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レンジフードに付ける「整流板」とは?効果や清掃方法を解説

最終更新日: 2022年02月26日

「整流板(せいりゅうばん)」とは、レンジフードを見上げた位置についている平らな金属製の板のこと。一見換気扇におおいかぶさって空気の流れを妨げているように見えますが、実は整流板があることで換気扇の吸引力が向上しているのです。

この記事では、整流板の仕組みやメリット、お手入れの方法を解説します。

レンジフードについている整流板とは?役割とメリット

整流板とはレンジフード(キッチンのコンロ上にある換気扇設備)の真下に付いている金属製の板。近年建てられた住宅のレンジフードには設置されていることが多いです。

これがどんな目的で付けられた部品なのかよく知らない方もいるのではないでしょうか。

整流板の役割と仕組み

整流板の有無による空気の流れの違い

整流板があると、換気扇が調理中の煙やにおいを取り込み吸収する効率が大幅に上がります

大きな板が手前についているので、一見換気扇の吸込み口をふさいで空気の流れを妨げているようにも見えますが、実はあえて空気の通り道を狭くすることで、空気の流れる勢いを加速させているのです。

結果として、整流板がない場合と比べて煙やにおいの吸収スピードや吸収量が大きく向上します。

整流板を取り付けるメリット

整流板がついていることによるメリットは主に以下の2点です。

  • 換気の効率が高く、キッチンのにおいが残りにくい
  • 換気扇本体の油汚れを防ぎ、掃除をラクにす

前述の通り、整流板があるとレンジフードの換気効果が上がります。整流板がついていないレンジフードと比べて、調理をしたあとの油煙やにおいが格段に残りにくい仕組みになっています。

また、整流板がついていることで、油や煙による汚れが整流板に付着し、その奥にあるフィルターや換気扇が汚れにくくなるというのも大きなメリットです。

整流板が付いていないレンジフードの場合、換気扇に油や煙による汚れがつきやすいです。汚れがたまると吸引力が下がるだけでなく、害虫を呼び寄せたり換気扇の寿命を縮めたりしてしまいます。

換気扇を長持ちさせるには定期的にフィルターと換気扇を取り外して大がかりな掃除をしたいところです。ただし整流板があれば油と煙を受け止めてくれるので、こまめに掃除をするのは整流板だけでよくなり、日頃のメンテナンスがとても楽になります。

整流板はいる?いらない?

特に整流板があることによるデメリットはないので、これからレンジフードを設置するなら整流板のついたタイプがおすすめです。

ただし、整流板のないタイプでもまったく換気できないわけではありません。現在のレンジフードに整流板だけを取り付けるのは難しく、レンジフードごと取り替えるとなると一定の費用がかかってしまいます。レンジフードが古くなったタイミングで、整流板つきのものに交換を検討すれば十分でしょう。

整流板の掃除方法

整流板の掃除方法について解説します。準備するものや、掃除の仕方の一連の流れについて詳しく見ていきましょう。

準備するもの

掃除に取りかかる前に、あらかじめ以下のものを用意しておきましょう。

  • セスキ炭酸ソーダ水
  • スプレーボトル
  • 乾いた布やキッチンペーパー
  • ゴム手袋(あると便利)

整流板に付着するのは、多くが調理中に発生した油汚れです。油汚れはアルカリ性の洗剤を使うとよく落ちるのですが、油汚れ用の洗剤には刺激の強いものも多いです。

今回はアルカリ性かつ環境にもやさしい「セスキ炭酸ソーダ水」を使用してみましょう。ドラッグストアなどに売っている「セスキ炭酸ソーダ」を水で溶かすだけで作れます。

整流板を浸けられるくらいのシンクの大きさがある場合は、シンクにお湯を張っておくのも良いでしょう。油汚れはお湯でよく落ちます。

関連記事:セスキ炭酸ソーダとは?セスキ水の作り方や効果的な使い方を解説|ミツモア

整流板の掃除手順

整流板の掃除は以下の手順で行います。

  1. 整流板をレンジフードから取り外す(※1)
  2. ひどい汚れやほこりが付着している場合は、先に乾いた布で取り除く(※2)
  3. そのあと、セスキ炭酸ソーダ水をスプレー容器に入れて整流板に吹き付ける
  4. 浮いた油汚れを水で洗い流すか、濡らした布で拭き取る
  5. 乾いた布で水気を拭き取る

(※1)整流板は製品によって外し方が異なりますので、実物や取扱説明書を見て確認しましょう。前方がネジで留められたタイプや、側面にストッパーが付いたタイプなどがあります。

(※2)レンジフードにぶら下げたままの掃除は、落下してケガをする危険があるため避けましょう。

一緒に内部の換気扇も掃除しよう

整流板を取り外したついでに、余裕があればレンジフード内部や換気扇の部分も掃除してしまうと楽です。部品を取り外して分解し、以下の手順でつけおき洗いをするのがおすすめです。

  1. 金属フィルターを取り外す
  2. 換気扇を取り外して分解する
  3. アルカリ性洗剤やオキシクリーンを溶かしたお湯に2時間ほどつけおきする
  4. ブラシやスポンジで残った汚れをこすり、水ですすぐ
  5. 乾燥させてから再度取り付ける

詳しい掃除方法については以下の記事を参考にしてみてください。

関連記事:レンジフードの掃除は意外と簡単?取り外し方も徹底解説|ミツモア

整流板の汚れ防止にはラップが有効?

整流板は油を含んだ煙に直接ふれるので、どうしてもすぐギトギトに汚れてしまいますよね。

毎回掃除をして油汚れを落とすのが面倒な人は、「ラップ」を使って汚れの予防掃除をしておく手があります。

あらかじめ整流板の裏側にラップを敷いておけば、整流板本体に付着する油汚れが格段に減り、定期的にラップを交換するだけで簡単に掃除ができます。

整流板+レンジフードフィルターでお手入れも楽々

整流板が油汚れや煙をキャッチしてくれるのであれば、フィルターを付けなくても良いように感じるかもしれません。

実際は、整流板にプラスしてレンジフードフィルターを取り付けることで、お手入れが格段に楽になります。

フィルターがあればレンジフードの掃除が楽になる

フィルターを付けておけば、ほとんどの油汚れが内部に入り込む前にガードされるので、内部の換気扇は数か月に1回くらいのペースで掃除すれば済みます。

レンジフードにフィルターを取り付けないと、換気扇が空気を取り込む際に内部まで油汚れが侵入してしまい、汚れを落とすのが大変になってしまいます。

フィルターの弱点は整流板で補うことが可能

フィルターを付けると、換気扇のみの状態よりも排気の吸引量が落ちてしまうという弱点もあります。しかし整流板がついたレンジフードなら一定の吸引力があるので、フィルターによる換気効率の低下はそこまで問題ないでしょう。

整流板のついたレンジフードにプラスでフィルターを使うことで、掃除の手間を減らして快適にキッチンの換気ができます。

レンジフィルターの役割と種類

フィルターの役割は、レンジフード内部に油が浸入するのを防ぐことです。レンジフィルターには、大きく分けて次の3種類があります。

金属フィルター

レンジフードに元からついていることの多い、備え付けフィルター。

汚れがたまったら洗って再度取り付けます。放置していると汚れが落ちにくくなるので、定期的にお手入れをしなければなりません。

ガラス繊維フィルター

備え付けの金属フィルターを外して代わりに取り付けるフィルター。2~3か月に1回交換する使い捨てタイプです。

ガラスを繊維状にしたもので、目が細かいため油の浸入を防ぐ効果が高い一方、他の種類と比べると通気性はやや劣ります。不燃性なので引火しにくいです。

不織布フィルター

金属フィルターの上に被せて使う使い捨てフィルター。2週間~1か月に1回程度の交換が必要です。

こまめな交換が必要ですが、安価100均やドラッグストアで簡単に入手できるのが魅力。取り付けも簡単なので、手軽に取り入れられます。

おすすめの使い捨てフィルター

不織布タイプとガラス繊維タイプの使い捨てフィルターを1つずつ紹介します。

【不織布】東洋アルミ/整流板付専用パッと貼るだけスーパーフィルター

整流板の上からおおうように貼るタイプの不織布フィルター。整流板を取り外す手間もなく、かなりラクに取り付け・取り外しができます。

ミシン目がついていて、自宅のレンジフードのサイズに合わせて切り取るのもかんたんです。

フィルターが汚れてくると交換時期を示す模様が浮かび上がってくるので、管理もしやすいです。

【ガラス繊維】スターフィルター/換気扇フィルター

備え付けの金属フィルターを外して取り替えて使うタイプのガラス繊維フィルター。交換時期の目安は2~3か月に1回です。

換気扇が汚れにくくなるだけでなく、金属フィルターを洗う手間もなくなるので、かなりお手入れが楽になるでしょう。油煙の除去率も不織布フィルターより高いといわれています。

不織布フィルターよりもお値段は高いですが、使用期間は長いので、コストパフォーマンスも良いです。

整流板は後付けできる?

レンジフードをチェックする業者

整流板はレンジフードとセットが基本

自宅のレンジフードに整流板がついていない場合、後付けできないのか気になるかもしれません。

基本的に整流板はレンジフードと一体になっており、整流板を取り付けたい場合はレンジフードごと交換となるパターンが多いです。換気扇・レンジフード取り付けの専門業者に交換を依頼してみましょう。

住んでいる家が賃貸物件の場合は、自己判断で設備の交換をすることはできません。どうしても交換したい場合は大家さんや管理会社に相談してみましょう。

レンジフードの交換にかかる費用

レンジフードの交換にかかる費用の目安は、本体価格と工事費を合わせて57,000~170,000円程度です。換気扇の性能や取り付け場所の状況によって、金額が大きく変わります。

細かい費用相場の解説や業者の選び方については、以下の記事も参考にしてみてください。

関連記事:台所の換気扇交換の費用相場!交換の依頼先や安く頼むコツも解説|ミツモア

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