売の代表例ですが、実際に税務調査を受けた結果も、申告漏れや不正が多数見つかっています。

税務調査を受ける確率が高いのは当然と言えるかもしれません。

そもそも無申告の場合

「事業を営んでいるのに、税務申告をしていない」というのは、例えて言えば”無免許運転”のようなものでしょう。

業種としては、いわゆる一人親方の管工事(不正の10位)、解体工事(申告漏れ9位)、とび工事(同10位)が多いようです。

税務署が法人の税務調査を行う際には、常にその企業の支払先であるフリーランスや個人事業主の名前・住所・銀行口座・入金額の情報を収集して蓄積しています。入金額の大きいフリーランスや個人事業主については「年度別入金金額」を把握していることは間違い無いでしょう。

税務申告をしなかったり、売上を実際より少なく申告しても、必ず税務署は発見してくるので適正な申告をしましょうね。

売上がずっと1000万円以下ギリギリの場合

消費税法上の「課税業者」の基準は、年間売上が1000万円を超えていることです。換言すると、売上が1000万円以下の場合は、客先から消費税を徴収しても納付する義務がありません(これを益税と言います)。

しかし売上が1100万円になったとすると、課税仕入が400万円で、課税の経費が100万円の場合、600万円×8%=48万円の消費税を納付する義務が発生します。

この消費税分を脱税するために、売上の一部を隠して900万円台に少なく見せかける、という手法をとる事業者も存在しています。

「売上を隠す」というのは古典的な脱税の手口であり、税務署は「脱税を発見するテクニック」を何十年もの間、有形無形で引き継いできています。それゆえに、古典的な手口ほど税務署は発見する術に長けているでしょう。

売上の除外・無申告・費用の水増しといった「単純な脱税行為」の兆候は、税務署からすれば税務申告書が提出された段階から、ある程度掴んでいると言えます。

したがって、上述した業種以外かつ、脱税行為を行っていない場合には、税務調査を受ける確率は低くなる傾向があると言えるでしょう。脱税行為は、全て重加算税の対象として、金銭的ペナルティが大きくなります。

税務調査に不安があれば税理士にご相談を!

確定申告について相談ができる窓口
税務調査の不安は税理士に相談するのが確実です!

「税務調査」と聞くだけで、まるで裁判の判決を待つ被告人かのように恐れる個人事業主がいる、という話を聞いたことがあります。脱税をしている人にとってはまさに裁きを待つ心境でしょう。

しかし、確定申告を誤魔化したりしていなければ、税務調査はそのように恐れる必要はまったくないものです。税務調査官に対して、納税者の代弁者になってくれる「税理士」にお願いできること、そしてお願いするメリットについてお話しします。

税理士にお願いできること

一般的な税理士であれば、税務調査のために以下のようなことをしてくれます。

税務調査の日程調整
一般的には、税務署から事業主に調査予定日の事前通知が入る
この際、税務調査に顧問税理士が立ち会うことを伝えれば、これ以後の日程調整(調査官・税理士・事業主の三者の都合がつく日程)は、顧問税理士に対応を依頼できる。
必要書類の準備・確認と、準備不足の指摘・是正 事前に帳簿などを確認し、質問されやすそうな項目や弱点についても検討してもらえる
調査当日の立会い・質疑応答の代行 税務調査に立会い、調査官からの質問に納税者の代理として答えてくれる

また、調査官の指摘の妥当性を税法に照らし合わせて判断してもらえる

修正手続きの代行  税務調査の結果、修正申告が必要になった場合は、修正手続きを代行してもらえる

税理士をつけるメリットとデメリット

税務調査に際して税理士をつけるデメリットは、「税理士報酬が発生する」ということ以外にはほとんど考えられませんが、メリットは以下のようなものが挙げられます。

  • 適切な納税を手伝ってくれる
確定申告や節税対策を自らの判断のみで行おうとすると、どうしても手間がかかる上にミスも発生しやすくなります。
そこで、税務のプロである税理士にお任せすることで本業に専念できるだけではなく、ミスがあった場合に課される追徴課税の支払いも未然に防ぐことができます。
  • になる
調査官が話すような専門用語をすべて理解するのは、至難の業です。難しい用語に負けて慌ててしまったり、あらぬ回答をしてしまうこともあり得ます。税理士であれば基本的に、税務署員と同じ用語での会話が通じますし、代わりに答えてくれますから、安心できます。
  • 調査官が税理士に敬意を示す
これは、検察官や裁判官が弁護士に敬意を示すのと似ています。単独で取り調べをうけるか、弁護士に同席してもらうかの差のようなものでしょう。
  • 不当処分を回避できる
確定申告の内容にミスがあるとの判断が下された場合、対象納税者には追徴課税の支払いが課されることになっています。
仮に調査官からの不当なもしくは誤った指摘があった場合でも、税理士が立ち会うことで法令に基づく説明・交渉が可能となり、不要な追徴課税の支払いを回避しやすくなります。
  • 調査官の真意を見抜ける

刑事ドラマでの「誘導尋問」とまではいかなくても、調査官は変化球的な質問をして納税者の本音を聞き出そうとすることが多々あります。こうした時、経験豊富な税理士であれば、調査官が何を聴取しようとしているか、どんな回答が望ましいかが判ります。

そして、調査官の様を見ながら、指摘のイントと金額について、験則から把握できることが多いです。

  • 証人になりうる

ドラマでの取り調べのシーンとまではいきませんが、指摘を受けるような段階では、税務調査官から「そんな説明は聞いたことが無かったから、この処理を認める訳にはいかない」などと言われる事態も起こりえます。

そんな時、常に税理士が同席していれば、「それは〇月〇日に、事業主からご説明済だ」と、第三者としての証言をしてくれます。

  • 調査官としても、税理士という通訳が居ることを歓迎する場合がある

要求が素早く伝わる「時短」の効果にもなる為です。

監修税理士のコメント

公認会計士・税理士 宮澤 明宏 事務所 - 神奈川県横浜市青葉区

「税務調査」と聞くと出来るだけ避けたいと思う人がいますが、過度に不安になる必要はありません。税金の申告・納付をルールに基づいて正しく行っているのであれば、たとえ税務調査を受けたとしても、その内容を説明して調査官に納得してもらうことが大切です。しかしながら、税金の仕組みは複雑で専門的な用語や取扱いが多いため、税理士を活用するとよいでしょう。普段から顧問税理士と良好な関係を構築し、税務調査が突然来た場合でも、困ることがないように備えておくことが必要です。
ミツモアでプロを探す

ミツモアで税理士を探そう!

ミツモアでプロを探してみよう!
ミツモアで税理士を探そう!

税理士とのお付き合いは、そのときだけのものではなく、長期間に渡るものです。だからこそ、費用だけでなく、相性や対応の誠実さも、事前に十分に確認しておきたいですね。

そんな税理士選びにおすすめなのが、全国の税理士が登録しているマッチングサイト「ミツモア」です。地域と依頼したい内容に応じて、まずは見積もりが確認できます。その後、メッセージでのやりとりで担当業務の範囲やオプションなどを確認できるので、面談するのと同じように、税理士の人柄が見えてきます。

簡単!2分で税理士を探せる!

ミツモアなら簡単な質問に答えていただくだけで2分で見積もり依頼が完了です。

パソコンやスマートフォンからお手軽に行うことが出来ます。

最大5件の見積りが届く

見積もり依頼をすると、税理士より最大5件の見積もりが届きます。その見積もりから、条件にあった税理士を探してみましょう。税理士によって料金や条件など異なるので、比較できるのもメリットです。

チャットで相談ができる

依頼内容に合う税理士がみつかったら、依頼の詳細や見積もり内容などチャットで相談ができます。チャットだからやり取りも簡単で、自分の要望もより伝えやすいでしょう。

税理士に依頼するならミツモアで見積もり依頼をしてみてはいかがでしょうか?

ミツモアで見積もってみる