エアコンは正常に運転しているとき、内部で発生した水滴を室外に排出しています。しかし排水不良などが起こると、室内に水漏れしてしまうのです。
エアコンの水漏れ原因がドレンホースの詰まりであれば、比較的カンタンに自分で対処することが可能です。またエアコン内部の汚れが原因になっていることもあるので、掃除するだけで改善できることもあります。
この記事で原因ごとの対処法を紹介します。
見出し
- 1 エアコンから水が出る理由とは?
- 2 水漏れが発生しやすい箇所とは?
- 3 【1】ドレンホースの排水不良・設置不良時の対処法
- 4 【2】エアコン内部の汚れが原因のときの対処法
- 5 【3】エアコンの使い方や設定を変えてみる対処法
- 6 【4】エアコン設置環境に原因がある場合の対処法
- 7 【5】エアコン部品の劣化が原因のときの対処法
- 8 【6】暖房時に室外機から水が出る原因とは?
- 9 エアコン(室内機)が水漏れしたときの応急処置の方法
- 10 水漏れが対処できないときはプロのエアコン修理業者に依頼しよう
- 11 賃貸物件のエアコン水漏れの修理費用は誰が負担?
- 12 エアコンの水漏れを放置することによる悪影響
- 13 水漏れの予防はプロのエアコンクリーニング業者に対処してもらう
- 14 ミツモアでエアコン修理業者の無料見積もりができます
エアコンから水が出る理由とは?
冷房や除湿運転時、エアコン内部の熱交換器(フィン)によって空気が急激に冷やされます。
空気中にある水蒸気が冷えた熱交換機(フィン)に付着することで水に変化(結露)します。この水がエアコン内部発生する水の正体です。(冷たいグラスに水滴が付く現象と同様です)
エアコン内部で発生した水は通常「ドレンパン」という受け皿に落ちて、ドレンホースという排水管を通って室外に排出されます。
しかしなんらかの原因で排水がうまくいかないと室内機に水が漏れてきてしまうのです。
おもに以下のような原因が考えられます。
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「ドレンホースの排水不良・設置不良」が多くみられる原因ですが、自分で直すことができるかもしれません。
ほかにもエアコンの使い方を見直す、フィルターやドレンホースを掃除することで改善したりするケースもあります。
まずはドレンホースから排水されているか確認
エアコンから水漏れしたときは、まず室外機のそばにあるドレンホース先端を見て、排水されているか確認しましょう。
- 排水できていない:ドレンホースに原因の可能性がある
⇒自分で対処できる可能性がある - 排水できている:エアコン内部、設置環境などが原因の可能性がある
⇒自分で対処できる可能性がありますが、エアコンが故障している原因もあるので要注意
排水できていない場合は、エアコン内部のドレンパン(受け皿)からドレンホースまでの排水経路のどこかで水が止まっています。詰まりがないか確認してみましょう。
排水がある場合は、エアコン内部や設置環境に水漏れの原因があります。
エアコン自体が故障している可能性もありますので、汚れの掃除したり、部品の劣化を確認したりして、念入りに確認してみましょう。
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水漏れが発生しやすい箇所とは?
原因がどこにあるのか分からないという方は、「どこから(場所)どのように水漏れしているか」を正確に把握していきましょう。よくみられる箇所について解説します。
①吹き出し口の一部からポタポタ水漏れする
エアコンの吹き出し口から水がポタポタと落ちるときは、おもに排水不良が原因だと考えられます。
ドレンパンは細長い受け皿のような形をしていて、片側はドレンホースという排水管につながっています。エアコンの配管が右から出ていれば右側、左から出ていれば左側が接続部です。
ドレンホース周辺が詰まることで、受け皿の水が溜まりすぎてあふれて水漏れしてしまいます。
珍しいケースとして、冷媒ガスが不足することでポタポタ水漏れすることもあります。
原因特定の判断が難しいため、プロのエアコン修理業者に点検してもらいましょう。
②吹き出し口全体に水滴がついている
エアコンから水漏れしているときは、エアコン内部から水が出ているのか、それとも吹き出し口にたくさん水滴がついて落ちているのかを確認しましょう。
吹き出し口にポタポタと水が落ちている場合、フィルターや熱交換器(フィン)の汚れ、設定温度、風の当たり方などに原因があります。
③エアコンの風から水が飛んでくる
エアコンから水が飛んでくるときは内部や吹き出し口(ルーバー)、ドレンパンから水が飛んでいると考えられます。
上述した①②の原因で水漏れが起こり、かつエアコンの風の強さによって水が飛ばされている状態です。
排水不良や設置不良、エアコンの使い方に問題がある可能性があるので確認して対処しましょう。
④エアコン背面から水漏れしている
エアコン背面から水漏れしているときは、ドレンパン(受け皿)とドレンホースの接続部が緩んでいるかもしれません。
この場合はエアコンを分解しないと取り付け直すことができないので、プロのエアコン修理業者に修理を依頼しましょう。
雨が降っているときだけエアコンの背面が水濡れするようであれば、配管穴(スリーブ穴)の隙間から雨漏りしているというケースもあります。
配管穴を埋めなおすか、プロのエアコン修理業者に雨漏り調査をしてもらいましょう。
関連記事:雨漏りの修理にかかる費用相場は?保険についてや業者の選び方も解説 | ミツモア |
⑤室外機から水漏れしている
暖房運転中に室外機から水が出てくるのは故障や不調ではありません。正常に運転している可能性が高いでしょう。
室外機の熱交換器(フィン)に氷が付くため、エアコンは自動で「霜取り運転」をします。そして溶けた氷が水となり室外機から出る仕組みです。
もし冷房運転中に大量に水が発生している場合は、エアコン修理業者に依頼をしましょう。
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【参考】メーカーが提供する水漏れに関する情報まとめ
メーカーはホームページで水漏れなどの故障時の情報を掲載していますので、参考にしてみてください。
【1】ドレンホースの排水不良・設置不良時の対処法
エアコンが水漏れする原因は、約8割がドレンホースの排水不良によるものと言われています。
まずは冷房・除湿の使用中にドレンホースの排水口を見て、正常に水が出ているかどうかを確認しましょう。
ドレンホースから水が出ていなければ、排水不良や設置不良かもしれません。
原因別に対処法を紹介します。
【原因①】ドレンホースにゴミやドロなどが詰まる、冬場に凍結している
ドレンホース内部にゴミやドロなどが詰まっていると、排水できなかった水が逆流して室内機から漏れてきます。パイプクリーナーや掃除機を使って、詰まりの原因を除去しましょう。
関連記事:エアコンのドレンホースとは?掃除方法から交換方法まで徹底解説 | ミツモア |
【対処法(1)】専用のパイプクリーナーを使う
ドレンホース用のパイプクリーナーを使って、ホース内で詰まっている虫の死骸や落ち葉などのゴミを吸引しましょう。1,000~2,000円前後で購入できます。
詰まりの原因が出てきた瞬間に、汚れた水がホースから排出されることがあるので、服や靴に汚水がかからないように気を付けてください。
【パイプクリーナーの使い方】
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【対処法(2)】掃除機で詰まりの原因を吸い取る
専用クリーナーを購入するのは面倒、という方はまず掃除機で詰まりを吸い取れないか試してみましょう。
【掃除機で詰まり除去する方法】
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詰まりが取れた瞬間に水が出てくると、掃除機が水を吸い込んでしまい故障の原因になります。一気に吸い込むのではなく、こまめにスイッチをオンオフしながら、少しずつ吸引しましょう。
もしくはエアコンを2~3日運転させずに、ドレンホース内部が乾いた状態で吸引しましょう。
【対処法(3)】凍結はお湯で溶かす、寒冷地用エアコンを検討する
冬場に詰まりがみられる場合、ホース内が凍結している可能性があります。温暖なエリアから寒冷地に引越してエアコンをそのまま使う場合に起こる可能性があります。
お湯で溶かして使用できれば問題ないのですが、頻繁に凍結が発生してしまう場合、寒冷地用エアコンの買い替えを検討する必要があるでしょう。
【原因②】ドレンホースの排水口が跳ね上がっている、波打っている
ドレンホースが地面に着くほど長く伸びている場合は、排水口の近くが跳ねあがったり、波打っている状態で水が溜まっているかもしれません。
短くしても問題ない場合はハサミやカッターで切りましょう。
ドレンホースの理想的な形は、地面に対して垂直にまっすぐ伸びていて、地面から5cm程度離れるようカットしてある状態です。
先端が曲がっていなくても、途中で上に向いている部分やたるんでいる部分に水が溜まることもあるので、まっすぐに設置されているか確認してみてください。
排水口の近くまでドレンホースを伸ばしたい場合は、きちんと水が流れるように傾斜をつけて、地面に固定しましょう。
上画像のようなドレンホース跳ね上げ防止キャップを使うと、簡単に地面に固定できます。ネットショップやホームセンターなどで購入できるので探してみましょう。
【原因③】ドレンホースの先端がふさがっている、つぶれてしまっている、水に浸っている
ドレンホースの先端がふさがってしまったり、つぶれていると排水口から水が出ずに詰まって、水漏れの原因となります。
室外機の近くに植木鉢などがある場合などドレンホースの先端が踏んでつぶれていないか、土に埋もれて詰まっていないか確認してみてください。
またドレンホースが水たまりに浸っていると水圧がかかってしまい、内部が詰まっていなくても排水できなくなってしまいます。
【原因④】ドレンホースが逆勾配に持ち上がっている
新築物件のエアコンや、買い替え直後のエアコンに多くみられるケースです。
ドレンホースが外に出る部分が逆勾配になってしまうと、水漏れの原因になります。エアコン内部の排水はポンプなどを使っているわけではなく、水が上から下へ流れていく仕組みです。
そのため配管が室外に向かって緩やかに下がっていないと、うまく排水できません。
配管の勾配を調整しながら設置しなおすには、配管穴を調整したり銅管を動かしたりする必要があるので、エアコンを取り付けた業者に連絡して修理を依頼しましょう。保証期間内であれば無料で対処してもらうことができます。
【原因⑤】ドレンホースが室内機の左側から配管されている
室内機の右側からドレンホースが配管されているのが基本です。左側から配管されている場合、エアコン室内機の裏側をドレンホースを通し、外へつながっています。
室内機の裏側を通るドレンホースは勾配が取りずらかったり、緩んで波打つことでゴミや水が溜まりがちです。
結果、水漏れの原因となります。勾配を設置しなおすことになるので、エアコンを取り付けた業者に連絡して修理を依頼しましょう。
【2】エアコン内部の汚れが原因のときの対処法
エアコン内部にホコリや汚れがたまることで通常よりも結露で発生する水が増え、水漏れの原因となる可能性があります。水漏れしやすい箇所別に紹介します。
関連記事:自分でできる簡単エアコン掃除!掃除箇所や手順詳細を解説 | ミツモア |
【原因⑥】フィルターが汚れている
エアコンのフィルターにホコリが溜まりすぎて目詰まりすると、空気の通りが悪くなります。
そのため冷房使用中の冷えた空気がこもって、エアコン内部に結露が発生しやすくなるのです。
この場合、大きな水滴となって吹き出し口のあたりに水がたまって、ポタポタと落ちるケースが多いでしょう。フィルターが汚れていたら、まずは掃除してみましょう。
【フィルター掃除の手順】
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関連記事:エアコンフィルターは水洗い!5ステップで簡単掃除、油汚れには洗剤で対処 | ミツモア |
【原因⑦】熱交換器(フィン)が汚れている
熱交換器(フィン)は、エアコンフィルター奥にあるアルミが何層にも並んだ部品のことです。
熱交換器(フィン)はエアコンの風の温度を調整しているので、冷房や除湿をしているときにはとても冷たくなっています。エアコン内部で結露が発生するのも熱交換器(フィン)部分です。
ゴミや汚れがたまることで水滴の向きがそれてしまい、ドレンパンが受けきれなかった水が漏れてしまう可能性があす。
熱交換器(フィン)に付着する汚れは、フィルターを通り抜けた小さなホコリやチリです。
奥までしっかり洗浄しないと除去できないので、プロのエアコンクリーニングを依頼して対処してもらいましょう。
エアコン専用の掃除スプレーを使って自分で掃除することもできますが、エアコン内部が隅々までキレイになるわけではありません。
洗剤が残ることでカビ発生する要因となり、結果として水漏れがひどくなったりする場合もあるので注意しましょう。
関連記事:エアコン掃除スプレーおすすめ10選と使い方を解説!選び方や、逆効果になるリスクも紹介 | ミツモア |
【原因⑧】ドレンパンが汚れている
ドレンパンは結露で発生した水を受け止め続けているので、カビや汚れが溜まりやすい場所です。汚れがひどすぎると排水を妨げてしまう可能性もあります。
水をドレンホースまで届けられず、途中でそれた水がエアコンから漏れてくるかもしれません。これを防ぐにはドレンパンをキレイにする必要があります。
ドレンパン掃除を自分でおこなうと故障や破損の恐れがありますので、プロのエアコンクリーニング業者に依頼してください。
関連記事:エアコンのドレンパンとは?汚れを放置するデメリットと掃除方法 | ミツモア |
【3】エアコンの使い方や設定を変えてみる対処法
「設定温度が過度に低すぎる」などなんらかの使い方でも原因によって、通常よりも結露が発生してしまいます。
エアコンの使い方や設定を工夫して、水漏れが改善するかどうか確認してみましょう。
【原因⑨】冷房の設定温度が低すぎる
冷房の設定温度を16~19℃などの低すぎる設定しているなど、水蒸気が水になる温度(露点温度)になり結露が発生しやすくなります。
冷房の設定温度はあくまで適温を意識して、涼しい服装をしたり室内の日よけ対策して工夫をしましょう。
関連記事:エアコンの設定温度の目安は?夏も冬も快適に過ごすためのポイント | ミツモア |
【原因⑩】窓やドアを開けっ放しにしている
「室内温度や湿度が下がらない」というケースでも運転パワーが落ちず、結露してしまう可能性があります。
窓やドアを開けっ放しにした状態だと、室内に暑い空気が流れ続けます。いつまでも部屋が設定温度に達することができず、エアコンが長時間最大パワーで稼働を続けてしまうことになります。
部屋の換気は大切なので10~15分程度にして、窓やドアは閉めましょう。
【原因⑪】部屋の大きさとエアコンが適していない
エアコンのキャパシティを超えた使用方法も控えましょう。
エアコンには1台あたりの「畳数の目安」が設定されていて、部屋の広さに見合った能力に設計されています。
2~3部屋を開放してエアコンを使用し続けると結露が発生しやすくなります。負荷がかかりすぎて劣化や故障する要因になりますので注意しましょう。
関連記事:エアコンの寿命は10年、平均的な買い替え時期は13年!寿命の判断基準や故障サインまで解説 | ミツモア |
【原因⑫】冷房をこまめにオン・オフしている
電気代を節約するのためにこまめにオン・オフしている方もいるのではないでしょうか。しかしそれが原因で水漏れしやすくなることがあります。
「内部クリーン機能」をオンにしている場合、冷房を停止したあとに自動で送風・弱暖房が運転します。つまり室温や部屋の湿度が一時的に上がるのです。
そこから短い間隔でもう1回運転すると、通常よりも室温と冷房との気温差が大きい状態になるので運転パワーも強くなる=結露が発生しやすくなります。
夏の日中はつけっぱなし運転の方が電気代が安くなるケースもあります。エアコンの節約方法について以下の記事を参考にしてみてください。
関連記事:エアコンの電気代を賢く節約しよう!使い方のコツや併用アイテムを紹介 | ミツモア |
【原因⑫】吹き出し口(ルーバー)に冷風が当たりすぎている
吹き出し口(ルーバー)に冷たい風が当たりすぎると、周囲の水蒸気が冷やされて結露が発生します。
水滴がポツポツと付着して、エアコンの風で水が飛んだり下に落ちたりします。とくに運転開始時はエアコンがフルパワーで稼働するので、吹き出し口(ルーバー)も急激に冷やされます。
吹き出し口を上向きにすれば冷風が当たりにくくなるので、水漏れの改善につながります。もしくは風向きを「自動」設定して、動きをつけてみましょう。
【4】エアコン設置環境に原因がある場合の対処法
壁とエアコンとの隙間から水漏れしたりと、設置環境に原因があるケースがあります。取り付け時は問題なくても、あとから設置不良に気づくことも少なくありません。
エアコンを設置してから1年前後の水漏れであれば、設置不良の場合も考えられますのでチェックしてみましょう。
【原因⑬】エアコン本体が傾いている
エアコン設置時には「水準器」という道具を使って、まっすぐ平行になるように設置しなくてはいけません。
しかし傾きがある状態で取り付けてしまうと、結露で発生した水が予定外の方向へ誘導されてしまい、ドレンホースからの排水がうまくいかなくなります。
天井や床に対して平行に見えても、家そのものが傾いている場合もあります。
対処法としては室内機を正しく設置しなおしてもらうよう取りつけを担当した業者に問い合わせてみましょう。設置から1年以内の保証期間内であれば無料で対応してもらえる可能性があります。
【原因⑭】配管の緩みや雨漏り
エアコンの背面から水漏れするときは、ドレンパンとドレンホースとの接続が緩んでしまっているかもしれません。
ドレンホースから排水されるはずの水が緩んだ接続部から漏れてきます。
もしくは雨漏りが原因かもしれません。エアコンの後ろに配管穴がある場合、そのパテの隙間や亀裂から雨が侵入してくることがあります。
雨が直接入ってきていなくても、配管テープに染みた雨水が室内まで入るケースもあります。
また配管テープが外れるなどして銅管がむき出しになっていると、冷媒ガス(冷暖房の熱を送るガス)の冷たさで結露が発生してしまうことも考えられます。
いずれも原因を把握して再設置する必要があるので、エアコン取りつけ業者に依頼しましょう。雨漏りの場合はリフォーム会社などに問い合わせて、「雨漏り調査」を依頼するのもよいでしょう。
【原因⑮】マンションなどの気密性の高さ
マンションなど気密性が高い場所では「気圧」によって水漏れが発生する場合があります。
たとえば窓を閉め切って密閉された状態で、冷房と一緒に換気扇をつけると室内の気圧が下がります。気圧の変化によって水が押し出され、水漏れの原因になるのです。
換気扇の設定を「強」から「弱」に換えたり、窓を数センチだけ開けて風を入れたりすると改善できるかもしれません。
通気口が塞がっているのであれば開けることで密閉性を下げることもできます。
【5】エアコン部品の劣化が原因のときの対処法
エアコンは長期にわたり使う家電なので、当然不調や劣化も出てきます。
長年利用している際、水漏れする原因としては、冷媒ガス漏れや熱交換器(フィン)の劣化などが考えられます。
【原因⑯】冷媒ガスの漏れ・不足
冷媒ガス(フロンガス)とは、室内から取り込んだ空気の熱を運ぶガスのことです。室内機と室外機を、銅管を通って循環しています。
銅管が劣化したり破損したりすると、その部分から冷媒ガスが漏れているかもしれません。
冷媒ガスが漏れると熱交換器(フィン)が正常に冷えなくなり、一部分に水が偏り水漏れが起こりやすくなります。
ちなみに冷媒ガスが不足することで熱交換の効率が悪くなるので、冷房・暖房の効きが悪くなるのも特徴です。
「エアコンの効きが悪いうえ水漏れもしている」という場合、冷媒ガス不足になっているかもしれません。
ガス漏れ・ガス不足の原因を把握するには専門知識が必要です。補充作業も難易度が高いので、プロのエアコン修理業者に依頼して調査しましょう。
関連記事:エアコンの冷媒ガスを補充・チャージする方法と、必要かどうかチェックするポイント | ミツモア |
【原因⑰】熱交換器(フィン)、ドレンパンの部品が破損、故障している
熱交換器(フィン)などの部品が劣化・故障している可能性も考えられます。
熱交換器(フィン)、ドレンパンが破損している場合、結露が生じやすかったり、うまく排水されなかったりします。
修理を依頼する、もしくは10年以上使用している場合、新しいエアコンの買い替えを検討しましょう。
また熱交換器(フィン)はアルミ製の細い板なので、少し力をくわえただけで簡単に変形してしまいます。
自分で掃除をしているときに気づかず変形させてしまい、結露で発生した水をうまく流せなくなることで水漏れの原因になっているかもしれません。
エアコンの内部部品を修理するには、メーカーに問い合わせるか、プロのエアコン修理業者に点検してもらいましょう。
関連記事:エアコン修理の費用相場、故障箇所・症状ごとに解説 | ミツモア |
【6】暖房時に室外機から水が出る原因とは?
暖房運転時に室外機から水が出て「水漏れしている?故障?」と心配になった経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか。エアコンの正常な動作である可能性が高いです。
室外機内にも熱交換器(フィン)があります。冬になると室外機にある熱交換器(フィン)で発生した水が凍って霜が付きます。
霜を溶かすために自動「霜取り運転」が始まり溶けた霜が水や湯気となって室外機から排出されます。
冷房使用中に室外機から水漏れしているように見えたら、ドレンホースからの正常な排水である可能性が高いです。もしくは雨天時にたまった雨水が、なにかの拍子に室外機から出てきている可能性もあります。
大量の水漏れが出ていないのであれば、正常運転の可能性が高いといえるでしょう。
【原因⑱】室外機から大量の水が発生
例外的に冷房を停止後に大量に水漏れしている、暖房中に大量に水漏れが発生している場合があります。
冷媒ガス漏れ・不足、室外機の故障も考えられますので、修理業者へ相談してみましょう。
エアコン(室内機)が水漏れしたときの応急処置の方法
エアコンの水漏れが発生した場合は、周辺が汚れてしまわないように簡単な応急処置をしましょう。
【応急処置の手順】
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まずはこれ以上の水漏れを防ぐためにも、エアコンの運転を止めます。
電源をオフにしたら、感電を防ぐためにコンセントから電源プラグを抜きましょう。
またこのときコンセントや電源プラグが濡れている状態だと、感電するおれそがあります。周辺に水気を感じたら、触らずにブレーカーを落として対処してください。
周辺の家具を動かして水濡れを防ぎ、すでに濡れてしまった場所があるときはあらかじめ拭いておきます。
応急処置がひと通りできたら、水漏れしている場所にあわせた対策を取っていきましょう。
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水漏れが対処できないときはプロのエアコン修理業者に依頼しよう
部品の故障や、配管内に隠れた部分の破損などは自分で対処できません。その場合はプロのエアコン修理業者に点検・修理を依頼しましょう。
効率的に修理を進めるためには「いつ・どういう状況で、どのくらいの水が、どこから漏れていたのか」といった水漏れしたときの情報をメモしておき、事前に伝えておけるようにしましょう。
水漏れ修理の費用相場は?
ドレンホースの排水不良など比較的カンタンに直せるものであれば、費用相場は7,000~15,000円です。
しかしオフィスや飲食店などに多い天井埋め込みタイプや、自動お掃除機能がついたエアコンなどは、一般的な家庭用エアコン(自動お掃除機能なし)よりも複雑な構造のため、相場よりも10,000円以上高くなるケースがあります。
配管を丸ごと取り換えたり、室外機内部の故障が原因だったりする場合は、費用がさらに高額になることも。
故障した部品によっては10万円を超える可能性もあるので、その場合はエアコンの買い替えを検討したほうがお得になるでしょう。
賃貸物件のエアコン水漏れの修理費用は誰が負担?
賃貸物件の場合「修理費用は誰が負担するのか」という疑問をもつ方も多いのではないでしょうか。
事前に設置してあるエアコンは一般的に大家さんや管理会社が負担
事前にエアコンが設置されていた賃貸住宅の場合、大家さんや管理会社の管理不足により水漏れが発生している可能性があります。
修理費用は大家さんや管理会社側の負担になることが多いです。
一方自分で設置したエアコンの場合は自身の所有物であるため、自身で負担するのが一般的です。
入居時の契約によって負担者が変わってくる場合もあるので、水漏れが発生した時点で大家さんや管理会社に連絡を入れましょう。
以下の記事で詳しく説明しているので参考にしてみてください。
関連記事:賃貸物件のエアコンクリーニングは大家に相談すべき?費用負担してくれるかも|ミツモア |
エアコンの水漏れを放置することによる悪影響
水漏れをそのまま放置すると、次のような悪影響を及ぼします。
- 壁や床に水跡やシミができる
- 壁内部が腐る
- 漏電して火災の可能性
表面部分の壁や床にシミができてしまうのはもちろん、壁の内側部分まで水分が染み込んで腐ってしまうことも。また電気系統から漏電して、最悪の場合は火災につながるおそれもあります。
エアコン以外にも悪影響が及ぶ前に、掃除や修理などの対策を取ることが大切です。
水漏れの予防はプロのエアコンクリーニング業者に対処してもらう
水漏れによるトラブルが起こらないよう予防策としては、定期的なエアコン掃除が大切です。
水漏れの原因を取り除き、安心してエアコンが使える環境を整えましょう。
1~2年に1回はプロの業者に依頼する、故障や不調がでたらすぐに修理業者に相談する
今回紹介したように、エアコンが水漏れする原因のひとつとして「エアコン内部の汚れ」が挙げられます。
1~2週間に1度は自分でフィルター掃除を行い、1~2年に1回はプロのエアコンクリーニング業者に依頼するとよいでしょう。
ドレンホースも室外機と合わせて、半年~1年に1度のペースで掃除しましょう。
「自分で掃除するのは面倒」「もう何年もエアコンを掃除していない」という場合は、1度プロの業者によるエアコンクリーニングを検討しましょう。
関連記事:エアコン掃除の頻度は2週に1回、クリーニングの頻度は2年に1回が理想 | ミツモア |
プロのエアコンクリーニング業者を依頼した場合の料金相場
プロにエアコンクリーニングを依頼したとき、壁掛けエアコン(お掃除機能なし)は8,000~12,000円が料金相場です。
お掃除機能付き(壁掛けタイプ)の場合の相場は13,000~18,000円です。
「ドレンパンまで分解してほしい」という方は、ドレンパンの分配が可能かどうか確認を行いましょう。
完全分解洗浄の場合、壁掛けエアコンは20,000~35,000円、お掃除機能付きエアコン(壁掛けタイプ)は25,000~40,000円が相場となります。
消臭抗菌コートもオプションで付ければ、カビ予防効果があるので、健康被害のトラブルを避けることにもつながるでしょう。
関連記事:エアコンクリーニングの料金相場は? | ミツモア |
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エアコンから水漏れしているのを見つけたとき、どこに修理を依頼すればよいのかわからず困ってしまうかもしれません。
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料金だけでなく、実際に利用した人の口コミも比較できるうえ、実績なども確認することが可能です。スピーディに業者を比較できるので、検討から依頼までの流れがスムーズになるでしょう。