会計ソフトは、企業の財務管理に欠かせないツールです。取引の記録、財務諸表の作成、税務申告などの業務を効率化し、経理業務の負担を大幅に軽減します。
最終更新日: 2024年04月19日
本記事では、会計ソフトの基本的な機能や種類、選び方のポイントについて、初心者向けにわかりやすく解説します。会計ソフトを導入することで、経理業務の生産性向上と経営判断の迅速化を実現しましょう。
会計ソフトとは
会計ソフトとは、会計や財務業務を電子上で処理および集計、管理できるツールのことです。帳簿や決算書作成(個人事業主であれば確定申告書作成)を中心とした、会計業務全般の処理に対応しています。
手作業での記入や転記が必要な紙やエクセルでの帳簿作成では、常に計算や転記ミスの危険性がとなり合わせです。しかし会計ソフトを利用すれば、これらの処理の大部分が自動化できます。
ソフトの中には金融機関のデータを連携し、自動で帳簿作成できる機能が付いているものもあります。自動連携機能があれば、もはや入力作業すらほとんど不要になります。
会計ソフトの導入によって、会計業務全般の効率化とミスの極小化が実現可能です。
近年顕著な会計ソフトの導入理由
多くの企業が会計ソフトの導入を進めている背景には「業務効率化」以外にも下記の目的があります。
- リモートワークに対応するため
- ペーパーレス化を進めるため
- 「電子帳簿保存法」に対応するため
近年ではPCがあればどこでも作業ができる、クラウド型の会計ソフトが急速にシェアを伸ばしています。
働き方改革の推進によるリモートワークの増加や電子帳簿保存法への対応策として、会計ソフトは企業にとって欠かせないツールになりつつあります。
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会計ソフトでできること（主な機能）
会計ソフトで使用できる機能を具体的に見ていきましょう。細かな機能はたくさんありますが、大きく分けると以下3種類の機能が使用できます。
- 財務会計機能
- 管理会計機能
- その他の機能
それではそれぞれの機能の詳細を見ていきましょう。
財務会計機能
会計ソフトにとってメインとなる機能であり、決算書や確定申告書など社外へ提示する財務情報を管理する機能です。主に会計・経理担当者が利用する機能が中心となっています。具体的な機能の内容は以下のとおりです。
- 帳簿付け(仕訳伝票・現金出納帳・総勘定元帳の作成)
- 決算資料の作成・出力(法人用)
- 確定申告書類の作成・出力(個人事業主用)
- 証憑保存
帳簿付け機能には、テンプレート呼び出しや入力内容をAIで自動仕訳してくれる機能が付属しています。ミスを徹底的に減らせるようになっているのです。
クラウド型会計ソフトであれば、外部データの自動連携機能でより帳簿付けが簡単になります。
ネット口座やクレジットカード・POSレジの情報を同期することで、自動的に帳簿に取り込むことも可能。
使用者が行うことは「自動連携された取引内容を確認するだけ」なので、簿記初心者でも簡単に扱えます。
決算書や確定申告書の作成も、非常にシンプルな操作で完了します。日々帳簿付けを行っていれば、表示された項目に従って選択肢を選んでいくだけで大丈夫です。
管理会計機能
管理会計機能は、事業の会計情報を社内のために利用する目的のものです。会計情報をデータ化して出力する機能などが含まれ、経営計画の策定やリアルタイムでの経営状況の把握などに利用できます。主に経営者やマネジメント層などが利用するための機能です。
- 経営レポート集計・出力
- 予実管理
- 資金繰り管理
ソフトによっても異なりますが「損益分岐点分析」「キャッシュフロー分析」など、様々な経営指標に基づいた分析機能がワンクリックで出力できます。「部門設定」機能を使えば、各部門ごとの会計情報も瞬時に集計・分析が可能です。
その他の機能
ソフトによって様々な便利機能・バックオフィス業務効率化機能が付属されています。
- 請求書の作成・送付
- 人事労務機能
- 承認申請機能
- 他のバックオフィスソフトとの連携機能
クラウド型ソフトに多いのが外部ソフトとの連携機能です。勤怠・ワークフロー・販売管理などの外部ソフトと連携し、会計データと連動させることができます。それぞれを起動して処理する必要がなくなるため、バックオフィス業務全般の効率化にもつながります。
会計ソフト導入のメリット
会計ソフト導入のメリットを紹介します。
日常的な記帳や仕訳の作業を効率化・自動化できる
会計ソフトなら、時間や労力のかかる日常的な会計作業を効率化できます。
近年はAIによる仕訳機能の精度が高くなったため、ほとんどの業務を自動的に処理できるようになりました。
たとえば領収書や請求書などを読み取って、勘定科目や金額を自動的に入力できます。過去の仕訳履歴や業界の慣習などを 参考にして、最適な仕訳を提案できる機能もあり、自分で仕訳を考えたり入力したりする必要がありません。
ほかにも金融機関やクレジットカードなどのWebサービスと連携すれば、入出金や支払いなどの取引記録が自動的に反映されるため、手動で入力する作業を大幅に削減できます。
電子帳簿保存法やインボイス、税制改正に対応できる
最新の法令改正や税制改正にともなって更新される会計ソフトは、法令や制度の変更に気を配る必要がありません。
電子帳簿保存法やインボイス制度、税制改正など、会計に関する法律や制度は毎年変化しています。しかし会計ソフトを導入すれば消費税の申告や納付方法、経費の上限額や控除率が変わったときにすばやく対応できます。
また電子帳簿保存法に対応して電子化した領収書の保存をしたり、インボイス制度に対応して登 録番号を管理したりと、日々の業務に役立つ機能も揃っています。
各種書類の出力がスムーズ
多くの会計ソフトは、毎年おこなわなければならない各種申告に必要な書類をすぐに作成できる機能が備わっています。法人の決算書や個人事業主の確定申告書、所得税計算書など各種の書類を自動的に作成できるため、業務の負担が軽減されます。
決算書作成から法人税等の申告書作成、電子申告までワンスト ップでおこなえる会計ソフトもあり、決算処理の手間が大幅に削減できるのも魅力です。個人事業主もオンラインで確定申告の準備からe-TAXの申告まで可能で、電子申告の場合は55万円の控除が65万円になるため、大きなメリットです。
財務状況をすばやく把握できる
会計ソフトは、特定の取引先に絞った取引状況や、部門ごとの状況など、さまざまなデータの出力が可能です。
企業の財務状況がすぐにわかるため、経営判断に必要なデータがすばやく確認できます。
大手企業の場合、会計システムとして基幹システムに組み込まれていることが多く、大規模な事業のすばやい経 営判断を支える一要素となっています。
以下の記事では、おすすめの会計ソフトを一挙紹介しています。製品の機能や特徴について徹底比較していますので、ぜひ製品選びにお役立てください。
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