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個人事業主と法人、独立するならどっち?5つのメリットを解説!

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最終更新日: 2019年03月08日

会社員から独立して開業するには「個人事業主」「法人」2つの選択肢があります。どちらも言葉は聞いたことがあるとは思いますが、税金や設立費用などに大きな違いがあるのはご存知でしょうか。

本記事では、個人事業主と法人について「税金」「設立・ランニングコスト」「社会的信用力」などさまざまなポイントから、両者を比較します。

どちらを選ぶか、比較検討した上で適切な選択をしてくださいね。

個人事業主と法人の違いは?

これから個人事業主になることを検討する男性
個人事業主と法人の違いって?

個人事業主と法人の違いは事業を営む形態の違いです。しかし、起業する方にとっては事業形態が異なるだけではなく、各種手続きや課せられる税金の種類まで異なるのでその違いをしっかりと把握しておかなければなりません。まずは、簡単に個人事業主と法人の特徴を確認してみましょう。

個人事業主とは

個人事業主とはその名の通り、「個人で事業を営む事業者」です。厳密には、法人との雇用契約等を結ばずに反復して継続される仕事(事業)を営む個人のことを指しており、「個人」という名はついていますが、従業員を雇って事業を行うこともできます。

法人と比べると開業などの手続きが容易で、誰にでも簡単に始められる事業形態です。この個人事業にかかる代表的な税金は所得税で、確定申告時期に事業所得に係る所得税の確定申告で所得税額を計算します。

法人とは

法人とは、登記によって国に存在を認められた会社であり、「株式会社」や「合同会社」などの事業形態で運営されます。

個人事業主よりも社会的信用度の高い存在ではありますが、個人事業主と比べると手続きが複雑な傾向にあり、簡単に設立や廃業することはできません。法人に課せられる代表的な税金は法人税で、法人が任意で定める会計期間に基づいて法人税の計算が行われます。

開業時に個人事業主を選択する5つのメリット

個人事業主の顧問税理士
開業時に個人事業主を選ぶ5つのメリットを解説!

開業時に個人事業主を選択するメリットはさまざま。やはり、個人事業主は法人と比較すると手続き等が簡単な傾向にあり、法人よりも開業に関するハードルは低くなっています。ここからは、具体的に個人事業主で開業した場合の5つのメリットを確認してみましょう。

メリット①開業届の提出だけで始められる

個人事業主は所轄税務署へ「個人事業の開業届出」を事業開始の日から1か月以内に提出するだけで事業を始めることができます。

税制面の優遇を受けられる「青色申告」の適用を受ける場合は「所得税の青色申告承認申請書」の提出も必要ですが、基本的には開業届の提出のみで事業を開始することが可能です。

一方、法人は同様に「法人設立届出書」を所轄税務署に提出しますが、その前に法人の設立登記を行わなければなりません。他にも、定款の作成、認証や法務局への登記申請など、煩雑な手続きが必要です。

関連記事:個人事業主として登録するには開業届の提出だけ!記入方法を解説

メリット②開業のコストが安い

個人事業主は開業の手続きが簡単なだけでなく、開業のコストもほとんど不要です。実際に税務署へ開業届出を提出するだけなので、郵送であれば切手代、持参であれば交通費などの費用だけで済みます。一方、法人は設立登記の際に定款に掛かる収入印紙¥40,000や定款認証の手数料¥50,000、登記申請に掛かる登録免許税(株式会社の場合は資本金の額の0.7%)などの費用が必要で、少なく見積もっても10万円以上のコストが発生します。

メリット③維持コストがかからない

個人事業主は維持コストも一切かかりません。例えば、一定期間個人事業を休止していて収入がない場合や事業が赤字の場合は事業に関する税金の支払いが不要です。しかし、法人は事業を休止したり(注1)、赤字が出ている場合でも都道府県と市区町村へ均等割と呼ばれる税金を払わなければなりません。最も規模が小さい資本金1千万円以下、従業者数50名以下の法人でも都道府県と市区町村を合わせて¥70,000の均等割を納付する必要があるのです。

(注1)休業届を提出している場合は均等割が免除となる自治体もあります。

メリット④廃業時の手続きも簡単

個人事業主は廃業する時の手続きも簡単で、所轄の税務署に「個人事業の廃業届出書」と都道府県税事務所に事業廃止に関する届け出を提出するだけです。一方、株式会社の場合は株主総会で解散決議を行えば会社を解散することはできますが、法人格を消滅させるためには会社に残った債権や債務を整理する清算手続きが必要になります。

関連記事:個人事業主が廃業時に提出する書類一覧|廃業時の確定申告は必要?

メリット⑤社会保険の加入が必須ではない

個人事業主は、法律に定められた社会保険の適用業種に該当していても、常時雇用する従業員が5人未満であれば社会保険に加入する必要はありません。

一方で、法人の事業所については従業員数に係わらず役員報酬や給与を受け取っている人がいれば社会保険の強制適用事業所となり、社会保険に加入しなければなりません。社会保険に加入すると社会保険料の半額は事業主の負担となるので、法定福利費などの費用が増えることになります。

開業時に法人を設立する5つのメリット

法人の顧問税理士
開業時に法人を選ぶ5つのメリットを解説!

法人として開業する場合、対外的な信用が高まるというメリットがあります。また、法人限定の税法上の特典を受けられることや会計処理により個人事業主よりも有利に事業を展開することも可能です。こちらでは、個人事業主よりも法人で開業するほうがメリットのある点について確認していきましょう。

メリット①社会的信用力が高い

法人で事業を開始すると個人事業主よりも社会的信用力が高まります。前述の通り、個人事業主は税務署への届け出1枚で事業を開始できますが、法人は設立登記などの手続きを経て国から法人として認められた存在です。

登記を行った法人には「法人格」が認められ、その法人の名前で契約を締結するなどの法律行為ができるように。そのため、一般的には個人事業主より信用力が高いと考えられています。

銀行などの金融機関に対する信用だけでなく、企業間取引における信用力も高まる点は事業を展開する上で大きなメリットです。

メリット②決算月を選択できる

法人は設立時に決算月を任意で選択することができます。個人事業主は所得税の計算期間である1月から12月の1年間が事業年度と決められていますが、法人は12か月を超えない範囲で任意に事業年度となる会計期間を定めることが可能です。

このことにより、繁忙期を避けて決算月を選択することができます。また、決まった時期に大きな売上や利益が発生する事業形態の場合は、その時期を事業年度の始めになるように決算月を選択することで、余裕を持った設備投資や節税対策を行うことも可能となるのです。

メリット③生命保険や退職金も経費に出来る

法人の支払った生命保険料(注2)や退職金は経費として落とすことが可能です。なお、個人事業主が生命保険料を支払った場合は経費にはなりません。生命保険料控除という所得控除を利用できますが法人と比べると節税効果はかなり弱くなります。また、個人事業主は本人や家族などの事業専従者に退職金を支払っても経費とは認められません。一方、法人が支払う退職金は不相応に高額でない限り全額経費にすることができ、退職金を受け取る側も退職所得控除などの税制上の優遇を受けられることは大きなメリットです。

(注2)解約返戻率の良い資産性の高い生命保険などは全額経費にならない場合があります。

関連記事:知りたい!個人事業主の必要経費、何をどれくらいの割合落とせるの?

メリット④赤字を9年繰り越せる

法人は青色申告をしていることが前提となりますが、赤字を最大9年間繰り越すことができます。繰り越した赤字は翌年以降で利益が出たときに控除できる税制上の大きなメリットのある制度です。

個人事業主も、法人と同様に青色申告をしていることが前提で赤字の繰り越しが可能となりますが、最大3年間しか繰り越しできないため、法人よりもメリットは少なくなっています。

メリット⑤経費に出来る範囲が広い

法人は個人事業主よりも経費にできる範囲が広い場合もあります。例えば、事業主本人の自宅を法人が社宅として借り上げた場合はその家賃を経費にすることも可能です。

ただし、この場合は一定額を会社が事業主から家賃として受け取っておかなければ会社の支払った家賃の全額が役員に対する給与とみなされるので注意してください。なお、個人事業主も自宅を事務所として使用している場合は一部を経費とすることもできますが、事業に使用している割合だけしか経費として認められません。

事業主本人や家族に対する社会保険料の事業主負担部分も法人では法定福利費として費用にできますが、個人事業では必要経費にできません。個人事業主は社会保険料控除として、確定申告の際に所得から控除することになります。

個人事業主と法人はどちらがいいの?

個人事業主と法人のメリット・デメリットをまとめると以下の表のようになります。

 個人事業主法人
開業手続き開業届の提出
設立登記が必要
開業コスト
ほぼ不要
最低10万円~ 資本金額によって高くなる
維持コスト
なし
地方税最低7万円
廃業手続き廃業届の提出
清算手続きが必要
社会保険
従業員5人未満は任意加入
給与や報酬の支払いがあれば強制加入
社会的信用力
一般的に法人よりも劣る
個人事業主よりも高い
決算月
12月
任意で決定
生命保険料
所得控除
基本的に経費で落とせる
退職金
事業主や家族への退職金は経費にならない
全額経費
欠損金の繰越
3年(青色申告が前提)
9年(青色申告が前提)
事業主の家賃事務所使用割合のみ全額経費(一部家賃で徴収)

小規模な事業の場合は、個人事業主の方が開業や廃業の手続きが簡単なので新規事業としてチャレンジしやすいのは事実です。

しかし、事業規模や事業の展望も含めた個別事情も考慮したうえで個人事業主か法人の形態を選択することが最良の方法となります。

個人事業で売上が順調なら「法人成り」の検討を

個人事業主と法人はそれぞれ事業開始時のメリットもデメリットも存在しています。どちらが有利になるかは事業の状況や形態によっても異なるので断定することは不可能です。しかし、一般的に開業して間もない頃は売上も少ないため、最初は個人事業主として起業して、業績が順調であれば法人を設立(法人成り)するという選択肢もあります。

一定以上の所得があると法人の方が税金が安くなる

個人事業主と法人では一定以上の所得があると法人の方が税金が安くなる傾向にあります。これは個人事業主に課される所得税と法人に課される法人税の税率が原因です。まずは所得税と法人税のそれぞれの税率を確認してみましょう。

所得税

所得税額 一覧表 出典:国税庁
所得税率・控除額 一覧表 出典:国税庁

法人税

法人税率 一覧表
法人税率 一覧表 出典:国税庁

上記2つの表を見比べると一目瞭然ですが、最高税率が法人税は23.2%なのに対して所得税は45%です。

所得税の計算では控除額を差し引く必要もありますが、税率の違いにより所得税と法人税は所得が大きくなればなるほど所得税が高い傾向になります。

もちろん、法人には法人税以外にも法人住民税や法人事業税が課され、個人事業主には所得税以外に住民税や個人事業税が課されます。

これらの税金も考慮すると、所得税と法人税ほどの大きな差ではなくなりますが、やはり所得が大きくなるほど個人事業主の税負担が重くなることは顕著です。

事業税や住民税の計算は割愛しますが、所得が大きくなればなるほど個人事業主よりも法人の方が税金の負担が軽くなるということを理解してください。

「法人成り」で消費税の納税を遅らせることができる

個人事業主が法人化する「法人成り」で消費税の納税を遅らせることもできます。個人事業を営んでいる場合、前々年度の課税売上高が1,000万円を超えると消費税の課税事業者となり消費税の納税が必要です。

例えば、2018年度の課税売上高が1,000万円を超えた場合は2020年度から消費税の課税事業者となり、消費税の納税が必要になります。

ここで、消費税の課税事業者となる2020年の1月から法人化(決算月を12月)した場合、新設法人は最初の2期が納税免除される規定によって2021年12月まで消費税の免税事業者となります。

結果として、法人化してから2年が経過する2021年度末まで消費税の納税を遅らせることが可能です。このように、売上高に応じて消費税の課税事業者となるタイミングで個人事業主から法人化することも重要な選択肢の一つです。

法人化を検討する分岐点

法人化を検討する分岐点は以下の2通りです。

①事業所得(事業収入-必要経費)が600万円を超えるとき

②課税売上高が1,000万円を超えるとき

②については、上記で説明した通りです。①の事業所得が600万円を超える場合の詳細については、下記を参照してください。

関連記事:個人事業主が法人化する分岐点は?節税メリットも解説!【税理士監修】

一般的に、上記①と②を共に満たす場合は事業もある程度軌道に乗り、事業の拡大も検討し始める段階にあります。税金面からの判断だけでなく、取引拡大における信用力の強化や資金調達の側面からも法人化を検討する良いタイミングです。

もちろん、法人化のタイミングについてはケースバイケースで、個別の事情を考慮しなければベストなタイミングを判断することはできませんが、参考になる一つの目安として①と②の分岐点を捉えてください。

税理士コメント:法人化の分岐点はケースバイケース

最初に個人事業主として開業し、所得(売上)的に税制メリットが生まれてくる段階で、法人化するのは有効な手段です。では、法人化するとしたら、所得がどの程度まで伸びた段階で検討すべきでしょうか。埼玉県で税理士事務所を営む、小村先生の見解をご紹介します。

法人化の分岐点は業界ごと、事業者ごとに異なります

小村税務会計事務所 - 埼玉県さいたま市緑区

埼玉県に事務所を構え、法人化や相続からコンサルティングまで、幅広い案件に対応。クライアントへ真摯に接する人柄が評判を呼び、県外からも多くの依頼が殺到する。
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「個人事業主が法人化する分岐点の1つである事業所得600万円は、あくまで目安。実際に法人化した方が良いかどうかはケースバイケースです。

業種による経費率によっても異なりますし、親族を役員として雇用している場合は支払う報酬額によっても異なります。心配な方は、一度税理士に相談されることをおすすめします。財務状況や事業の見通しから判断して、法人化した場合のメリット・デメリットをお伝えできるはずです。」

個人と法人、設立時に迷ったら税理士に相談を

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開業後も節税や確定申告の相談を気軽にできる

税理士には開業後も節税や確定申告の相談を気軽にすることができます。開業後も初めて経験する様々な手続きや処理が必要になりますが、プロの税理士に適切な処理方法を確認することが可能です。また、開業後に初めて迎える決算と言う事業の節目でも、節税や確定申告の相談が気軽にできる税理士の存在は非常に心強いものです。特に、事業を拡大していく局面では節税だけでなく資金繰りや資金調達の問題も発生するので、全ての状況を把握している税理士がいると的確な分析に基づいたアドバイスを受けることもできます。

法人化のタイミングも教えてくれる

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